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滝が落つ金槌ならむまぎれ落つ    竹中宏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白妙の布引の滝仰ぎけり 山田六甲 六花 200805
長滝の水を曲げたる兜岩 山田六甲 六花 200806
滝音の飛沫となりてをどり来る 小寺ふく子 六花 200806
滝の水重さ軽さの交りけり 小寺ふく子 六花 200806
滝音や峡の景呼ぶ心地して 小寺ふく子 六花 200806
一丈の滝が迎へる渓の茶屋 森下康子 200807
滝音に合はせし会話ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200807
これよりは上りとなりぬ滝の径 稲畑汀子 ホトトギス 200807
音消えてよりふり返る滝となる 稲畑汀子 ホトトギス 200807
雪渓も滝も一句に詠み入れよ 伊藤白潮 200807
垂直は一途のかたち滝しぶき 宮島宏子 200807
歯の折れし櫛を瀧水へと流す ことり 六花 200807
聾ひて滝の白面仰ぐのみ 岡田貞峰 馬醉木 200808
滝裏より巣立つ一閃川烏 岡田貞峰 馬醉木 200808
逃亡者めく裏滝を見るコース 久染康子 200808
滝を見て身の内に冷えまとひけり 白数康弘 火星 200808
翳りてはなほ滝音の高まりぬ 白数康弘 火星 200808
滝不動茶碗の水のなみなみと 白数康弘 火星 200808
一抹のさみしさありぬ滝落ちて 白数康弘 火星 200808
滝落すごとくはくれん崩れけり 藤田宏 長城 200808
滝の前懸命に舞ふ小灰蝶 阿部悦子 酸漿 200808
一条の滝の上なる青葉風 伊藤いな栄 酸漿 200808
熊笹を掻き分けゆけば男滝あり 坂本緑 幸せのかたち 200808
轟きて瀧たち上がり立ちあがり 宮崎すみ 神々の交信 200808
瀧見たるのち良く匂ふ杉一樹 宮崎すみ 神々の交信 200808
瀧二つ落ち合うて水平らなり 宮崎すみ 神々の交信 200808
走り根のあきらかに瀧涸るるなり 宮崎すみ 神々の交信 200808
壺に落ちてんやわんやの滝の水 尾生弘子 200809
全山の気勢あつめて瀧となる 小澤克己 遠嶺 200809
自づから素直になれり滝の前 池田崇 200809
滝音の内緒話に割り込みぬ 飛鳥由紀 200809
滝落ちる圧力いまも胸を打つ 佐藤健伍 200809
まつ白な地軸となりて那智の滝 浅田光代 風土 200809
乾坤を奔る真白や梅雨の滝 川崎光一郎 京鹿子 200809
千年の水音湛へ瀧に壷 伊藤希眸 京鹿子 200809
燃えさしの残つてをりし滝のそば 雨村敏子 200809
ロープウエイよりの全容岳の滝 片岡久美子 200810
存分に夜空張りをり滝谺 西川織子 馬醉木 200810
滝ひびく奥利根みちや群青忌 佐藤いね子 馬醉木 200810
水無月の庭滝の辺にかそけく居 稲岡長 ホトトギス 200810
落つる滝翡翠の水に溶けゐたり 近藤きくえ 200810
伊豆の瀧飛沫のかかる処まで 丸山勝利 遠嶺 200810
水落ちて滝起ちあがる谷の奥 布川直幸 200810
滝水の岩苔抜けし玉雫 米山喜久子 200810
源は知らずに仰ぐ四度の滝 米山喜久子 200810
滝口に近づく水の昂れり 米山喜久子 200810
総身を貫く男滝の落下音 小城綾子 200810
滝壺の息の荒さの飛沫かな 黒澤登美枝 200810
滝音の欠片あまたのみどりなす 黒澤登美枝 200810
音遠く静寂を呼ぶ滝の裏 渡部磐空 200810
トンネルを抜けてたちまち滝しぶき 鈴木セツ 200810
滝風を浴ぴて神さぶ気にひたる 井島郷雲 万象 200810
先達の水へ落ちゆく滝の水 太田佳代子 春燈 200810
滝落つる峡とは知らず途中下車 荻野嘉代子 春燈 200810
滝壺にわが魂独りあそびして 千田敬 200810
誓子と見し剥き出し巌の旱瀧 品川鈴子 ぐろっけ 200810
瀧見にと選ぶ袵の壺模様 品川鈴子 ぐろっけ 200810
滝壺は水の怒りを抱きとめて 木村美猫 ぐろっけ 200810
滝坂道来て夏鹿の群に遇ふ 今井妙子 雨月 200810
沢の奥男滝女滝に出合ひけり 網野茂子 酸漿 200810
滝仰ぐ晩年と呼ぶ枷の中 藤井昌治 200810
滝音が人を寡黙にしてをりぬ 今橋眞理子 ホトトギス 200811
滝裏を歩むや蔓を掴みつつ 中村翠湖 馬醉木 200811
山陽の雄渾の詩碑滝仰ぎ 定藤素子 雨月 200811
滝音の魁夷の画中に入りにけり 桜三奈子 200811
ビクトリア滝己しぶきで隠しをり 渡辺玄子 酸漿 200811
滝壺は冥府に近きところかも 渡辺玄子 酸漿 200811
相寄りてのち競ひ合ふ滝の水 平井澪子 六花 200811
山中の音消し去つて滝しぶき 市村健夫 馬醉木 200812
二重滝のろひ杉てふ釘の跡 加藤峰子 200812
霧はれし滝の捩れてをりにけり 杉浦典子 火星 200812
夕焼けて涸滝すこし縺れけり 岡本眸 200812
白といふ色を作りて滝と落つ 嶋田一歩 ホトトギス 200901
女滝見しあとの男滝のつまらなし 荒井千佐代 200901
瀧白くゆらめきのぼり音もなし 瀧春一 深林 200901
夕瀧の挂るばかりにほの白く 佐藤喜孝 あを 200901
おうと声あとは無言に滝を仰ぐ 野沢しの武 風土 200902
神還りませし滝音滝しぶき 杉浦典子 火星 200902
滝しぶき浴びつつ汗の引きにけり 山嵜ヤス子 酸漿 200903
滝筋を水矢が水矢追ひかける 品川鈴子 龍宮の客 200904
男体山凝りて竜頭の滝となる 國永靖子 ぐろっけ 200904
郷はよしねぎごと叶ふ瀧の虹 禰寝瓶史 京鹿子 200906
滝壺やなんども玉になる少年 田島健一 炎環 200907
養老の滝の近きに座禅僧 古田考鵬 雨月 200907
養老の師の句碑讃へ滝讃へ 高木典子 雨月 200907
滝落ちて岩を打つ音しぶく音 渡辺暁 酸漿 200907
身ほとりのぱらぱらほぐれ滝しぶき 中野京子 200908
遡りゆくごと滝の落ちにけり 北川英子 200908
落ちながら滝のひとつぶづつ孤独 辻美奈子 200908
滝行に滝蒼ざめて落ちゐたる 秋葉雅治 200908
清滝は小滝高尾の一の滝 阿部ひろし 酸漿 200908
みんみんや清滝小滝いきいきと 阿部ひろし 酸漿 200908
滝行者めきて人立つつつじ滝 守屋井蛙 酸漿 200908
空つぽのボトルを滝に差し出せり 山路紀子 風土 200908
滝までは行けず水音に耳澄ます 鈴木圭子 200908
北斎の滝の飛沫を仰ぎ見る 鈴木圭子 200908
高きより輪廻転生滝しぶき 中根健 200908
滝道を辿り着きたる磨崖仏 手島伸子 雨月 200908
昼にして骸骨滝の山気かな 有本恵美子 ろんど 200908
滝行の音声登る杉木立 篠田純子 あを 200908
滝 →9      

 

2021年5月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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