台 風 9      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日本を総なめにして大颱風 秋川泉 あを 201711
泥にごる石狩河口台風過 落合裕子 万象 201712
庭風の向き定まらぬ初颱風 榎美幸 万象 201712
台風の気配ピクルス甘酸っぱ 松井季湖 201712
沖に台風高潮どんと堤越ゆ 田中臥石 末黒野 201712
台風来茎ある物に支へ棒 加藤峰子 201712
台風圏おのれ抱きて夜を過ごす 加藤峰子 201712
台風過ばさばさ抱へ資源ゴミ 荒木甫 201712
台風に地震地球は元気なり 高橋将夫 201712
韋駄天を追ふ台風や鬼界島 竹中一花 201712
台風裡校庭よぎる石たたき 赤座典子 あを 201712
台風上陸ごうんごうんと乾燥機 辻美奈子 201801
台風過呼吸ととのひし山河あり 田辺博充 201801
台風来すこしわくわくしてゐたり 栗原公子 201801
台風の騒ぎのほどもなく過ぎぬ 久保晴子 雨月 201801
北斎のグレートウェーブ台風来 岡村彩里 雨月 201801
嘘と真見て見ぬふりや台風の目 藤田美耶子 201801
台風を西郷どんの肩が切る 南うみを 風土 201801
台風過不忍の闇あらたにす 南うみを 風土 201801
頭を寄するスワンのボート台風来 柿沼盟子 風土 201801
吹き降りに紙濡らすまじ台風圏 柿沼盟子 風土 201801
雨風をマイクの拾ふ台風裡 柿沼盟子 風土 201801
台風の雨の二の脚三の脚 林いづみ 風土 201801
上京す台風予報ばかり聞き 上辻蒼人 風土 201801
台風裡爪ををさめて虎眠る 片桐紀美子 風土 201801
みはるかす蓮葉のさやぐ台風過 森田節子 風土 201801
漆黒の河馬でんとゐる台風圏 平田きみこ 風土 201801
台風の中ゆるやかに路線バス 森高武 風土 201801
台風の夜へたうたう走り出づ 小山陽子 やぶれ傘 201710
台風一過庭広びろとなりにけり 松村光典 やぶれ傘 201710
日曜の朝に台風きたりけり きくちきみえ やぶれ傘 201711
台風の雨束となり村を打つ 岩崎武士 万象 201801
炒飯をちりちり焦がし台風圏 有賀昌子 やぶれ傘 201712
一草のごと台風を怖れけり 岩岡中正 ホトトギス 201802
丹沢の嶺々近付けて台風過 菅野日出子 末黒野 201802
台風去る天水桶に水満たし 福島せいぎ 万象 201802
生き生きと真水働く台風禍 岩木茂 風土 201802
台風を大人ですから出勤です おーたえつこ 201803
台風一過太公望がまた一人 永淵惠子 201801
台風裡漢は外へ飛び出しぬ 押田裕見子 201802
わたつみの深き眠りや台風過 及川照子 末黒野 201804
台風に海の回廊ありにけり 角野良生 201803
台風の後の雲間のひかりかな 仲里奈央 201804
台風に吹き寄せられて来た案山子 中林明美 船団 201805
台風は台風本位総選挙 中原幸子 船団 201806
嘘と真見て見ぬふりや台風の目 藤田美耶子 201808
近づいてゐる台風と知つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201808
颱風の予報に油断なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201808
台風の行方気になる旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 201809
台風を避けて早めし空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201809
来るといふ台風に旅阻まれし 稲畑汀子 ホトトギス 201809
台風のかけらが通り過ぎにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201809
日の本を嗤ひ颱風近付き来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
猛暑台風猛暑台風地震までも 赤座典子 あを 201810
迷走の颱風来恐ろし三時間 長崎桂子 あを 201810
ブーメラン夏台風の迷走す 中上馥子 春燈 201810
颱風に身を細くして電波塔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
颱風に色を変へゆく城下町 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
又来るといふ颱風に帰路乱れ 稲畑汀子 ホトトギス 201810
台風の次が来てゐる旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201810
台風にさらはれし如逝かれしや 稲畑汀子 ホトトギス 201810
台風禍赤き河口の盛り上がる 廣畑育子 六花 201810
なまぬるき台風の風髪乱す 廣畑育子 六花 201810
七月来台風七号伴ひ来 橘正義 春燈 201810
同型の風台風と予報かな 赤座典子 あを 201811
台風裡「辺野古ノー」の勝名乗 赤座典子 あを 201811
海水は羊水台風またも産み 森なほ子 あを 201811
台風と地震の国に生まれけり 須賀敏子 あを 201811
上下左右樹を虐げる台風裡 長崎桂子 あを 201811
樹々しづか大台風が海上に 田中藤穂 あを 201811
台風に鍋を磨いて過しけり 住田千代子 野に遊ぶ 201811
行方なき台風の眼の孤独かな 三上程子 春燈 201811
月下美人台風の夜も咲きにけり 橘正義 春燈 201811
台風過河内に佳き日静かな日 磯野しをり 雨月 201811
台風過子等の招きの夕食に 磯野しをり 雨月 201811
台風の産院に児の競ひ泣く 磯野しをり 雨月 201811
台風過先づ神仏に茶を捧げ 磯野しをり 雨月 201811
台風の来と仏花買ひ米を買ふ 磯野しをり 雨月 201811
関西を指して台風近づき来 大石よし子 雨月 201811
台風を堪へ平伏すオリーブ林 壺井久子 馬醉木 201811
台風一過残りの風の荒荒し 岩下芳子 201811
台風の風の音聞く窓少し 加藤良子 春燈 201811
三井邸も御所も我が家も台風禍 波戸辺のばら 201812
台風裡保険証書をみてゐたり 中堀倫子 201812
雑草の地にへばり付く台風一過 中西厚子 201812
颱風の前の西空朱を濺ぐ 小嶋紘一 末黒野 201812
美し国の地震台風鎮魂歌 渡辺富士子 末黒野 201812
雨脚や台風せまる街静か 小嶋紘一 末黒野 201812
杉巨木三尾の磴塞く台風禍 松本三千夫 末黒野 201812
隔週の行事となるや台風来 遠山悟史 京鹿子 201812
平成の隙間を台風よく通る 西村白杼 京鹿子 201812
台風の記録変へつつ接近す 永田万年青 六花 201812
台風くる日絮毛葉っぱの前をふあっ 梨地ことこ 船団 201812
六番出口台風に出くわして 田彰子 船団 201812
台風と豆腐のラッパ近づいて 明星舞美 船団 201812
コメンテーター多く台風迷走す 明星舞美 船団 201812
傘捨てて台風めがけ走り出す あさなが捷 201812
岩を咬む白きたてがみ台風来 古本もね 京鹿子 201901
海原や台風の目の思案中 上久保節子 京鹿子 201901
台風過良くも悪くも握り飯 高木晶子 京鹿子 201901
台風に備へし無駄をくどくどと 竹下陶子 ホトトギス 201901
忌に参ずる故郷も台風圏の中 落合絹代 雨月 201901
台風に庭木一本倒さるる 大橋晄 雨月 201901
台風に耐へし古木の底力 堀康代 馬醉木 201901
居酒屋は早仕舞ひして台風来 高橋均 やぶれ傘 201902
台風来丈あるものは寝かせ置き 松田明子 201904
台風の真つ只中の同窓会 吉田悦子 201907
台風に心鎧ひて出掛け来し 稲畑汀子 ホトトギス 201908
台風の予報に一喜一憂す 稲畑汀子 ホトトギス 201908
台風の余波は納骨式にまで 山田六甲 六花 201909
颱風の前の静けさてふ集ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
颱風に翻弄されし恙の手 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
颱風に地震に列島縮こまる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
颱風の中決断を迫られし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
台風にキャンセル幾つありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風の進路に迷ひありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風の端の来てゐる空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風も地震も一消息として 稲畑汀子 ホトトギス 201909
お互ひに犒ふは台風のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風に外出あきらめたることも 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風の齟齬に追はるる家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201909
あなどれぬ進路台風情報に 稲畑汀子 ホトトギス 201909
颱風の先の先とてあなどれず 稲畑汀子 ホトトギス 201909
台風裡家居の腕に時計して 赤座典子 あを 201910
台風の始まり鳥の空流る 田尻勝子 六花 201910
台風圏の大きな端に眠りけり 宮内とし子 201910
台風の残してゆきし山路来し 稲畑汀子 ホトトギス 201910
台風の季節やうやく過ぎしとも 稲畑汀子 ホトトギス 201910
又次の台風一喜一憂す 稲畑汀子 ホトトギス 201910
台風の昨日は遠し旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201910
決断はすみやかに処す台風裡 稲畑汀子 ホトトギス 201910
台風にふり回されし旅二日 稲畑汀子 ホトトギス 201910
颱風に真向ふ西の旅間近 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
台風の風と雲とが川渡る 白石正躬 やぶれ傘 201911
真つ白な月の出て居る台風過 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
台風一過見知らぬ猫の現はるる きくちきみえ やぶれ傘 201911
竹林のぞぞと雲掃き台風来 大矢恒彦 201911
颱風が人間痛めつくしけり 吉田陽代 201911
北斎の浪の裏見し夜の台風 千田敬 201911
梯子積む車行き交ふ台風過 菅谷たけし 201911
ベランダを這ふ蜂一つ台風来 岡田正義 雨月 201911
おむすび六つ作るや雨台風 大日向幸江 あを 201912
大颱風ビルのクレーン曲げて去る 須賀敏子 あを 201912
台風過ぎ災禍後浮び来泪し祈 長崎桂子 あを 201912
台風過病みぬき虎鉄旅立ちぬ 秋川泉 あを 201912
病む猫と台風の夜を過ごしけり 秋川泉 あを 201912
大台風気休めなれど土嚢積む 秋川泉 あを 201912
前髪を五ミリ断ち切る台風裡 笹村ルル 201912
台風一過情報疲れしてゐたり はしもと風里 201912
台風一過この青空は嘘だらう はしもと風里 201912
台風圏耳のなかまで雨が降る はしもと風里 201912
数式を解くのに夢中台風裡 はしもと風里 201912
雨音か耳鳴りなのか台風来 はしもと風里 201912
台風の近づくときをそはそはす はしもと風里 201912
台風の予報に簾外しけり 濱野新 やぶれ傘 201912
予報士の眼のきらきらと台風来 大矢恒彦 201912
差し水の沸く台風の予報円 兵藤惠 201912
台風のそれし三瓶へ旅一路 安原葉 ホトトギス 201912
台風一過タオルを首に庭掃除 萩原久代 やぶれ傘 201912
台風一過われに返りて空の青 河本由紀子 春燈 201912
根を曝し大樹残れり台風過 武田未有 201912
夜台風二人で過ごす有り難さ 野村宏 201912
台風一過大輪に咲かす傘の波 高野昌代 201912
台風来脈打つやうに秒針は はしもと風里 201912
颱風のそれたる夜の深眠り 佐藤淑子 雨月 201912
F1の轟音近し台風過 辻響子 201912
台風の余波の濁りに浦明くる 赤石梨花 風土 201912
どことなく挨拶親し台風過 高橋まき子 風土 201912
被災地の情報遅し台風過 眞弓真翁 風土 201912
台風過狭庭に倒る月桂樹 川田好子 風土 201912
台風の洗礼いくつ列島浴ぶ 川田好子 風土 201912
夜颱風チャンネル替へて追ひ回す 岡本尚子 風土 201912
颱風裡時計廻りに茶挽臼 岡本尚子 風土 201912
台風来宿の枕のたよりなく 柿沼盟子 風土 201912
台風で一網打尽ゴーヤ蔓 渡辺節子 201912
台風禍防災訓練新採用 長崎桂子 あを 202001
台風の去りたる安堵月丸ろし 大石よし子 雨月 202001
非常袋に犬猫の餌台風裡 岡本尚子 風土 202001
台風が兜太の臍の上過ぐる 岩木茂 風土 202001
颱風去る宴の海と空一枚 鈴木石花 風土 202001
台風後溝の中には草木あり 北村ちえ子 六花 202001
台風後団栗道や櫟の実 北村ちえ子 六花 202001
台風裡ダムは一気に水吐けり 中村月代 末黒野 202001
台風過欠けし瓦の嵩高く 上月智子 末黒野 202001
また台風避難せよとの子の電話 田中臥石 末黒野 202001
小諸なる千曲の水禍台風禍 藤原照子 202001
台風来つつあり暁闇の耳澄ます 田中臥石 末黒野 202001
雨颱風名だたる河を溢れさせ 中村月代 末黒野 202001
台風に煽られ不意に鳴る電話 丸井巴水 京鹿子 202001
台風や急いで作る夕御飯 北村ちえ子 六花 202001
颱風の心の隙間吹き荒ぶ 竹下陶子 ホトトギス 202001
台風の透けてビニール傘斜め 山田佳乃 ホトトギス 202001
小流れにもどる魚影や台風過 菅野日出子 末黒野 202002
台風の過ぎてひときは青き空 箕田健生 やぶれ傘 202002
窓を打つ雨を見に立つ颱風裡 山本久枝 やぶれ傘 202002
台風過テレビ画面を黙し見る 橋本美代 やぶれ傘 202002
颱風の心にのりて走りたく 竹下陶子 ホトトギス 202002
颱風に目覚めて窓の音を聞く 竹下陶子 ホトトギス 202002
樋破れ台風の雨溢れ出る 北村ちえ子 六花 202002
颱風に飛ばされてゆくものの音 瀬島洒望 やぶれ傘 202002
台 風 →10      

 

2021年9月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。