西 瓜 2     200句

出女の口紅惜しむ西瓜かな    支考

作品
作者
掲載誌
掲載年月
西瓜割おほきな波の音の来る 田口武 さうぢやなくても 200512
餓鬼道に墜ちゐるごとく西瓜食ぶ 浅井青二 雨月 200512
木菟鳴くは西瓜泥棒来る夜かや 有働亨 馬醉木 200601
昼寝の子西瓜の種を付けしまま 小林朱夏 200607
肥後訛り添へて西瓜を買はさるる 永利恍郷 河鹿 200607
あらかじめ西瓜の置いてある席に 稲畑汀子 ホトトギス 200608
西瓜食む子は未来へと種飛ばし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608
越の砂丘煙草につづく西瓜畑 大石昌代 200608
弟のぶら提げて来る大西瓜 工藤ミネ子 風土 200608
滝見衆布袋腹出し西瓜食ふ 松崎鉄之介 200609
進みゐる脳のおとろへ西瓜割 陳錫恭 春燈 200609
寝そびれて仕草をかしく西瓜食ぶ 芝宮須磨子 あを 200609
小気味よく歯型のこして西瓜食む 池野凉子 四葩 200609
砂丘台地西瓜の摘果始まれり 石井たを子 200609
行きずりに桶の西瓜をこづきたり 中田みなみ 200609
西瓜抛る受くるは家族きらめけり 木船史舟 200610
西瓜半分貰ふに実家訪へり 苑実耶 200610
西瓜売りの声町内を離れざる 出来由子 200610
幾たびも指に試され初西瓜 佐藤山人 200610
噴井ある家に冷やさる大西瓜 伊藤通友 200610
なんとなく叩いてしまふ西瓜かな 畑絹枝 馬醉木 200611
西瓜冷ゆぼくはおむつがだーいすき 東亜未 あを 200611
西瓜食ぶ海峡へ窓開け放ち 和田一 雨月 200611
頬ぬらし子らかぶりつく初西瓜 木暮剛平 万象 200611
病院食に西瓜一と切れ色を添ふ 山田をがたま 京鹿子 200611
麦藁の礼にと西瓜貰ひけり 高倉恵美子 200611
鳥除けの網目食ひこむ西瓜かな 広瀬俊雄 万象 200612
齢忘れ大きい方の西瓜とり 小松サチコ ぐろっけ 200612
子の髪に西瓜の種がへばりつく 石橋萬里 ぐろっけ 200612
西瓜切るにつちもさつちもいかぬ時 濱上こういち 200612
この年も西瓜苦手と言へぬまま 真鍋万緑 ホトトギス 200701
幸せの角度で切られ西瓜食ぶ 吉田多美 京鹿子 200701
バス出口転げし西瓜止まりけり 村田とくみ ぐろっけ 200701
西瓜食べのどの乾きのをさまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200708
湧き水に西瓜の縞のよく回る 中村房子 馬醉木 200708
人数の増減自由西瓜切る 稲畑汀子 ホトトギス 200708
西瓜選るもう目の中の赤くなり 中田みなみ 200709
初出荷西瓜は甘度計らるる 鈴木榮子 春燈 200709
長涛や西瓜の皮を埋めんとす 大島翠木 200710
大西瓜仏も加へ切る真昼 伊藤真代 200710
西瓜切る一家団欒遠のけり 向井芳子 春燈 200710
西瓜提げ父せはしなく戻りけり あさなが捷 200710
大土間に西瓜ごろごろ直売所 森山暁湖 万象 200710
バスの揺れ西瓜半分ぶら下げて 上原口チヱ ぐろっけ 200710
ぼんと声上げて西瓜の真つ二つ 田中久仁子 万象 200711
己れより食みて西瓜をすすめをり 清水幸治 200711
うらなりの西瓜ころがる九月畑 木内美保子 六花 200711
大西瓜に結石一つ導かす 高塚千代子 200711
見えてゐる縞が六本西瓜切る 窪田佳津子 雨月 200711
兄弟が競ふ西瓜の種とばし 大井邦子 ぐろっけ 200711
句筵の真中どっかと大西瓜 樺山翠 雨月 200711
西瓜切る庖丁半ばにて傾ぐ 柴田佐知子 200711
西瓜好き肉親たまたま揃ふ 数長藤代 200711
西瓜一つ妻と食べ尽せしことも 大橋晄 雨月 200711
秋田西瓜申し分なき容チもて 東野鈴子 雨月 200711
授粉日の札あちこちに西瓜畠 西田たかこ 万象 200711
飾られて大和坐りの西瓜かな 関根洋子 風土 200711
抱へても提げても抱へても西瓜 椎名和代 200711
撥の指発止々々と西瓜選る 今谷脩 ぐろっけ 200711
西瓜割り園児みごとに一太刀す 山本漾子 雨月 200711
頭かず目によむ西瓜まんなかに 窪田佳津子 雨月 200711
雨不足に西瓜の高値崩れざり 岩崎靖子 200711
縁側にて西瓜を食ふに種吹けり 竹内龍 200712
留守番に大きな西瓜あてがはる 山田六甲 六花 200806
西瓜喰ふ家系図持たぬ江戸つ子で 伊東湘三 春燈 200809
抱へくる西瓜砲弾かもしれぬ 北島和奘 風土 200809
風呂敷の西瓜包みの結び方 能村研三 200809
でで虫も幼も大好きな西瓜 木原今女 ぐろっけ 200810
外つ国に甘き西瓜をせりせりと 近藤きくえ 200810
格別のことなき一日西瓜食む 松本蓉子 六花 200810
西瓜売夫逝きてより素通りす 西出俊子 酸漿 200810
井戸の水へこませて吊る大西瓜 柴田久子 風土 200811
叩き売り西瓜たたいて買ひにけり 亀田虎童子 200811
西瓜にも前線のあり食べ納め 和田郁子 200811
だみ声の西瓜触れ売り羽後誰 小松敏郎 万象 200811
躊躇ひのなくては切れぬ大西瓜 岡敏恵 ぐろっけ 200811
末成りの西瓜の柄のきちやうめん 西畑敦子 火星 200811
仏前に供へ自作の大西瓜 寺尾ヱツ子 春燈 200811
買物に夫連れ出して大西瓜 井口初江 酸漿 200811
エプロンに西瓜包んで亡母来る 片田きく 200811
見舞妻大き西瓜を貰ひきし 佐藤雄二 万象 200812
富士山に向けて西瓜の種飛ばす 西山春文 200812
抱へ来る西瓜砲弾かもしれぬ 北島和奘 風土 200901
よしあしの音の不確か西瓜買ふ 松本文一郎 六花 200901
五つ六つ西瓜転がる三和土かな 松本文一郎 六花 200901
冷水の中より揚げし西瓜かな 山田六甲 六花 200907
多勢の会待ち西瓜切ることに 稲畑汀子 ホトトギス 200908
息詰めて西瓜に刃先入れにけり ことり 六花 200908
西瓜切る会の人数揃ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200908
敷藁に望みを託す西瓜かな 小関栄子 200908
豆蓮根筍西瓜隠元忌 冨松寛子 200908
上段の木刀迷ふ西瓜割 山田六甲 六花 200909
淋しさはひとり西瓜を食ぶるとき 成宮紀代子 200909
名産に西瓜加はる米所 菊地英雄 酸漿 200909
噴井戸に西瓜の自転ありにけり 鈴木伸一 200909
ご詠歌の声の不揃ひ西瓜割る 山本耀子 火星 200909
「西瓜あるよ」「わーい寄るよ」の母子メール 伊藤航 炎環 200910
昔大西瓜今はも切西瓜 大橋敦子 雨月 200910
西瓜切る二度入れし刃の食ひ違ひ 紀平吉勝 末黒野 200910
西瓜切るじふぶんにじふぜんに水 宮本佳世乃 炎環 200910
木陰にて犬も見守る西瓜割 山野惣一郎 遠嶺 200910
本復の礼提げ来る西瓜かな 米田正弘 200910
自転車のかご丸ごとの西瓜かな 松山三千江 春燈 200910
風呂桶で冷されてゐる西瓜かな 植田利一 春燈 200910
畑より西瓜抱へし頃の父 高倉恵美子 200910
叩いても分からぬ西瓜たたきけり 長浜徳三 春燈 200911
切るまでが勝負の西瓜大きかり 栃木志津 末黒野 200911
西瓜冷え地球はいよよ温暖化 松本圭司 200911
西瓜食む青きまで食む美しき女 覚本秀子 ろんど 200911
どっかりと上り框の西瓜かな 栃木志津 末黒野 200911
水の惑星に住む幸せの西瓜かな 鈴木撫足 春燈 200911
吉四六さんの噺のつづき西瓜割る 雨村敏子 200911
西瓜食べ九十二歳の胸濡らす 神谷耕輔 200911
黄の西瓜両断されてより点る 田辺博充 200911
堂縁に西瓜尻据ゑ和尚留守 藤岡紫水 京鹿子 200911
討論の結論みえて西瓜かな 柿沼盟子 風土 200911
メロン西瓜と仏に供へ賑はしき 近藤豊子 雨月 200911
ピラミッド仕立ての西瓜王家の紋 小阪律子 ぐろっけ 200911
ときどきはみんな集れ大西瓜 陽山道子 船団 200912
気丈なる母の忌日や西瓜食む 二見淑子 遠嶺 200912
末生りの西瓜ころがる古戦場 若井新一 200912
食べあとは人それぞれの西瓜かな 佐藤静子 やぶれ傘 201002
一列におだま西瓜の並べあり 松下幸恵 六花 201007
人数の西瓜切る目となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201008
防鳥ネット張りて西瓜の苗を待つ 寺岡ひろし 雨月 201008
捗りし奉仕作業や大西瓜 岡野ひろ子 201009
最初の子に割られて終る西瓜割 小林朱夏 201009
西瓜抱いて客待つ家に急ぎけり 鎌倉喜久恵 あを 201009
しゃりしゃりの対馬の西瓜ふと思ふ 赤座典子 あを 201009
酔ひ覚めの喉に冷たき西瓜かな 高橋泰子 201009
さいの目の西瓜をひとつ介護膳 鈴木セツ 201009
短命の手相なりしが西瓜食ぶ 小野口正江 末黒野 201010
西瓜食む恍惚として忘れ顔 堀内一郎 あを 201010
西瓜割遂にはじけし子等の声 山口順子 201010
寮住みの孫来て大き西瓜切る 恒成久美子 ぐろっけ 201010
両の手に伝助西瓜踏ん張る児 前川ユキ子 201010
深井戸に西瓜来意の通じゐて 谷田部栄 万象 201010
清流に冷し西瓜の縞模様 石川かおり 201010
西瓜一つ抱へきれざる齢かな 水谷芳子 雨月 201010
西瓜切るむかし八人いま二人 西本育子 ろんど 201010
天秤荷下ろし露天の西瓜売り 塩路隆子 201010
注目のなか中玉の西瓜切る 渡辺裕子 酸漿 201011
元教師自作の西瓜呉れにけり 網野茂子 酸漿 201011
送盆西瓜は舟の形して 井田実代子 雨月 201011
父よりも大き足跡西瓜割 田中珠生 馬醉木 201011
包丁をはじく西瓜の黒模様 齋藤厚子 201011
冷蔵庫の一等地占む大西瓜 小瀧洋子 ろんど 201011
種多き餓鬼忌の西瓜くらひけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201011
縞模様弾け飛ぶほど西瓜熟る 貝森光洋 六花 201011
売物の西瓜またもや叩かるる 橋本くに彦 ホトトギス 201011
園児合宿先着の西瓜二個 藤原照子 201011
ぽんぽんと店主の叩く西瓜買ふ 小沼ゑみ子 末黒野 201011
静脈浮く男の腕や西瓜食ぶ 小川凉 201012
西瓜食ふ滴る汁を拭はずに 布川直幸 201107
西瓜買ふ妻の目利きの当たりかな 山崎真義 201108
人数の今日切るべしと西瓜かな 稲畑汀子 ホトトギス 201108
親も子も楽しむ西瓜種とばし 寺田光香 201109
煙吐く島が夜空に西瓜割る 中田みなみ 201109
今年また西瓜売りゐる宿場町 亀田やす子 万象 201109
えいママよ西瓜丸ごと買つちまを 鎌倉喜久恵 あを 201110
卓袱台をなつかしみつつ西瓜切る 中原敏雄 雨月 201110
西瓜切る手許危ぶむ声しきり 中原敏雄 雨月 201110
冷蔵庫の間取り考へ西瓜買ふ 七田文子 201110
種とばし合うて兄弟西瓜食む 岡佳代子 201110
大西瓜切る庖丁のたぢろがず 廣瀬義一 雨月 201110
兄来れば妹の顔西瓜食ぶ 長谷川歌子 春燈 201111
切り西瓜後生大事に帰路急ぐ 林美智 ぐろっけ 201111
切られたる西瓜に尾根のありにけり きくちきみえ やぶれ傘 201111
刃を入れる前の西瓜を撫ぜにけり 田原陽子 201111
格安の大玉西瓜持て余し 高橋信一 201111
包丁の入り大西瓜ひびきけり 田中文治 火星 201111
縁側の俎板に乗る西瓜かな 天野美登里 やぶれ傘 201111
さくと割れ小玉西瓜の皮うすき 恒成久美子 ぐろっけ 201111
喉仏まだなき少年西瓜食む 史あかり ぐろっけ 201111
一切れの西瓜棺に入れにけり 宮崎高根 201111
トルコ路に大玉西瓜五十円 古井公代 ぐろっけ 201111
西瓜買ふ介護の妻の話して 高倉恵美子 201112
尻尾たて猫が擦り寄る西瓜好き 高木篤子 ぐろっけ 201112
棘をほるやうに西瓜のたねを穿る 佐藤山人 201112
秋暑し黒部西瓜に齧り付く 谷渡末枝 万象 201112
農耕系西瓜を掴む指太し 松本文一郎 六花 201112
撫で廻し弾き叩いて西瓜買ふ 小林朱夏 201204
人数の西瓜の待つてをりし席 稻畑汀子 ホトトギス 201207
切ろうかな切らねば食へぬ大西瓜 松本秀子 201208
西瓜食ぶ嬰抜けの瞳を大きくし 湯橋喜美 201208
生傷をまあるくなでて大西瓜 山田六甲 六花 201208
奇数には一気に切れぬ西瓜かな 木島茶筅子 かさね 201208
高杯に西瓜坐れる勅願寺 細野恵久 ぐろっけ 201208
太陽の匂ふ少女ら西瓜喰む 柴田久子 風土 201209
西瓜汁のど通るとき喜ばし 細見綾子 万象 201209
仏壇に西瓜まるごと供へあり 北崎展江 くりから 201209
残酷に西瓜を割って笑ひ合ふ 大日向幸江 あを 201209
直会の男等去りし後西瓜 山内碧 201210
孫の来て西瓜のお面はにかめり 江草礼 春燈 201210
西瓜来て冷蔵庫大混乱す 塩田博久 風土 201210
西瓜切る姉となりたる幼子に 服部早苗 201210
西瓜切り鮮やかな円現るる 栗原京子 201210
日を浴びてデン助西瓜自己主張 村上倫子 201210
割れさうで割れぬ大きな西瓜かな 橋本リエ 春燈 201210
葉がくれの大き西瓜をのぞきこむ 谷村幸子 201210
西瓜 →3      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。