7     147句

滝をのぞく背をはなれゐる命かな    原石鼎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝道に人声はみな弾みをり 中田とも子 200608
梅雨滝に石の混じれる音したる 山田六甲 六花 200608
霞かな夫婦滝ある庭にゐて 佐原正子 六花 200608
荒滝に諸手を拡げ対しけり 谷榮子 雨月 200608
梅雨滝のみなぎる力総身に 谷榮子 雨月 200608
念仏の声とも滝の遠こだま 長沼三津夫 200608
ひぐらしやあまた瀧落つ湯檜曾川 水原秋櫻子 馬醉木 200609
夏萩や涸れたるままの修験滝 佐藤秀 春燈 200609
生くること不可も可もなし瀧の前 水野恒彦 200609
人去りて滝音いよよ高鳴れり 岩月優美子 200609
音羽瀧ゆれて柄杓の定まらず 竹中一花 200609
身ほとりを瀧の風の過ぎゆけり 戸栗末廣 火星 200609
滝しぶき浴びてからだの浮き上がる 浜口高子 火星 200609
ジーパンの女泣きをる滝の前 天谷翔子 火星 200609
問ふ我と答ふる吾と瀧飛沫 小澤克己 遠嶺 200609
滝の前背なに翼を感じけり 片山タケ子 200609
滝見るに香炉峰へと玉虫飛ぶ 松崎鉄之介 200609
滝見台黄衣の僧の経唱ふ 松崎鉄之介 200609
滝見衆布袋腹出し西瓜食ふ 松崎鉄之介 200609
退しさりてはまた退りては仰ぐ滝 阿部ひろし 酸漿 200609
七夕竹飾りて涼し滝の道 中里 信司 酸漿 200609
浄蓮の滝の涼しさに子持羊歯 中里 信司 酸漿 200609
釜滝の溢るる飛沫浴びにけり 田中喜久子 酸漿 200609
丹田に受けし滝音持ち帰る 安武晨子 200609
雲間より一直線に滝落つる 田島洋子 200609
神の在す滝にためらひなかりけり 田島洋子 200609
滝壺を隠してをどる水しぶき 田島洋子 200609
山祇を崇め那智滝仰ぎけり 中山勢都子 200610
出奔のこころ消えたる瀧の前 水野恒彦 200610
真向ひし滝へ女の深まなざし 大島翠木 200610
滝音を背にしてよりの足かろし 近藤きくえ 200610
大滝のしぶきの中に神のゐて 近藤公子 200610
大滝の迫り思はず合掌す 近藤きくえ 200610
奈落へと鎖をたどる那智の瀧 名和政代 万象 200610
滝になる水赤岩を青岩を 林翔 200610
峠路の馬籠妻籠へ滝いくつ 和田一 雨月 200610
滝音と声明和して音無に 林日圓 京鹿子 200610
昆虫館ガラスドームに滝おとす 鈴木石花 風土 200610
涼しさを身にまとふなり滝の前 東芳子 酸漿 200610
水勢の躍動見せて雨後の滝 中里カヨ 酸漿 200610
滝口に水盛り上げて滝しぶく 飯田角子 酸漿 200610
白々の滝を遙かに山毛欅立てり 小松渓水 酸漿 200610
滝音や深き眠りの覚めし朝 小平恒子 酸漿 200610
滝壺を出でし水なりやすらぎぬ 鈴木多枝子 あを 200610
滝落つる天に怒りのあるごとく 岩岡中正 ホトトギス 200611
那智の滝わがこころざしみそなはせ 長山あや ホトトギス 200611
滝涼し和讃洩れくる奥の院 塩井志津 万象 200611
護摩壇の檜葉燃え盛る滝びらき 塩井志津 万象 200611
遠滝のところどころを昼のぎす 浜口高子 火星 200611
瀧飛沫志すことまだありぬ 川口襄 遠嶺 200611
山城の道は瀧にてゆきどまり 目黒慧 遠嶺 200611
奥入瀬の数多の小瀧響き合ふ 塩田京子 遠嶺 200611
那智の滝翠微の日矢を貫けり 薮脇晴美 馬醉木 200611
滝めぐり遊覧船にしぶきけり 小泉和代 酸漿 200611
瀧暮れて黄泉へまつすぐ水落す 柴田佐知子 200611
滝茶屋に滝の谺を聞きゐたり 大久保久枝 200611
しろじろと滝水速し木下闇 大久保久枝 200611
滝激し少名毘古那社揺れをらむ 浜田南風 200612
滝音の雨音を遠ざけてをり 坊城俊樹 ホトトギス 200612
観月会滝なす雨となりにけり 水原春郎 馬醉木 200612
華厳滝とどろく裾に虹現るる 木暮剛平 万象 200701
滝壺に男を押してきたところ ことり 六花 200701
滝川は魚の影が綺麗なり ことり 六花 200701
またここに滝あり熊野古道往く 浅井青陽子 ホトトギス 200702
二筋の音をひとつに夫婦滝 有吉桜雲 200702
一筋にして脈々と滝涸るる 今橋眞理子 ホトトギス 200705
山葵田へ夜も浄蓮の瀧の音 刈米育子 200705
流るるも落つるも滝の姿なり ことり 六花 200705
瀧の音とほくてちかし霧ふすま 堀内一郎 あを 200706
瀧口の暗きに百合の咲き見えぬ 瀧春一 200706
道細くなりゆく先に滝太し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
滝となる水地に還る水であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
滝に腹出して秩父の子でありし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
一瞬の水の命を滝として 稲畑汀子 ホトトギス 200707
若き歩に離れて一歩づつ滝へ 稲畑汀子 ホトトギス 200707
滝壺といふたましひの溜まり場所 伊藤白潮 200707
滝壷へ近づきゆける日傘かな ことり 六花 200707
滝風に日傘飛ばされゆきにけり ことり 六花 200707
滝の音平家の縁語りをり 芝宮須磨子 あを 200707
滝も見ず別行動もとれずをり 伊藤白潮 200708
滝壺の水の浮力を掬ひをり 成田美代 200708
開山僧の修業の窟や滝の音 向井芳子 春燈 200708
修験者も大音声や滝の音 島田山流 春燈 200708
大雷雨に養老の瀧黄河めく 松崎鉄之介 200708
瀧見茶屋の山菜飯の菜飯めく 松崎鉄之介 200708
瀧壺のしぶきが崖を上りゆく 大澤君子 遠嶺 200708
滝音に向ける背骨のひとつづつ 山田美恵子 火星 200708
荒行や鋼となりて滝を割る 小林朱夏 200708
魚山滝南を呂とし北を律 林日圓 京鹿子 200708
滝音に声明和して音無しに 林日圓 京鹿子 200708
荒瀧やぬめる木の根をつかみ登る 山田六甲 六花 200708
落人の如し瀧巖登れるは 山田六甲 六花 200708
霊山を統べて閑かに滝はげし 長沼三津夫 200708
なほ数歩身を浄めむと滝に寄る 中村房子 馬醉木 200708
佇めば打たるるごとく滝谺 小城綾子 200709
瀧繁吹き大蛇を噛みし犬の墓 次井義泰 200709
清滝や瀬音を聞けば河鹿笛 飛高隆夫 万象 200709
滝壺の上に青空まるく抜け 森本秀樹 200709
あらあらと落ち滝壺を持たぬ滝 風間史子 200709
滝かけて樹肌のそろふ岳樺 高橋澄子 200709
近づきて滝音消えてしまひけり 浅田光代 風土 200709
大滝の勢ひに岩の動くかに 西村しげ子 雨月 200709
父の日の滝の峻厳まのあたり 三輪温子 雨月 200709
放心に染む玲瓏の滝の音 仙石君子 雨月 200709
大滝の前声張りて辞儀交す 東野鈴子 雨月 200709
滝しぶきかかり来る距離椅子に掛け 近藤豊子 雨月 200709
滝落ちて活力の抜け流れゆく 近藤豊子 雨月 200709
滝上る鮎心臓を熱くして 掛井広通 200709
翡翠の飛び立ちてより瀧の音 山田六甲 六花 200709
突き出せる岩が砕ける瀧の水 山田六甲 六花 200709
砕け散る水が絡まり合うて滝 ことり 六花 200709
滝水に傷の蹄を浸しけり ことり 六花 200709
滝を見し胸裡余熱のごときもの 山中宏子 200710
柔らかな光と陰の夜の滝 本多俊子 200710
瀧音のきこゆる宿の湯に浸る 大西八洲雄 万象 200710
万緑を切り裂く滝の白さかな 駒形祐右子 万象 200710
滝不動われの献燭のみ残り 桑島啓司 200710
滝壺に森の引力殺到す 上谷昌憲 200710
究めたきことのありけり滝落つる 篠藤千佳子 200710
滝しぶき願文密に目の薬師 青山悠 200710
夕滝を見つめおでんに箸を割る 山田六甲 六花 200710
老鶯の声響きけり滝見橋 青木政江 酸漿 200710
一条の滝を入れたる遠眼鏡 石井邦子 酸漿 200710
滝しぶき身にまとふまで近付けり 片野美代子 酸漿 200710
苔成り哀史伝はる滝の前 横川泰子 酸漿 200710
大滝に身の削らるる思ひかな 若井新一 200711
滝野川ごばうと聞いてより親し 鈴木栄子 春燈 200711
滝落ちて真白き水の柱立つ 田村すゝむ 風土 200711
夕日呑む滝オホーツクの海へ落つ 落合絹代 風土 200711
百の瀬を経て百尋の瀧に立つ 小山徳夫 遠嶺 200711
弱音吐くことも息抜き瀧の前 小林恵子 遠嶺 200711
少年期の山野を駈くる瀧の音 上田敬 遠嶺 200711
大滝に背すぢ伸ばしてゐたりけり 垣岡暎子 火星 200711
清滝といふ小滝ありさはやかや 青木陽子 酸漿 200711
凄まじき滝音を負ふ昼餉かな 川島澄子 酸漿 200711
二の滝へ急がぬ水の青さかな 平尾圭太 ホトトギス 200712
滝壺に手話の一団ありにけり 平尾圭太 ホトトギス 200712
錯覚の水瀧口へ昇り初む 有働亨 馬醉木 200712
一礼をしてより滝を離れけり 久永つう 六花 200712
釣師立つ霧のどこかに隠れ滝 岡田貞峰 馬醉木 200801
滝がしら水に逡巡なかりけり 山田天 雨月 200801
滝風に開きしばかり朴の花 奥山絢子 風土 200801
神の山なれば落ちくる滝も神 大槻右城 ホトトギス 200803
滝しぶき浴びて時空を失へり 谿昭哉 200803
大滝を遠見に手斧始かな 大山文子 火星 200804
身を放下して大瀧の轟ける 東良子 首座星 200804
頭の中の海馬休ます滝の前 大川ゆかり 炎帝 200804
滝 8→      

 

2021年5月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。