唐辛子 2    100句

唐辛子一糸まとはず熟れにけり    田川飛旅子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
五六株納屋軒下に唐辛子 山嵜ヤス子 酸漿 200401
秩父路の風透く軒端唐辛子 清水明子 遠嶺 200401
挑発の色となりけり唐辛子 伊藤早苗 200401
唐辛子刻むいよいよ偏頭痛 伊藤早苗 200401
ちりめんの魔除けなるらむ唐辛子 山崎靖子 200402
逆立ちて赤極むるか唐辛子 大橋敦子 雨月 200411
針千本呑みたる顔や唐辛子 遠野萌 200411
どの色になろうか五色唐辛子 高橋将夫 200412
何処にも陥穽のあり鷹の爪 川口襄 遠嶺 200412
激情を秘めからからと唐辛子 岩渕彰 遠嶺 200412
畝の間に夜のいろ残る唐辛子 小林輝子 風土 200412
痩せ畑に赤が異状な鷹の爪 泉田秋硯 200412
唐辛子軒に水上勉の訃 大島翠木 200412
軒高く風のからびぬ唐辛子 佐久間由子 200501
山の日に朱を極めたる鷹の爪 山口マサエ 雲の峰 200501
舌を焼くひとり住まひの唐辛子 浜口高子 火星 200501
補陀落へ続く径なり鷹の爪 篠田たもつ 対岸 200501
吊るされて罵りあつて唐辛子 太田寛郎 200502
唐三彩思はす彩の唐辛子 滝川あい子 雨月 200502
唐辛子干す日遍くクルス山 中尾杏子 200502
淋しくはないと言ひ張る唐辛子 あさなが捷 200502
みすずかる信濃のいろに唐辛子 神蔵器 ぐろっけ 200509
摘みとればルアーにしたき唐辛子 塩出眞一 ぐろっけ 200509
知命など蹴飛ばして過ぎ唐辛子 中村房枝 六花 200510
唐辛子うきうきとして流れゆく 山田六甲 六花 200510
唐辛子小言を三言猫に言ふ 森理和 あを 200510
かの国の血の赤さとも唐辛子 竹内弘子 あを 200511
この家や今年も軒に唐辛子 田中藤穂 あを 200511
遠嶺晴れて渾身の艶唐辛子 安藤しおん 200511
干上げてくの字しの字の唐辛子 芝尚子 あを 200511
去ぬるまでをんなはをんな唐辛子 斉藤裕子 あを 200511
札所寺牛小屋に吊る唐辛子 森山のりこ あを 200511
山川草木轉荒涼蕃椒 佐藤喜孝 あを 200511
七人の小人の帽子唐辛子 木村茂登子 あを 200511
身を粉にしても脇役唐辛子 木村茂登子 あを 200511
秩父路や軒に明るき唐辛子 森山のりこ あを 200511
唐辛子一寸先は見えぬもの 堀内一郎 あを 200511
唐辛子火消の刺子重きこと 森理和 あを 200511
唐辛子激しく辛い外来種 赤座典子 あを 200511
唐辛子喪服通ればなほ赤し 柴田佐知子 200511
どうしても曲る途中の唐辛子 風間史子 200512
唐辛子伽耶は古代の韓の国 森嘉夫 春燈 200512
唐辛子吊し一村黙深し 西口万佐子 200512
唐辛子裏山は黙深めをり 森嘉夫 春燈 200512
みしみしと肥ゆる人をり唐辛子 左官治郎 200601
師の選の頑固さ宜し唐辛子 玉川悠 遠嶺 200601
上空より庭ぢゆうの干し唐辛子 渡辺鮎太 200601
地蔵みな首に下げたる唐辛子 小林優子 酸漿 200601
地蔵尊首に掛けたる唐辛子 大塚洋子 酸漿 200601
唐辛子骨の髄まで乾きをり 高倉和子 200601
唐辛子祭囃子に急かさるる 大塚洋子 酸漿 200601
唐辛子夕日を赤く染めにけり 大串章 百鳥 200601
太平洋の一角に在る唐辛子 竹内弘子 あを 200603
京の裏鬼門の寺の唐辛子 浜口高子 火星 200609
母の荷や茶筒に詰める唐辛子 斉藤裕子 あを 200609
きれいごとだけではすまぬ唐辛子 高橋将夫 200611
唐辛子朝日のあたる愛でたさよ 辻直美 200611
一株に思はぬ嵩の唐辛子 笠井敦子 200612
建て替へはさせぬと軒に唐辛子 伊藤宇太子 200612
出格子に濃き日集める唐辛子 宮内とし子 200612
鷹の爪吊りて世俗を絶つ如し 遠藤白雲子 200612
長ながと待つ事楽し唐辛子 西澤ひで子 遠嶺 200612
唐辛子やせて軒端に逆さ吊り 佐々木よし子 200612
一切の無駄はぶきたし唐辛子 小宮山勇 遠嶺 200701
干す程に輝きのあり唐辛子 篠原普美子 酸漿 200701
知る由もなき前世や鷹の爪 大谷茂 遠嶺 200701
唐辛子血圧計の跳ね上がる 貝森光洋 六花 200702
唐辛子真つ赤や五年生の畑 鈴木朗月 万象 200702
出格子に唐辛子干す廓あと 三澤治子 万象 200703
唐辛子つんつん心替わりして 野村みどり 八千草 200704
火の国の茜に反りし鷹の爪 本多俊子 200711
教典を蔵してをりぬ唐辛子 小澤克己 遠嶺 200711
日々庭の畑に色づく唐辛子 鈴木幾子 酸漿 200711
荒畑の捨て唐辛子朱を極め 谷榮子 雨月 200712
太陽の鷹の爪には依怙贔屓 大橋敦子 雨月 200712
浄瑠璃寺裏稲架干の唐辛子 水谷芳子 雨月 200801
唐辛子いつまで天地逆しまに 水谷芳子 雨月 200801
唐辛子曲りて遠き山河かな 鳥羽夕摩 京鹿子 200801
老ゆるとは父母を恋ふこと唐辛子 高橋道子 200801
鷹の爪目白押しにて天を指し 和田崎増美 雨月 200802
唐辛子花束のごと持ち帰る 田原陽子 200802
たましひを虜にしたる鷹の爪 藤井佐和子 200803
一筋の記憶の道や唐辛子 藤井寿江子 馬醉木 200811
一丁目一番地角唐辛子 笠真木 炎環 200811
山峡は薬研にも似て唐辛子 齊藤實 200811
子へ送る三年坂の唐辛子 中川すみ子 200811
徴兵のある国ない国唐辛子 萩尾亜矢子 炎環 200811
怒りなど遠いむかしよ唐辛子 あさなが捷 200811
風の夜の味噌汁に揉む鷹の爪 朝妻力 雲の峰 200811
からころと晩年が来る鷹の爪 坂本丹荘 遠嶺 200812
逆さ吊りされても色づく唐辛子 黒澤登美枝 200812
大悟いくつ小悟いくつや唐辛子 沼田巴字 京鹿子 200812
唐辛子ほんの些細なことなのに 松山直美 火星 200812
唐辛子赤さが辛さ主張せり 松本圭司 200812
白波の沖より立つる唐辛子 戸栗末廣 火星 200812
人亡くて色濃くしたる唐辛子 服部早苗 200901
今年限りと母よりの唐辛子 あさなが捷 200902
雪沓に入れやう赤き唐辛子 新関一杜 京鹿子 200902
唐辛子ふた袋買ふ十二月 石寒太 炎環 200902
干すほどに鋭さ加へ鷹の爪 森下光江 200903
唐辛子→ 3      

 

2021年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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