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耕牛やどこかかならず日本海   加藤楸邨   雪後の天

作品
作者
掲載誌
掲載年月
天日やしるしばかりを耕して 松原仲子 200805
春耕や夕日は淡き雲に入る 大西裕 酸漿 200805
雪形の現れて出番の耕転機 泉田秋硯 200806
一日を口一文字に耕せる 泉田秋硯 200806
農園の土ふっくらと耕され 金井香ル 200806
春耕や畑の隅の小さき弊 川口襄 遠嶺 200806
釈迦の手を耕してゐる夕景色 宮澤さくら 遠嶺 200806
遠富士を仰ぎ南畑耕せり 原島ふじ子 遠嶺 200806
スイッチバック春耕の段重ね 中尾公彦 200806
老ひとりゐて耕は畦に沿ふ 大竹淑子 風土 200806
逢魔が時さけて春耕早じまひ 近藤紀子 200806
海鳴りのはるかなものも春耕す 久津見風牛 200806
耕の関東ローム層風の中 荒井和昭 200806
春耕を見つつ杜氏ら帰途につく 佐藤山人 200806
わが影の脳のあたりを耕せり 吉田明子 200806
耕しの媼に春田広過ぎる 椋本一子 雨月 200806
耕しや畦いきいきと甦る 水谷ひさ江 六花 200806
耕せる背にまだ昼の二日月 藤井昌治 200806
春耕の風にのりくる神楽笛 鈴木漱玉 馬醉木 200807
耕して土に補ふ空気かな 布川直幸 200807
春耕や日没までの至福とも 濱上こういち 200807
春耕の鍬置けば来る小鳥どち 生田作 風土 200807
耕して峰やはらかく連なれり 柴田佐知子 200807
三角の空き地耕す野球帽 出口誠 六花 200807
これ以上畑を捨てじと耕せり 長田秋男 酸漿 200807
余生とは人それぞれや春耕す 高倉恵美子 200808
春耕の泥もつけずに戻りけり 高倉恵美子 200808
春耕や畑に小鳥のつづき来る 池田いつ子 酸漿 200808
耕人の上着はすでに畔にあり 府川房江 母の空 200808
耕しつその畦路を行けと云ふ 浅井青陽子 ホトトギス 200810
土吐きて土を掻つ込む耕転機 藤原千代子 万象 200810
耕の頭上バイクの驀進す 藤原千代子 万象 200810
春耕の畝一本の紐置かる 服部早苗 200810
畦駈ける犬よ耕馬は放たれず 瀧春一 深林 200901
耕して地球の裏の声を聞く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
耕を見下してゐるエンデバー 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
耕せる裏六甲の奥の奥 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
朝の間に耕すませ出勤す 稲畑汀子 ホトトギス 200903
耕のすみし一村鎮もれる 稲畑汀子 ホトトギス 200903
茂吉忌の山田耕すひとりかな 遠藤若狭男 200904
耕人に遠嶺は雪を残しけり 安立公彦 春燈 200904
春耕を待つや故郷遠けむり 北島正太郎 炎環 200904
湧く雲のやうに耕しはじめけり 新井如月 炎環 200905
春耕の一打一打に黙深む 小澤克己 遠嶺 200905
耕人の一人に野川奏で初む 西村しげ子 雨月 200905
若人の農にチャレンジ耕せる 宮川秀穂 200906
春耕の鍬掛けしをり父として 久津見風牛 200906
耕して艶めく土を鷺歩く 伊藤美音子 万象 200906
一鍬を入れる耕し稿もまた 大畑善昭 200906
耕の湾に向かひて傾ぎけり 高田令子 200906
耕して田はたひらかに水を待つ 谷合青洋 酸漿 200906
茎立や夫と耕す一反歩 神保みね子 酸漿 200906
春耕の田に惜しげなく水張られ 早崎泰江 あを 200906
春耕の二人快速に手を振って 藤野寿子 あを 200906
耕せる土のぬくみや日の恵み 佐用圭子 200907
耕すや仁右衛門三十八代目 青柳雅子 春燈 200907
遠祖の地天地返しに耕せる 水谷靖 雨月 200907
耕して息づく畑の広さかな 須藤節子 万象 200907
耕して札所につづく棚田かな 青山悠 200907
胸突きの畑御祖より耕せり 守屋井蛙 酸漿 200907
春耕や父は本業より農業 岡垣佳子 遠嶺 200908
耕運機の爪黒きこと太きこと 塚越美知子 200908
耕人の眼ぞ天心に曇りなし 八田木枯 晩紅 200908
耕せり背なに重たき赤ん坊 室谷幸子 万象 200911
天辺を耕し谷へ戻りけり 彦根伊波穂 200912
耕しに憩ひに伊吹仰ぎけり 水谷靖 雨月 201001
耕人のおのれの影へ鍬を打つ 川崎良平 雨月 201001
束ね髪の耕人見ゆる屋敷畑 能村 研三 201003
耕人に山脈やまなみ動きはじめたり 鷹羽狩行 201004
耕して俗塵潔しとせず 小林呼溪 201004
耕耘機夕日に染まる家路かな 早崎泰江 あを 201004
時折は山見て畑を耕せる 杉本綾 201005
耕やあたり一面動き出づ 鈴木阿久 201005
春耕の鍬に刃向ふ音のあり 久津見風牛 201005
地の匂ひ日の匂ひこめ耕せる 近藤きくえ 201005
耕しし土の寒さをまたぎけり 城孝子 火星 201005
耕してをり手を上げて通りけり 山内四郎 春燈 201005
一枚を脱ぎ耕人となりゐたり 水谷靖 雨月 201005
春耕や静かな里の動き出す 中村ツヤ子 酸漿 201005
耕して大きな靴となりにけり 高倉和子 201005
畑に立つ春耕人の忘れ鍬 山本孝夫 201006
春耕や亡夫をまねしか畝曲り 杉本綾 201006
寝不足の心音乱す耕転機 鴨下昭 201006
耕しの下総台地夕茜 山本無蓋 201006
海を見る春耕の腰また伸ばし 和田満水 201006
春耕や田ごとに光り昨夜の雨 生田喬也 201006
耕やして野梅に至る山の畑 宮木忠夫 201006
耕の土に初蝶来たりけり 河崎尚子 火星 201006
春耕の黒土かわく早さかな 近藤紀子 201007
耕人のきらりと光る言葉かな 中野京子 201007
耕人のあやすがごとく畝を盛る 工藤ミネ子 風土 201007
耕すや青き煙につつまれて 佐藤真隆 京鹿子 201007
春耕の遊びのやうな轍あと 宇都宮敦子 201007
何よりも畑仕が好きと耕せる 山本漾子 雨月 201007
春耕の友一番の働手 井関祥子 酸漿 201007
耕人のまとへる風を吾もまとふ 村井二郎 馬醉木 201008
村中が同じ深さに春耕す 鈴木てるみ ぐろっけ 201008
耕運機に道をゆづりて遠筑波 國保八江 やぶれ傘 201008
晩年の晴耕の土匂ひけり 鴨下昭 201009
春耕や八十路の婆の友となり 秋山信行 やぶれ傘 201009
耕→ 5      

 

2021年3月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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