そぞろ寒 3   100句

ああいへばかういう兜太そぞろ寒   鷹羽狩行

作品
作者
掲載誌
掲載年月
そぞろ寒舫ひの船の軋む音 庵原敏典 末黒野 201404
人も家も呑む山津波そぞろ寒 森礼子 雨月 201411
物忘れは友も同じやそぞろ寒 川崎利子 201412
そぞろ寒友には弱音吐くことも 岡田和子 馬醉木 201412
骨密度の低下の膝やそぞろ寒 森下康子 201412
そぞろ寒波音高き風岬 中野久雄 末黒野 201501
老若の射撃確かやそぞろ寒 相沢有理子 風土 201502
そぞろ寒嘘に黙つて頷かれ 田岡千章 201502
髭剃るや鏡の中のそぞろ寒 北郷和顔 末黒野 201502
地震被災十年目来しそぞろ寒 安原葉 ホトトギス 201503
野に人等立ちて黙祷そぞろ寒 安原葉 ホトトギス 201503
一枚を羽織りてくれしそぞろ寒 宮崎正 ホトトギス 201503
えにしとはここに果つるもそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201510
客を待つその日の齟齬よそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201510
嘉門次の鉄瓶たぎるそぞろ寒 コ田千鶴子 馬醉木 201511
難聴の昂じてをりぬそぞろ寒 新海英二 春燈 201511
生きて世に後るるばかりそぞろ寒む 羽根嘉津 201512
ひとことにふた言み言そぞろ寒 鈴鹿呂仁 京鹿子 201512
モスクワ着の深夜特急そぞろ寒 奥田茶々 風土 201512
一億の0乗は一そぞろ寒 竪山道助 風土 201512
師と在りしあの日あの刻そぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201601
そぞろ寒野のいろひそと嵯峨小道 北川孝子 京鹿子 201601
一つづつ記憶たぐれりそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201601
そぞろ寒指一本で弾くピアノ 高田好子 京鹿子 201601
庭下駄の鼻緒のしめりそぞろ寒 山本茂子 末黒野 201601
そぞろ寒形見の袖に香を焚く 宮田豊子 春燈 201602
聞き忘れ言ひ忘れかもそぞろ寒 平野暁美 馬醉木 201602
つぶさなる脳内模型そぞろ寒 高村令子 風土 201602
そぞろ寒膜をかぶりし目玉焼 金子正道 京鹿子 201602
山肌を影走りゆくそぞろ寒 笠井敦子 201602
そぞろ寒民を忘るるまつりごと 沼田巴字 京鹿子 201611
み仏の臘涙の凝りそぞろ寒 本多正子 雨月 201701
現世の辻棲合はずそぞろ寒 芦田しずく 京鹿子 201701
そぞろ寒人工知能に襲はるる 田尻勝子 六花 201701
右利きの右の重心そぞろ寒 甲州千草 201701
そぞろ寒最終便の渡し舟 志方章子 六花 201702
そぞろ寒この字毎回辞書頼り 田村園子 201702
そぞろ寒すべて加齢にまとめらる 岸洋子 201702
そぞろ寒背のフアスナーの行き詰まる 布川孝子 京鹿子 201703
森閑と暮るる奥社やそぞろ寒 高木邦雄 末黒野 201704
繁忙も日常のものそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201710
そぞろ寒ダム底へ乗る昇降機 三留早苗 201712
持論もつ齢となりてそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201712
ハシビロコウ片翅ひろぐそぞろ寒 林いづみ 風土 201801
そぞろ寒ロダンの像のよぢれやう 中根美保 風土 201801
そぞろ寒肘のたるみに触りゐて 小山陽子 やぶれ傘 201710
色褪せし絵馬に吹く風そぞろ寒 有賀昌子 やぶれ傘 201712
そぞろ寒襟立てて行くマーケット 亀岡睦子 やぶれ傘 201712
そぞろ寒象は音なく膝を折り 下村たつゑ 201802
古民家の広き板の間そぞろ寒 斉木永久 馬醉木 201802
独り居にものの殖えゆくそぞろ寒 石川倜子 馬醉木 201802
風蝕の磨崖仏在すそぞろ寒 原田しずえ 万象 201802
ファスナーの脱線多しそぞろ寒 林田紀子 京鹿子 201802
地下道の矢印ばかりそぞろ寒 荒井ハルエ 春燈 201803
故郷のなじめぬ町名そぞろ寒 森田明成 201803
石灰化してゐる動脈そぞろ寒 押田裕見子 201804
そぞろ寒自分の投句選句して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
松越しに艪を漕ぐ影やそぞろ寒 植木やす子 201811
花嫁の父となる日やそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
先生と呼ばれる人やそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
呼ばれしは別人なりきそぞろ寒 沼田巴字 京鹿子 201811
木洩れ日を抱く風の黙そぞろ寒 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
そぞろ寒ニュース伝ふる北の地震 菅野日出子 末黒野 201812
山裾の墓の地滑りそぞろ寒 池上昌子 春燈 201812
微少プラ人体にありそぞろ寒 七郎衛門吉保 あを 201812
噛みちぎる竹輪の穴やそぞろ寒 那須淳男 馬醉木 201901
深夜の病棟リハビリの影そぞろ寒 大石喜美子 雨月 201901
コピーしてゆがむ自画像そぞろ寒 くどうひろこ 201901
そぞろ寒栗鼠のふくらむ頬袋 有賀昌子 やぶれ傘 201901
そぞろ寒読経の前の粉薬 江島照美 201902
そぞろ寒富士の溶岩そこここに 今村千年 末黒野 201902
ダンデイーの渋きメガネやそぞろ寒 岩崎藍 末黒野 201902
二センチの段差にこけてそぞろ寒 酒井湧水 ホトトギス 201903
十本の懸け大根のそぞろ寒 時澤藍 201903
病廊に妻を待ちをりそぞろ寒 田中臥石 末黒野 201903
しやんとして生きねば老のそぞろ寒 木村享史 ホトトギス 201904
二三日予定混み合ひそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201910
よく晴れてゐてそぞろ寒なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201910
ここも崖崩れの跡やそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201910
あれ門が無い芭蕉館そぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
そぞろ寒 →4      

2021年10月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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