台 風 6   158句

台風来船止めの壹岐月あかり   小林みゆき   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
台風を突きて飛び立つ一番機 杉本光祥 200101
台風の兆しの雲の花火かな 高橋芳子 火星 200611
台風の目に入るや蝉鳴き始む 山田六甲 六花 200909
早朝の地震そのあと台風来 篠田純子 あを 200909
大台風近づく夜の盧遮那佛 田中藤穂 あを 200909
カナリアに台風逸れてゆきにけり 山尾玉藻 火星 200910
二上山に白雲そだつ台風過 堀田順子 馬醉木 200911
天気図の颱風外れて涛高し 泉田秋硯 200911
閻魔大王台風圏に胡坐せる 松橋利雄 春燈 200911
台風が水洩れ池を満たし去る 太田具隆 春燈 200911
台風のそれて真つ赤の月昇る 大坪景章 万象 200911
台風来つつあり甍ひかりをり 千田敬 200911
台風に地震に列島あたふたす 磯野しをり 雨月 200911
台風の外れて朝月真ん丸に 谷寿枝 酸漿 200911
台風裡箱田を運ぶ軒の下 坂本知子 酸漿 200911
台風圏にて前髪の邪魔なりき 吉田希望 200912
組体操台風過ぎし空へ立つ 鈴木照子 200912
台風の眼の中貝の砂うごく 細川和子 炎環 200912
台風裡生け贄となる日本列島 松井のぶ 200912
台風の眼が少年を魅惑せり 森岡正作 200912
颱風過炎のごと燃ゆる空が見ゆ 峰幸子 200912
大阪が魔法にかかる颱風圏 望月木綿子 200912
台風の方程式や明日の晴 森井美恵子 200912
一夜さを騒ぎ立たせて台風過ぐ 大橋晄 雨月 200912
台風の迫る夜明けの地震烈し 植村よし子 雨月 200912
賞味期限過ぎし乾パン台風裡 岡田史女 末黒野 200912
大風呂敷をたたみし思ひ台風消え 丸山佳子 京鹿子 200912
台風さけマストひしめく川奈港 島純子 ぐろっけ 200912
台風過空空色をとりもどし 西山美枝子 酸漿 200912
台風の欠片の白波群るる 松本周二 200912
台風禍停電烏舞ひ遊ぶ 藤野寿子 あを 200912
酔芙蓉酔ふこともなく台風過 河野冨美子 末黒野 201001
台風の眼は静かなり赤ワイン 橋本正二 201001
台風の田道に漢吼えてをり 野口光江 遠嶺 201001
台風の目の中にゐて豆を煮る 和田幸江 春燈 201001
台風に灯しつづけて理髪店 大西八洲雄 万象 201001
台風の目とにらめっこりんご村 鎌田悟朗 ろんど 201001
台風一過皮剥白く干されたる 浜福惠 風土 201001
台風裡耽ける村上春樹かな 石田きよし 201001
颱風の去りゆく音を聞きのがす 原田達夫 201001
台風過ぐ晴れとくもりの目まぐるし 後藤とみ子 ぐろっけ 201001
米櫃の中が熱しよ台風裡 服部早苗 201002
実朝の詠みしおほ海台風来 川口襄 遠嶺 201002
予報士の熱弁となる台風前 後藤とみ子 ぐろっけ 201002
台風の小屋ごと鶏をさらひたり 秋千晴 201002
台風の通りし庭の木の葉屑 鈴木礼子 末黒野 201004
台風の予報は遠し外出す 稲畑汀子 ホトトギス 201008
台風を引つ提げて来る雨男 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
台風も温泉の景として見れば 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
台風をあてにせしこと悔まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201009
台風に雨の期待のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201009
再会の尾張台風一過かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
鎌倉に台風二十号の余波 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
台風に一日家居となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201010
台風裡肘笠雨に遭ひにけり 能村研三 201010
遊星の一つ狂へり台風禍 伊藤憲子 201011
遊星のひとつ狂へり台風禍 伊藤憲子 201011
台風一過しづかさ極む夜明けかな 渡辺安酔 201011
台風過空も背伸びをしてゐたり 松嶋一洋 201011
台風の目玉しつかり巻ひてをり 前田美恵子 201011
台風圏秘密めきたるくりや事 七田文子 201011
台風来夕べ五彩の雲走り 柳生千枝子 火星 201011
雨戸あけて台風あらしの後の木の匂ひ 秋葉貞子 やぶれ傘 201011
台風の外れて朝の眩しかり 長崎桂子 あを 201011
関東は台風圏外からす飛ぶ 田中藤穂 あを 201011
準備万端台風の逸れてをり 吉田政江 201012
台風や電話の母を案じゐて 豊谷ゆき江 春燈 201012
台風の余波に逆らひ鳥渡る 金山藤之助 201012
閼伽桶を鼓打ちなす雨台風 石﨑浄 風土 201012
台風の逸れゆく梯子上りけり 根岸善行 風土 201012
快晴や台風一過といふ言葉 磯野しをり 雨月 201012
台風に狂喜している風車 島本知子 ぐろっけ 201012
ねむれぬ夜は吐息して台風圏 堀内一郎 あを 201012
台風の前触れの如足痛む 森山のりこ あを 201012
台風の猛暑と共に去りゆけり 島﨑久美子 酸漿 201012
台風一過煎餅を威勢よく 高田令子 201101
台風のそれたる沖に一巨船 島谷征良 風土 201101
窓少し濡らし台風さりにけり 川村みよき 万象 201101
植木鉢倒し台風来るを待つ 砂川道子 万象 201102
台風の外れたり白湯の沸いてをり 浜口高子 火星 201102
砕け散る沖波幾重台風来 鍋島武彦 末黒野 201102
台風の闇を照すや岬の灯 外山生子 末黒野 201102
台風が来て腰痛も来たりけり 武田ともこ ぐろっけ 201102
台風一過呑み友だちを失へり 堀内一郎 あを 201106
台風の空のつづきの遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 201108
台風の釣公園を魚飛ぶ 品川鈴子 ぐろっけ 201108
台風裡写真の両師笑み賜ひ 浜口高子 火星 201108
台風に助けてもらひたき日和 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
颱風の雨さへ待たれをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201109
台風とすれ違ひたる西の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
すれ違ふ台風進路交はらず 稲畑汀子 ホトトギス 201110
台風の行方は追はず旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201110
台風予報眠れぬ夜の手や足や 菅野蒔子 末黒野 201110
陋屋に物音かしこ台風来 古井公代 ぐろっけ 201110
無沙汰詫び台風の夜の長電話 岡野イネ子 春燈 201110
大鳥居夏台風をむかへ撃つ 中村江利子 京鹿子 201110
台風の逸れて朝方深眠り 廣瀬義一 雨月 201110
颱風とともに過ごせる夜更かな ことり 六花 201110
台風下匂ひて叩き牛蒡かな 定梶じょう あを 201110
座標軸持たぬ台風天まかせ 大島みよし 201111
台風に地球の呼吸乱れをり 塩路五郎 201111
台風の過ぎたる空の広さかな 高倉和子 201111
雨台風大臣の椅子また替はる 大西八洲雄 万象 201111
台風の迷走かなし海の町 仁平則子 201111
津波禍に山津波禍の台風裡 渡辺安酔 201111
十五号台風日本縦断す 渡辺安酔 201111
颱風禍に胸を痛めて星仰ぐ 山田をがたま 京鹿子 201111
台風が来るかも河馬の大欠伸 戸栗末廣 火星 201111
列島を台風一つなすがまま 大橋晄 雨月 201111
七岳を海より呑みて颱風来 植村よし子 雨月 201111
如何にせむ台風日本を挟み討ち 堀田清江 雨月 201111
台風に耐へたる紫苑咲きにけり 小川玉泉 末黒野 201112
颱風や上総低山雨越さず 田中臥石 末黒野 201112
台風の逸れし作務衣の紫紺いろ 杉浦典子 火星 201112
台風の過ぎし若草山の容 杉浦典子 火星 201112
台風の通過中なる車検場 堀志皋 火星 201112
紀の国の地形崩すや雨台風 中田寿子 ぐろっけ 201112
しだらでん台風二つ立てつづけ 蓮尾みどり ぐろっけ 201112
土砂ダムとう斯く台風に負の遺産 蓮尾みどり ぐろっけ 201112
紀伊大和押し流さるる台風禍 林美智 ぐろっけ 201112
雨台風龍宮城とて如何ならむ 古井公代 ぐろっけ 201112
台風も日課の散歩欠かさざる 長谷川としゑ ぐろっけ 201112
受難列島颱風のこれでもか 北川英子 201112
台風圏なかなか開かぬ瓶の蓋 大川ゆかり 201112
上陸の台風韋駄天走りかな 杉本光祥 201112
散骨をせし山台風圏にあり 平居澪子 六花 201112
台風の余波や竹林空を掃く 川崎良平 雨月 201112
目覚めよく台風後の庭掃除 今泉あさ子 末黒野 201201
父植ゑし杉根こそぎに台風禍 海野みち子 万象 201201
天窓を飛ばし台風突入す 石川裕子 万象 201201
台風の新しき空連れて来し 秋千晴 201201
台風禍教師らなげく時間割 細川知子 ぐろっけ 201201
楯となり台風防ぎし山拝む 三浦澄江 ぐろっけ 201201
台風禍那智の滝つぼ動きしと 中島知恵子 雨月 201201
台風の名残の雲の輪中かな 水谷靖 雨月 201201
台風を前の大声ビル現場 志方章子 六花 201201
台風の空に来てゐる甲斐の駅 大島英昭 やぶれ傘 201201
看板に台風の音ありにけり きくちきみえ やぶれ傘 201201
颱風に追はれつつ逃げきりし旅 安原葉 ホトトギス 201202
颱風一過大きな星の輝けり 河野美奇 ホトトギス 201202
台風一過チキンカレーの出来あがる 布川孝子 京鹿子 201202
台風の的となりけり熊野杉 亀井紀子 201205
台風の逸れし安らぎ集ひけり 稻畑汀子 ホトトギス 201207
台風の近づく嶺々の騒きかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208
星尽くす梅雨の台風一過かな 山田六甲 六花 201208
雲連れて雲押し退けて颱風来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
颱風のこれからといふ静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
咲くものの戦いてゐる颱風裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
颱風はやつぱり外で感じなきや 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
颱風の中集まれる勇者達 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
台風を押して来られし会となる 稲畑汀子 ホトトギス 201209
台風の中日帰りの空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201209
台風の進路に油断なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201209
颱風の進路の中に旅一つ 稲畑汀子 ホトトギス 201209
台風を怖れぬ人の集ふ会 稲畑汀子 ホトトギス 201209
台風の抜ける頃とて句に集ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201209
欠席の電話の二三台風に 稲畑汀子 ホトトギス 201209
台風→7      

 

2021年9月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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