大暑 3       143句

念力のゆるめば死ぬる大暑かな    村上鬼城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ビルの間にどすんと大暑来りけり 遠藤実 あを 201007
こきこきと関節鳴らす大暑かな 高橋泰子 201009
何見ても喰みても大暑おかげさま 丸山佳子 京鹿子 201009
回廊の甍の影の大暑かな 沼本静江 酸奬 201009
災害と云ふ人のありこの大暑 早崎泰江 あを 201009
三門の仁王の渇く大暑かな 木村茂登子 あを 201009
剥製の虎の目と遇ふ大暑かな 塩路五郎 201010
煮魚の目玉とびだす大暑かな 伊藤憲子 201010
直幹の大杉仰ぐ大暑かな 松本三千夫 末黒野 201010
自堕落に猫も横たふ大暑かな 村田慶子 末黒野 201010
イタセンパラの生きるわんどの大暑かな 石脇みはる 201010
高階の息ひそめたる大暑かな 荒木甫 201010
滲み出る譜面のインク大暑かな 高橋泰子 201010
庭草の奔放許す大暑かな 大木清美子 201010
何もかも加齢と怠けゐる大暑 仙石君子 雨月 201010
耳鳴りは大暑の地球軋む音 田所節子 201010
土を掻き軍鶏うづくまる大暑かな 高橋あさの 201010
今日の雨大暑の庭に息吹あり 大房帝子 酸奬 201010
身辺りにリモコン探す大暑かな 芝宮須磨子 あを 201010
木綿針荒目につかふ大暑かな 林郁子 201011
張り合うて大暑の中の老夫婦 羽賀恭子 201011
厨の戸すつと開きたる大暑かな 中島陽華 201011
かけねなき大暑なりけり瑠璃蜥蜴 伊勢きみこ 火星 201011
木陰から鳩の飛び立つ大暑かな 大島英昭 やぶれ傘 201011
生姜の欠けら縮み行く大暑かな 鳳蛮華 201011
言葉すらやせてをりたる大暑かな 平居澪子 六花 201011
鏡なす大暑の月や命日来 山崎靖子 201011
一途なる意志たのもしき大暑かな 北川孝子 京鹿子 201011
授産所の大暑の奉仕清しけれ 落合由季女 雨月 201011
甲子園大暑の球威揺るぎなき 密門令子 雨月 201011
江戸川の流れの止まる大暑かな 黒滝志麻子 末黒野 201012
何事も手につかざりし大暑かな 高谷栄一 嵯峨野 201107
みじろぎもせずに眠れる大暑かな 矢野百合子 201109
コトナリ」の臨書したりき大暑かな 延広禎一 201109
びくりとも動かぬダム湖大暑かな 羽賀恭子 201109
通るたび犬の吠えつく大暑かな 大木清美子 201109
絵日記のおひさまマーク大暑かな 鈴木 セツ 201109
全開に蛇口をひねる大暑かな 羽賀恭子 201109
ワイン酌む昼餉の優雅大暑の日 宮田香 201110
農具小屋閉ぢて大暑のひと日終ふ 大木清美子 201110
溜り場に猫の見えざる大暑かな 都留百太郎 末黒野 201110
横長の記念切手や大暑来る 辻直美 201110
鏡見ることも疎くて大暑かな 高倉恵美子 201110
木の下に体おきたる大暑かな 谷村幸子 201110
混沌と父の歳来る大暑なり 田中貞雄 ろんど 201110
大暑かな小石にもある影法師 阿部綾子 ろんど 201110
仰臥のまま眉整ふる大暑かな 苑実耶 大河 201203
奉る榊つめたき大暑かな 小林愛子 辻楽師 201206
今日大暑案外凌ぎ易き日に 稻畑汀子 ホトトギス 201207
だしぬけにものの毀れし大暑かな 鈴鹿仁 京鹿子 201209
棚上げの古書のなだるる大暑かな 中山純子 万象 201209
大暑かな机上に反古紙積み重ね 東良子 201210
襟足に髪のはりつく大暑かな 林いづみ 風土 201210
駅頭に托鉢僧立つ大暑かな 森田節子 風土 201210
水張つて桶休まする大暑かな 宮井知英 201210
「おかあさん」百遍呼びぬ大暑かな 雨宮桂子 風土 201210
労働の大暑に耐へる喉仏 関根瑤華 201210
野良猫の樹上に憩ふ大暑かな 都留百太郎 末黒野 201210
横並ぶ大暑の山の眉の濃し 上辻蒼人 風土 201210
豪雨あと蝉も啼かざる大暑かな 中山純子 万象 201210
どの蔓も今けんめいの大暑かな 熊川暁子 201211
清め酒ひとり静かに飲む大暑 鴨下昭 201211
かたばみの種子(たね)に撃たるる大暑かな 大竹淑子 風土 201211
エシャロット齧り大暑といふ日なり 佐藤美紀 ろんど 201211
口開けて鴉の歩く大暑かな 時田義勝 やぶれ傘 201301
枠はみだす少年の日記大暑なる 田中貞雄 自註句集 201301
鳴竜の眼にすくむ大暑かな 神田恵琳 跫音 201303
貝殻山の軋ん葺たる大暑かな 水野恒彦 夢寐 201306
狛犬の阿吽乱るる大暑かな 田嶋洋子 七線譜 201306
大暑とて思考堂々巡りせる 大橋晄 雨月 201310
笹山に根のゆきわたる大暑かな 蘭定かず子 火星 201310
あたふたと驟雨来て去る大暑かな 西山浅彦 春燈 201310
大暑なりほのと匂へる貼薬 三浦澄江 ぐろっけ 201310
雀らのかげひそめたる大暑かな 加藤静江 末黒野 201311
閻王の眼光いよよ大暑なる 宮平静子 雨月 201311
狛犬の睨みするどき大暑かな 長田厚子 末黒野 201311
阿弥陀経厨に聞こえ大暑かな 中島陽華 201311
河馬ほどの欠伸大暑の塾帰り 石橋萬里 ぐろっけ 201312
鯉跳ねて水面の厚き大暑かな 生田作 風土 201401
大杉の社をぐるり大暑かな 石井美智子 風土 201401
大暑かなめくればぽろと酸性紙 山田六甲 六花 201408
はらわたもみな食ひ尽くす大暑かな 吉田葎 201409
つくづくと声太かりし大暑の忌 井上信子 201409
路面電車を抜きつ抜かれつ大暑の日 橋本靖子 201409
首のべて亀が亀押す大暑かな 山田六甲 六花 201409
リュック背に足取り軽き大暑かな 高橋泰子 201409
大鴉の一喝ありし大暑かな 藤田素子 火星 201410
大暑なり今日より後期高齢者 田中貞雄 ろんど 201410
軽やかにロボット踊る大暑かな 土井久美子 201410
ゼリー食ぶ男の貌の大暑かな 山田美恵子 火星 201410
ゆつくりと上る踏切り大暑来る 野畑さゆり 201410
デー・サービスヘ夫機嫌よき大暑かな 河本由紀子 春燈 201410
フル回転の前頭葉や大暑なる 川崎利子 201410
大暑かな橋の名多き停留所 松本文一郎 六花 201411
初めての曽孫大暑の明けの風 吉田きみえ 末黒野 201411
お茶の間にゴジラ来てゐる大暑かな すずき巴里 ろんど 201411
型を取る鋳物師いもじ塩噛む大暑かな 豊田高子 万象 201411
大暑かな目覚めの音はミーンミン 中西明子 京鹿子 201411
ゼリー食ぶる男の貌の大暑かな 山田美恵子 火星 201501
これよりは急坂となる大暑かな 永淵惠子 201510
大暑→4      

 

2021年8月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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