台 風 8  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
台風の襲来早き今年かな 佐藤健伍 201409
雨風の屍散らかる台風過 布川直幸 201409
大型の牛歩台風神仏 森下康子 201410
台風一過空に箒目らしきもの 田辺博充 201410
台風の落せし木の葉拾ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風の予報どうでもよくなりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風の名残の雨に集ふ会 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風の魁けの雨かも知れぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風の雨も計算済みの旅 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風のそれるを信じ祝を待つ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
近づいてゐし台風のこと忘れ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
颱風の逸れて昂る祝ぎ心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
祝ぎ心までは濡らさぬ台風裡 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風の行方案じてをりし祝ぎ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風や来るなら来いと母が言ふ 斉藤裕子 あを 201410
ツツピーツツピー台風一過の鳥の声 和田政子 201410
直接でなき台風もかく荒れて 稲畑汀子 ホトトギス 201410
台風に根こそぎ伏すや耶馬の杉 吉武千束 太古のこゑ 201411
台風一過雀鳴くさへいとほしや 齋藤晴夫 春燈 201411
台風裡生駒山の裾に十日ほど 岡田史女 末黒野 201411
すいとんの団子に芯や台風来 浜口高子 火星 201411
台風の端にある雲車窓より きくちきみえ やぶれ傘 201411
台風一過海の辛さの薄まらず 関根揺華 201411
台風のそれて青空見るばかり 高倉和子 201411
子猫はや我を威嚇す台風圏 荒井千佐代 201411
台風の目より奈落の見えさうで 高島正比古 京鹿子 201411
梅雨台風うねり湧きたつ鳴くカラス 神田美千留 京鹿子 201411
台風抜けて灯の新しき麓かな 生田作 風土 201411
バースデー外は台風の荒れ狂ふ 寺岡ひろし 雨月 201411
朝刊に雨一粒や台風来 市川伊團次 六花 201411
台風の好む木椰子の葉哮りたる 田尻勝子 六花 201411
仕舞風呂に心身委ね台風禍 川崎利子 201412
武蔵野に星粒そろふ台風過 岡田和子 馬醉木 201412
台風や磯の香強き交差点 田邊豊子 201412
台風裏水の田畑を跨ぎけり 瀬川公馨 201412
此の台風悪戯過ぐる花林糖 柳本渓光 ろんど 201412
十日余の列島縦断大台風 赤座典子 あを 201412
台風来鴨十八羽溜り場に 斉藤裕子 あを 201412
台風一過伸びして起きたうううーんと 斉藤裕子 あを 201412
台風一過心配事も吹き飛んだ 斉藤裕子 あを 201412
台風裡路地の風鈴鳴り止まず 斉藤裕子 あを 201412
台風の浪速上陸とふ気配 大橋晄 雨月 201412
本堂をうろうろしたり台風圏 福島せいぎ 万象 201412
台風の予報に旅の子を思ひ 堀田清江 雨月 201412
台風は鵺の一種と見たりけり 大橋晄 雨月 201412
麻雀牌転げ落ちたる台風圏 藤田素子 火星 201412
台風過ぐ介護士来りずぶ濡れに 相沢有理子 風土 201412
折れ口をさらす大樹や台風過 黒澤登美枝 201412
台風に襲はれ荒れて浜通り 佐藤健伍 201412
まん丸な眼を持ち台風迫り来る 鈴木セツ 201412
低気圧こめかみぎゆつと台風圏 鈴木セツ 201412
颱風の過ぎて六甲山残る 佐土井智津子 ホトトギス 201501
颱風の目志功のまなこ近づき来 田部井幸枝 201501
台風の真下こころを空白に 高田令子 201501
台風の前の青空透き通る 高倉和子 201501
台風の近づく芝の膨らみぬ 広渡敬雄 201501
台風裡ただよふごとく帰宅せり 望月晴美 201501
ふたたびの台風や猫膝へ寄る 田中臥石 末黒野 201501
台風の先触れの雨街昏し 石黒興平 末黒野 201501
颱風や天気予報に首つたけ 大内由紀 末黒野 201501
公園の木の葉散り敷く台風過 横路尚子 末黒野 201501
台風に備へ白萩括りけり 千葉惠美子 末黒野 201501
台風の前の穏やか日の光 上家正勝 末黒野 201501
台風来るぞ来るぞ鬼の子宙ぶらりん 浜口高子 火星 201501
シェーバーの充電ランプ台風圏 涼野海音 火星 201501
台風のそなへは確と高枕 柳橋繁子 201501
台風や信号脇の破れ傘 溝測弘志 六花 201501
からつぽの空と長靴颱風過 田部井幸枝 201501
颱風や昼を灯して本を読む 廣瀬雅男 やぶれ傘 201501
雉鳩のくぐもり鳴けり台風過 菅野日出子 末黒野 201502
台風禍レイテの子等の笑顔かな 山荘慶子 あを 201504
台風の通り過ぎたるおかめそば 火箱ひろ 船団 201505
なほ立たぬ予定七月台風に 稲畑汀子 ホトトギス 201507
颱風の近づいて来る風かとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
台風の先の来てゐる旅の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201508
帰路案じたる台風のありどころ 稲畑汀子 ホトトギス 201508
台風の消息消えず旅つづく 稲畑汀子 ホトトギス 201508
よくあるさー台風一過道を掃く 須賀敏子 あを 201508
颱風に地震に耐へぬく松林 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
近づいて遠ざかる台風のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201509
台風の崩れし雲を抜けて旅 稲畑汀子 ホトトギス 201509
台風の名残の空へ向け離陸 稲畑汀子 ホトトギス 201509
台風のあとの一家のお片付け 八木健 八木健俳句集 201509
気象異変五月台風また沖に 久保晴子 雨月 201509
台風や予定ありてもなき如く 稲畑汀子 ホトトギス 201510
風音のやはり台風来るらしく 稲畑汀子 ホトトギス 201510
些事雑事台風通り抜けにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風は今どの辺りしづもりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風の通り抜けしと言はずとも 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風のかけらも残りをらぬ空 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風の残して行きし山の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風の予報聞きつつ従へる 稲畑汀子 ホトトギス 201510
台風に石の蛙のうらがへる 福島せいぎ 万象 201510
台風の沖を遥かに燕の子 生田恵美子 風土 201510
台風前夜何をしてをるそこな者(もん) 瀬川公馨 201510
台風一過犬は背伸びを長ながと きくちえみこ 港の鴉 201510
宇宙より見る台風の目が三つ 岩下芳子 201511
倒伏の稲や台風矢継ぎ早 田中臥石 末黒野 201511
颱風の走れる雲へ首を出す だいじみどり 201511
ししうどの凛々しく高し台風来 井上石動 あを 201511
台風に阻まれにけり我が家路 王岩 あを 201511
台風の残せし傷の癒えぬ間に 片岡良子 雨月 201511
台風のさなか餃子に酢を効かす 岡部玄治 201511
積ん読の一角崩す台風裡 藤森すみれ 201512
台風の目の中の島浮き上がる 岡山敦子 京鹿子 201512
しやつくりの止まらずなりぬ台風裡 小林愛子 万象 201512
台風のまた曲り来る片思ひ 中島芳郎 201512
台風一過烏の羽根の落ちてをり 秋千晴 201512
四季咲の薔薇や台風沖へ逸れ 田中臥石 末黒野 201512
台風の水漬ける稲を起こしをり 田中臥石 末黒野 201512
海と空のひとつ台風過の晴るる 中村洋子 風土 201512
台風のそれて真上の空開く 生田作 風土 201512
台風に寺の行事の危ぶまれ 本多正子 雨月 201512
神木に手を合はせたる台風過 松田明子 201601
台風に孤独地獄の一夜かな 松田明子 201601
台風の目が消え解く和菓子箱 丸井巴水 京鹿子 201602
台風禍いのちの絆深さ知る 伊吹之博 京鹿子 201602
台風は日本へ日本は戦争へ 千坂希妙 船団 201602
台風の進路曲つてくれにけり 木村享史 ホトトギス 201603
無事に子を産みたるごとく台風過ぐ 升田ヤス子 玫瑰 201604
台風の予報進路にある旅路 稲畑汀子 ホトトギス 201607
ともかくも台風の齟齬曳きて旅 稲畑汀子 ホトトギス 201607
三瓶には夏台風の翳りなし 稲畑汀子 ホトトギス 201607
草原に牛固まりて颱風裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
台風の消息も又加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201608
台風の予報あなどる心なく 稲畑汀子 ホトトギス 201609
台風の残せし雨の止む気配 稲畑汀子 ホトトギス 201609
台風の残せし雨をあなどらぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201609
台風の過ぎし安堵につながらず 稲畑汀子 ホトトギス 201609
台風の進路かかはりなき雨も 稲畑汀子 ホトトギス 201609
昔とは違ふ台風かと思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201609
台風の去り陽のわつと若返る 望月晴美 201611
校門の閂台風と対峙 甲州千草 201611
台風来ずしり立ておく広辞苑 内山花葉 201611
台風の中心にをる弥陀如来 高橋将夫 201611
台風予報河口に鷺の立ちつくす 浜福惠 風土 201611
台風過わつと湧きけり朝の蝉 数長藤代 201611
迫り来る颱風の音にぎりめし 秋川泉 あを 201611
ひらけたり颱風の目の青天井 秋川泉 あを 201611
台風一過ひときは大き月上る 落合裕子 万象 201611
身のうちの虎をバターに台風裡 藤原若菜 春燈 201611
台風がくる日ねぢりんぼう齧り 大崎紀夫 やぶれ傘 201611
終戦の日や台風の海荒るる 田中臥石 末黒野 201611
台風の迷走知恵の輪の解けず 小林陽子 201612
迷走の台風列島南下して 久保田雪枝 雨月 201612
透明な夜空となりし台風過 岩下芳子 201612
魅了する台風の目のやうなひと 江島照美 201612
台風の眼の中にあり力石 小林共代 風土 201612
神棚の幣束の揺れ台風圏 伊藤紫水 風土 201612
旅予定台風行方一喜一憂 野中圭子 京鹿子 201612
台風一過鳩の水飲むにはたづみ 和田紀夫 201612
何げなく開く全集台風来 藤沢秀永 201612
台風圏海の音して樹の折れる 加藤峰子 201612
台風といふ大壁を傘で押す 川崎真樹子 春燈 201612
台風とて一家こもれるうれしさよ 宮崎洋 春燈 201612
台風一過警報気にすることもなく 伊藤百江 春燈 201612
台風の運ぶごろごろ石の浜 福島せいぎ 万象 201612
満月を置いて台風一過かな 松村光典 やぶれ傘 201612
台風過耳より大きイヤリング 松本三千夫 末黒野 201612
台風の事なきを得て白陀師忌 安斎久英 末黒野 201612
台風の余波の雨過ぎ照り返し 吉田きみえ 末黒野 201612
気に入りの傘をおちよこに台風禍 外山節子 末黒野 201612
台風や圃場見廻る五度六度 辻響子 201612
台風来すこしわくわくしてゐたり 栗原公子 銀の笛 201612
台風を避けて夫行く月の山 須賀敏子 あを 201610
颱風の過ぎたる夜を五輪観る 秋川泉 あを 201610
本降りは夏の台風逹磨落し 石森理和 あを 201610
リオ五輪颱風の夜に終りけり 秋川泉 あを 201610
牛と目の合ふ颱風の風の中 安田豆作 ホトトギス 201701
台風の落としてゆきし月ひとつ 今井千鶴子 ホトトギス 201701
西郷どんの視野に台風足踏みす 中山皓雪 201701
少年のやうに台風過ぎにけり 戸栗末廣 201701
台風の近し湯気上ぐ炊飯器 多田ユリ子 201701
颱風の余波篁を揉みくしゃに 窪田佳津子 雨月 201702
職人はひたすら無口台風来 岩岡中正 ホトトギス 201702
台風を待つ午後ひとりルージュひく 川島由紀子 船団 201707
台風の欠片のひとつ木が折れた 陽山道子 船団 201707
颱風の近付いて来る首都の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
電波塔赤く颱風待ち受ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
台風の仔細聞きつつ旅半ば 稲畑汀子 ホトトギス 201708
魅了する台風の目のやうなひと 江島照美 201708
台風の残して行きし雨の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201709
台風の過ぎゆくを聞く家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201709
台風に流れし会を惜しみけり 稲畑汀子 ホトトギス 201709
台風の予定組み込む旅となる 稲畑汀子 ホトトギス 201709
台風の後姿を追うて旅 稲畑汀子 ホトトギス 201709
ホトトギス編集部てふ颱風裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
台風や小さき生き物土間に来る 長崎桂子 あを 201709
台風の浜防波堤は交通網 長崎桂子 あを 201709
颱風が過ぎれば茹だる都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
台風の聞き捨てならぬ行方あり 稲畑汀子 ホトトギス 201710
台風のくるむらさきの朝の空 辻美奈子 201711
島人の深き眉目や台風過 宮内とし子 201711
発想の台風圏に巻き込まる 森岡正作 201711
水が水押して岩越ゆ台風過 森清信子 末黒野 201711
台風に事寄せ京に泊つるなり 竪山道助 風土 201711
猫ひたと添へり台風過ぐるまで 谷田明日香 風土 201711
台風予報二人の間のみそせんべい 木戸渥子 京鹿子 201711
台風の眼に入るビニルハウスかな 定梶じょう あを 201711
台風 →9      

 

2021年9月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。