菫 2     90句

菫程な小さき人に生れたし    夏目漱石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
卒業や菫のブーケひとりづつ 西面和子 200906
子規庵の庭の靴跡菫草 長谷川いづみ 炎環 200906
菫ほどな女に生れかはりたし 菊地瑩子 春燈 200906
菫咲く子に一センチ大き靴 服部早苗 200906
ドラマいま吉の終幕花菫 小澤菜美 200906
もう要らぬ吸呑に挿す花菫 久保田由布 ぐろっけ 200906
白菫大切にして増え過ぎし 高橋みつ 200907
山道を通せんぼして花菫 大塚和子 200907
菫さく汝の臥やりしそのあたり 島青櫻 炎環 200907
菫咲くコンクリートの割れ目にも 杉本綾 201004
雨雨雨むらさき尽くす菫草 大山里 201006
風を待ち菫のダンス始まりぬ 池本喜久恵 201006
初舞台菫のブーケ贈られて 河本利一 201006
菫にも孤独な夜が忍び寄る 泉田秋硯 201006
印象す菫いよいよ濃むらさき 井田実代子 雨月 201006
後ろ姿もタカラジェンヌや花菫 石田玲子 201006
菫なれ純愛といふ花言葉 磯野しをり 雨月 201007
咲いてゐるそれだけでいい菫草 増田甚平 ろんど 201007
松柏のあはひひそかに花菫 酒本八重 201008
出口A2にポリスボックス菫草 箕輪カオル 201106
ゆきすぎて会釈を交す菫草 成田美代 201107
秋篠に秋篠川や菫草 山路紀子 風土 201107
みよしのの心濡れゆく菫かな 河野美奇 ホトトギス 201108
屈み見れば菫たんぽぽ野の小道 増田甚平 ろんど 201108
何ひとつ持たずこの世へ菫草 小林朱夏 201108
かたまつて光の中に菫咲く 武智恭子 ぐろっけ 201108
雨上る雫菫の露ならむ 河野美奇 ホトトギス 201108
阪急宝塚駅の花菫 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
木の橋の小さな窪み菫咲く 橋本順子 201204
つまづきて眼前に咲く山菫 橋本修平 かさね 201206
吾を寄らす菫耀き吾子も寄る 小島芦男 万華鏡 201206
山門の石の裂け目に咲く菫 三橋早苗 ぐろっけ 201207
コンクリートの隙間に密と菫花 松本アイ ぐろっけ 201208
宝前に法衣のいろの菫咲く 和田崎増美 雨月 201208
形見にはロザリオと骨花菫 杉本薬王子 風土 201304
雨の昼呉春の郷の壺菫 陽山道子 おーい雲 201304
野面這ふ風の音聞く菫かな 大島みよし 201305
富士山に喝采湖畔にあそび菫濃き 東野鈴子 雨月 201306
塚主の目覚め誘ふ菫かな 安立公彦 春燈 201306
ひとの世に昭和の残る菫草 鴨下昭 201307
花菫実生の松をとりかこみ 瀧春一 花石榴 201312
菫咲く街に少女は夢を抱く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
言葉待ち風に揺れをり花菫 西村博子 馬醉木 201404
老いたれば見ゆるものあり菫草 浅田光代 風土 201405
花菫地上に神の降りたまふ 有松洋子 201405
百年を歌舞の彩り花菫 渡部法子 201406
酒蔵の匂ひ届きし花菫 井上静子 201406
花菫じゃあまたねから三年後 笹村恵美子 201406
鉄鎖錆ぶ外人墓地や花菫 河合とき 末黒野 201407
飛鳥野の巨墓の辺の菫草 稲岡長 ホトトギス 201407
野菫の襟足ことにすみれ色 鳥居美智子 ろんど 201408
足許の菫と気づくまでのこと 稲畑汀子 ホトトギス 201504
野に遺賢なしや野末の菫咲き 山本喜朗 雨月 201505
鍵の音させて帰る子花菫 きくちきみえ やぶれ傘 201507
奥山のなほ奥恋ふる菫かな 黒滝志麻子 末黒野 201508
シーサーに残る弾痕菫咲く 村上二三 201508
ヤッとオレ日本菫学会員 坪内稔典 船団 201508
色褪せし橋のかたはら菫草 佐藤恭子 あを 201511
足許の菫も吉野山のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201603
庭に摘み来し菫とて香を束ね 稲畑汀子 ホトトギス 201603
幼くて菫にかがむことを知らず 伊藤通明 201603
菫咲く吉野への旅近づけて 稲畑汀子 ホトトギス 201603
むらさきは匂へる色と菫草 安部和子 雨月 201606
奥宮のなぞへにゆかし花菫 東小薗美千代 末黒野 201607
家移りや忘れられたる菫草 秋川泉 あを 201607
ひとときを蹲ひゐたる菫かな 藤生不二男 六花 201705
自転車を止めてしやがみぬ花菫 岡井マスミ 末黒野 201707
眼に慣れて四方にふゆる菫かな 中村弘 万象 201708
み吉野に君待つ菫咲きたるに 木村享史 ホトトギス 201710
削ってる4B5本菫草 長沼佐智 船団 201805
野の菫すべて摘み来て手向けなむ 木村享史 ホトトギス 201811
天上の菫野に今着かれしか 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
浅春の紅茶と菫の砂糖漬 神野未友紀 201905
菫咲く野に出て若き日を思ふ 細川コマヱ 雨月 201905
露地に咲きかなめかなめの菫草 溝内健乃 雨月 201905
師の花や山の菫に屈みては 平田きみこ 風土 201906
木馬路のところどころの菫かな 谷田明日香 風土 201906
菫咲く四阿の辺の池の鯉 堺昌子 末黒野 201906
洋館の机に菫座を保ち 大橋晄 雨月 201907
灯台へ繋がる坂や菫草 廣田幸子 末黒野 201908
菫咲く歌劇の街の賑はひに 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
菫野に佇てば偲べる一詩人 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
断崖といふ菫野の一部分 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
鼻擦りて犬の寄りたる菫かな 黒滝志麻子 末黒野 202005
雉鳩の頭ぴよこぴよこ花菫 森清堯 末黒野 202006
ひきかへし匂菫の風と知る 善野行 六花 202007
菫咲く花言葉には愛とあり 河野昭彦 ホトトギス 202007
思ひ出の人や成田の菫野に 大久保白村 ホトトギス 202007
天国の君の便りか菫咲く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
菫咲く宝ジェンヌに恋せし日 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
菫→1

2021年4月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。