焚 火 2       100句

寒山拾得焚火鑑賞始まりぬ    和田魚里

作品
作者
掲載誌
掲載年月
故郷の道の始まる焚火跡 富沢秀雄 船団 200111
雨二日大地乾かぬ焚火かな 稲畑汀子 ホトトギス 200112
一天を仰ぎ焚火の始まりし 稲畑汀子 ホトトギス 200112
薯埋めてだれも離れぬ焚火の輪 佐々木踏青子 200112
割り込んで会話ふくらむ焚火の輪 正木光子 いろり 200112
焚火して追悼の情深くせり 稲畑汀子 ホトトギス 200201
竹爆ぜて焚火の空を広げけり 稲畑汀子 ホトトギス 200201
泥臭き焚火くすぶる枯蓮田 皆川盤水 春耕 200201
焚火あり老がいそしむ畑仕事 梅田秀子 酸漿 200201
波乗の若者集ふ浜焚火 川上美穂子 酸漿 200201
杜広場焚火豊かに初日待つ 小野ちゑ 酸漿 200201
のろしめく白き焚火や屋敷森 関口ゆき あを 200201
大焚火どんぐり一つ撥ねだせり 金丸鐵蕉 200202
遠巻きに鴉来てゐる磯焚火 酒井多加子 雲の峰 200202
夜焚火にあぶる両手の裏表 杉江茂義 雲の峰 200202
四十代目平野仁右衛門焚火痕 代田青鳥 風土 200202
研師きて海女の焚火に寄りてゆく 小山香月 酸漿 200202
焚火して八方の闇深うせり 岡本久也 200202
もてなしの今日の一番大焚火 遠藤とく 200202
焚火せり田中冬二の来し村に 佐野まさる 百鳥 200202
焚火跡ひと言主の神の前 山尾玉藻 火星 200202
垣越しに藷の匂ひの焚火かな 河上麗子 春耕 200202
大焚火保母と園児が遠巻きに 栗林松枝 春耕 200202
子供らに去勢されたる焚火かな 田村はじめ 銀化 200202
遺伝子の野性に還る焚火かな 菅藤良子 銀化 200202
寒釣や蘆の切れ目に焚火あと 藤井昌治 200202
淡路島漁師ら焚火日本書紀 林日圓 京鹿子 200202
焚火して沈香の香に驚けり 林日圓 京鹿子 200202
冬焚火風の流れを読みし上 日野公子 ぐろっけ 200202
焚火する準備整へ去ぬ庭師 黒川悦子 円虹 200203
葬つて来し手ばかりの焚火かな 山尾玉藻 火星 200203
伏兵の殺気を背なに焚火の輪 柴田奈美 銀化 200203
いつまでも焚火の跡を掃いてをり 田村はじめ 銀化 200203
浜焚火得体の知れぬものけぶり 中村立身 百鳥 200203
帰りにも声かけられし焚火かな 長谷川守可 百鳥 200203
揚舟のまだ濡れてをり焚火の輪 佐野幸子 百鳥 200203
参道のまだぬれてゐる焚き火あと 村上田鶴子 風土 200203
漂着の椅子に父ゐる焚火かな 木曽岳風子 六花 200203
丹波路の山へ溶けゆく大焚火 笹村政子 六花 200203
束の間の焚火の主となつてゐし 笹村政子 六花 200203
棟梁の足で踏み消す夕焚火 笹村政子 六花 200203
あつけなく火種絶やして浜焚火 笹村政子 六花 200203
母在りし日の匂ひなり庭焚火 東尾G子 馬醉木 200204
簗の杭投げ込まれたる焚火かな 櫨木優子 200204
痩せ山羊守焚火の傍で野宿せり 高橋正彦 200204
七合目大き焚火に休みけり 宮澤美和子 百鳥 200204
焚火の輪旧知のごとく人を容れ 岡田透子 百鳥 200204
弔ひの庭にもてなす焚火かな 長谷川守可 百鳥 200204
焚火して見守る沖の捜索船 村瀬初実 春耕 200204
大焚火囲みて漁夫の厄落し 櫻井多恵 200204
噛み切れぬ烏賊口にある浜焚火 櫻井多恵 200204
缶焚火漢股火の裾焦がす 佐々木スガ子 ぐろっけ 200204
みたらしの水掛けて解く焚火の輪 佐野總一郎 200205
大焚火地球の軸となつてをり 市川英一 遠嶺 200205
蜑焚火かなしきことの無きごとく 岡本眸 200206
薪はみな一氣のちから蜑焚火 岡本眸 200206
磯焚火燃えしぶるものさらに足す 長田等 200207
夜焚火の誰かが風を連れて来る 宮原みさを 花月亭 200208
焚火してつくづく終の栖かな 宮原みさを 花月亭 200208
焚火して寒山拾得にも会はん 宮原みさを 花月亭 200208
焚火するための用意のととのへり 稲畑汀子 ホトトギス 200212
又一人焚火の匂ひまとひ来し 稲畑汀子 ホトトギス 200212
ポケットの鍵ぬくもりし焚火かな 稲畑汀子 ホトトギス 200212
頬上気してなほ焚火奉行かな 稲畑汀子 ホトトギス 200212
焚火の輪炎伸びたり縮んだり 稲畑汀子 ホトトギス 200212
隠すこと出来ぬ焚火の匂ひかな 稲畑汀子 ホトトギス 200212
みんなが寄る太さ等しき榾焚火 伊藤白潮 200301
焚火より焚火へ声をかけて去る 大串章 百鳥 200301
喪のあとをきのふにつづく昼焚火 岡崎るり子 銀化 200301
冗談で済まなくなりぬ大焚火 土井田晩聖 銀化 200301
朝焚火背中で話してをりぬ 藤野力 馬醉木 200302
皆去つて焚火の時間過ぎ易く 稲畑汀子 ホトトギス 200302
締切の時間来てゐし焚火かな 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薮かげにいつもの焚火川普請 桑田眞佐子 火星 200302
焚火してどんどん過去を投げ込める 塩川雄三 築港 200302
榾焚火がさと崩れて火の粉噴く 川村紫陽 200302
焚火あと影を小さくたたみけり 宇都宮滴水 京鹿子 200302
文殻を燃やす小さき焚火かな 森脇恵香 雲の峰 200302
缶焚火生木ぶつぶつ泡を噴く 田中嘉代子 ぐろっけ 200302
流木をキの字に置きて磯焚火 土屋利之 ぐろっけ 200302
御馳走は焚火いちばん針供養 三嶋隆英 馬醉木 200303
糶待ちの焚火大きくなりにけり 前田青紀 馬醉木 200303
大焚火天下を語る漢たち 若生まりあ 遠嶺 200303
主なき犬の焚火に蹲る 安部しずほ 築港 200303
文の束焚火にくべて身じろがず 村田美穂子 百鳥 200303
夕焚火寄り来る闇と逃げる闇 長山あや 円虹 200303
いろいろな靴を見てゐる焚火かな 城孝子 火星 200303
一人来て静かになりぬ夕焚火 浜口高子 火星 200303
手とスパナ汚れてゐたる焚火かな 堀義志郎 火星 200303
来の宮に注連を飾りし大焚火 三澤福泉 雲の峰 200303
焚火もて仕舞ふ今年の山の家 黒崎よし江 雲の峰 200303
マシュマロを小枝の先に焚火かな 黒崎よし江 雲の峰 200303
もう誰も口を閉ざしぬ夕焚火 平田はつみ 馬醉木 200303
地酒酌み焚火に焦げし長寿眉 新田巣鳩 馬醉木 200303
明日くると鶴守畦に焚火して 木田千女 200304
紙は紙木は木の灰に庭焚火 片山由美子 200304
遠巻きに鴉の遊ぶ焚火かな 川瀬さとゑ 雲の峰 200304
一目散に子がかけてくる夕焚火 伊藤月江 雲の峰 200304
生木足す山の焚火に招ばれけり 小石秀子 酸漿 200304
咽せるとて焚火をわたり歩くひと 利根川博 銀化 200304
焚火→ 3      

 

2020年12月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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