大暑 4       63句

念力のゆるめば死ぬる大暑かな    村上鬼城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大粒の大暑の雨やまたも過ぐ 柿沼盟子 風土 201510
家建つる職人屋根に大暑かな 佐野つたえ 風土 201510
大暑かな火を少なめに炒め物 池田加代子 風土 201510
文晁の烏の落款大暑来る 間島あきら 風土 201510
塩壺の塩のつめたき大暑かな 林昭太郎 201510
大暑より逃れ龍二尾天井へ 鈴木浩子 201510
五色豆音立てて噛む大暑かな 松本三千夫 末黒野 201510
明六つの大暑の鴉よく啼けり 松本三千夫 末黒野 201510
潮入の水門錆びし大暑かな 和田幸江 春燈 201510
高圧線空に弛める大暑かな 吉村さよ子 春燈 201510
護摩壇の不動まばゆき大暑かな 小林文良 春燈 201510
大津絵の鬼も堪へゐる大暑かな 田中珠生 馬醉木 201511
濯ぎもの大きく干せる大暑かな 吉澤恵美子 春燈 201511
空うなり山崩れきて大暑かな 中西明子 京鹿子 201511
みみず腫れ消えてもうたる大暑かな 中島陽華 201511
少年の曳く黒牛の大暑かな 比嘉半升 万象 201511
連日の大暑乗り切る一日かなかな 大橋伊佐子 末黒野 201511
大暑かないのちうすめて筆不精 元橋孝之 京鹿子 201512
黄昏のたとえば大暑ののぼり旗 芳野ヒロユキ 船団 201602
これよりは急坂となる大暑かな 永淵暫子 201607
では行くかと呟いて立つ大暑かな 松本三千夫 末黒野 201610
電柱に質屋の広告大暑かな 荒木甫 201610
錦絵の猫が飛び出す大暑かな 雨村敏子 201611
酢飯の酢の効き過ぎし大暑なる 岩田洋子 201611
乳を欲る嬰の泣き声大暑なる 東野鈴子 雨月 201612
厚肉に網目をつける大暑かな 宮内とし子 201709
紫陽花の名残の花も大暑かな 安立公彦 春燈 201709
予定表書込み多き大暑かな 小菅礼子 春燈 201710
黒部ダム放流見する大暑かな 中野大樹 末黒野 201711
大池に封じ込めたき大暑かな 谷口一献 六花 201711
脳天をぐぐつと握る大暑かな 伊藤希胎 京鹿子 201810
首出して亀が息吐く大暑かな 升田ヤス子 六花 201810
古宮の地震あとしるき大暑かな 西村しげ子 雨月 201811
さよならも言へず別るる大暑かな 押田裕見子 201812
これはこれは笑ふほかなき大暑かな 中島陽華 201812
大暑かな己れに律することひとつ 日置涛魚 201904
どっかりと大暑の信貴山の乱れなし 密門令子 雨月 201911
雲厚く今日が大暑とテレビ告ぐ 橋本美代 やぶれ傘 201911
非常用袋見直す大暑かな 植木戴子 201911
内に干す物の匂へる大暑かな 小田嶋野笛 末黒野 201911
高々と列なすクレーン大暑かな 田中嘉信 春燈 201912
鴉みな口開いてゐる大暑かな 本田武 やぶれ傘 201912
蜂の巣のいびつに太りゆく大暑 河原敬子 201912
蜂の巣のいびつに太りゆく大暑 河原敬子 202002
いさぎよく一事治むる大暑かな 菅澤陽子 春燈 202009
人が人さらに隔つる今日大暑 森村江風 202009
ひとり生くことにも慣れて大暑来ぬ 住田千代子 六花 202011
富士山のどこか傾きゐる大暑 山田六甲 六花 202108
鰺の開きの反身に焼けて大暑かな 田中佐知子 風土 202110
疫病退散祈願護摩火逆巻く大暑かな 佐藤信子 春燈 202110
日の匂ひ湖に溶けゆく大暑かな 山下健治 春燈 202110
軒寄せしだんだら町の大暑かな 兒玉充代 202112
仁王像歯をくひしばる大暑かな 大四乃子 202112
少年のカレー掻つ込む大暑かな 菅原健一 202209
半日を水辺で過ごす大暑かな 浜田はるみ 202209
山々の襞ふかくなる大暑かな 浅田光代 風土 202210
大暑の日書肆の主の鼻眼鏡 林いづみ 風土 202210
倒影の塔のかぐろき大暑かな 内藤静 風土 202210
ペットボトル両手に攫み大暑ゆく 森田節子 風土 202210
寝返りて寝返り尽くす大暑かな 根岸善行 風土 202210
地下を出て大暑のビルに見下ろさる 岡本尚子 風土 202210
色淡き風鎮買うて大暑かな 石田蓉子 202211
山里の大暑ゴッホの黄がうねる 中村世都 202211
大暑→ 1

 

2023年8月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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