作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
事故車輌そのまゝ田にて年を越す | 永野秀峰 | ぐろっけ | 200003 |
年越すや若き日恋ふる涙もて | 林翔 | 沖 | 200102 |
果せざる約束ひとつ年を越す | 品川鈴子 | 船出 | 200104 |
事故車輌放置のままに年を越す | 永野秀峰 | ぐろっけ | 200104 |
年越やトラック車庫に整列し | 福田みさを | いろり | 200202 |
生きのぶることの余儀なき年を越す | 綿谷美那 | 雨月 | 200203 |
石片を宝に持ちて年越せり | 村越化石 | 濱 | 200204 |
コンビニで年越の声聞きにけり | 篠田大佳 | あを | 200301 |
病む姉の一憂持ちて年越えぬ | 岡田和子 | 馬醉木 | 200303 |
シヨベルカー川の底にて年を越す | 上原一郎 | 築港 | 200303 |
いそがしき我が家年を越しにけり | 谷合青洋 | 酸漿 | 200303 |
六日年越みぎれいに欅立つ | 大野英美 | 風土 | 200304 |
子を連れて年越にゆく父の家 | 土田栄 | 朝 | 200304 |
年越の祓ポマード匂ひけり | 大山文子 | 火星 | 200403 |
年越えてなほよき黄なり木守柚子 | 阿部ひろし | 酸漿 | 200403 |
年越の寝息きこえる映画館 | 林裕美子 | 六花 | 200403 |
旅の子の電話受けつつ年を越す | 塩田博久 | 風土 | 200403 |
年を越す失念多々もよしとして | 豊田都峰 | 京鹿子 | 200403 |
図書館を出る年越しの本抱え | 達山丁字 | 苑 | 200404 |
鉄鍋に油なじませ年を越す | 梅村よし子 | 狩 | 200404 |
紙吹雪舞ひ年越の歌果つる | 沼口蓬風 | 河鹿 | 200503 |
暗礁の隠れたるまま年を越す | 高崎武義 | 狩 | 200512 |
年越の豆も食べずに逝きにけり | 竹内悦子 | 槐 | 200601 |
年越しの蒟蒻掘つて母が国 | 淵脇護 | 河鹿 | 200603 |
年越の庭の蜜柑を捥ぎにけり | 中里信司 | 酸漿 | 200603 |
年越しの門灯一つ消しにけり | 重本文子 | 百鳥 | 200604 |
戸袋の中なる闇も年を越す | 若井新一 | 狩 | 200604 |
賽の目の一を表に年越せり | 松本文一郎 | 六花 | 200605 |
水溜り跨ぐが如く年越せり | 尼嵜太一郎 | ぐろっけ | 200606 |
裸木となりて年越す二本かな | 滝沢伊代次 | 万象 | 200612 |
白鷺に年越す枝のありにけり | 深澤鱶 | 火星 | 200703 |
今まさに年越す月と思ひ見る | 青木陽子 | 酸漿 | 200703 |
年越せり片道切符乗り継ぎて | 尼嵜太一郎 | ぐろっけ | 200703 |
特攻の友年越せり二十のまま | 尼嵜太一郎 | ぐろっけ | 200703 |
旧暦のやさしき年を越しにけり | 深澤鱶 | 火星 | 200703 |
文音の付け句留めて年を越す | 品川鈴子 | ぐろっけ | 200801 |
また年を越すまぼろしの瓢箪池 | 池田澄子 | 面 | 200801 |
ぐらぐらの歯の一本と年を越す | 伊藤白潮 | 鴫 | 200802 |
年越ゆる鐘楼へ手を取られけり | 鈴木榮子 | 春燈 | 200803 |
赤き実を残して拘杞の年越せり | 松崎鉄之介 | 濱 | 200803 |
中国医の埋め鍼をして年越せり | 松田邦子 | 濱 | 200803 |
アンコール聞かずに年越の電車 | 倉持梨恵 | 鴫 | 200804 |
病抜けせし身と言はれ年を越す | 泉田秋硯 | 苑 | 200804 |
喪籠りや蓬髪のまま年を越す | 伊藤康子 | ぐろっけ | 200804 |
年越は深大寺蕎麦かぐろきを | 水原春郎 | 馬醉木 | 200902 |
盗難車あはれ空き地に年を越す | 林翔 | 沖 | 200902 |
塾の灯のなほ皓々と年を越す | 窪田粧子 | 馬醉木 | 200903 |
大忘れしたるごとくに年を越す | 野澤あき | 火星 | 200903 |
年越の弥撒や司祭の声低し | 江草礼 | 春燈 | 200904 |
年越しのローカル線に人なくて | 小澤正信 | 峰 | 200904 |
飲み薬減ることもなく年を越す | 伊藤康子 | ぐろっけ | 200904 |
もう死ぬと言ひふらしては年を越し | 瀧青佳 | ホトトギス | 200907 |
年越しの舌よろこばす安酔米 | 布川直幸 | 峰 | 201001 |
年越はきざみ柚子乗すにしんそば | 赤座典子 | あを | 201002 |
年越や大地の音色掃き寄せて | 松原仲子 | 槐 | 201003 |
駅前の牛の電飾年を越し | 仁平則子 | 峰 | 201003 |
子ともめる年越蕎麦のゆで加減 | 前田玲子 | ぐろっけ | 201004 |
年越や眉太き僧紅潮す | 秋千晴 | 空 | 201101 |
年越しの茅の輪にほつれ二た三すじ | 中島霞 | ぐろっけ | 201102 |
年越しそば食べにおいでと妻の声 | 高橋大三 | ぐろっけ | 201103 |
反物のままに年越伊予絣 | 宮﨑高根 | 鴫 | 201104 |
ダウン氏症とは 「永遠の子供」と呼ばれ年越すか |
成瀬櫻桃子 | 櫻桃子選集 | 201105 |
年越しの美酒の香残る朝の水 | 丸山酔宵子 | かさね | 201203 |
何もかも遣り掛けの儘年を越ゆ | 品川鈴子 | ぐろっけ | 201301 |
柿の実も取らで年越す古屋かな | 池内とほる | かさね | 201401 |
ボールペンみな色かすれ年を越す | 藤岡紫水 | 京鹿子 | 201403 |
年越のサーカス小屋の深眠り | 甕秀磨 | 鴫 | 201404 |
重ね持つ病は三つ年を越す | 吉村摂護 | 空 | 201406 |
年越してしまひし二三ありぬべし | 稲畑汀子 | ホトトギス | 201501 |
金柑の回青してや年越ゆる | 瀬川公馨 | 槐 | 201503 |
八ヶ岳年越す夕日とどめけり | 鈴木静恵 | 花こぶし | 201508 |
竜角散のんで年越すこととせむ | 上原重一 | 峰 | 201603 |
古希越えて迎ふる年の下着買ふ | 池田友之 | 夏雲 | 201603 |
座右の銘の「運鈍根」と年を越す | 望月晴美 | 沖 | 201604 |
一掬の個人情報越年す | 木戸渥子 | 京鹿子 | 201604 |
歯の治療つづきのありて年を越す | 稲畑汀子 | ホトトギス | 201612 |
子に先を越され年逝く老二人 | 穐好樹菟男 | 馬醉木 | 201702 |
夕雀合唱曲で年を越す | 高木晶子 | 京鹿子 | 201703 |
箸一膳洗ひながらに年越せり | きくちきみえ | やぶれ傘 | 201703 |
年越しは温泉宿に夢のごと | 石森理和 | あを | 201703 |
年越ゆる五体くるしむこともなく | 須賀敏子 | あを | 201703 |
何ひとつ変はることなく年を越す | 今井千鶴子 | ホトトギス | 201705 |
越年す鬱と言ふ字にルビを打ち | 井尻妙子 | 京鹿子 | 201804 |
稿債も簡単に年越しにけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 201901 |
年越しの眼球といふ水溜り | 安田優歌 | 京鹿子 | 201903 |
少しだけ爪切つて年越しにけり | 増成栗人 | 鴻 | 201903 |
一病と共に永らへ年越しぬ | 両角富貴 | 末黒野 | 201904 |
迷ひ事抱へながらも年を越す | 押田裕見子 | 空 | 201907 |
年越の鬼追ふ錫杖延暦寺 | 奥田茶々 | 風土 | 202004 |
年越や良きも悪しきも湯気の中 | 柴田靖子 | 槐 | 202102 |
北にむかふ車のライト年越して | 稲田延子 | やぶれ傘 | 202103 |
熱盛の年越蕎麦を囲みけり | 松橋利雄 | 春燈 | 202203 |
2022年12月31日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。