唐辛子 3    100句

誰も来ないととうがらし赤うなる   種田山頭火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
はなやぎを天へ突き出す唐辛子 黒澤登美枝 200911
逆立ちの空の青かり唐辛子 渡部磐空 200911
言はれればすぐ言ひ返し唐辛子 松本美智子 炎環 200911
猪来しを語りつつ干す唐辛子 上原重一 200911
唐辛子日々色づきし農の軒 渡部磐空 200911
日に風に皺深めゆく唐辛子 米山喜久子 200911
没日まだ山の端にあり唐辛子 米山喜久子 200911
野菜畑一点赤き唐辛子 笹田浩朗 200911
杣が家の軒を余さず唐辛子 安斎久英 末黒野 200911
人生の半ばは過ぎし唐がらし 前田美恵子 200912
唐辛子踊り子のごと腰ひねる 田原陽子 200912
くくられてからの泣きぐせ唐辛子 沼田巴字 京鹿子 201001
軒下に炎の束の唐辛子 水原春郎 馬醉木 201001
口中のまさにゲリラや唐辛子 隅田享子 201001
唐辛子覚悟の上の赤さかな 川南隆 ろんど 201001
鶴の湯の陣屋に吊るす唐辛子 竹内悦子 201002
唐辛子とりあへず吊る軒のあり 秋千晴 201002
空の色映れる鷹の爪を干す 定梶じょう あを 201005
詩の芯の襖火のやうに唐辛子 布川直幸 201009
鷹の爪白壁に吊る茶房かな 藤澤陽子 201011
唐辛子マニキュア粧ふ魔女の爪 宮田香 201011
こころざしあるかに曲り唐辛子 山本無蓋 201012
真赤なる色を主張や唐辛子 飯田美千子 201012
路地に干す土の匂ひの唐辛子 笹村政子 六花 201012
他意なくて色の途中の唐辛子 相良牧人 201101
唐がらし己が辛きに身を縮め 大石誠 201101
門前茶屋唐辛子干す勝手口 鈴木浩子 ぐろっけ 201102
侮どりて青唐辛子に泣かさるる 森さち子 201108
この家も唐辛子干す能勢も奥 廣畑忠明 火星 201112
鷹の爪「笑」のスイッチ入ります 中原幸子 船団 201201
跳ね返る干唐辛子蔵の口 塩路隆子 201201
唐辛子渋面険しく干し上がる 呉文宗 春燈 201201
唐辛子怒り覚めても赤きまま 高橋将夫 201202
口答して上向くや唐辛子 和田森早苗 201211
鷹の爪戸口に吊し滅びゆく 森岡正作 201211
関守の畑一畝の唐辛子 須賀允子 万象 201211
出格子の隅に色添ふ唐辛子 宮内とし子 201212
朝市に華と咲きたる鷹の爪 千田敬 201212
吊されて軒に威を張る唐辛子 千田百里 201212
決着をつけて干乾ぶ唐辛子 飯島風花 201301
父情とはたつた一言唐辛子 安田優歌 京鹿子 201301
句ごころを呼びさましたる唐がらし 高田風信子 京鹿子 201301
目の醒むる赤に変身唐辛子 森理和 あを 201301
吊されて怒り爆発鷹の爪 大日向幸江 あを 201301
唐辛子掛け粗壁に日の上々 田岡千章 201301
寂しさを色になしたる鷹の爪 古川忠利 ろんど 201302
唐辛子いちばん痛きところ突く 横内かよこ ぐろっけ 201302
唐辛子魔女の空飛ぶ辛さから 延広禎一 201302
唐辛子赤くなりつつ曲りけり 久世孝雄 やぶれ傘 201302
唐辛子故郷の山へ逆さ吊り 長節子 201302
唐辛子魔女の空飛ぶ心地して 延広禎一 201303
庭隅の渾身の赤唐辛子 三浦澄江 ぐろっけ 201303
唐辛子の赤脳天を直撃す 吉田希望 201311
吊されて楔文字めく唐辛子 飯島風花 201312
祖母の言ふ腹八分目唐辛子 西畑敦子 火星 201312
老い行くは淋しきものよ唐辛子 波田美智子 火星 201312
あをあをと海荒れてゐる唐辛子 戸栗末廣 201401
吊るされてただただ赤き唐辛子 齋藤眉山 末黒野 201401
城壁の下は畑や唐辛子 瀬島洒望 やぶれ傘 201401
すぐ終るつもりの恋や唐辛子 高倉和子 201401
峠路の夕日集めし唐辛子 中田みなみ 201401
唐辛子母屋はいつも閉ざされて 齋藤眉山 末黒野 201401
唐辛子振れば来世の音のする 亀井福恵 京鹿子 201401
唐辛子隅に生きをり真っ赤っか 佐用圭子 201401
唐辛子人の少なき村となり 山田正子 201402
唐辛子いよいよ曲る日和かな 津野洋子 京鹿子 201403
唐辛子干して野の日の手の内に 豊田都峰 京鹿子 201411
畑隅につんつん育つ唐辛子 秋友昌子 雨月 201411
魔女の爪と化すや真つ赤な唐辛子 宮崎裕子 春燈 201501
唐辛子とがつた顔で刻みけり 平野加代子 春燈 201501
火襷の壺に投げ入れ唐辛子 加P伸子 末黒野 201501
唐辛子干され眞赤な嘘をつく 村田岳浄 ろんど 201502
干されゐて気色ばみたる唐辛子 押田裕見子 201502
潮風をうけて色増す唐辛子 谷島弘康 末黒野 201502
辛しからし門前町の唐辛子 宇都宮敦子 201502
まな板の荒野の果てに唐辛子 直江裕子 京鹿子 201504
肘痛の湿布代わりの唐辛子 ねじめ正一 船団 201508
ひとつでも十分辛い唐辛子 八木健 八木健俳句集 201509
旅に干し吊し干しして唐辛子 大崎紀夫 虻の昼 201510
彩尽くし風に細身の唐辛子 藤岡紫水 京鹿子 201511
日の方へねぢれてゐたる唐辛子 山田六甲 六花 201511
軒先に吊す魔除けの唐辛子 田代民子 201511
おのが身の焦がるるほどや唐辛子 円城寺清 201512
軒下の唐辛子射す夕日かな 王岩 あを 201511
縁に干す蕪村生家の唐辛子 橋添やよひ 風土 201512
軒赫々喪の家に干す唐辛子 高野春子 京鹿子 201601
荒壁のくづれに吊られ唐辛子 黒滝志麻子 末黒野 201601
唐辛子近寄り難き赤となる 今橋眞理子 ホトトギス 201602
一人して笑ふことあり唐辛子 沼田巴字 京鹿子 201609
落日の色吸ひつくす唐辛子 能美昌二郎 201611
唐辛子吊つて蕪村の母の里 橋添やよひ 風土 201612
唐辛子観音堂へ十五段 奥田茶々 風土 201612
燃え盛る火のごと辛し唐辛子 外山節子 末黒野 201612
金輪際曲がらぬ形唐辛子 高倉和子 201701
ヒラリーの如し真赤な唐辛子 森なほ子 あを 201701
日を受けて古書肆の軒の唐辛子 石黒興平 末黒野 201703
火襷の壷に投げ入れ唐辛子 加瀬伸子 末黒野 201704
唐辛子の高むる筋力と野性 甲州千草 201711
ひと夏の熱気孕めり唐辛子 古山みどり 万象 201712
唐辛子 →4      

 

2021年9月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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