焚 火 3       100句

安達太郎の璃瑠襖なす焚火かな   加藤楸邨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
登校の子供等を待つ焚火かな 堀川千代子 百鳥 200304
焚火の火ときに地獄絵見せもして 安原葉 ホトトギス 200306
夜焚火に少年はこゑ荒らげたる 仙田孝子 風土 200307
遅れきて焚火の始末頼まるる 白岩三郎 馬醉木 200402
一人居の背中まるめて夕焚火 高畠英 河鹿 200402
洛北の大き闇なか焚火立つ 山崎靖子 200402
山城国に焚火の煙立つ 沖増修治 百鳥 200402
猟男達ゆくや焚火をもみ消して 小山漂葉 酸漿 200402
猟ばなしはづむや焚火つぎ足して 小山漂葉 酸漿 200402
焚火果つ家々に灯の行きわたり 岡本眸 200402
浜焚火ぐらりとゆらぐ水平線 淵脇護 河鹿 200403
夜焚火に染まる赤子を渡されし 山尾玉藻 火星 200403
栗毬の形そのまま焚火跡 高橋清 草の花 200403
身の軽くなりて焚火を離れたり 高倉和子 200403
箒もて焚火に空気入れてをり 小林朱夏 200403
糶市の始まるまでの浜焚火 川瀬信子 築港 200403
流木を堆く積み浜焚火 川瀬信子 築港 200403
雑念のつぎつぎおこる焚火爆ぜ 木場田秀俊 200404
存問のとり囲みゐる焚火かな 粟津松彩子 ホトトギス 200404
一人加はりて減ることなき焚火 粟津松彩子 ホトトギス 200404
焚火して雲を呼びたる翁かな 清水晃子 遠嶺 200404
声高に段取り交はす朝焚火 吉武千束 200404
焚火して人なに想ふ黙すとき 原田竜子 河鹿 200404
幾たびも浜の焚火の燃え上がり 皆川盤水 200404
働きにゆく手を翳す焚火かな 伊藤和枝 百鳥 200404
流木を引き摺つて来る浜焚火 長谷川守可 百鳥 200404
大釜の湯気片寄れり磯焚火 望月澄子 対岸 200404
大焚火海女の雫の砂に染む 小野寺靖 百鳥 200404
糶終りたる魚河岸の大焚火 千坂美津恵 200405
焚火して殊にはかなき萩の燠 稲岡長 ホトトギス 200406
焚火中暗き炎は萩ならめ 稲岡長 ホトトギス 200406
夏果つる小さき焚火へメモ投げて 岡本眸 200408
焚火の香たたせ谷中に住み古りぬ 橘澄男 山景 200408
磯焚火遠くで男見てをりし 内藤ゑつ ゑつ 200411
一切を投じ了へたる焚火かな 中村房枝 六花 200412
背から昏れ黙深めけり焚火守 伊藤白潮 200501
焚火もう離るる人をとどめざる 稲畑汀子 ホトトギス 200501
雨上りさうよ焚火に顔揃ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200501
雨粒に色の濃くなる焚火跡 柴田佐知子 200502
焚火の輪誰彼言はずくべたせり 西野良治 築港 200502
大らかに焚火の煙山に入る 松井洋子 雲の峰 200502
指で梳く髪にうつりし焚火の香 栗原公子 200502
捨てかねし文たきしろに焚火かな 栗原公子 200502
奧林に見し懐かしき焚火かな 小澤克己 遠嶺 200502
大焚火一身にある裏表 今瀬剛一 対岸 200503
焚火して語り合ひゐる影と影 工藤義夫 馬醉木 200503
夕焚火まだ燃えしぶるもののあり 秋岡朝子 200503
冬住の里はここぞと焚火跡 村越化石 200503
地曵網済みし浜辺に焚火跡 小池とみを 雲の峰 200503
夜焚火のおくに般若のかをがある 片山タケ子 200503
焚火して開発説明となり組 数長藤代 200503
背戸山に寺の焚火の煙来る 金國久子 遠嶺 200503
友等若し焚火囲めば胸の照り 岡本眸 200503
知己のごと人の輪となる焚火かな 足立典子 雨月 200504
旧要塞砲座に残る焚火跡 三浦如水 ぐろっけ 200504
姦しき焚火の関所擦り抜ける 石岡祐子 200504
釣人の笑顔のまじる夕焚火 酒井美津 遠嶺 200504
山賊のごとき面々夜の焚火 高橋烝 200505
その中の生木のいぶり春焚火 栗栖恵通子 200505
飛ぶ鴉一羽が鳴けり浜焚火 西屋敷峰水 河鹿 200505
焚火爆ず神に仕へて青袴 角直指 京鹿子 200505
焚火爆ぜ密寺の比丘尼愚痴こぼす 角直指 京鹿子 200505
手を上げて焚火の方へ曲がりたる 小山國雄 百鳥 200505
ていねいにていねいに庭焚火かな 山田弘子 ホトトギス 200506
焚火にも庭師の矜持ありにけり 山田弘子 ホトトギス 200506
枯桑をひしひし折りて夜の焚火 瀧春一 菜園 200509
いぶらせておく三寒の浜焚火 遠藤真砂明 波太渡し 200510
くすぶるにまかせて焚火主は居ず 小川匠太郎 200511
焚火背に語り部いよよ饒舌に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
焚火してをればたちまち五六人 稲畑汀子 ホトトギス 200601
庭師来てまかせてしまふ焚火かな 稲畑汀子 ホトトギス 200601
焚火する庭の限界あることを 稲畑汀子 ホトトギス 200601
冬の浜焚火のほかに色はなし 鷹羽狩行 200601
火曜日の次は水曜焚火かな 木村みかん 200602
本堂の畳のうねり柴焚火 浜口高子 火星 200602
焚火して写真の私ねぢれゆく 河崎尚子 火星 200602
焚火する浅瀬はさんで焚火かな 加藤廣子 火星 200602
涙目となりて果てたる夕焚火 小林朱夏 200602
だぼだぼと小魚量る焚火かな 深澤鱶 火星 200603
逃がしたる魚の話浜焚火 足利徹 ぐろっけ 200603
やんはりと土をまとひて焚火あと 高木千鶴子 酸漿 200603
ゆつくりと山が近づく焚火かな 柴田朱美 京鹿子 200603
田に畑に樹々に焚火のけむりかな 糸川草一郎 百鳥 200604
流れ来しもので足りけり磯焚火 木内美保子 六花 200604
壊れ椅子まで抛り込み浜焚火 土永三輪子 対岸 200604
庭焚火果ててさびしくなりにけり 稲岡長 ホトトギス 200605
焚火の輪なにか企みゐるらしく 奥本甫 200605
うしろより閻魔がのぞく夕焚火 遠野萌 200605
柏手の音入りきたる焚火かな 宮森毅 六花 200605
恒例の庭焚火より年果つる 桑田青虎 ホトトギス 200606
燠といふ焚火のつひの吐息かな 長山あや ホトトギス 200606
燃えつかぬ焚火葬列よりあはれに 八田木枯 晩紅 200606
焚火の輪あの名優の名が出てこない 丹生をだまき 京鹿子 200606
指先を遠き焚火へかざしたる ことり 六花 200607
鉢巻の氏子の囲む大焚火 滝沢伊代次 万象 200612
水かけて焚火の炎遠ざけし 稲畑汀子 ホトトギス 200701
焚火より引き上ぐる人残る人 稲畑汀子 ホトトギス 200701
杣人の柿焼きて食ふ夕焚火 長田秋男 酸漿 200701
焚火して厄を落とした顔になる 小林朱夏 200702
烏瓜手繰ればにほふ焚火跡 深澤鱶 火星 200702
      焚火→ 4

 

2020年12月20日 作成

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