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瀧の上に日あたる花のありにけり    増田龍雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝音のほか音の無き柞山 的池遙 百鳥 200402
滝見上ぐ詩集黙読するやうに 矢野千佳子 京鹿子 200402
千年を瀧壺を出ぬ水ありぬ 佐藤喜孝 あを 200403
風しまく瀧の姿を動かせり 石川敬子 対岸 200404
一条の天垂るるもの滝と呼ぶ 鷹羽狩行 200406
滝しぶき受けて鎖の岩を行く 須賀敏子 あを 200406
鳥となり風となりたる瀧の前 大曽根育代 遠嶺 200406
滝音の遠ざかる如近づきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200407
眼前に峙つ滝として現るる 稲畑汀子 ホトトギス 200407
山路抜け滝音抜けてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200407
船下り見逃してゐし滝もあり 稲畑汀子 ホトトギス 200407
泥火山帯無名滝五段なす 伊藤白潮 200407
滝に入り行者たちまち滝となる 松本圭司 200407
万葉の仮名も瀧のゆふべにて 福嶋千代子 200407
瀧上に立つ海風の中に立つ 今瀬剛一 対岸 200407
瀧径に入りて瀧音遠くあり 田島勝彦 遠嶺 200408
天地の静もる刻や瀧しぶく 松本静江 遠嶺 200408
ケーブルの揺れ滝の名を聞きもらす 伊藤白潮 200408
荒滝の岩に弾きて虹生めり 奥村鷹尾 京鹿子 200408
滝音と浪音の間に我が居り 大串章 百鳥 200408
現し世の音は聞こえず滝の前 久保東海司 200408
滝裏に白蛇祀れる石祠 浅川正 雲の峰 200408
滝落つる臓腑をえぐる音だして 塩川雄三 築港 200408
瀧見茶屋まだらな日ざし茅屋根に 宮津昭彦 200408
七月の小滝いよいよ小さきかな 阿部ひろし 酸漿 200408
吹割の滝のしぶきを浴びにけり 橋本光子 酸漿 200408
うしつ身をしばし忘るる朝の滝 橋口礼子 河鹿 200408
浄衣の児抱きてうたるる滝行者 橘澄男 山景 200408
荒滝のしぶきかぶりて旅終る 橘澄男 山景 200408
雨の紗を透かして仰ぐ神の滝 橘澄男 山景 200408
大瀧へバスの鼻先そろへあり 山尾玉藻 火星 200409
滝道に猫を拾うてしまひけり 大山文子 火星 200409
滝を見る滝のやうなる雨の中 大串章 百鳥 200409
滝拝む滝の響ける岩に立ち 佐藤悦子 百鳥 200409
道曲り見えてゐし滝隠れけり 櫻井幹郎 百鳥 200409
長居して昼餉も終へし滝見茶屋 櫻井幹郎 百鳥 200409
滝守を兼ね五平餅焼いてをり 櫻井幹郎 百鳥 200409
瀧水に渦てふ心残りかな 今瀬剛一 対岸 200409
瀧遠く見ゆる高きに登りけり 今瀬剛一 対岸 200409
青青と瀧となる水立ち上がり 今瀬剛一 対岸 200409
森ふかく御饌みけ奉る滝開 高野美佐子 京鹿子 200409
巌上にご神酒二本滝祀る 高野美佐子 京鹿子 200409
足柄の滝の飛沫へ紙散華 高野美佐子 京鹿子 200409
神事終へいよいよ滝の轟けり 高野美佐子 京鹿子 200409
滝壺の魂抜けの水平らなり 大橋敦子 雨月 200409
滝落下水の恍惚見たりけり 大橋麻沙子 雨月 200409
疲れなき白ほとばしる滝頭 大橋麻沙子 雨月 200409
滝音に聾され料理何食べし 浅井青二 雨月 200409
滝殿の外の静謐へ出でばやな 浅井青二 雨月 200409
宵火氏の面影滝に現れ消ゆる 西村しげ子 雨月 200409
力抜くことはせずして滝落つる 塩川雄三 築港 200409
滝落ちて壺しつかりと受けとむる 塩川雄三 築港 200409
イグアスの滝の轟音六腑に沁む 二宮きみ枝 200409
イグアスの瀧壺鰐の棲むといふ 二宮きみ枝 200409
救命具と雨具を鎧ふ瀧見船 二宮きみ枝 200409
イグアスの滝の虹生みオーロラめく 二宮きみ枝 200409
木曾駒の三十八滝に雲あそぶ 阿部ひろし 酸漿 200409
霧の中ひぐらしの滝をつひに見ず 阿部ひろし 酸漿 200409
浅き水鳩が浴びをり滝の前 青木陽子 酸漿 200409
名にし負ふ滝と真対ひ傘寿われ 佐藤山人 200409
雨晴れて来て滝音のまた違ふ 長沼紫紅 200409
滝壺を見むと高きへまた一歩 栗虫信子 200409
霊山の滝音に身を熱くしぬ 栗虫信子 200409
滝水のかくも真白に煙るかな 栗虫信子 200409
草の葉はあすもふるへて瀧の前 佐藤喜孝 あを 200409
滝よりの水を平らに錦鯉 鷹羽狩行 200410
滝壺の包みきれざる水谺 尾辻のり子 河鹿 200410
滝落ちて水をみぢんに光噴く 尾辻のり子 河鹿 200410
暗がりの滝の天辺日の矢射す 篠原稔子 万象 200410
あめつちをとよもし雨後の那智の滝 宮沢ちひろ 万象 200410
湧き出づる裏見の瀧や力充つ 横溝幸子 遠嶺 200410
しばらくは総身に瀧の飛沫かな 加藤京子 遠嶺 200410
瀧音の心にしみる歌碑の道 山下美絵子 遠嶺 200410
純白の外は許さず滝落ちる 工藤ミネ子 風土 200410
径ふたつ出会ふ深山や滝谺 林裕子 風土 200410
鶯の滝の道程遠きかな 河合佳代子 栴檀 200410
飛爆あり名をうぐひすの滝といふ 河合佳代子 栴檀 200410
山襞に滝をはぐくむ原始林 河合佳代子 栴檀 200410
原始林鎮め久遠の滝の音 河合佳代子 栴檀 200410
瀧の前誰も無口となりゐたる 江崎成則 栴檀 200410
招魂の音響かせて那智の滝 深出稚敏 200410
滝の気が伊吹伊吸いぶきいすいの身を巡る 禰寝瓶史 京鹿子 200410
滝を添へ樹齢二千年の桧風呂 山田をがたま 京鹿子 200410
華厳の滝音に聞きしが霧隠れ 奥村鷹尾 京鹿子 200410
木洩れ日や遊びざかりの乙女滝 木戸渥子 京鹿子 200410
ひぐらしの朝の声降る行者滝 中島伊智子 酸漿 200410
佇めば小滝ながらの涼気あり 永田二三子 酸漿 200410
岩走る瀧次の岩めざしけり 岡崎桂子 対岸 200410
仰ぎゐて両肩に瀧じめりかな 早乙女信 対岸 200410
湿つぽき風の中なる滝見茶屋 服部高明 築港 200410
滝壺の芯を外して魚の棲む 新子禎自 築港 200410
滝壷の湧きたつ波に虹生る 石田章子 200410
大瀧の音巻き込んで落ちにけり 柴田佐知子 200410
滝しぶき真紅のザイル投げ上ぐる 高橋とも子 百鳥 200410
みやげ物野猿が攫ふ滝見茶屋 斉藤利男 百鳥 200410
梅干と昆布のむすび滝の風 沖増修治 百鳥 200410
滝音の遠ざかるとき風うまる 前迫寛子 河鹿 200411
大観の大滝を見て涼を得し 池本喜久恵 200411
二百十日の瀧瀧壺をあやまたず 今瀬剛一 対岸 200411
選択肢数多瀧水瀧に落つ 渡辺美代 対岸 200411
滝 6      

 

2021年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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