心 太 2     116句

ところてん煙のごとく沈みをり    日野草城

心太  心天

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初島を緩りまはりて心太 本田義成 四葩 200607
衰ふるも亦一興や心太 生方義紹 春燈 200608
黄道の北にかたむく心太 栗栖恵通子 200608
心太裏まで風の抜ける店 船津昭夫 四葩 200608
日々のこと二人でこなし心太 助口弘子 火星 200608
心太売るに水車を店先に 雨宮一路 200608
心太餓鬼大将を懐かしむ 黒沢宮雄 四葩 200609
能面に囲まれゐたり心太 谷村幸子 200609
難しき話済ませて心太 川畑はるか 遠嶺 200609
母はみな忘れてすする心太 島渡辺隆 遠嶺 200609
慰撫も叱咤も励みとならず心太 田村園子 200609
心太寝しなにすすり夫癒えず 木下もと子 200609
ところてんことのは掬ふやうにせり 辻美奈子 200609
曲線のそろひてゐたる心太 服部早苗 200609
浅草も銀座も好きで心太 片野光子 ぐろっけ 200609
一巡りして来て島の心太 中里 信司 酸漿 200609
心太啜りながらの話なり 関まさを 酸漿 200609
島出づる心残りや心太 鈴木幾子 酸漿 200609
島回り終へ黒蜜の心太 田中喜久子 酸漿 200609
初島を一回りして心太 小平恒子 酸漿 200609
口下手の喉にするりと心太 鈴木多枝子 あを 200609
あかちやんとぼくだけおむつ心太 東亜未 あを 200609
ところてん母に似てきて好きになり 藤田素子 火星 200610
帰り船来るを待つ間の心太 柿沼盟子 風土 200610
捕虜の日を語らぬ人と心太 芝宮須磨子 あを 200610
心太木々の緑を透かし食ぶ 大泉美千代 雨月 200611
心太すすり初島巡り終ふ 大内恵 酸漿 200612
心太残る命と思ひけり 滝沢伊代次 万象 200706
箸立に雨ふりかかる心太 青山丈 200706
なにごとも妻のいひなりところてん 小川匠太郎 200707
器用とは言へぬ世すぎや心太 水原春郎 馬醉木 200708
突き出され身を翻す心太 鈴木阿久 200709
心太中肉中背眼鏡なし 高尾豊子 火星 200709
四人目の生まれると言ふ心太 戸栗末廣 火星 200709
雨をんなひとりゐるらし心太 垣岡暎子 火星 200709
心太忘るることを幸とせり 田原陽子 200709
婀娜めいた素振もちらり心太 竹中一花 200710
無欲にはまだまだ間ありところてん 大川冨美子 ぐろっけ 200710
心太突く知恵いまだなき童 稲岡長 ホトトギス 200711
よくしゃべる口ぞつるりとところてん 火箱遊歩 船団 200801
箆棒な碗の値段よ心太 庄司久美子 200807
心太わらってゆるす物忘れ 田中藤穂 あを 200807
人の世のするりといかず心太 梅原幸子 遠嶺 200808
隣客につられて注文心太 濱上こういち 200808
心太会葬まへの腑へ落す 田村園子 200808
陰口も惚気に聞ゆ心太 田中眞由美 ぐろっけ 200808
独り住みのスロースローや心太 小澤菜美 200809
事なきは老には良き日心太 野中啓子 200809
金色の日ざしをすする心太 田所節子 200809
現し世へ突き飛ばされて心太 秋葉雅治 200809
二月堂茶店のメニュー心太 笠井清佑 200810
今生のまだ読みきれず心太 薗田英治 遠嶺 200810
心太寄りどころなく重なりぬ 川口崇子 万象 200810
心太一句するりと逃しけり 森岡正作 200810
話さずにわかり合ふ仲心太 舩越美喜 京鹿子 200810
リストラの話の外の心太 浜口高子 火星 200810
心太病臥の夫は八十路越ゆ 家塚洋子 酸漿 200810
心太やんはり的を外さるる 吉田明子 200810
いくさ経し人ばかりなり心太 芝尚子 あを 200810
傘寿とは世の中通る心太 小澤正信 200811
心太さらりと主題躱しけり 川口襄 遠嶺 200811
卓袱台に突いて出されし心太 大澤洋子 酸漿 200811
辛子効く後の白地図ところてん 清水幸治 200811
喉ゆく草書のごときところてん 市村健夫 馬醉木 200812
それぞれにくせのある夫心太 垣岡瑛子 火星 200812
噎せりけり宿もてなしの心太 守屋井蛙 酸漿 200902
物忘れ笑ひとばして心太 伊藤憲子 200907
突く音に空気の音も心太 山田六甲 六花 200907
心太夫を異性と諾へり 船越和香 馬醉木 200908
まづ答ありきの話心太 小澤克己 遠嶺 200908
心太余分なものはなかりけり 雨村敏子 200908
心太酢のきき過ぎし別れかな 岡野イネ子 春燈 200908
晩節といふ重きもの心太 上原恒子 雨月 200908
何杯も突くをせがまれ心太 山田六甲 六花 200908
還暦の退屈凌ぎ心太 前田美恵子 200909
弱腰に終る正論ところてん 白神知恵子 春燈 200909
丸太椅子並ぶ茶店の心太 廣瀬雅男 やぶれ傘 200909
心太突くにかけたる力かな きくちきみえ やぶれ傘 200909
文豪に無頼の過去やところてん 安居正浩 200909
心太ローカル線を一人旅 小俣剛哉 雨月 200909
言はでもの事言ひかけて心太 森山のりこ あを 200909
心太黙つてばかりもゐられまい 森岡正作 200909
許すとは許されること心太 松本圭司 200909
一人暮らせばひとりに噎ぶ心太 辻直美 200909
ふり向けば昭和がそこに心太 小林千草 馬醉木 200910
仲見世を抜けて二軒目ところてん 徳田千鶴子 200910
心太郷里の訛ついと出て 佐藤和子 万象 200910
心太身の程承知せるたつき 柴田良二 雨月 200910
蜜に倦み酸いを知る齢心太 米田正弘 200910
風みちに座り直して心太 鈴木勢津子 樹間 200911
差しさはる事多き日や心太 田博子 ろんど 200911
心太出して長居を許しけり 近藤倫子 ぐろっけ 200911
心太笑ひ袋のやうな人 平野みち代 201001
外堀はむかし埋められ心太 竹内弘子 あを 201007
瀬の音もともにすくひて心太 豊田都峰 京鹿子 201008
すつきりと話がつきし心太 舩越美喜 京鹿子 201008
病などくそをくらへと心太 松嶋一洋 201008
午下の海荒れてゐるなり心太 浜囗高子 火星 201008
出かかった言葉飲みこむ心太 安部里子 あを 201008
心太今なら少しわかる齢 遠藤実 あを 201008
心太床几に年期ありにける 中貞子 201009
ひとり居の一日なりけり心太 中島昌子 201009
心太そこにゐた人もうゐなく 福島茂 201009
心太さらりと言葉躱しけり 吉永すみれ 風土 201009
割り切つて笑ふ他なし心太 高倉和子 201009
秀でたる一芸持ちて心太 遠藤実 あを 201009
心太聞えぬやうに独り愚痴 松岡和子 201010
「心太あります」阿蘇をまなかひに 安武晨子 201010
心太すするせせらぎ聴きながら 玉置かよ子 雨月 201010
箸すべる残り少き心太 大島寛治 雨月 201010
心太生き過ぎしとは思はねど 水谷芳子 雨月 201010
夕風に午後のぬくもり心太 根橋宏次 やぶれ傘 201011
用もなくふらりと町へ心太 瀬島洒望 やぶれ傘 201011
事の無き今日の一日や心太 間島あきら 風土 201011
心太持論曲げない人のゐて 阿部綾子 ろんど 201011
ところてん酢みそで食す島の味 陶山泰子 ぐろっけ 201012
心太→ 3      

 

2021年6月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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