水中花 1            99句

水中花日暮れてくらくなりにけり   山口波津女   良人

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水に咲き濡れ色ならず水中花 山田弘子 春節 199503
ほそぼそとほぐすはなびら水中花 加藤三七子 黄鐘 199808
ふいに出づことばの響き水中花 小澤克己 遠嶺 199809
いややねんそんなんいやや水中花 佐伯のぶこ 船団 199811
水中花ひきたてんこうとなりにけり 武井康隆 船団 199812
水中花もてた話のふたつみつ 横倉由紀 船団 199902
文机を三日も留守に水中花 鷹羽狩行 199908
水中花ひとりなるとき酔ひにける 田畑幸子 火星 199908
巻向山に男住み居り水中花 真安昌子 海程 199908
いきいきと死んでゐるなり水中花 櫂未知子 銀化 199908
水揚のよくて紅濃き水中花 高橋さえ子 199908
あきらかに酸素が足りぬ水中花 能村研三 199909
水替へて虫の飛び込む水中花 仲村青彦 199909
水中花カフェーにショパン流れをり 高村邦子 遠嶺 199910
水中花水に甘えてをりしかな 遊橋惠美子 風土 199910
水中花をんな爪など磨きをり 大東由美子 火星 199910
地下駐車詰所に一つ水中花 田中敏文 ぐろっけ 199910
耐へてゐる色となりゆく水中花 櫨木優子 199912
いつまでも莟はつぼみ水中花 前田一生 199912
夜は夜のひかりのなかの水中花 鷹羽狩行 200007
一世一代水中花らしくあれ 青山茂根 銀化 200007
水中花恋といふ字にあこがれて 保坂加津夫 いろり 200008
水中花泡を放ちて開きけり 荻原芳堂 春耕 200008
水中花憂きこと忘じをりしかな 伊藤美喜 風土 200009
水中花パラッと咲きたる男運 日不敬 船団 200009
さりげなくうとまれてゐる水中花 保坂加津夫 いろり 200009
今つけし灯にかざし見て水中花 岡本眸 200009
沈んでるまま昼となる水中花 中原幸子 遠くの山 200010
来し方はよきことのなし水中花 保坂加津夫 いろり 200010
水中花いつもみてゐてみてをらず 鶴目鯛遊子 六花 200010
川音や身じろぎもなき水中花 岡本眸 200010
暁や背伸びしてゐる水中花 斉藤小夜 風土 200011
想ひ出すやうに泡ふく水中花 内藤三男 ぐろっけ 200102
水中花化粧直してからのこと 小林あつ子 火星 200104
水中花よそゆき顔で試着せり 花島陽子 遠嶺 200105
水中花昨日と同じ今日があり 宮倉浅子 遠嶺 200105
いつまでも蕾のままの水中花 稲畑汀子 ホトトギス 200107
又夜へ会合つづく水中花 稲畑汀子 ホトトギス 200107
日髪結ふ化粧窶れの水中花 篠田純子 あを 200107
水中花ひとりの闇に開きをり 島田和子 風土 200108
目つむれば百花となりぬ水中花 鷹羽狩行 200109
死後の褒め言葉たとへば水中花 田辺博充 200109
水中花ほど渇いてはをらぬはず 森麟 銀化 200109
もう一度聞きたき思ひ水中花 浅井千鶴子 いろり 200109
重力を身よりはずして水中花 松田都青 京鹿子 200110
ダンサーのくはへ煙草や水中花 渡辺知美 銀化 200110
水中花質素を旨として母子 田中峰雪 雨月 200110
水中花の紅染めし水もよし 能村登四郎 羽化 200110
水充たす夏を経て来し水中花 柳生千枝子 火星 200112
水中花花に遅速のなかりけり 小島左京 ホトトギス 200201
晩年は貝にならうか水中花 塩貝朱千 京鹿子 200201
生きるため多くを忘れ水中花 武藤嘉子 200201
手術待つ膚の白さよ水中花 辰巳比呂史 200202
水中花己が涙に浸りをり 島貫アキ子 銀化 200206
水中花捨つべきものは他にあり 赤座典子 あを 200207
水中花散る術知らず日を重ね 高川れん 200208
いくつかの夜景を重ね水中花 大嶋康弘 銀化 200208
水中花夢打際といふところ 蔵持柚 銀化 200208
買ってみてさびしきものに水中花 藤井昌治 200208
それらしき花となりゆき水中花 片山由美子 200209
夜型の彼女都会派水中花 久保田雪枝 雨月 200209
水中花揺らせ本音をちと洩らす 久保田雪枝 雨月 200209
水中花ゆめゆめ言葉にしてはならぬ 中原道夫 銀化 200209
水中花まことしやかな嘘で固め 蔵持柚 銀化 200209
淋しいと言へばいいのに水中花 塩路五郎 200210
水中花親族揃ひ手術待つ 山路紀子 風土 200210
潮騒の届く窓辺の水中花 明田和子 200210
謎がなぞ生む水中花よりの泡 長田等 200211
見舞客誰も来ぬ日の水中花 三村純也 ホトトギス 200212
仮住みの昏さをひけり水中花 中山砂光子 200302
何も無き枕辺に置く水中花 高橋としを 酸漿 200306
石女の家ひろびろと水中花 後藤志づ あを 200307
水中花くれなゐの色こぼしけり 長沼紫紅 200307
水中花の花は真赤と決めてゐる 長沼紫紅 200307
わが前に置かれて赤き水中花 長沼紫紅 200307
在ればきつと叱つてくれる水中花 徳田千鶴子 馬醉木 200308
己が身を離れし原稿水中花 柿沼盟子 風土 200308
足の枷水の枷あり水中花 鎌田つた枝 築港 200308
不自由を諾うて咲く水中花 鎌田つた枝 築港 200308
泡いくつとどめて赤し水中花 長沼紫紅 200308
さみしいと夜を咲かせて水中花 長沼紫紅 200308
夜を咲ける花のさびしさ水中花 長沼紫紅 200308
水中花昼には昼の色を見す 長沼紫紅 200308
水中花思はぬ色を見せにけり 長沼紫紅 200308
お喋りをはづれて夜の水中花 大場ひろみ 馬醉木 200309
紅弁のめくれそのまま水中花 鷹羽狩行 200309
水中花咲かす器をみがきをり 梅原悠紀子 百鳥 200309
歯の痛みたり水中花見つめゐつ 高田令子 200309
水中花あと追ふこともなく古りし 折橋綾子 200309
今スーッと通りましたか水中花 東亜未 あを 200309
偽りを隠し切れずに水中花 津田礼乃 遠嶺 200310
雨雲や水中花にもある疲れ 富川明子 200310
水中花心変はりを責めるなど あさなが捷 200310
精密検査息つめて見る水中花 高千夏子 200310
箱入りの娘のごとく水中花 渡辺真奈美 200311
船室や水揚しんと水中花 高橋さえ子 200311
骨董の店の暗きに水中花 佐藤佐代子 200311
水中花灯すもうすき身のほとり 成川和子 200311
泡ひとつあげて秋立つ水中花 元田千重 火星 200311
水中花 2→      

 

2021年7月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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