泰山木の花 2    169句

上層中層下層泰山木咲きぬ   中村草田男   時機

作品
作者
掲載誌
掲載年月
泰山木咲けり背高の学生等 佐藤正治 200709
五時起床六時泰山木ひらく 千田百里 200709
薫れるは泰山木か宇涯の忌 堀口希望 200709
何時よりの空家泰山木咲けり 若槻妙子 200709
開き初む泰山木の無垢の白 稲岡長 ホトトギス 200710
風灼けて泰山木を輝かす 柳生千枝子 火星 200710
泰山木旅のはじめの駅に咲く 阿部ひろし 酸漿 200710
二日目は泰山木の咲くホテル 稲畑汀子 ホトトギス 200806
風に日に人に泰山木開く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
泰山木天の磐戸のいまひらく 神蔵器 風土 200807
泰山木マッチのやうな蕊こぼす 大橋敦子 雨月 200808
泰山木咲くも先師の家訪へず 松崎鉄之介 200808
盃捧ぐ泰山木よ除幕式 中村恭子 200809
泰山木咲いてことばの澄みにけり 榎本慶子 炎環 200809
泰山木人には見えぬ枝に咲く 福島吉美 万象 200809
ふるさとの泰山木の香りをり 上原光代 酸漿 200809
泰山木の餐ゆるかなた鰯雲 井上幸子 酸漿 200812
生誕百年泰山木は天に咲く 神蔵器 風土 200908
泰山木散り果て鞣し革かとも 窪田佳津子 雨月 200909
北野坂泰山木の香を登る 金森教子 雨月 200909
泰山木山の端の雲動きそむ 櫻木道代 ぐろっけ 200909
天に咲く泰山木やちちはどこ 近藤公子 201007
祈りつつ開く泰山木の花 近藤喜子 201008
行く雲をとどめ泰山木の花 久保山満末 201008
泰山木咲けり遠見の富士容れて 井口光石 風土 201008
陽のとどく限り泰山木の蕾 和田政子 201008
国賓のホテル泰山木咲かせ 塩路隆子 201009
過ぎてより泰山木の花数ふ 穂苅照子 万象 201009
泰山木咲く朝光の台座とも 吉田政江 201009
吊橋の真下泰山木の花 長谷川友子 春燈 201009
父遠し泰山木は仰ぐべし 中嶋昌子 春燈 201009
産声を上ぐ泰山木の第一花 雨宮桂子 風土 201009
泰山木咲ける関大幼稚園 野澤あき 火星 201009
泰山木咲き国交の二千年 隅田恵子 雨月 201009
にょきにょきと泰山木の咲き初むる 岸本林立 雨月 201009
泰山木雨待つ空に花ひらく 上原光代 酸漿 201009
天の色めでたし泰山木の花 東亜未 あを 201009
泰山木光籠めなる説法碑 吉田克美 ろんど 201009
二階より覗く泰山木の花 有吉桜雲 201010
峠越ゆ泰山木は朝の花 水原春郎 馬醉木 201107
泰山木高きに掲げ魯迅墓碑 秋葉雅治 201107
悠然と泰山木の花白し 増田一代 201108
抜きん出て天金の花泰山木 河口仁志 201108
泰山木の莟ふくらみ兄は亡し 森礼子 雨月 201108
おけら径泰山木の花に雨 高木美波 万象 201109
泰山木離れきて雨匂ふかな 門伝史会 風土 201109
天を向く雄心泰山木の花 田所節子 201109
泰山木の大輪真白香しく 桂敦子 201110
菩提寺の泰山木へ日照雨かな 杉山弥生 末黒野 201110
大輪を四脚門より泰山木 有本南陵 ろんど 201110
おけら道雨に泰山木の花 大坪景章 万象 201110
泰山木花に好みの高さあり 鷹崎由未子 花野 201112
天帝へ捧ぐ泰山木の花 鈴木良戈 201208
象の鼻高く泰山木咲けり 上原重一 201208
朝はじまる泰山木の花かぞへ 早崎泰江 あを 201208
泰山木の花に夕星灯りたる 高橋たか子 馬醉木 201209
花ささぐる泰山木に雨意の雲 米山のり子 馬醉木 201209
香を残し泰山木の花終る 谷岡尚美 201209
青空へ泰山木の花咲けり 角田和子 万象 201209
泰山木の花にまづ会ふ誕生日 山崎靖子 201209
雨音の御廟泰山木一花 橋添やよひ 風土 201209
泰山木咲いて五山の一の寺 北崎展江 くりから 201209
神戸らし泰山木の花通り 岡田満喜子 ぐろっけ 201209
胸ふくらむやうに泰山木の花 舩山東子 ろんど 201209
闇に泛かぶ泰山木の匂ひかな 大橋伊佐子 末黒野 201210
泰山木寂ぶ日輪へ花かかげ 岡田史女 末黒野 201210
夕ぐれに間なき泰山木の花 國保八江 やぶれ傘 201211
泰山木光る一花の祈りかな 金田けいし ろんど 201310
泰山木咲く空のある交差点 宇都宮敦子 201310
にげゆくとおもふ泰山木の白 吉弘恭子 あを 201308
砦村泰山木の花に逢ふ 鈴木みのる 風土 201311
睥睨の衰へ泰山木黄ばむ 田中貞雄 ろんど 201309
雲脚へ泰山木の花白光す 川村文英 ろんど 201309
師の逝けり泰山木の花大き 村田とくみ ぐろっけ 201311
また来よと泰山木の白蕾 和田政子 201407
厳父とは祖父まで泰山木の花 谷田部栄 万象 201408
泰山木咲けり故郷は東都江戸 神蔵器 風土 201408
御所に入れば忽ち香る泰山木 大橋晄 雨月 201409
がまぐちはパッチン泰山木の花 高貴美子 201409
子の大成願ふ泰山木の花 鈴木礼子 末黒野 201409
四階は泰山木の花の上 竹生田勝次 風土 201409
山門を凌ぎ泰山木の花 森清堯 末黒野 201409
芙美子忌の泰山木の匂ひ立つ 山田春生 万象 201410
遠く鳴く鴉泰山木の花 國保八江 やぶれ傘 201410
天に向け泰山木の捧げ咲く 青木朋子 201410
雨滂沱泰山木の咲く上枝 辻井ミナミ 末黒野 201410
人知れず泰山木の花黄ばみ 稲岡長 ホトトギス 201411
三送会終へり泰山木の花 中嶋陽子 風土 201411
泰山木花を仰ぎて旅立ちす 秋葉雅治 201507
歩の止まり泰山木の花と香に 山口郁子 末黒野 201508
いつまでも初心泰山木の花 町山公孝 201508
泰山木花上に富士見櫓かな 竹生田勝次 風土 201508
谷戸を来て墓前に泰山木の花 落合絹代 雨月 201508
泰山木雨を弾きて一花あぐ 内山照久 201509
康成館泰山木が巨花掲げ 森脇貞子 雨月 201509
己が葉を台座に泰山木ひらく 菅谷たけし 201510
雨雲や泰山木の終の花 大内由紀 末黒野 201510
座せしまま果てぬ泰山木の花 布施由岐子 末黒野 201510
泰山木咲く天国の師へ夫へ 磯野しをり 雨月 201510
朝涼の泰山木と片瀬波 中島陽華 201511
落丁か泰山木の花びらか 内藤静 風土 201512
大奥のあと泰山木の花散りぬ 池田友之 夏雲 201603
地にまこと天に泰山木咲けり 神蔵器 風土 201605
窓開けやう泰山木の香を入れやう 千田百里 201608
寂光や雨の泰山木の花 千田百里 201608
泰山木砕ける花の硬さかな 穂苅照子 万象 201609
泰山木白を全うしてをりぬ 大橋晄 雨月 201609
白を開く泰山木の香に酔ひぬ 大橋晄 雨月 201609
天啓を称へて泰山木の花 本多俊子 201609
泰山木の花招くがにひるがへり 呉文宗 春燈 201610
泰山木咲く大らかに誇らかに 森脇貞子 雨月 201610
泰山木の一花に世事を遠くせり 村上悦子 雨月 201610
奥つ城の阿吽よ泰山木の花 山崎靖子 201610
夫生れし日なり泰山木開く 千田百里 201708
灯に泛ぶ泰山木の玲瓏と 安斎久英 末黒野 201708
陰と陽まといて泰山木の花 松井季湖 201709
泰山木の花の上なり昼月は 田中藤穂 あを 201708
今朝は早色錆び泰山木の花 秋川泉 あを 201708
聖書開く泰山木の花の下 平居澪子 六花 201709
薩摩琵琶泰山木の花ひらく 田中道江 万象 201709
泰山木咲くや宝珠を解き放ち 林いづみ 風土 201709
泰山木朝日をあつむ一花かな 竹生田勝次 風土 201709
雨香る泰山木の花に触れ 須賀ゆかり 201709
泰山木咲くや魯迅の奥つ城に 秋葉雅治 201710
泰山木青き夜空に花連ね 加藤みき 201710
蕊こぼす泰山木は雨の花 大坪貞子 万象 201710
風抜くる高さ泰山木の花 森清信子 末黒野 201710
朝ひらく泰山木は神のもの 北村梢 京鹿子 201801
みほとけの高さに泰山木ひらく 北村梢 京鹿子 201801
退り見る泰山木の花閑くる 高木邦雄 末黒野 201804
仰ぎ見る泰山木は父の花 池田節 春燈 201808
稀に出る裏庭泰山木の花 大畑善昭 201808
天心に触れ泰山木のけさ一花 大沢美智子 201808
泰山木大いなる香を放つかな 大橋晄 雨月 201809
堪忍袋の破れて泰山木の花 瀬川公馨 201809
泰山木錆ぶや危篤の知らせ受く 荒井千佐代 201809
空高く泰山木の咲きにけり 坂入妙香 春燈 201809
こころざし秘めて泰山木の花 山田くみこ 201809
雲厚し泰山木の花の錆 森清堯 末黒野 201810
愁いなき泰山木や春の空 江口九星 201902
泰山木の花尊厳が見え隠れ 大山夏子 201902
この家と共に泰山木の花 稲畑汀子 ホトトギス 201905
泰山木一花一指も触れしめず 中野あぐり 春燈 201906
泰山木切り立つ淵の碧さかな 橋添やよひ 風土 201906
山門不幸泰山木の花の白 横尾かんな 201908
われここに泰山木は天の花 大谷満智子 春燈 201909
玄関の泰山木の花盛ん 小林共代 風土 201909
手の届く位置に泰山木匂ふ 平居澪子 六花 201909
筆求む泰山木の咲く店に 延川五十昭 六花 201909
泰山木の花の開くに間のありけり 大橋晄 雨月 201909
泰山木庭より失せて花惜しむ 大橋晄 雨月 201909
泰山木天辺にまで花咲いて 森美佐子 やぶれ傘 201911
二階より見えて泰山木の花の花 稲畑汀子 ホトトギス 202005
泰山木の花ポッと開けばそこに幸 鷹崎由未子 春燈 202008
鬱念や泰山木の花咲けど 中川のぼる 202009
垣越しの泰山木の花錆びて 本田武 やぶれ傘 202009
日輪へ泰山木は花捧ぐ 岡田史女 末黒野 202009
泰山木の花見る背丈縮まりぬ 高木晶子 京鹿子 202010
花あげて泰山木の深緑 平居澪子 六花 202010
雨はげし泰山木の花悠々 窪みち子 202101
声あらばバリトン泰山木の花 井原美鳥 202107
城跡に泰山木が咲いてゐる 瀬島洒望 やぶれ傘 202109
泰然と泰山木の花錆びて 森清堯 末黒野 202109
見上げみる泰山木の花三つ 田中藤穂 あを 202109
雨ぽつと泰山木の花にきて 木村瑞枝 やぶれ傘 202110
雨受けて泰山木は磁器の花 山中志津子 京鹿子 202110
ときめきや泰山木の花開き 本間せつ子 末黒野 202111
丹波路の気品泰山木の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
日暈を背や泰山木の花 森清堯 薫風 202205
泰山木→ 1

 

2023年5月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。