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耕や五石の粟のあるじ顔    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山の神田の神信じ耕せり 後藤雅夫 百鳥 200505
耕しの日向日影の土の色 西岡美代子 百鳥 200505
耕人にまた一輌の電車過ぐ 青山悠 200505
春耕や天神山によき日差し 長沼紫紅 200505
耕耘機うならしてゐる男かな 松山佐治彦 河鹿 200506
入相の海のひかりを耕せり 清水節子 馬醉木 200506
春耕の折り返すとき顔光り 小橋末吉 対岸 200506
うしろへとうしろへと春耕しぬ 田中英子 火星 200506
春耕や鍬の楔を打ち直す 田谷芳江 築港 200506
耕人の墓地を通つて帰りけり 大串章 百鳥 200506
耕しや鍬おもむろに狂言師 落合由季女 雨月 200506
開拓の村の高きを耕せる 宮原悦子 雨月 200506
耕人にはろか潮の目綾をなす 宮原悦子 雨月 200506
耕の幾世重ねし土の色 隅田恵子 雨月 200506
春耕す湖東の天をともにして 豊田都峰 京鹿子 200506
耕して地平線を知らぬげに 豊田都峰 京鹿子 200506
春耕の手始め煙上げにける 荒川美邦 京鹿子 200506
耕して畝の長きとふりかへる 長崎桂子 あを 200506
耕して鮮しき風村裡に 生田恵美子 風土 200507
長屋門の袖に出を待つ耕耘機 室伏やすし 200507
春耕の田を縫ふ流れ飛鳥川 河合佳代子 栴檀 200507
さざれ石に苔のむす国耕せり 鈴木勉 対岸 200507
佐保姫や晴耕雨読くりかへし 角直指 京鹿子 200507
より影の力みなぎり耕せり 守屋井蛙 酸漿 200507
春耕や雪型の馬見ずと言ひ 伊藤いな栄 酸漿 200507
耕してきてからくりを操れり 中島瑞枝 百鳥 200507
春耕といふも一坪車庫の上 尾辻のり子 河鹿 200509
湯の宿や丘の耕人と顔合はす 瀧春一 菜園 200509
生真面目な人と覚ゆる耕せる 守屋井蛙 酸漿 200511
耕人に外燈うすく点りけり 城孝子 火星 200603
土くれを指に崩してまた耕す 山田六甲 六花 200603
春耕に鍬を担いで修道女 腰高和代 春燈 200605
東大寺裏の棚田を耕せり 古賀勇理央 百鳥 200605
耕人や貸農園の一区画 西山美枝子 酸漿 200605
耕して男体山の浮かびけり 斎藤くめお 対岸 200605
春耕の天地返しをこころにも 渕上千津 200605
耕しの音も光も鋤き込めり 武藤嘉子 200605
山あひの耕人平家の裔といふ 安達実生子 200606
耕して地熱なるらん土の息 吉田裕志 200606
山あひの耕人平家の喬といふ 安達実生子 200606
春耕や身に蘇る血の流れ 小山百合子 遠嶺 200606
耕しの堆肥の山に湯気盛ん 池田光 200606
人の意志馬を離れず耕せり 瀧春一 瓦礫 200606
いきいきと土と存問耕せる 大橋敦子 雨月 200606
春耕の遠目に山の目覚めをり 八木柊一郎 ぐろっけ 200606
耕しや鍬が止まれば手が動き いば智也 六花 200606
春耕の夫婦が保つ広さかな 渡辺玄子 酸漿 200606
春耕の前や後ろに小鳥たち 早崎泰江 あを 200606
耕人に高速道の轟音おとが降る 泉田秋硯 200607
春耕の農婦明日より巴里へ旅 塩路隆子 200607
春耕や熔岩に置かれし男シヤツ 尾辻のり子 河鹿 200607
郷愁や休耕の田も畦青む 田畑時男 河鹿 200607
耕して守り通すや相伝領 尾崎貞 春燈 200607
耕人の身支度きりり農具小屋 武田ミヨ 四葩 200607
納屋奥の此度も出せぬ耕耘機 吉弘恭子 あを 200607
耕しの到り着く辺を遠く置き 宮津昭彦 200608
耕人の向きそれぞれに移り行く 宮津昭彦 200608
夕映の田を引上ぐる耕耘機 松元末則 酸漿 200608
耕しの背ナ蹴りあげるややの足 宇都宮滴水 京鹿子 200704
耕人の声の明るし犬ふぐり 吉野さと 酸漿 200704
耕せる男の肩に鳥のまり 山田六甲 六花 200704
耕すや大き落暉を野づかさに 水原春郎 馬醉木 200705
春耕の二人少しく距離を置き 中嶋昌子 春燈 200705
春耕の足形乾く三和土かな 黒澤登美枝 200705
畦に立つ耕人の背に老をみる 黒澤登美枝 200705
春耕のころがる大地力持つ 布施まさ子 風土 200705
耕して一尺五寸の土煙 北島和奘 風土 200705
春耕の老にまつはる尉鶲 松元末則 酸漿 200705
春耕や背にやはらかき陽を乗せて 木内美保子 六花 200705
高齢者運転講習春耕期 鎌田重光 200706
里の名の岩を祀りて耕せり 戸田円三 200706
春耕や犬が番してベビー籠 佐々木いく子 200706
山の畑身を逆しまに耕せり 海野みち子 万象 200706
春耕の段畑の辺に墓一つ 小林草人 200706
首塚を前に後ろに耕耘機 大石よし子 雨月 200706
耕牛の休みたがれば休みけり 田中峰雪 雨月 200706
産月の牛に歩合はせ耕しぬ 田中峰雪 雨月 200706
春耕す水平線を崩しつつ 吉田多美 京鹿子 200706
耕して広がる四隅田んぼかな 定梶じょう あを 200706
耕して天に至れば田螺なく 渡邉友七 あを 200706
耕牛を逐ひ來て土手に放ちけり 瀧春一 200706
をさなごを乗せ春耕のトラクター 大工原清明 万象 200707
春耕に弁当包み振りたる子 山田美恵子 火星 200707
春耕や猶際立てり畔の青 斉藤裕子 あを 200707
春耕の畝真直や遠筑波 若槻妙子 200707
耕すや震禍の畑を繕うて 安原葉 ホトトギス 200708
鉄塔の影もろともに耕せり 阿久津勝利 万象 200708
耕耘機向き変ふる時空転す 森脇貞子 雨月 200708
耕して長寿の相の南部牛 貝森光洋 六花 200708
耕せば地に溢れくる父祖の声 土屋啓 馬醉木 200710
耕せる湾一望の畑かな 工藤ミネ子 風土 200711
岳麓の耕はもう少し先 稲畑汀子 ホトトギス 200803
耕しの下見むかしは牛連れて 小林呼溪 200803
耕しの田の真ん中に来てをりぬ 山田六甲 六花 200804
筑波嶺の影の先端耕せり 布川直幸 200805
春耕の雪を鋤き込む千枚田 田中佐知子 風土 200805
天地の恵み願ひつ耕せり 峰幸子 200805
耕→ 4      

 

2021年3月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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