鳥雲に 6       107句

疎開の荷けふも行くなり鳥雲に   高島茂   草の花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
群れなさぬ一羽を残し鳥雲に 押田裕見子 201408
読みかけの電光ニュース鳥雲に 岡田一夫 201410
鳥雲に大国魂に鳩残し 大久保白村 ホトトギス 201412
手拭を使ふ体操鳥雲に 成宮紀代子 201504
鳥雲に入るや岬の海日和 田中臥石 末黒野 201505
おざなりの現場検証鳥雲に 上谷昌憲 201505
鳥雲に入りふるさとに母残る 高橋将夫 201505
屋上に並ぶ鉢植ゑ鳥雲に きくちきみえ やぶれ傘 201505
鳥雲に痛みも老いも詠まず逝き 大久保白村 ホトトギス 201506
鳥雲に入るや小暗き日本海 片岡良子 雨月 201506
鳥雲に永久の祈りの招魂社 安立公彦 春燈 201506
鳥雲にDNAの羅針盤 藤原若菜 春燈 201506
黒板の消忘れあり鳥雲に 小山繁子 春燈 201506
鳥雲に老いて無料の美術館 吉村さよ子 春燈 201506
羽榑くや軈て高舞ひ鳥雲に 中野久雄 末黒野 201506
横浜は地番のはじめ鳥雲に 成宮紀代子 201506
並例直列になり鳥雲に 高橋将夫 201507
鳥雲に誠のみちを守り来て 安立公彦 春燈 201507
鳥雲にたしか名刺を貰ひをり 田所節子 201507
ショベルカーの土のにほひや鳥雲に 丑久保勲 やぶれ傘 201507
湖に向く一の鳥居や鳥雲に 秋山信行 やぶれ傘 201508
鳥雲に文鎮のせて置手紙 松田泰子 末黒野 201508
投函の途端の悔いや鳥雲に 森清堯 末黒野 201508
森下は戦災の街鳥雲に 田中藤穂 201508
いつ果てるともなき戦鳥雲に 岩岡中正 ホトトギス 201509
肩書の目立つ名刺や鳥雲に 布川直幸 201603
鳥雲に封印したきことひとつ 松井志津子 201605
江戸前にペンギン佇てり鳥雲に 安藤しおん 201605
鳥雲に纜いつも音たてて 根橋宏次 やぶれ傘 201605
綿津見の穏やかなりし鳥雲に 岩月優美子 201606
鳥雲に乳酸菌は胃に腸に 林昭太郎 201606
袂ある形見ばかりや鳥雲に 深川淑枝 201606
人の世はいつもこれから鳥雲に 石田きよし 201606
天平の七堂伽藍鳥雲に 木村傘休 春燈 201606
万歳で送る転勤鳥雲に 金子正道 京鹿子 201606
生きるとは残さるること鳥雲に 松田泰子 末黒野 201606
鳥雲にいもとの赤い旅鞄 小林愛子 万象 201606
いのち今少しの余白鳥雲に 鈴木漱玉 馬醉木 201606
覚えなき頁に栞鳥雲に 石本百合子 馬醉木 201606
老いてもや遊子のこころ鳥雲に 中島芳郎 201607
魂宿る六文銭旗鳥雲に 鈴木庸子 風土 201607
タグボート寄り添ふ巨船鳥雲に 森清堯 末黒野 201607
接岸の白き巨船や鳥雲に 岡田史女 末黒野 201607
鳥雲に子離れ易し易からず 井上正子 童女 201701
鳥雲に乳房再生聞き流す 井上正子 童女 201701
鳥雲に大空の弦鳴らしつつ 亀井福恵 京鹿子 201701
鳥雲に入るキューポラの街遺し 森岡正作 201704
かほ上げよ金次郎像鳥雲に 定梶じょう あを 201704
鳥雲に鍬の楔の打ちどころ 中川句寿夫 ここのもん 201705
翔び立ちし沼小さくなる鳥雲に 山本無蓋 201705
鳥雲に賛美歌の中牧師逝く 井上正子 春燈 201705
竹林を抜くる風音鳥雲に 三代川玲子 春燈 201705
鳥雲に都心志向の若きらよ 新井八重子 末黒野 201706
ドーナツ盤てふ昭和の遺産鳥雲に 内山照久 201706
採血あと少し滲みて鳥雲に 下村たつゑ 201706
鳥雲に入れば帰ると思はるる 柳川晋 201706
湾橋を潜る巨船や鳥雲に 手島靖一 馬醉木 201707
靴底の片減りはげし鳥雲に 岡田史女 末黒野 201707
印紙貼るスポンジの水鳥雲に 広渡敬雄 201707
船笛の遠鳴る昼や鳥雲に 渡辺輝子 201707
鳥雲にペリーの日本遠征記 落合絹代 風土 201706
群なさぬ一羽を残し鳥雲に 押田裕美子 201706
クラス会欠席と出す鳥雲に 江見悦子 万象 201707
鳥雲に瞼を競へる槍穂高 山田春生 万象 201707
鳥雲に人それぞれの流離譚 齋藤晴夫 春燈 201707
鳥雲に入る少年の一人旅 岩町中正 ホトトギス 201708
斎(いも)ひせし千字文あり鳥雲に 中島陽華 201708
種物屋今は煙草屋鳥雲に 小林朱夏 201707
今生に出逢ひと別れ鳥雲に 玉置かよ子 雨月 201708
旋回は別れのサインよ鳥雲に 北川孝子 京鹿子 201804
鳥雲に入りたる出潮まだ暮れず 工藤義夫 馬醉木 201805
納屋奥に爺様の火鉢鳥雲に 佐藤澄世 馬醉木 201805
望郷のつのる余生や鳥雲に 小泉貴弘 春燈 201805
鳥雲に聖書読みたき日なりけり 安立公彦 春燈 201805
新しき地下足袋に泥鳥雲に 南うみを 風土 201805
鳥雲に奥の細道結びの地 田中佐知子 風土 201805
右端に武甲山(ぶこう)が見えて鳥雲に 藤井美晴 やぶれ傘 201805
比良山の白く見ゆる日鳥雲に 谷村祐治 雨月 201806
子には子の帰る家あり鳥雲に 岡本秀子 201806
鳥雲に入る学食のAランチ おーたえつこ 201806
えだぶりのままに手摺や鳥雲に 下山田美江 風土 201806
帳尻の合はぬ家計簿鳥雲に 田中佐知子 風土 201806
そりかへる傘寿の指揮者鳥雲に 川井さち子 風土 201807
湖へ開く関の大戸や鳥雲に 鈴木幾久 馬醉木 201807
口ずさむ亡き師の一句鳥雲に 早川俊久 馬醉木 201807
結界を灯す蝋燭鳥雲に 戸栗末廣 201807
切り岸の松の一樹や鳥雲に 森清信子 末黒野 201808
呼びかけの続く弔辞や鳥雲に 塙誠一郎 201904
時刻む亡夫の時計鳥雲に 笹村政子 六花 201905
これからの人生大事鳥雲に 山咲和雄 末黒野 201905
メロディーの聞こえしスマホ鳥雲に 植木戴子 201905
河童伝説ある外濠や鳥雲に 宮原悦子 雨月 201905
教会の昼告ぐる鐘鳥雲に 大嶋洋子 春燈 201906
鳥雲にはらからすでに二人欠き 大嶋洋子 春燈 201906
鳥雲に池畔に架かる渡月橋 山下健治 春燈 201906
自画像のむかしの瞳鳥雲に 北川孝子 京鹿子 201906
鳥雲に浮木ごつんと寝返りす 奥田筆子 京鹿子 201906
鳥雲に墓石の文字の隷書体 林いづみ 風土 201906
地球儀の日本真つ赤鳥雲に 笹村ルル 201906
鳥雲に看取り足らざることの悔ひ 佐津のぼる 六花 201906
鳥雲にふたり揃つてハムサラダ 安藤久美子 やぶれ傘 201907
隣家の売り出しの旗鳥雲に 岡野里子 末黒野 201907
鳥雲に明治は遠く三笠なほ 今村千年 末黒野 201907
記念樹の太るふるさと鳥雲に 河原敬子 201909
鳥雲に風切る翼恃みとし 亀井福恵 京鹿子 201909
鳥雲に蜑のたつきの細き路地 林未生 201910
音(ね)を選ぶ鰐口三つ鳥雲に 間島あきら 風土 202002
鳥雲に→ 7      

2021年4月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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