鈴 虫 1  213句

鈴虫や土手の向ふは相模灘    正岡子規    寒山枯木

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
鈴虫の棲家にあげよ埴の甕 丸山海道 京鹿子 199812  
鈴虫を買って風まで持ち帰る 保坂加津夫 会者定離 199900  
鈴虫の声にゆらるる琵琶湖かな 柿原金米 船団 199903  
鈴虫や眠りを壊す時もあり 伊藤一歩 いろり 199910  
鈴虫の盛る店より荷を送る 豊岡清子 遠嶺 199912  
鈴虫を都の出かと思ひけり 鶴目鯛遊子 六花 199912  
鈴虫の音色を眠れぬ夜の幸に 甲田夏湖 船団 199912  
鈴虫の真昼の闇の濡れてをり 堀江かつみ 200001  
飛ぶ事を捨てし鈴虫一途鳴く 丹羽杏華 京鹿子 200001  
鈴虫や残り少なき夢のあり 丹羽杏華 京鹿子 200001  
鈴虫の鳴かぬ夜ひしと孤独感 丹羽杏華 京鹿子 200001  
鈴虫を励ます霧を吹きかけて 三浦如水 ぐろっけ 200002  
鈴虫のとなりで愚痴をきいている わたなべじゅんこ 鳥になる 200003  
鈴虫の所在は家を統べてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200009  
海よりの夜気に鈴虫声を張る 石本秋翠 馬醉木 200011  
鈴虫の鈴振る真夜を燈しをり 加古みちよ 火星 200012  
すず虫の更けていよいよ鳴き止まず 植野あき子 200012  
目覚め聞く部屋の鈴虫よく鳴ける 秋山義彦 酸漿 200012  
鈴虫の翅食みきられ断末魔 熊口三兄子 ぐろっけ 200012  
鈴虫の格闘勝つてすぐ鳴ける 熊口三兄子 ぐろっけ 200012  
鈴虫の鳴き重なつて一楽章 熊口三兄子 ぐろっけ 200012  
本尊に鈴虫飼うてをられけり 定藤素子 雨月 200101  
夫逝きて鈴虫の籠失せしまま 浅井千鶴子 いろり 200108  
鈴虫の声聞くことも叶はざる 松山律子 六花 200109 武田美雪さん鈴虫を贈る
鈴虫や衣装合はせのおわら衆 北吉裕子 春耕 200109  
鈴虫の鈴振りに来る夜ごとかな 山田六甲 六花 200110  
胸中の虚に鈴虫かくし飼ふ 田中藤穂 あを 200110  
鈴虫の声光りだす真闇かな 林裕子 風土 200111  
鈴虫を鳴かせ芝居の幕あがる 戸田春月 火星 200111  
叱られし思ひ出のある鈴虫よ 戸田春月 火星 200111  
鈴虫や焙り絵に兄凝りしころ 戸田春月 火星 200111  
鈴虫の一声にみな倣ひけり 柳沢杏 酸漿 200111  
鈴虫の壺より鳴きて夕厨 吉岡久江 火星 200112  
鈴虫を鳴かす回廊鄙の宿 大澤君予 遠嶺 200112  
鈴虫の昼さみしいと一つ鳴く 長沼紫紅 200202  
鈴虫の雨にもさとく鳴きにけり 長沼紫紅 200202  
鈴虫を育てて病忘れゐし 長沼紫紅 200202  
鈴虫にわが怱忙を恥ぢにけり 大串章 百鳥 200210  
鈴虫や逢ひたきときに逢へぬ人 渡邉友七 あを 200210  
鈴虫の声聞きとめて聞き飽かず 大串章 百鳥 200211  
鈴虫籠置く階段の曲り目に 小林清之介 風土 200211  
鈴虫に捕らはれてゐる思考力 うまきいつこ 200211  
鈴虫の声束になる棒になる 丸山敏幸 200211  
放ちたる鈴虫の声待ちにけり 林敬子 酸漿 200212  
箱に鳴くまこと鈴虫ホテルロビー 熊口三兄子 ぐろっけ 200212  
鈴虫をきき珈琲を濃く淹れる 大西八洲雄 万象 200212  
鈴虫の壺に折鶴のせてあり 田中清之 百鳥 200301  
鳴いてをり鈴虫生まれたてらしく 木下野生 200301  
生くる数なり鈴虫の声の数 鷹羽狩行 200309  
鈴虫や仇討ちの湯は女の湯 山田六甲 六花 200310 三朝温泉
鈴虫の昼鳴く髭を立てにけり 長沼紫紅 200310  
昼を鳴く鈴虫の髭白きかな 長沼紫紅 200310  
鈴虫の鳴き出て妻の黙破る 徳丸峻二 風土 200311  
鈴虫に霧吹きかけて外出す 上田みつ子 帆船 200311  
鈴虫へとどかぬ痒さ泣き羅漢 宇都宮滴水 京鹿子 200311  
鈴虫の鳴きて火星の近づきぬ 宮原國夫 雲の峰 200311  
備長の粉鈴虫の髭の先 山田美恵子 火星 200311  
羽化したる鈴虫のみな真白なり 赤松丹月 雨月 200312  
かつを節貰ひ鈴虫よき音色 赤松丹月 雨月 200312  
鈴虫やふるさとの駅たそがれて 水田清子 200312  
鈴虫の箱の天地にある五蘊 小山和男 京鹿子 200401  
鈴虫に夜の静寂の深まりし 稲畑汀子 ホトトギス 200409  
すず虫や眠れば覚めぬこと怖る 神蔵器 風土 200410  
初鳴きの鈴虫夫の前に置く 青木光子 築港 200410  
鈴虫の読経に唱和して鳴けり 青木光子 築港 200410  
りんりんと何処より来し鈴虫ぞ 泉田秋硯 200411  
旅装解く鈴虫機嫌よく鳴けり 伊藤以玖子 対岸 200411  
「鈴虫電車」すず虫ご機嫌ななめかな 佐藤玲子 春燈 200411  
日和つづき籠の鈴虫死に絶えし 辻恵美子 栴檀 200411  
鈴虫や枕の距離より遠き人 斉藤裕子 あを 200411  
鈴虫のロビーに鳴くも諏訪泊り 林美水流 河鹿 200412  
鈴虫を鳴かせ補聴器嫌ひかな 川津小枝子 200412  
鈴虫や豊頬なりし夢の母 田村園子 200412  
鈴虫の鳴く庭となる庵かな 森竹昭夫 遠嶺 200412  
ありあはせなり鈴虫を入れる籠 木下野生 200412  
鈴虫の宵闇を待つ翅立てて 陣野今日子 風土 200412  
暗がりに置いて鈴虫鳴かせけり 斉藤利男 百鳥 200412  
鈴虫の声濡れてゆく夜のしじま 彦坂範子 ぐろっけ 200412  
望郷や鈴虫白き卵産む 加藤峰子 200501  
鈴虫のひげの指揮棒オーケストラ 伊藤マサ子 ぐろっけ 200502  
鈴虫や夜毎を飽かずに鳴きとおす 阿彦ふみ 200505  
大首絵鈴虫鳴いてをりにけり 高橋将夫 星の渦 200507  
鈴虫を鳴かせ実家でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509  
鳴くことが命の証鈴虫に 稲畑汀子 ホトトギス 200509  
鈴虫のもぢやらもぢやらと生れけり 徳植よう子 200509  
震度4うしろの鈴虫黙りきる 田山登喜子 200510  
留守事に夫鈴虫を引受けつ 渡辺玄子 酸漿 200511  
聞き分けて鈴虫一つづつの声 大橋麻沙子 雨月 200511  
人寄れば鈴虫声を潜めけり 西野良治 築港 200511  
人の世を知らず鈴虫鳴いてをる 高橋将夫 200512  
鈴虫の一行詩ほど鳴きにけり 山嵜加代子 河鹿 200601  
鈴虫の独唱やがて輪唱に 林和子 200601  
鈴虫を育て柔道チャンピオン 大井東一路 百鳥 200601  
網棚に鈴虫鳴けり五能線 西本才子 万象 200601  
鈴虫と息合はせ書く相聞歌 渡邉英子 馬醉木 200602  
鈴蟲や止りし驛の薄月夜 瀧春一 常念 200606 旅吟
鈴虫の鳴ける我が家に旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200609  
鈴虫の鋼の声に覚めにけり 宿谷晃弘 200611  
蹲のあたり鈴虫鳴き続く 森山のりこ あを 200611  
居候鈴虫一家声高し 島田山流 春燈 200612  
鈴虫の止まつてをりし竹箒 鈴木清子 遠嶺 200612  
鈴虫の孵りし兄の忌なりけり 戸田春月 火星 200612  
鈴虫の道すがらなる情あり 今井千鶴子 ホトトギス 200701  
鈴虫につられ身の上話など 山中志津子 京鹿子 200701  
鈴虫や庄屋の松に刀傷 伊勢ただし ぐろっけ 200701  
鈴虫に末期の水を与へけり 樋口みのぶ 200701  
鈴虫の声もてなしとして客間 稲畑汀子 ホトトギス 200709  
鈴虫の好む部屋などあるらしく 稲畑汀子 ホトトギス 200709  
鈴虫の夜とイカロスの昼なりし 中野京子 翁草 200710  
鈴虫を飼ひ家ぢゆうが籠となる 鷹羽狩行 200711  
月の蝕進むに鈴虫声張れり 長尾和子 200711  
鈴虫は低めの音に鳴き始む 奥田妙子 ぐろっけ 200712  
鈴虫や夜の雨音に気付きたる 塙告冬 ホトトギス 200801  
鈴虫やまぶな調べの白拍子 中島陽華 200801  
鈴虫を認めり先づは翁ひげ 松平菩提子 京鹿子 200801  
逍遙や鈴虫の音を拾ひつつ 松平菩提子 京鹿子 200801  
鈴虫に草むらのまま残しをく 松平菩提子 京鹿子 200801  
鈴虫の命の音色夜をこめて 稲畑汀子 ホトトギス 200809  
鈴虫の鳴けば命のとどまれる 稲畑汀子 ホトトギス 200809  
鈴虫が染屋の奥で鳴いてをり 岡田由季 炎環 200811  
鈴虫を孵し宿題残しをり 長谷英夫 馬醉木 200812  
鈴虫の命鳴き継ぐ青磁壺 半田卓郎 遠嶺 200812  
鈴虫のこゑしきりなる妻の留守 山田春生 万象 200812  
リーン二回幼き鈴虫籠の隅 藏本博美 ぐろっけ 200812  
鈴虫や靴の木型の吊されて 花島陽子 遠嶺 200901  
鈴虫の鈴か夜露の散る音か 高橋将夫 200902  
一ト籠の鈴虫の鳴く診療所 滝沢伊代次 万象 200908  
父の字の「鈴虫十時」とある日記 成宮紀代子 200908  
鈴虫のソロは広野に透く高音 奥村鷹尾 京鹿子 200908  
鈴虫の渾身の声路地の店 須田千鶴子 炎環 200911  
鈴虫に齢もどしてゐたりけり 井上あい 風土 200911  
鈴虫を飼ひし昔の籠のあり 中島静子 酸漿 200911  
鈴虫の四角の夜となりにけり 岩垣子鹿 ホトトギス 200912  
すず虫や雌一匹となりにける 加賀葉子 万象 200912  
ひとりの夜鈴虫の音のすきとほる 田中佐知子 風土 200912  
BGMは籠の鈴虫日記書く 落合絹代 風土 200912  
五つ鳴く鈴虫一糸乱れなし 落合絹代 風土 200912  
鈴虫の絶えたる庭の闇沈む 加古みちよ 火星 200912  
増えすぎし鈴虫に家震へだす 柴田佐知子 201001  
鈴虫の止みて鳴き出すほかの虫 渡辺鴻 201002  
鈴虫のひげが祈つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009  
鈴虫に水吹いてやる思ひきり 杉本綾 201010  
鈴虫の声なつかしや更けてより 宇治重郎 201011  
女ひとり鈴虫飼うて峡暮し 杉本綾 201011  
霧吹して鈴虫の音を誘ひけり 窪田粧子 馬醉木 201011  
鈴虫の恋の始まる飼育箱 羽賀恭子 201011  
鈴虫のしづかにきそふ声やさし 渡辺安酔 201011  
鈴虫の幼き髭のまま嫁ぐ 奥田茶々 風土 201011  
鈴虫や螺子巻くように闇揺らす 鈴木直枝 ろんど 201011  
仕舞湯に鈴虫の声入りくる 小林朱夏 201012  
鈴虫を置きし窓口旅券受く 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201012  
鈴虫の長鳴きかすか市の昼 角谷美恵子 ぐろっけ 201012  
鈴虫や洗ひ場なりし川の縁 浅野恵美子 酸漿 201012  
鈴虫の競ふ夜道やわが夜道 林和子 201101  
鈴虫を鳴かせ文学館の昼 浅井靑陽子 ホトトギス 201102  
鈴虫を伽とし芦屋マダムかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109  
鈴虫の四角に鳴かせをりし籠 稲畑汀子 ホトトギス 201109  
鈴虫の声の火照りへ夜の風 布川直幸 201109  
鈴虫鳴く監禁の身の髭を立て 布川直幸 201110  
鈴虫の鈴よ佛と二人ゐて 成瀬櫻桃子 春燈 201110 『自註現代俳句シリーズ成瀬櫻桃子集』
籠の鈴虫昼夜わかたず鳴きたつる 東野鈴子 雨月 201111  
鈴虫の間を置く闇の深さかな 小林一榮 末黒野 201112  
鈴虫の鳴いてをりけり金魚玉 志方章子 六花 201112  
鈴虫と野菜サラダを分ち合ふ 宇都宮敦子 201201  
一生分鈴虫なくを今聞けり 森田子月 ぐろっけ 201201  
すず虫の触角白く生まれくる 田尻勝子 六花 201209  
かすれたる声も鈴虫鳴きはじむ 吉村摂護 201210  
大雨の夜の鈴虫が沈黙する 吉村摂護 201210  
鈴虫のひねもす鈴を振る習ひ 久保東海司 201211  
鈴虫を飼ふ乗りかへの山の駅 三好かほる 万象 201211  
鈴虫に猫も吠ゆるよ一周忌 山田六甲 六花 201211  
鈴虫の鳴き声入りの電話受く 溝渕弘志 六花 201211  
灯を消して鳴く鈴虫に夜をつくる 久保東海司 201211  
鈴虫の世話はおのれの日課とす 久保東海司 201211  
母逝きしより鈴虫の声聞かず 藤井久仁子 ぐろっけ 201212  
籠と餌もらひ鈴虫飼ふことに 松田明子 201212  
鈴虫に仕ふるごとく飼ひにけり 松田明子 201212  
鈴虫の髭に力の見えてきし 松田明子 201212  
鈴虫を気ままに鳴かす闇のあり 松田明子 201212  
鈴虫を墓前に放つガラシャの忌 大久保白村 ホトトギス 201301  
蛸壺に鈴虫飼つて漁師町 大西八洲雄 万象 201301  
胸張りて鈴虫闇を震はする 吉村摂護 201301  
鈴虫の鳴かざる昼を熟睡す 吉村摂護 201301  
もう鳴かぬ鈴虫に餌を点眼す 柳本渓光 ろんど 201302  
夜の森閑か鈴虫鳴けばなほ 安藤虎酔 かさね 201305  
鈴虫の音色を背に夕餉かな 青木英林 かさね 201310  
鈴虫の鈴振る夕ベ子は遠し 植田桂子 馬醉木 201311  
問合せ甕の鈴虫ファン増え 北尾章郎 201311  
鈴虫や人に飼はれし声ならず 瀧春一 花石榴 201312  
玄関で飼う鈴虫やねやの闇 佐藤喜仙 かさね 201312  
鈴虫の声の出処の透かし彫 柳本渓光 ろんど 201312  
鈴虫と寝るさよならの手を振りつ 石坂比呂子 ろんど 201312  
鈴虫の鳴き止む闇の濃かりけり 井口ふみ緒 風土 201312  
鈴虫を声の死角の灯の端へ 柳本渓光 ろんど 201401  
共喰ひの鈴虫にして鳴き澄める 遠山陽子 201401  
鈴虫の声のわたりや如意宝珠 中野京子 201401  
鈴虫やかつて流僧の草の庵 三屋英俊 万象 201401  
鈴虫の国歌斉唱はじまりぬ 山田六甲 六花 201409 たじり
日盛の小さき寺にツアー客 渡部法子 201409 鈴虫寺
鈴虫は朝のかつを捕へけり 山田六甲 六花 201410  
鈴虫の朝のひと鳴きやみにけり 山田六甲 六花 201410  
鈴虫に耳洗はれてをりにけり 山田六甲 六花 201410  
鈴虫にすずちゃんといひ霧吹きぬ 山田六甲 六花 201410  
姿よき声して朝の鈴虫は 山田六甲 六花 201410  
心電図とり来し夜の鈴虫よ 升田ヤス子 六花 201411  
鈴虫の鳴き出づる時止む時も 田尻勝子 六花 201411  
霊安室に父寝かしつけ鈴虫真夜 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
鈴虫の終の脱皮を連れ回す 柳本渓光 ろんど 201412  
鈴虫やまだ灯しゐる妻の部屋 山田春生 万象 201412  
鈴虫の死にし朝のパン焦がす 笹村政子 六花 201412  
しろい老後へ置く鈴虫の手頃な壺 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
鈴虫や廊下の奥の深き闇 滋野暁 末黒野 201501  
息吹きて鈴虫の生れ見てをりぬ 田尻勝子 六花 201508 鈴虫 →2

 

2016年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。