4     100句

瀧つぼの一本の棒流れ出でず    天野慶子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
滝音に山の深さの響きあり
橋本佐智
円虹
200211
垂直に滝水平に滝しぶき
岩岡中正
ホトトギス
200212
滝水の明日なきごとく落つるかな
岩岡中正
ホトトギス
200212
押して来し水も押されて滝となる
湯川雅
ホトトギス
200212
巖山根越えきし脚を瀧に打たす
市場基巳
200212
緊那羅の楽に戯ぶる瀧の神
市場基巳
200212
自らを励まして立つ滝の前
佐野布娑
雨月
200212
邪な心いまなし滝の前
佐野布娑
雨月
200212
大瀑にひと筋はなれ滝うごく
吉弘恭子
あを
200212
滝音と別に瀬音のありにけり
川上昌子
200212
滝飛沫回りの木々を揺るがして
藤本つた恵
ぐろっけ
200212
橅林近づいてくる瀧の音
白川敏彦
遠嶺
200212
真夜を斯くとどろく滝を思ひ寝る
安達風越
雨月
200301
猪鍋汁太く書かれて滝まつり
阿部文子
酸漿
200301
きらめくは蝶か色集か滝の宙
手島靖一
馬醉木
200302
滝裏へ夢の幕切れ見に行かむ
木戸渥子
京鹿子
200302
涸瀧へ問はず語りのごと月光
柳川大亀
銀化
200302
蘇るもの滝壺に笙の笛
松村美智子
あを
200302
落ち口の覆い被さる滝しぶき
森理和
あを
200302
白ショール誰よりも滝に近付きぬ
平野きらら
百鳥
200303
フィヨルドの狭き水路に滝ひびく
小田知人
ぐろっけ
200305
吊橋を渡る近道滝へ出る
稲畑汀子
ホトトギス
200306
うぐひすのこゑの中なる三の滝
中村洋子
風土
200306
滝音を呑み込んで山深きかな
稲畑汀子
ホトトギス
200307
滝壼の音に加はる谺かな
稲畑汀子
ホトトギス
200307
滝音の木の間隠れでありしこと
稲畑汀子
ホトトギス
200307
ともかくも滝の片鱗見るまでは
稲畑汀子
ホトトギス
200307
標高差一メートルの滝飛沫
林翔
200307
滝音を秘むる深さや岩の襞
林翔
200307
芽吹山の鼓動となりてかくれ滝
小沢きく子
200307
遠滝の音なき白さ畏れけり
渡辺昭
200307
段滝の水団々と迫り来る
鷹羽狩行
200307
白竜の胴波打つて滝落下
鷹羽狩行
200307
滝水のしぶきを制しきれずなり
鷹羽狩行
200307
滝神の霊気にひしと金一封
丸山佳子
京鹿子
200307
大雨に滝となりたるさるをがせ
菊地惠子
酸漿
200307
滝音や蛇切岩に注連張つて
仙田孝子
風土
200307
白き水落ちて滝壷碧く透く
小笠原扶美女
築港
200307
雄滝いま背負ひきれざる音背負ひ
上野孝行
百鳥
200307
頂を見てゐて瀧裾を忘れ
今瀬剛一
対岸
200308
滝落つる山の力を抜きゐたる
塩川雄三
築港
200308
滝壺の深さは知らず底見せず
塩川雄三
築港
200308
縦横に真剣振つて滝開く
北嶋薫
築港
200308
羽衣の滝白絹を広げたり
河村靖子
築港
200308
木洩日の階登りつめ滝見台
河村靖子
築港
200308
走り根の重なる道の滝じめり
谷榮子
雨月
200308
滝飛沫浴びて空腹感兆す
鈴木照子
200309
嫋々と山藤がくれ女滝
斎藤道子
馬醉木
200309
滝の水尻引き摺つて落ちにけり
小田司
馬醉木
200309
蒟蒻の串刺し並べ瀧見茶屋
田島勝彦
遠嶺
200309
瀧音を背に漆黒の自在鉤
桜井葉子
遠嶺
200309
親滝は叫び子滝は呟ける
林翔
200309
蝦夷の地の滝壼はオホーツクの海
工藤節朗
200309
雨の奥雨より速く滝落つる
楠原幹子
200309
一の滝二の滝六腑透きゆくも
坂本京子
200309
清滝に一夜泊りの蛍狩
中村洋子
風土
200309
七つ滝潰えしままやほととぎす
大橋淳一
雨月
200309
滝の音轟き闘志甦る
泰江安仁
百鳥
200309
滝に立ちだんだん五感戻りゐし
木下栄子
築港
200309
瀧の音下より聞こえ遊歩道
石川敬子
対岸
200309
滝音に消さるる言葉くり返す
真保喜代子
200309
水を追ふ水の迅さよ滝しぶき
小川今日哉
200310
滝仰ぐ個性の帽を阿弥陀にし
泉田秋硯
200310
滝音に茶屋の提灯やつれゐし
吉田島江
火星
200310
調理場を吹き抜けてきし滝の風
山田美恵子
火星
200310
ひとり来て滝壼ばかり見てをりぬ
城尾たか子
火星
200310
滝壺へ螺旋階段踏み下る
金森教子
雨月
200310
飛び石に水戸家の名残造り瀧
久保秀貴
雲の峰
200310
滝しぶき杉の大樹の上に降る
西野愁草子
200310
瀧壺にしぶきて瀧の収まらず
柴田佐知子
200310
一本の滝たち上る握りめし
堀内一郎
あを
200310
齣落し水が水追ふ那智の滝
森理和
あを
200310
息ととのふる片時も滝飛沫
風間史子
200310
真二つに山を断つごと滝落つる
斉藤小夜
風土
200310
水しぶき時に降り来る滝見茶屋
笠嶋陽子
築港
200310
滝壼を溢れやさしくせせらげる
長沼三津夫
200310
滝音に耐へざる倒木かも知れず
長沼三津夫
200310
滝音に深入る髪を直しけり
木内憲子
200310
谺する分水嶺の滝の音
中田征二
ぐろっけ
200310
滝音と谺が午後を綯ふごとし
泉田秋硯
200311

 悼

滝しぶきけぶりて滝の丈かくす

鷹羽狩行
200311
法螺貝の音色滝音つらぬけり
桑島啓司
200311
滝飛沫浴びて喜ぶ子供かな
大川嘉智香
築港
200311
伝説の滝水酒に変らざる
大川嘉智香
築港
200311
滝壷は落下の滝の憩ひ場所
笠嶋陽子
築港
200311
滝落つるけものの声を上げながら
平田倫子
百鳥
200311
養老のぶあつきものに滝しぶき
豊田都峰
京鹿子
200311
一山の力を滝の姿とし
蔦三郎
ホトトギス
200311
滝を来し水渓を来し水と合ふ
蔦三郎
ホトトギス
200311
対峙せる滝悠久の時語る
東野一彌
ホトトギス
200311
木洩日の滝音に居て心癒ゆ
東野一彌
ホトトギス
200311
滝しぶき拳一つの目張鮓
森理和
あを
200311
遙かより水が水追ひ滝しぶく
森理和
あを
200311
滝音の近づいてくる白脚絆
青山悠
200311
千丈の落差ましろし称名滝
西村梼子
ぐろっけ
200311
谺して台風一過の瀧の音
島崎晃
遠嶺
200312
蝉時雨寝覚の滝の音かすか
渡辺幹雄
酸漿
200312
白絹をひろげ大瀧落ちてきし
あさなが捷
200312
蓮の精「青女の滝」の岩陰に
藤田京子
ぐろっけ
200312
清瀧の水は空より湧く如し
安部美和子
ぐろっけ
200312
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2021年5月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。