東 京 1      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
東京の暑さを言ひて僧着替ふ 竪岩百合子 199810  
東京のひとひとひとの暑さかな 相蘇としお 199811  
射干もかの東京の子も昔かな 北原志満子 海程 199812  
根深にも慣れて東京生活かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 199812  
東京に汚れて残る雪の嵩 稲畑汀子 ホトトギス 199901  
東京は雪と聞きつつ旅仕度 稲畑汀子 ホトトギス 199901  
足許をかためて雪の東京へ 稲畑汀子 ホトトギス 199901  
歯固や東京に山見ゆる日の 岡本眸 199901  
東京の虹の上には裸婦が跨(の)り 丸山海道 京鹿子 199904  
東京へ引返したる遅日かな 稲畑汀子 ホトトギス 199904  
東京に汗を忘れて来てしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199907 北海道「北の虚子忌」句碑除幕
桃の花東京暮し始めけり 市川英一 遠嶺 199908  
雲重き東京を発ち月の帰路 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
東京の雨露けしと降り立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
東京がもとより故郷いわし雲 吉田明 199911  
東京をふるさとにもち春惜しむ 能村登四郎 「芒種」 199911  
東京の残暑に会ひに来たやうな 浅利恵子 円虹 199911  
初花や東京に来て十五年 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
人多きことも東京年の暮 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
東京も師走となつてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
ぽつかりと東京都心小六月 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
雪吊を俯瞰に東京ドームかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 199912  
東京に早や十二年秋の暮 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
東京にこんな空がと秋深し 保坂加津夫 いろり 200001  
東京忌辛夷は穹をおろがめり 谷川季誌子 200001  
東京を近しと思ふ草の絮 吉田島江 火星 200001  
雨に醒む東京大空襲忌なり 田中藤穂 「水瓶座」 200002  
東京は船のようなり柚子もらう 吉川真実 海程 200002  
東京をさらに明るく大聖樹 伊与田秀一 200003  
東京の名産といふ芽独活かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003  
東京に着いてコートを鎧ひけり 小澤克己 遠嶺 200003  
東京に六月村や冬櫻 今井松子 遠嶺 200003  
東京からなまはげになる子が帰る 三浦てる 風土 200004  
東京の雨の渋滞春惜む 稲畑汀子 ホトトギス 200004  
霜月や東京の鼻とがりゆく 三宅やよい 玩具帳 200004  
東京や朝顔と食ふ卵飯 塩見恵介 虹の種 200005  
羽蟻群れゆくクレヨンで描く東京 塩見恵介 虹の種 200005  
米櫃に米の光れる東京忌 谷川季誌子 200005  
東京に居て湯島の梅を見ずに老ゆ 久保田一豊 いろり 200007  
東京弁関西弁や桜湯に 村田明子 円虹 200007  
東京のアパートの夜のミモザかな 長沼都 船団 200008  
東京の路面電卓や桜桃忌 熊谷みどり いろり 200008  
火の国へ行かずに春の東京へ 小西昭夫 船団 200010  
空ッ風に東京知らぬ妻を連れて 阿部寒林 「夢」 200010  
黒点となれり東京無視の雁 阿部寒林 「夢」 200010  
東京の空も何だか秋めいて 熊谷みどり いろり 200010  
東京の方が冬めきをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200011  
遠ざかる東京湾の露けき灯 辻美智子 円虹 200012  
東京の地図に丸つけ夜長かな 熊谷みどり いろり 200012  
東京の夜の青空烏鳴く 佐藤喜孝 あを 200101  
東京は雪と聞きつつ滞在す 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
東京の悴む朝に渋滞す 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
東京砂漠おほかみを飼ひ馴らす 堀内一郎 あを 200102  
夢のゆめ東京の雪すぐ解ける 堀内一郎 あを 200102  
鯊日和水をこぼさぬ東京湾 佐藤真次 200102  
東京初雪妻の両手に積りけり 堀内一郎 あを 200102  
初冬のこれが東京くもり空 今井千鶴子 円虹 200102  
東京の秋風人に触れ過ぎし 中川萩坊子 ホトトギス 200102  
東京も暮しの一部鳥帰る 稲畑汀子 ホトトギス 200103  
東京湾一と跨ぎして鳥曇 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103  
東京に風なき日ありあたたかし 稲畑汀子 ホトトギス 200103  
佐保姫のまどろみ東京湾に船 山野みどり 銀化 200104  
東京は風の街神還らるる 今井千鶴子 ホトトギス 200104  
美しと言ひ東京の雪であり 栗林眞知子 円虹 200104  
東京大学出はたして雪に転びけり 利根川妙子 200105  
梅も風に震へ東京空襲忌 林翔 200105  
東京にそぐわないものいなびかり 谷みどり いろり 200107  
東京へ近づく朧月夜かな 村田近子 遠嶺 200107  
久方の東京の空梅雨に入る 幡江美智子 百鳥 200109  
待ち人の居る東京の秋めいて 大平保子 いろり 200110  
こころざし東京にあり野を焼ける 伊藤鯰子 ぐろっけ 200110  
東京にもらはれて行く目高の子 前田達江 200110  
川をもて東京劃す帰燕かな 岡本眸 200111  
岩燕東京伊佐春子 棚山波朗 春耕 200111  
東京へ帰る子送る盆の月 鈴木ゆき子 風土 200111  
東京と広島に時差つりしのぶ 梶浦玲良子 六花 200111  
野の果ての東京暗し遠稲妻 金子兜太 海程 200112  
東京の北風置いて来し家路 稲畑汀子 ホトトギス 200112  
東京は大きな田舎螻蛄が鳴く 吉田久子 200201  
厳寒の東京を抜け出して来し 稲畑汀子 ホトトギス 200201  
東京の人かと問はれおでん食ぶ 志水芳秀 雲の峰 200202  
よくぞこの東京の空鳥渡る 吉田久子 200202  
東京の凩逃亡者のごとく 鎮田紅絲 200203  
東京に如月の富士見ゆる朝 稲畑汀子 ホトトギス 200203  
東京は老人多し初詣 熊谷みどり いろり 200203  
東京の大仏といふ長閑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203  
東京へいよいよ着くか日脚伸ぶ 泉田秋硯 200204  
対岸は東京の灯よ葱坊主 島貫アキ子 銀化 200205  
白木蓮の漂ふ東京空襲忌 鈴木良戈 200206  
東京の落葉見てゐるロビーかな 戸栗末廣 火星 200207  
見通しに東京駅や雲の峰 中谷葉留 風土 200208  
東京に芦屋に花の遅速問ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208  
東京に虹の空ありすぐに消ゆ 宮原みさを 花月亭 200208  
見はるかす大東京の春灯 田上昭典 ホトトギス 200208  
東京へ直通電車麦秋裡 森脇多恵子 帆船 200209  
東京のど真ん中なる藪蚊かな 鹿野佳子 200211  
東京に富士見ゆる日よ春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
東京に公園多し初音聞く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302  
山笑ふ東京生活二十年 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303  
東京の初雪なれどあなどれず 柿沼盟子 風土 200303  
東京に芦屋に花の遅速問ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303  
東京へ子を送りまた雪下ろす 三宅句生 馬醉木 200303  
手袋のいらぬ東京三ヶの月 春日久子 八千草 200305  
穀象も共に東京滞在す 稲畑汀子 ホトトギス 200305  
穀象と滞在三日東京に 稲畑汀子 ホトトギス 200305  
東京に雨氷結びし日の訣れ 山田弘子 円虹 200305  
冴返る東京新宿副都心 木村みかん 200305  
大年の東京駅にまぎれをり 今井千鶴子 ホトトギス 200305  
春の灯の東京駅にカレー食ぶ 城孝子 火星 200306  
東京の雪吊が雪招きけり 藤原照子 200307  
東京の空赤々と夏の月 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307  
東京に束の間の詩なごり雪 向後良子 八千草 200308  
蜥蜴の子東京の子と鉢合せ 草野英子 対岸 200308  
東京の風知つてゐる吹流し 高橋邦夫 風土 200308  
東京にいまだ馴染めず汗ぬぐふ 伊藤春生 帆船 200309  
東京都庁壊れぬものか広島忌 堀内一郎 あを 200309  
東京の人形町の羽抜鶏 須佐薫子 帆船 200309  
東京に雨を置き来し年尾の忌 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
東京都祭に動き初めにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311  
白靴や東京は土黒き街 長山あや ホトトギス 200312  
東京は初雪と聞き受話器置く 稲畑汀子 ホトトギス 200312  
東京のこんな残暑にブーツとは 小林かいう 200312  
東京より戻りて大和天高し 鈴木照子 200401  
東京坂田富佐雄 鈴木綾 200401  
東京の星を見てゐる神の留守 山口妙子 草の花 200401  
東京の秋の夕焼のビル囲ひ 河原一夫 200401  
短日や東京駅の煉瓦色 小野玉江 草の花 200401  
東京に富士山見えて文化の日 渡辺美代 対岸 200401  
越路より戻る東京十三夜 北村香朗 京鹿子 200401  
ゆつたりと踏む東京の夜の落葉 佐々木幸 200401  
朝靄の東京駅や着膨れて 菊地惠子 酸漿 200402  
東京の大交差点冬に入る 森本さやか 雲の峰 200402  
初島の灯も東京よ除夜の鐘 白岩三郎 馬醉木 200402  
皸を握りかくして東京へ 今瀬一博 200403  
東京の地下混み合へりクリスマス 杉田さだ子 対岸 200403  
マスクして東京は眼の乾く街 冨村みと 対岸 200404  
東京都千代田区といふ朧かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404  
東京のまん中にゐて蜜柑むく 谷口佳世子 200405  
東京の二十三区の春の雨 山口和生 帆船 200405  
しやぼん玉東京の空汚れをり 岡本眸 200405  
鰺釣れて東京湾でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200406  
東京の窓は閉め切り春の雪 玉川梨恵 200406  
春雨や東京といふ娘の住む街 梶川智恵子 200406  
東京の積らぬ雪に遭ひにけり 釜井瞳子 対岸 200406  
東京の夜明けははやしつばくらめ 甲斐よしあき 百鳥 200406  
湯ざめかな東京砂漠見おろして 山元志津香 八千草 200406  
東京過ぎ冷房強き総武線 黒坂綾子 200408  
葉桜や水面昏れゆく東京湾 関口みよ子 帆船 200408  
東京に山の碧空台風過 橘澄男 「山景」 200408  
ふるさとの御神渡東京にて俯瞰 飯田泰子 八千草 200408  
大東京のビル沈黙す雲の峰 神蔵器 風土 200409  
炎昼や東京といふ巨き筒 林昭太郎 200409  
稲光りして東京はまだ降らず 坪井洋子 200410  
帰省子のはや東京を恋しがる 貝森光大 六花 200410  
東京の街の黙すや炎天下 小阪喜美子 遠嶺 200410  
東京を沖より見たり敗戦忌 坂ようこ 200410  
ふるさとは東京である夏休 内藤ゑつ ゑつ 200411  
東京をはみ出して釣る鯊日和 林昭太郎 200412  
東京の雲の重たく黄落す 今瀬剛一 対岸 200412  
古里のなく東京そだち秋時雨 岸幸子 帆船 200501  
東京の寒灯消して家路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200501  
空つ風東京弁の渦のなか 田村七三栄 築港 200502  
東京弁の女しやかしやか白朮詣 鈴木榮子 春燈 200502  
東京の暮しに若布携へて 稲畑汀子 ホトトギス 200502  
冬うらら東京へ行きたいといふ 木下野生 200502  
東京を朝発ちて来し日永かな 稲畑汀子 ホトトギス 200503  
戻り来し子に東京の冬日和 土田栄 200503  
数へ日の東京行の吊革に 田原陽子 200503  
今日晴れて刻々花の東京に 稲畑汀子 ホトトギス 200503  
東京の雪柔かし草城忌 中田みなみ 200503  
うぶすなは東京の町空っ風 竹村尚絋 200503  
鳥瞰の東京湾や冬晴るる 坂本ひさ子 遠嶺 200504  
東京の昨日は朧なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200504  
少年は東京育ち水温む 石毛恵美子 対岸 200504  
鳴呼三月東京、大阪大空襲 松山律子 六花 200504  
東京の雪吊に雪来たりけり 坂ようこ 200504  
東京の初雪を掌に置きしのみ 大西八洲雄 万象 200504  
死体屍体吾は生き東京空襲忌 林翔 200505  
東京のどんぐりこぶりかくれんぼ 吉宇田知英子 200505  
東京に鑑真在す春の月 曷川克 遠嶺 200506  
東京がふるさとと言ふ豆の花 浜口高子 火星 200506  
影日向しかと東京夏に入る 岡本眸 200507  
東京の暑さを処すといふことも 稲畑汀子 ホトトギス 200507  
東京の暑さの待つてゐる別れ 稲畑汀子 ホトトギス 200507  
東京で会ひ名古屋でも会ひ涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507  
月涼しむかし東京湾に島 鷹羽狩行 200507  
大東京青山墓地の新樹かな 森泰一 火星 200508  
多摩川を越えても東京蓼の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508  
東京の盆は七月寺普請 鈴木榮子 春燈 200509  
東京都目黒区竹の春となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509  
東京の残暑引き摺る旅であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509  
東京の花見新幹線で着く 嶋田一歩 ホトトギス 200509  
東京に父母の墓あり花曇 嶋田一歩 ホトトギス 200509  
うそ寒き東京の雨蝦夷よりも 稲畑汀子 ホトトギス 200510  
地震つづく東京に泊つ暑さかな 安原葉 ホトトギス 200512  
芒穂のひかりの対岸東京都 吉永寿美子 四葩 200601  
野分立つ東京駅に降り立てり 坂部尚子 栴檀 200601  
東京に山見ゆる日や七五三 有村明子 百鳥 200602  
満月の懐にある大東京 浅利恵子 ホトトギス 200602  
東京に過ぎし青春石蕗の花 西岡啓子 春潮 200602 東京→ 2

 

2019年9月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。