父の日 1

父の日よ家を出し子は元気らし    日原大彦

作品
作者
掲載誌
掲載年月
父の日の何処へも行かず誰も来ず
柴田良二
雨月
199809
父の日に背を向けいつか老いにけり
保坂加津夫
会者定離
199900
父の日や酒肆の自慢の玉子焼
能村登四郎
199907
父の日の父に弟子てふ子沢山
能村研三
199907
父の日の父の歌声うらがへる
能城檀
船団
199907
父の日の旅に目覚むる詮もなし
能村研三
199908
父の日よ夫は畑に夕鴉
城戸愛子
酸漿
199908
父の日や仕草でわかる照れ隠し
松沢久子
いろり
199908
父の日や転勤まじか娘等の来る
松沢久子
いろり
199908
父の日の父九十となりにけり
松沢久子
いろり
199908
父の日の父は電話嫌ひなり
松沢久子
いろり
199908
父の日や似合ふ作務衣贈りたり
松沢久子
いろり
199908
父の日や本音ちらりと頼られて
松沢久子
いろり
199908
父の日を忘れし夫に酒届く
山本潤子
いろり
199908
父の日や父の写経の軸を展べ
片山喜久子
雨月
199909
父の日の大海原のひろらかに
樺山翠
雨月
199909
父の日の飾らぬ父と死を論ず
松田都青
京鹿子
199909
父の日や帰れば馬となりて父
稲垣松露
199910
父の日はスワンボードで来るもよし
中村裕子
海程
199910
父の日や一本じめの日雷
笠間圭子
京鹿子
199910
釣果なく父の日暮れてしまひけり
白井剛夫
199911
庭の花活けて父の日淡きかな
立石萌木
雨月
199911
父の日よ反骨をみな子が継げり
田中藤穂
水瓶座
200002
父の日や書斎の砂漠写真集
塩見恵介
虹の種
200005
泣きたくも泣けぬことあり父の日は
保坂加津夫
いろり
200007
泣くこともあるさ父の日捨てられて
保坂加津夫
いろり
200007
父の日を百歩出でたる川景色
松島不二夫
200008
働いていつもひとりよ父の日は
保坂加津夫
いろり
200008
父の日や父の写経を額にして
大平保子
いろり
200008
父の日の父は黙して出てゆけり
熊谷みどり
いろり
200008
父の日の父は何故か落ちつかず
熊谷みどり
いろり
200008
父の日や夫の仲間はそっとして
松沢久子
いろり
200008
父の日に児の描くあすのパパとママ
中野辰子
いろり
200008
父の日の広告はやや遠慮がち
船越美喜
京鹿子
200008
亡父の杖いまも艶やか父の日よ
柳沢杏
酸漿
200009
父の日や父の顔した人ばかり
吉野裕之
200009
父の日の朝から覗く金魚鉢
深澤鱶
火星
200009
父の日の桶に鰈の呼吸しをり
高村梢子
火星
200009
父の日の父の出仕事見てゐる子
窪田佳津子
雨月
200009
父の日や痴呆の父はまた泣けり
保坂加津夫
いろり
200009
父の日も父は矍鑠牛の世話
保坂加津夫
いろり
200009
父の日や犬も喰はない喧嘩して
保坂加津夫
いろり
200009
寡黙なる思ひ出ばかりの父の日は
保坂加津夫
いろり
200009
父の日の父は黙って出てゆけり
熊谷みどり
いろり
200009
父の日に家族欠けずに祝膳
久保田一豊
いろり
200009
父の日の父にも父のありにけり
足利徹
ぐろっけ
200009
父の日の近き床屋が鏡拭く
青山丈
200010
父の日の父の含羞ありにけり
石本百合子
馬醉木
200012
筆勢のたしか父の日知らぬちち
柴田 雪路
200101
父も子もなき父の日は旅せむか
高瀬哲夫
200102
父の日や大き湯呑みを父所望
柳未央
いろり
200106
父の日やバリカンことにくいつきぬ
柳未央
いろり
200107
もう少し働きたくて父の日は
谷みどり
いろり
200107
病院にゐて父の日は神妙なり
堀内一郎
あを
200107
慈母厳父遠くなりたる父の日よ
田中芳夫
200108
父の日の父は鎌を研いでゐる
保坂加津夫
いろり
200108
父の日やおさめて何もなき日なり
保坂加津夫
いろり
200108
父の日や不孝を詫びる重き銃
相沢健造
いろり
200108
父の日やありし日偲ぶ三回忌
柴田美佐子
いろり
200108
父の日や祝ふてあげる人は無し
浅井千鶴子
いろり
200108
父の日や雲に線香さし申そ
丸山佳子
京鹿子
200108
子の描ける父の日の父欠伸顔
池水雅子
200108
父の日を素直に夫は祝はれぬ
赤座典子
あを
200108
父の日や夫へ不良の勧めして
岡谷栄子
200109
父の日やまだぎごちなき電子辞書
田中矢水
遠嶺
200109
父の日や贈る人無き供華を買ふ
先アきくよ
酸漿
200109
切れ味のいい風てくてく父の日
滝沢環
京鹿子
200109
父の日の卓袱台立てる畳かな
木曽岳風子
六花
200109
父の日や父となりたる日を憶ふ
古田考鵬
雨月
200109
父として父の日わが子祝はるる
望月晴美
200109
父の日といふものあると遠く聞き
能村登四郎
羽化
200110
父の日の箸の手応へ胡麻豆腐
白岩三郎
馬醉木
200110
父の日2→      

 

2021年6月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。