蜥 蜴 3       118句

惜しみなく過半を缺きし蜥蜴あり  相生垣瓜人  明治草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水辺まで逃げてとどまる蜥蜴の子 大坪景章 万象 200609
縞蜥蜴塀踏みはづし仰向けに 松原三枝子 万象 200609
くるりくるりと流線の青蜥蜴 大畑善昭 200609
蜥蜴出て互い見馴れし顔に遭う 藤原りくを 八千草 200609
アイスワインのオン・ザ・ロックや瑠璃蜥蜴 雨村敏子 200610
石棺のひかりよぎりて蜥蜴消ゆ 近藤きくえ 200610
瑠璃蜥蜴ひたりと止まるまた止まる 松たかし 火星 200610
瑠璃とかげ寺苑の石に縋りをり 水原春郎 馬醉木 200611
姫宮にほろりと秋の蜥蜴消ゆ 大島翠木 200612
恐竜の怒り蜥蜴にありにけり 上原重一 200707
わが影を蜥蜴よぎりて行きにけり 本多俊子 200707
匈奴漢を破りたる地に蜥蜴出づ 松崎鉄之介 200707
靴の間に隠れたつもり縞蜥蜴 竹内美知子 200707
猫の咥へし蜥蜴を逃しやりにけり 深野カツイ 200707
青蜥蜴白昼の闇裂きにけり 近藤公子 200708
大石垣禁裏の蜥蜴はしり来る 三枝正子 万象 200708
讃美歌に歩を止めたれば青蜥蜴 松山直美 火星 200709
雨後の橋渡りゆく蜥蜴かな ことり 六花 200709
孕みたる青蜥蜴の尾の艶なこと ことり 六花 200709
神将の視野をのがれし蜥蜴かな 野崎昭子 春燈 200710
灼熱の石をつかみて青蜥蜴 須藤トモ子 200710
松蔭に動かぬ蜥蜴倚松庵 内山芳子 ぐろっけ 200710
縞蜥蜴赤一色の舌を吐く 山田夏子 雨月 200710
空色のトランク蜥蜴穴を出る 火箱游歩 船団 200710
再生の尾の頼りなく蜥蜴消ゆ 中里よし子 春燈 200711
蜥蜴出て女の子逃げ込む雲の中 小島とよ子 遠嶺 200711
虎渓山の裏参道を蜥蜴過ぐ 松崎鉄之介 200711
走り根をゆつくり越ゆる蜥蜴ゐて 木山杏理 京鹿子 200801
光る尾を日向に残し蜥蜴消ゆ 森裕子 200801
炎天をちょろりとなめて青蜥蜴 坪内稔典 稔典句集 200804
下京の仁王の肩の瑠璃蜥蜴 坪内稔典 稔典句集 200804
ちょこと行くちょこちょこと行く蜥蜴まで 坪内稔典 稔典句集 200804
蜥蜴の尾の長き先まで鵙の贄 手島伸子 雨月 200805
深空より長き尾たらす瑠璃蜥蜴 上原重一 200807
蜥蜴出づふり向きざまに見上げらる 新井徳子 万象 200807
蜥蜴出て飛鳥の石を抱へたる 戸栗末廣 火星 200807
もの言ひの付きて蜥蜴は尾をとどむ 宇都宮滴水 京鹿子 200807
青蜥蜴白日の闇欲しいまま 近藤公子 200808
瑠璃いろの蜥蜴の瑠璃にひるみけり 南浦輝子 火星 200808
見たやうな見なかつたよな蜥蜴の尾 大西まりゑ 酸漿 200808
手に蜥蜴休むを許す羅漢かな 吉田かずや 春燈 200808
美しき尾を切り捨てし青蜥蜴 廣見知子 200809
卒塔婆の足もとはしる青蜥蜴 山崎靖子 200809
目の合うて器量よしなり青蜥蜴 米須あや子 遠嶺 200810
やんちやぶり草に跳びつく青とかげ 上原重一 200810
瑠璃とかげ金精様へ走りけり 酒本八重 200810
城あとは石のあつまり青蜥蜴 奥田筆子 京鹿子 200810
大雨の窓に張付く蜥蜴の子 長崎桂子 あを 200810
流連の秋のとかげとなつてをり 井上信子 200811
蜥蜴来て横目づかひに我を見る 北畠明子 ぐろっけ 200812
瑠璃蜥蜴ナイフの街でナイフ買ふ 原田達夫 200901
落葉掃く蜥蜴かくれてをりにけり 早崎泰江 あを 200901
蜥蜴出て大きな石の夢うつつ 神蔵器 風土 200905
天上微風子とかげに振り向かれ 井上信子 200907
美術館のテラスに憩ふ青蜥蜴 千加田寿子 遠嶺 200908
蜥蜴消えし後の静寂のオベリスク 神原徳茂 遠嶺 200908
草波に浮くをおぼえて蜥蜴の子 井原美鳥 200908
青蜥蜴先導にしてNHK 伊藤希眸 京鹿子 200908
ががんぼの足と蜥蜴の尻尾かな 高橋将夫 200909
靴底の片減りを干す青蜥蜴 大島翠木 200909
採石の発破の穴に入る蜥蜴 根橋宏次 やぶれ傘 200909
靴かすめしと見し彼の蜥蜴早やあらず 小林清之介 風土 200909
眼裏に蜥蜴の綺羅の尾の迅し 池田達二 風土 200909
印南のとかげに譲る座禅石 品川鈴子 ぐろっけ 200909
少し逃げ本気で逃ぐる青蜥蜴 北川キヨ子 200910
天空の都市はまほろば青蜥蜴 遠藤和彦 遠嶺 200910
子の舌の蜥蜴めきをりかき氷 丸山照子 火星 200910
かはいいと怖いと言ひし青蜥蜴 堀志皋 火星 200910
青蜥蜴出でしは虚子の矢倉より 遠藤逍遙子 風土 200910
訝しげな二匹の蜥蜴石舞台 庄司久美子 200910
岩裏にすべり消え行く山蜥蜴 木内美保子 六花 200910
ノンステップバスから静静と蜥蜴 北島正太郎 炎環 200911
日差濃し廊下を走る瑠璃蜥蜴 鈴木礼子 末黒野 201004
詩語をメモ蜥蜴の岩の端に凭れ 品川鈴子 ぐろっけ 201006
恐竜の裔の裔なり蜥蜴の子 塩路隆子 201007
蜥蜴の子に走る一生始まりぬ 井上美智子 201008
物の蔭より物かげへ縞蜥蜴 若島久清 万象 201008
木漏れ日に瑠璃一瞬の蜥蜴の子 遠藤真砂明 201008
身を隠す術の早さよ青蜥蜴 博多永楽 雨月 201008
残像は青と光に蜥蜴消ゆ 中原敏雄 雨月 201008
庭掃除あれ蜥蜴の尾跳ねてをり 笹井康夫 201009
青蜥蜴鎌首もたげ向ひ来し 石脇みはる 201009
鉢底の青き蜥蜴を吐きにけり 高橋明 末黒野 201009
積まれたる浮標ぶいの下より蜥蜴かな 大崎紀夫 やぶれ傘 201009
庭下駄に隠れきれない蜥蜴の尾 廣畑忠明 火星 201009
雨よ降れ蜥蜴の背なの錆びぬうち 高橋泰子 201011
かけねなき大暑なりけり瑠璃蜥蜴 伊勢きみこ 火星 201011
玄関の出入りにあわてるちび蜥蜴 武田ともこ ぐろっけ 201011
穴出でし蜥蜴に浦の日差濃し 武政礼子 雨月 201106
石垣の日向熟睡の蛇蜥蜴 坂根宏子 201107
気の早い蜥蜴ちょろちょろ日のかげり 難波篤直 201107
男にも血の道のあり青蜥蜴 篠田純子 あを 201107
石段の隙間を出入り青蜥蜴 石川かおり 201108
未練ありあり切られて動く蜥蜴の尾 木多芙美子 春燈 201108
ためらはず尾を捨ててゆく蜥蜴かな 菅谷たけし 201108
瑠璃蜥蜴その残像の赤から黄 上谷昌憲 201108
仁丹を含めばそこに青蜥蜴 戸栗末廣 火星 201108
尾の切れし蜥蜴敏捷瓦礫より 北尾章郎 201109
一万年の石はつめたし青蜥蜴 丸井巴水 京鹿子 201109
墓誌に触れし妣の使者かも青蜥蜴 木山杏理 京鹿子 201109
蜥蜴の尾はみ出てゐたる野面積 瀬戸悠 風土 201109
ジョーカーを切り一目散の蜥蜴 近藤喜子 201109
蜥蜴きらりするりと藪へ逆もどり 恒成久美子 ぐろっけ 201109
旅鞄猫のせんべつ蜥蜴入り 吉井潤 ぐろっけ 201109
ひらめきのごとくに消えし青蜥蜴 笹村政子 六花 201109
虫かごの蜥蜴と遊ぶ少女かな 秋山信行 やぶれ傘 201109
トランプに紛れ込んだる蜥蜴 佐藤喜孝 あを 201109
息抜きに体操してる青蜥蜴 北村香朗 京鹿子 201110
瑠璃蜥蜴逃げ足早き砦口 石田野武男 万象 201110
銀山に製錬所跡とかげ這ふ 中井登喜子 201111
子蜥蜴に下駄を履かれてしまひけり 相良牧人 201111
木洩れ日の見返り美人瑠璃蜥蜴 北村淳子 ろんど 201111
青蜥蜴青をのこして消えにけり 藤生不二男 六花 201111
なぜかここがいいなと人と蜥蜴来て 中原幸子 船団 201201
尾の切れし蜥蜴不信の足さばき 木山杏理 京鹿子 201201
青蜥蜴逃げこむたり風はらむ 木山杏理 京鹿子 201201
弾痕の残る城壁青とかげ 岩永はるみ 白雨 201203
蜥蜴→4      

 

2021年6月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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