焚 火 4       100句

鶏頭を目がけ飛びつく焚火かな   松本たかし   松本たかし句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夜焚火に棘あるものを放り込む 高橋芳子 火星 200702
畑焚火水かけて消す月白き 城戸愛子 酸漿 200702
初霜は焚火の跡を濃くふりぬ 定梶じょう あを 200702
大枯葉焚火あふぐに適ひけり 野路斉子 200702
沖晴れて甲高きこゑ磯焚火 近藤きくえ 200703
浜焚火船の帰りを待つ家族 石田邦子 遠嶺 200703
おだやかに煙這ひをり畑焚火 青木陽子 酸漿 200703
寒泳者迎へる浜の大焚火 齋部千里 ぐろっけ 200703
焚火はや龍の丈なす句碑開き 柴田佐知子 200703
火照りたる焚火の顔のまま戻る 高倉和子 200703
慇懃に遅れて入るや朝焚火 佐藤山人 200704
鶯の初音が近し庭焚火 阿部文子 酸漿 200704
空焦がす焚火に浮かぶ君の顔 延川笙子 六花 200704
焚火見て川の合はさる明るさに 百瀬七生子 海光 200705
真中を踏み抜いてゆく焚火跡 百瀬七生子 海光 200705
右顧左晒嫌うて焚火してゐたり 大谷茂 遠嶺 200705
戻らざる犬に半夜の焚火上ぐ 薮脇晴美 馬醉木 200706
祈りつつ地震の忌日の焚火かな 長山あや ホトトギス 200706
垂れ蔓のほのかに搖るゝ焚火かな 瀧春一 200706
柴犬は杣が焚火を夢に見る 瀧春一 200706
君抜けし焚火にとどく波の音 樋口みのぶ 200707
ひとり焚火して体内の水減らす 伊藤白潮 200712
てのひらの折鶴焚火にくべにけり ことり 六花 200712
くすぶりてそのまま夜へ榾焚火 白数康弘 火星 200712
朝の雨上り焚火のはじまれる 稲畑汀子 ホトトギス 200801
いつまでも焚火の匂ふ女かな 稲畑汀子 ホトトギス 200801
焦げ跡の砂に食ひ込む浜焚火 吉沢陽子 200801
橋桁へなびく煙や畑焚火 吉沢陽子 200801
檜葉くべて焚火一気に加勢せり 能村研三 200801
終りまでひとりぼつちの焚火守 伊藤白潮 200801
焚火跡確かめに出て星揃ふ 伊藤白潮 200801
老いどちのつどひて焚火貸農園 山荘慶子 あを 200801
賀の一字ふるへ焚火の内に燃ゆ ことり 六花 200802
大焚火消したる闇に遺されし 泉田秋硯 200803
故郷や心の草の焚火跡 佐々木新 春燈 200803
携帯の電話忙し焚火前 松嶋一洋 200803
焚火ある畑に来りて葱を買ふ 鈴木良子 酸漿 200803
心もとなしと子を呼ぶ夕焚火 大塚民枝 酸漿 200803
木の形の崩れず焔立つ大焚火 おかたかお 200803
棟梁のまづ離れたる焚火かな 奥田順子 火星 200804
案の定浜の焚火となりにけり 高橋澄子 200804
うみどりの羽根混じりたる浜焚火 大川ゆかり 炎帝 200804
焚火跡暖かさうに寒さうに 後藤比奈夫 ホトトギス 200805
痩せ猫の目を凝らしゐる焚火かな 町田美枝子 遠嶺 200805
産土様に焚火跡ある三日かな 國保八江 やぶれ傘 200805
堂守が焚火踏み消す雪間かな 河崎尚子 火星 200805
尾鰭つく話燃やして磯焚火 木内美保子 六花 200805
朝散歩川辺焚火に手を温め 関口房江 酸漿 200805
漁上がり話のはづむ磯焚火 川合まさお ぐろっけ 200806
松原の向う見えゐる磯焚火 城孝子 飛火野 200808
枝くべて焚火仲間となりにけり 鈴木直充 素影 200811
たつぷりと焚火の匂ひまとひけり 小泉貴弘 筑波の道 200811
情念の燃え盛りゐる焚火かな 小泉貴弘 筑波の道 200811
落城の火色もかくや夜の焚火 鷹羽狩行 200812
マタニティーブルー焚火に手を翳し 小林奈穂 200812
野晒しの朽木を割りて焚火かな ことり 六花 200812
火の粉飛ぶたびによけつつ焚火かな ことり 六花 200812
恒例の焚火中止の布令となる 稲畑汀子 ホトトギス 200901
ジンギスカンの野営焚火の漢たち 石原みどり 炎環 200901
知らざるは本人ばかり焚火跡 石原みどり 炎環 200901
焚火して口ずさみたる青春歌 加藤克 200901
夕焚火杣道の奥杣の家 中田禎子 白猪 200901
植木職人焚火にいまもバツトを喫ふ 瀧春一 深林 200901
焚火する上棟式や遠浅間 森川彩火 炎環 200902
海女焚火貝のことより孫のこと 宇都宮滴水 京鹿子 200902
縄文人末裔根つから焚火好き 辻美奈子 200902
流木の骨投げ入れて浜焚火 松本圭司 200902
犬も居て貸農園の焚火かな 山荘慶子 あを 200902
登校を老の促す庭焚火 橋本貞二 酸漿 200902
夕焚火暗算ごつこする親子 村上祥三 やぶれ傘 200902
晩年と思ふ焚火を育てゐて 泉田秋硯 200903
ゐるやうにゐなくなりたる夕焚火 曽根新五郎 炎環 200903
焚火守髯の中より笑まひけり 小林紀代子 馬醉木 200904
門前に焚火の匂ひ蕎麦処 北畠明子 ぐろっけ 200904
初戎先づは焚火の輪に入りて 緒方佳子 火星 200904
小春日や先づは焚火の山仕事 木下忠雄 酸漿 200904
腕組みて沖見る漁夫や大焚火 山田春好 200905
あらまほしきは故郷の焚火の輪 藤井圀彦 200905
浜焚火雨戸長持投げ入れて 小林朱夏 200905
禰宜ひとり焚火の番や松の内 國保八江 やぶれ傘 200905
背を向ける男に焚火燃え上がる 高橋将夫 真髄 200907
菊畑のなかより焚火煙かな 八田木枯 晩紅 200908
けぶりつつ木の実の爆ぜる焚火かな 山田六甲 六花 200911
村人の火の見の下の大焚火 滝沢伊代次 万象 200912
雨の降るまでの焚火となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201001
雨降つて来たる焚火は捨て置かれ 稲畑汀子 ホトトギス 201001
お旅所の焚火につどひはぐれ鹿 小林成子 201002
島裏の独り焚火は狼煙めく 久染康子 201002
モノクロの焚火ぽっかり茜空 鎌田悟朗 ろんど 201002
風下の鬼の隠るる浜焚火 樋口みのぶ 201002
白き炎の沖へ流れて浜焚火 藤岡紫水 京鹿子 201003
何処より来しと問はるる大焚火 曷川克 遠嶺 201003
夕暮に残してきたる焚火跡 服部早苗 201003
背で聞くうはさ話や焚火の輪 高橋喬子 201004
裏になり表になりて焚火かな 矢野百合子 201004
焚火爆ぜひとの言葉をきくごとく 中村恭子 201004
輪を解いて焚火埃を払ひ合ふ 稲岡長 ホトトギス 201005
焚火する人に郵便届きけり 大島英昭 やぶれ傘 201005
燃え尽きろ焚火の中の通信簿 石川裕美 ぐろっけ 201005
もの云ふも火と語るやう焚火番 布川直幸 201011
焚火→ 5      

 

2021年1月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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