蜥 蜴 4       103句

最晩年ならむ蜥蜴がざらつきぬ   八田木枯   鏡騒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肺破るほどの拍動草とかげ 十川たかし 201208
石の上にのりて蜥蜴の王者めく 柴田久子 風土 201208
日食に躍り出たる蜥蜴の尾 南うみを 風土 201208
俗名はかなし墓石の瑠璃蜥蜴 碇天牛 雨月 201208
岩風呂をのぞき見したる蜥蜴かな 松田千枝 春燈 201209
蜥蜴の子過ぎり日食始まりぬ 笠井敦子 201209
升形の隅はとかげの陣なりき 豊田都峰 京鹿子 201209
風筋を探る舌先青蜥蜴 古川千鶴 かさね 201210
顔あげて胸より走る蜥蜴かな 青木朋子 201210
蜥蜴追ふ腕白坊や耀く目 三川美代子 201211
大とかげ形見の尻尾くれてやる 栗栖恵通子 201211
朝湿り蜥蜴のしつぽはねゐたる 黒田秋子 万象 201211
瑠璃とかげ長屋の跡に棲みてけり 近昌夫 春燈 201212
手のひらに秋の蜥蜴の尻尾かな 山田六甲 六花 201212
蜥蜴穴に足音絶えぬ中尊寺 村上倫子 201301
蹠をはなびらにして蜥蜴攀づ 原友子 201302
塀に沿ひどこまで行くか瑠璃蜥蜴 上原重一 201307
瑠璃とかげジュラ紀の色と息づかひ 延広禎一 201310
逃げ足に一瞬遅れ蜥蜴の尾 田中一美 ろんど 201310
少年の秘密基地あり蜥蜴出づ 村田岳洋 ろんど 201310
草むしり蜥蜴出でしは想定外 遠藤逍遙子 風土 201310
眦を蜥蜴走りし高野道 西村節子 火星 201310
青蜥蜴石のまろみに息残す 高野春子 京鹿子 201310
わが庭の蜥蜴であればほつておく 内海保子 万象 201310
青とかげ跳ねてドームの罅ふやす 和田照海 京鹿子 201311
砂漠にはアイドルもゐて青蜥蜴 伊吹之博 京鹿子 201311
瑠璃蜥蜴人は日陰に集まりぬ 高尾豊子 火星 201311
呼鈴の音に振り向くとかげかな 涼野海音 火星 201311
捨てられしことある猫となき蜥蜴 石田きよし 201311
あの蜥蜴敵の斥候かも知れぬ 山崎青史 ろんど 201309
人前にうろうろ出たる蜥蜴の子 市川伊團次 六花 201312
堆き芥をするつと白とかげ 村田とくみ ぐろっけ 201312
蜥蜴穴出で菅公の日向あり 山尾玉藻 火星 201404
産土の石の宝珠を青蜥蜴 田中貞雄 ろんど 201407
争ひの後に残れる蜥蜴の尾 稲田和子 201408
ご機嫌は如何ですかと蜥蜴の子 田原陽子 201408
逆しまに蜥蜴の滑る真昼かな 上谷昌憲 201409
特大の蜥蜴来てをり石乾く 齋藤厚子 201409
入口の三和土を走る蜥蜴かな 山崎真義 201409
玄武洞へ杖を突く先瑠璃蜥蜴 鈴木照子 201410
園丁の足裏のゆく青蜥蜴 岡田一夫 201410
瑠璃とかげ反り身の腹を日に晒し 後藤桂子 万象 201410
殿といふより蜥蜴の尻尾なり 高橋将夫 201410
飛石にジュラ紀の色を青蜥蜴 今村征一 ホトトギス 201411
青蜥蜴悪口の鞭浴びて黙 村田岳洋 ろんど 201411
石垣へ色を残せり青蜥蜴 大長文昭 万象 201411
振り返り砂漠の韋駄天青蜥蜴 伊吹之博 京鹿子 201502
蜥蜴穴出で菅公の日向あり 山尾玉藻 火星 201404
産土の石の宝珠を青蜥蜴 田中貞雄 ろんど 201407
ご機嫌は如何ですかと蜥蜴の子 田原陽子 201408
争ひの後に残れる蜥蜴の尾 稲田和子 201408
逆しまに蜥蜴の滑る真昼かな 上谷昌憲 201409
特大の蜥蜴来てをり石乾く 齋藤厚子 201409
入口の三和土を走る蜥蜴かな 山崎真義 201409
玄武洞へ杖を突く先瑠璃蜥蜴 鈴木照子 201410
瑠璃とかげ反り身の腹を日に晒し 後藤桂子 万象 201410
殿といふより蜥蜴の尻尾なり 高橋将夫 201410
園丁の足裏のゆく青蜥蜴 岡田一夫 201410
飛石にジュラ紀の色を青蜥蜴 今村征一 ホトトギス 201411
青蜥蜴悪口の鞭浴びて黙 村田岳洋 ろんど 201411
石垣へ色を残せり青蜥蜴 大長文昭 万象 201411
振り返り砂漠の韋駄天青蜥蜴 伊吹之博 京鹿子 201502
日おもてへ蜥蜴の色のをどり出づ 宮本加津代 万象 201507
飛石を蜥蜴さ走る瞬のきら 渡部良子 馬醉木 201508
派手なシャツ派手に干されで青蜥蜴 森岡正作 201508
吉兆かあどけなきぞの白蜥蜴 渕上千津 201508
尾の青き蜥蜴つつじの葉を渡る 飛高隆夫 万象 201508
残像を岩に置きけり青蜥蜴 八木健 八木健俳句集 201509
尾を切りて遁るる蜥蜴現世にも 小松誠一 201509
護摩壇の灰を蹴散らす縞蜥蜴 大長文昭 万象 201509
唐突に尾のなき蜥蜴走りけり 宮本加津代 万象 201509
カフェに這ふ蜥蜴を外へ浜へ出す 森理和 あを 201509
逃げ足を止めてふり向く蜥蜴かな 織田みさゑ 万象 201510
驚きの時空分け合ひ青蜥蜴 本池美佐子 201510
瑠璃蜥蜴刃物の街でナイフ買ふ 原田達夫 箱火鉢 201511
逃げ込んで草に息する蜥蜴かな 穂苅照子 万象 201511
息をしてをり庭石の瑠璃蜥蜴 瀬島洒望 やぶれ傘 201511
恐竜の仕草蜥蜴に見たりけり 森山暁湖 万象 201512
太陽光発電中です瑠璃蜥蜴 火箱ひろ 船団 201602
蜥蜴出て影を温めてをりにけり 布川直幸 201603
瑠璃蜥蜴の光の筋のまぎれなし 渡真利真澄 万象 201606
枯葉の上枯葉色して蜥蜴の子 川口崇子 万象 201607
鍬先についと出でたる青蜥蜴 秋山信行 やぶれ傘 201608
黒蜥蜴峰打ちといふ刑ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201608
走力を溜むる蜥蜴の動かざる 峰崎成規 201608
恐竜を夢見ることも青蜥蜴 相良牧人 201609
青蜥蜴糺の森を抜けてきて 火箱ひろ 201609
七重塔礎石を守る瑠璃蜥蜴 小林共代 風土 201609
棒杭に瑠璃横たふる蜥蜴かな 原田しずえ 万象 201609
石塔の乾きはじめし青蜥蜴 中田禎子 201609
物音に蜥蜴消えける野面積 橋本順子 201609
垂直に蜥蜴の這へる武者返し 馬屋野純子 馬醉木 201610
蜥蜴這ふ海の男の力石 須賀允子 万象 201610
つまづいて蜥蜴走らす一番星 高橋道子 201610
突つ掛けを蜥蜴が履いて行かむとす 相良牧人 201610
縞蜥蜴岩を抱くかに動かざる 今井妙子 雨月 201611
もたもたと蜥蜴の走る真つ昼間 有賀昌子 やぶれ傘 201612
走力を溜むる蜥蜴の動かざる 峰崎成規 201701
朝日射す蜥蜴ちよろちよろ路地わたる 森美佐子 やぶれ傘 201702
蜥蜴出づ板戸の桟のあはひより 中川句寿夫 ここのもん 201705
穴出でし蜥蜴のいまだ枯れ色に 山田六甲 六花 201705
枯草に紛れて蜥蜴穴を出づ 山田六甲 六花 201705
空濠の忍者めきたる青蜥蜴 多田ユリ子 201707
観音寺の岩につぎつぎ青蜥蜴 庄司久美子 201707
青蜥蜴ラメを身に付け首上ぐる 武田ナオミ 末黒野 201708
砂の上タクラマカンの蜥蜴かな 本多俊子 201708
姫神へ振り向き走る青蜥蜴 岩田洋子 201708
ちよこなんの蜥蜴と気脈通じたる 高橋道子 201708
仲良しに急に蜥蜴を出されたる あさなが捷 201707
顔見知りらしき風情の蜥蜴かな 奥澤よし江 万象 201708
露座仏の印の指より青蜥蜴 三屋英俊 万象 201709
乾びたる蜥蜴の尾つぽ青ほのか 大山春江 万象 201709
水やりの虹の零れを蜥蜴過ぐ 諸岡和子 201709
尾の切れし蜥蜴が岩の上に居る 今井妙子 雨月 201709
瑠璃蜥蜴花魁のごと振り返る 七郎衛門吉保 あを 201709
城垣のそりたる石に蜥蜴反る 藤生不二男 六花 201710
万九千の神を足蹴に蜥蜴飛ぶ 延川五十昭 六花 201710
国病むや蜥蜴のしつぽすぐ生える 熊川暁子 201711
石垣を石火の光青蜥蜴 布施由岐子 末黒野 201711
落ち来たる檜皮葺より青蜥蜴 赤松赤彦 六花 201711
切れ長の目の流し目の蜥蜴かな 飛高隆夫 万象 201712
逃げ足の試し走りか蜥蜴の子 角野良生 201712
古堂に蜥蜴の背中輝けり 延川五十昭 六花 201712
日の斑径逃げ足速き青蜥蜴 高木邦雄 末黒野 201804
昼時をねらう作戦青蜥蜴 福岡貴子 船団 201805
蜥蜴→5      

 

2021年6月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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