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耕せばうごき憩へばしづかな土   中村草田男   来し方行方

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耕すやいよよ加齢の農夫たち 岸本林立 雨月 200207
均されてゐし耕の深からむ 高梨美佐子 遠嶺 200208
鍬振って赤土ばかり耕せる 池田草曷 雨月 200208
耕しと言へども猫の額ほど 谷渡末枝 万象 200212
耕牛や畑の境は瓦礫積み 中里カヨ 酸漿 200302
耕すや十株に満たぬほまち田も 朝妻力 雲の峰 200303
耕しの鍬引けば足前に出る 山田六甲 六花 200303
耕して夢の一反なりしかな 平子公一 馬醉木 200304
耕して天より帰り来るごとし 鷹羽狩行 200304
耕すや役場の鐘にかかはらず 長谷川閑乙 馬醉木 200305
春耕や一つ増えたる猪囲ひ 海上俊臣 酸漿 200305
春耕や一系を守る米どころ 鈴鹿仁 京鹿子 200305
三角の土地を大事に耕せる 山田六甲 六花 200305
春耕のはじめ物焚く峡の畑 内山けい子 200305
春耕の二人となれば憩ひをり 藤野力 馬醉木 200306
耕耘機ゆらりと春の畦を越ゆ 藤野力 馬醉木 200306
屋上庭箱田の土を耕せり 山下悦子 酸漿 200306
春耕の土すこやかに立ち上がる 三代川次郎 雲の峯 200306
アルプスの峰峰白く春耕す 岡田有峰 築港 200306
耕人に蒸気機関車汽笛あぐ 竹内喜代子 雨月 200306
春耕の底土やっと陽を見たり 佐々木スガ子 ぐろっけ 200306
耕して土に還らぬもの出で来 岡田章子 ぐろっけ 200306
春耕のつひに一人のまま暮れて 閑田梅月 馬醉木 200307
春耕や鍬に宿りし亡夫と二人 石岡祐子 200307
光囲の田や深々と耕され 江木紀子 雨月 200307
耕して初孫の報待ちにけり 中西美保 雨月 200307
耶蘇名をルカと申せり耕せり 森山よね子 帆船 200307
春耕やたたく赤げらをまのあたり 伊藤一枝 酸漿 200307
雑然と耕を待つ畑かな 渡辺玄子 酸漿 200307
土踏まずよろこばせ春耕せり 宮坂恒子 200307
耕転機屋敷神より出発す 中田尚子 百鳥 200307
耕のはじまる煙立ちにけり 菅野啓子 百鳥 200307
春耕の人の礼受く野辺送り 宮下よしを 200307
春耕の畝のゆがみの親しかり 内山けい子 200307
耕して疲れを腰に三日溜め 武司琴子 ぐろっけ 200307
耕しの手を止め振りぬ園児らへ 中島霞 ぐろっけ 200307
職退きて耕す態も堂に入る 中島霞 ぐろっけ 200309
耕して父に会ひたくなりにけり 小山徳夫 小春の山河 200401
耕して掘りし石もて畑囲ふ 松崎鉄之介 200403
宮古島の畑耕され代赭色 松崎鉄之介 200403
天に鳩地に春耕の土黒し 伊藤千恵子 帆船 200403
耕人や藁から先にすがる風 宇都宮滴水 京鹿子 200403
春耕を待つ固さうな土雨降れり 赤尾杉昌子 対岸 200404
耕しの弧のゆるやかに鍬光る 近藤きくえ 200405
遠目にはミレーのごとし耕せる 竹内弘子 あを 200405
春耕や慎ましやかに足の跡 森理和 あを 200405
耕牛の息荒々と戻り来る 木村てる代 雲の峰 200405
耕しに宮の太鼓の響き来し 岡山裕美 雲の峰 200405
耕しや遥かに白き八ヶ岳 天野れい子 雲の峰 200405
春耕の片隅に立つ石仏 天野れい子 雲の峰 200405
畦に立ち耕し終へし田を眺む 舘野修郎 雲の峰 200405
耕すや孤雲の影を友として 小澤克己 遠嶺 200405
耕人につつがの癒えし声の張り 清水公治 200405
耕してありし紙漉き小屋の裏 山尾玉藻 火星 200405
耕運機有無をいはさぬ早さかな 加古みちよ 火星 200405
春耕の土の中より種袋 久保田妙 百鳥 200405
耕人の土の機嫌を伺うて 塩川雄三 築港 200405
農捨てず耕転機色塗り替へて 加藤白狼子 築港 200405
耕しの鍬の柄古き疵を持つ 福留ゆみえ 河鹿 200406
春耕や土覚まさせて眠らせて 工藤進 200406
農耕車優先八重の桃の花 北嶋ひさ子 帆船 200406
耕すや昼のサイレン谺なす 飛鳥由紀 200406
耕の人疎らなる村となりき 岸本林立 雨月 200406
春耕の始めの一打鍬かろし 松岡路石 対岸 200406
耕しのエプロン似合ふ遺影かな 久保田妙 百鳥 200406
春耕の鍬やはらかく土に入る 杉江美枝 百鳥 200406
耕すや一鍬ごとに砂埃 松崎鉄之介 200406
耕に鵜の影しきり知多群 江崎成則 栴檀 200406
春耕の大地を打つて星殖やす 西川織子 馬醉木 200406
散る桜敷きたる畑を耕せり 田中きよ子 酸漿 200406
耕してリストラの伜の憂さ晴らし 川崎光一郎 京鹿子 200406
十坪ほど耕し病知らずかな 藤井明子 馬醉木 200407
二階電車走る左右の耕耘機 清水幸子 築港 200407
耕すや十方山に塞がれて 柴田佐知子 200407
長城の外へは出でず耕せり 松崎鉄之介 200407
吾が影を耕すのみに疲れたり 泉田秋硯 200407
春耕の一直線を繰り返す 櫻井多恵 200407
振返るたび耕しの鍬光る 櫻井多恵 200407
耕運機いちづに緑裏返す 植野いさ子 200407
魚獲つて畑耕して人逝きしかな 淵脇護 河鹿 200407
春耕の大地一鍬づつ生きる 芝生南天 河鹿 200407
水脈立ててをり晴天の耕転機 今瀬剛一 対岸 200407
破顔一笑耕人鍬に顔のせて 鈴木實 百鳥 200408
耕人の根気太陽慰むる 佐藤淑子 雨月 200408
耕転機土塊砕き田に畦に 上岡末喜 築港 200408
振りおろす万能地球を耕せり 加藤抱石 帆船 200409
耕せり湖と嶺とを左右にし 品川鈴子 六香 200501
土赭く耕して出づ石鏃 品川鈴子 六香 200501
脳病院まづ一反を耕せり 須佐薫子 帆船 200503
耕牛を追ひて田を鋤く夢はじめ 竹原惣一 200503
耕しのてのひら熱くなつて来し 山田六甲 六花 200503
耕せりほまち畑の雑多植 須佐薫子 帆船 200504
耕の果つるところや北斗星 池田冨美 帆船 200504
耕しを他所に遅れて始めけり 永田あき 酸漿 200504
一畝の葱を残して耕さる 三井公子 酸漿 200504
稲荷講農耕民族万歳す 東亜未 あを 200504
耕運機土に縞目を引きてゆく 早崎泰江 あを 200504
駱駝曳き赭き大地を耕せり 須賀允子 万象 200505
春耕の鍬に光を集めけり 田中清子 遠嶺 200505
こまごまと隣にならひ耕せり 坂口美代子 河鹿 200505
耕→3      

 

2021年3月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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