竹夫人(竹婦人)     75句

天にあらば比翼の籠や竹婦人   蕪村

竹夫人   抱き籠

作品
作者
掲載誌
掲載年月
横抱きにボーイの運ぶ竹夫人
山田弘子
円虹
199810
高原の平らな緑竹婦人
吉岡世志子
船団
199906
大粒の雨すぐに止む竹婦人
秋山百合子
200011
買ひたくて買へずに帰る竹夫人
庄中健吉
200012
二階より抱かれて降りる竹婦人
下村志津子
銀化
200108
試しみてより竹夫人手離せず
蔵持柚
銀化
200109
僧正のこよなく愛づる竹夫人
阪本哲弘
200202
楊貴妃を抱きゐし筈が竹婦人
土井田晩聖
銀化
200208
歪なるものに副ふ掌や竹婦人
暮岸江
銀化
200208
竹夫人貰ひしものの仕舞ひ込む
大橋敦子
雨月
200209
あの人の遺品のひとつ竹婦人
百田早苗
六花
200211
竹婦人その立ち姿売られをり
今瀬剛一
対岸
200309
ほつるるや淡交ながき竹夫人
秋葉雅治
200401
夢うつつ竹婦人にも嫌はれし
藤井彰二
馬醉木
200401
竹夫人を陰干ししをる寫樂かな
延広禎一
200409
情に棹さしてもみよや竹夫人
桑原泰子
八千草
200608
竹婦人抱くテレビの喜劇人
羽田岳水
馬醉木
200609
寮生の万年床に竹夫人
友田直文
200610
転がして猫の遊べり竹夫人
足利徹
ぐろっけ
200610
ひとごとのやうに生きてや竹婦人
小形さとる
200710
竹夫人竹は固しと思ひつつ
後藤比奈夫
ホトトギス
200712
飴色に照りて遺愛の竹婦人
朝妻力
雲の峰
200806
竹夫人窓に風鐸ひびきけり
堤京子
馬醉木
200807
お納戸に眠る飴色竹婦人
吉田明子
200810
触るるたび骨の音する竹婦人
宇都宮敦子
200810
竹婦人寸胴なるを良しとせり
宇都宮敦子
200810
ちよつと覗きし隣室の竹婦人
山田美恵子
火星
200811
参道の万屋に吊る竹婦人
奥太雅
万象
200908
先代の晩年を知る竹夫人
秋葉雅治
200908
光源氏に添ひ寝の夢や竹夫人
久保久子
春燈
200909
竹夫人にも加齢臭らしきもの
上谷昌憲
200909
竹夫人詠めど添ひ寝の覚えなし
千田敬
200909
假初の人例ふれば竹夫人
佐藤喜孝
あを
200911
いつ迄も立掛けしまま竹婦人
白水良子
201002
竹夫人亡き母のこと夢に見て
舩越美喜
京鹿子
201009
竹夫人わが知る上海古りにけり
森下賢一
春燈
201010
無造作に下げて売らるる竹婦人
宮崎裕子
春燈
201010
竹婦人抱きて安堵のエコ生活
中村ふく子
201109
つれづれの身に抱きけり竹婦人
水野恒彦
201109
眞實ははにかみがちに竹婦人
佐藤喜孝
あを
201110
捨てられて廃屋にあり竹夫人 北崎展江 くりから 201209
竹婦人雑に置かれて資料館 遠山みち子 201310
竹婦人置き去りにして引越す 田中貞雄 ろんど 201311
雨音に囲まれてゐし竹婦人 田中文治 火星 201311
竹婦人一度も抱かずじまひなり 白水良子 201312
首都高速落とし物あり竹婦人 東英幸 船団 201403
かたみわけ棄てられにゆく竹夫人 中山純子 万象 201408
幼なきがころがし遊ぶ竹夫人 中山純子 万象 201408
朝方はあられもなくて竹婦人 吉田葎 201409
竹夫人横に爆睡球児かな 和田郁子 201409
定宿の博多にありし竹夫人 戸田春月 火星 201411
夢覚めてまだ竹夫人抱いてゐし 木村享史 ホトトギス 201501
民芸館に寝かせてありし竹婦人 松田明子 201510
家移りのたびついてくる竹婦人 松田明子 201510
時々は向きを変へやる竹夫人 永淵惠子 201510
今年又納戸を出でず竹婦人 白水良子 201512
時々は向きを変へやる竹夫人 永淵暫子 201607
竹夫人いつの間にやらどこへやら 原田達夫 201610
蹴とばして跳返りくる竹婦人 松本文一郎 六花 201611
触れてみる寝具売り場の竹夫人 内海良太 青嶺 201612
あれ以後に食ほそりたる竹夫人 佐藤喜孝 あを 201703
碁に負けて帰る病室竹夫人 臼杵游児 春燈 201710
竹夫人抱けばささくれをりしかな 福島せいぎ 万象 201710
夫の連れきし桂林の竹婦人 笹村政子 六花 201710
病む夫に添ひし私と竹婦人 笹村政子 六花 201711
右肩の凝る癖あるも竹婦人 神蔵器 風土 201712
竹夫人足が絡んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
竹夫人足が絡んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
竹婦人抱いて命の存へり 江島照美 201808
クローゼットに転がっている竹婦人 火箱ひろ 201809
奥の間に立たされてをり竹婦人 池乗恵美子 末黒野 201810
竹婦人出番なきまま色変はる 高倉和子 201812
口答へせぬがよろしよ竹夫人 岩永はるみ 春燈 201908
竹婦人のボデイー直して寝そびれし 柳川晋 201908
相応に齢重ぬる竹婦人 森岡正作 201909
村長の家に残りし竹夫人 千葉禮子 202009
捨てやうか夫の遺せし竹婦人 笹村政子 六花 202011
竹婦人は純国産の二萬円 柳川晋 202103
立ちつくし土蔵を出でぬ竹婦人 柴田佐知子 202208

 

2023年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。