鈴 蘭 1  100句

すずらんのリリリリリリと風に在り  日野草城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鈴蘭の香に顔寄せて二十人 稲畑汀子 ホトトギス 199805
今宵泊つ部屋鈴蘭とメッセージ 稲畑汀子 ホトトギス 199806
鈴蘭に近づく蝦夷の旅思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 199905
すずらんの風下にゐて邪心とも 大東由美子 火星 199910
鈴蘭のドレミファソラシド咲きにけり 吉田すばる 京鹿子 199911
すずらんやハタチを過ぎて人見知り 津田このみ 月ひとしずく 199912
すずらんや夢を見すぎる悪い癖 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
鈴蘭の香りの中の初対面 稲畑汀子 ホトトギス 200005
鈴蘭や木曾の軍馬の招魂碑 西田もとつぐ 俳句通信 200007
すずらんや雨の雫をためて落つ 谷口知子 火星 200007
鈴蘭のブーケはつぼみ嫁ぐ朝 森景ともね 船団 200008
タラップを降りる皇后鈴蘭手に 星佳子 200009
石かげの鈴蘭株を殖やしけり 二瓶洋子 六花 200009
鈴蘭の葉のあをあをと鈴はなし 鷹羽狩行 200010
鈴蘭の香に夜の帳下りて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200106
遠き旅近づけて鈴蘭の香よ 稲畑汀子 ホトトギス 200106
鈴蘭の一株根づき育ちをり 鎌倉喜久恵 あを 200106
鈴蘭や乙女のアルバム色あせり 久保田一豊 いろり 200107
鈴蘭の香り微かに山の朝 須賀敏子 あを 200107
銅鐸の跡に鈴蘭薬草園 品川鈴子 ぐろっけ 200107
鈴蘭や外階段を降りて来し 新関澄子 遠嶺 200108
鈴蘭や穂高にかかる昼の月 池尻足穂 俳句通信 200108
鈴蘭の三坪の原を裏庭に 駒井でる太 200109
我が庭の鈴蘭母のかたみとも 稲岡長 ホトトギス 200111
鈴蘭の鉢に二つの会果てぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200205
鈴蘭の四五本咲けり嫁ぐ朝 須賀敏子 あを 200205
香を摘みつ鈴蘭の野を束ねけり 稲畑汀子 ホトトギス 200206
鈴蘭を一薬草に譲りし野 稲畑汀子 ホトトギス 200206
すずらんや心耳を澄ます佇まひ 堀川夏子 銀化 200206
鈴蘭や古びし玻璃の陽のやさし 土岐明子 遠嶺 200208
鈴蘭の香にふりむける夜道かな 竹山みや子 築港 200208
鈴蘭の花や手にのる布の靴 望月友子 雲の峰 200208
鈴蘭の一本づつの香を束ね 中谷葉留 風土 200209
鈴蘭の小さきブーケを持ちて旅 金森信子 雨月 200209
つぶらな瞳して鈴蘭を提げ来る 萩谷幸子 雨月 200209
鈴蘭を胸にホテルのボーイかな 鵜飼紫生 雨月 200307
月光に鈴蘭濡れて月匂ふ 小林和子 風土 200308
なほざりでありし鈴蘭花芽上げ 松尾緑富 ホトトギス 200311
駅見えてゐる鈴蘭の香に遊ぶ 佐々木幸 200401
鈴蘭のびつしり芽立つ秘佛かな 大島翠木 200406
夜明け待つ鈴蘭の白子の産まる 須賀敏子 あを 200406
鈴蘭の密かなしらべ闇ともす 森理和 あを 200406
鈴蘭の風のそよぎに香も揺れて 松下君子 築港 200407
鈴蘭を抱いて花嫁出来上がる 内原弘美 ホトトギス 200410
鈴蘭のブーケよここに飛んで来い 内原弘美 ホトトギス 200410
お行儀の少女のやうな鈴蘭よ 奥田好子 ホトトギス 200410
鈴蘭や言葉探してゐる見舞 赤松雅人 ホトトギス 200410
鈴蘭の香の掌に乗つてをり 中川萩坊子 ホトトギス 200410
この頃を鈴蘭が呼ぶ蝦夷が呼ぶ 中川萩坊子 ホトトギス 200410
鈴蘭の見えず香の見えをりし森 中川萩坊子 ホトトギス 200410
鈴蘭の秘するしたたかなる野性 長山あや ホトトギス 200410
野のいのち悼み鈴蘭風に鳴る 長山あや ホトトギス 200410
鈴蘭を賜ひし君と共白髪 長山あや ホトトギス 200410
鈴蘭のとり残されてゐて可憐 丹後浪月 ホトトギス 200410
鈴蘭の香り一本づつ渡す 丹後浪月 ホトトギス 200410
青々として鈴蘭の野でありし 永野由美子 ホトトギス 200410
鈴蘭の原風匂ふ土匂ふ 永野由美子 ホトトギス 200410
鈴蘭のひと粒づつに光あり 永野由美子 ホトトギス 200410
路地奥に野の鈴蘭の馴染みをり 片岡淑郎 ホトトギス 200410
鈴蘭の花まで風の届かざる 中村嚢介 ホトトギス 200410
すずらんや記憶の外の糸たぐる 池島知佳 八千草 200411
鈴蘭を活け紙婚を祝ひやる 村山みよ 築港 200507
城門に鈴蘭売の少女かな 三好かほる 万象 200510
クラークは鈴蘭の野を指差せり 森竹昭夫 遠嶺 200510
鈴蘭や屋根に雲起つ八ヶ岳 遠野萌 200511
鈴蘭の香に立ち牡丹散りつくす 瀧春一 常念 200606
ちろちろ鳴る鈴蘭に霧が熱つぽい 瀧春一 瓦礫 200606
鈴蘭の白晨朝の適ひけり 大橋麻沙了 雨月 200606
鈴蘭の鈴の襞々しかとあり 大橋麻沙了 雨月 200606
鈴蘭と消毒薬とナースどち 大橋麻沙了 雨月 200606
鈴蘭やトランポリンの女の子 石脇みはる 200606
鈴蘭のナースの帽を思はする 大橋敦子 雨月 200607
雨粒に鈴蘭一つづつ揺るる 秋千晴 200608
手術室出て鈴蘭の香と思ふ 大坪景章 万象 200608
鈴蘭やアイヌ聖地に童唄 鈴木照子 200609
枕辺に鈴蘭手術前夜なり 品川鈴子 ぐろっけ 200705
鈴蘭の香窓辺に便り書く 片野光子 ぐろっけ 200705
鈴蘭に降りすずらんに発つジャンボ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
鈴蘭の花束をもて退院す 大橋敦子 雨月 200707
鈴蘭の葉の大きくて花つまし 大橋敦子 雨月 200707
隣席に鈴蘭の香や高度上ぐ 辰巳比呂史 200709
鈴蘭を活けて句会の始まりぬ 中条さゆり 200709
鈴蘭の苗を貰ひし朝の雲 柳生千枝子 火星 200805
鈴蘭をつつく指先いとけなし ことり 六花 200805
鈴蘭を植ゑて旅路をつなぎけり 稲畑汀子 ホトトギス 200806
鈴蘭や娘は二児の母となり 須賀敏子 あを 200806
鈴蘭の写真伸ばして村に住む 鴨下昭 200808
一隅は鈴蘭の群れ陽をためて 齋藤朋子 やぶれ傘 200808
去る家に残すすずらん肥をさはに 藤見佳楠子 200808
すずらんの群生ありき信濃路に 北原瑞枝 遠嶺 200808
鈴蘭の去年咲きゐしが見当らず 谷秀子 春燈 200810
鈴蘭の旅路遥けくありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200906
鈴蘭や苦境はいつも背より 小澤克己 遠嶺 200908
メーデーの胸にすずらん飾るらし 後藤とみ子 ぐろっけ 200908
早暁のすずらんの香や退院日 川上成弥 遠嶺 200909
木道の尽き鈴蘭の香に入りし 河野美奇 ホトトギス 200911
思ひ出は永遠鈴蘭とクリンゲ氏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
鈴蘭の蝦夷地は遠し訃報来し 稲畑汀子 ホトトギス 201006
鈴蘭の香の一点が一面に 稲畑汀子 ホトトギス 201006
庭に摘み来しと鈴蘭二百本 稲畑汀子 ホトトギス 201006
鈴蘭や静かに暮れて誕生日 須賀敏子 あを 201006
鈴蘭の群るるは夢の降るごとし 小川玉泉 末黒野 201008
鈴蘭にほろりこぼせるひとり言 和田郁子 201009
鈴蘭の音なき鈴に風少し 涌羅由美 ホトトギス 201010
鈴蘭 →2      

 

2023年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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