そぞろ寒 2   133句

ああいへばかういう兜太そぞろ寒   鷹羽狩行

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母もせし取り越し苦労そぞろ寒 品川鈴子 ぐろっけ 200609
空室の数多ビル街そぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
通勤の靴音乾きそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610

 郭沫若記念館

逃亡のからくり出口そぞろ寒

能村研三 200611
パンタグラフ青き火散らすそぞろ寒 那須淳男 馬醉木 200611
うたた寝の足かかへ込むそぞろ寒 鎌倉喜久恵 あを 200611
亡き人にも日の過ぎゆきぬそぞろ寒 大橋敦子 雨月 200612
耳鳴りは巴の声かそぞろ寒 品川鈴子 ぐろっけ 200612
駅の灯の路地にもとどきそぞろ寒 藤井昌治 200612
そぞろ寒夜ごとポストに六〇〇歩 鈴木榮子 春燈 200701
ノロウイルス何より恐れそぞろ寒 大橋敦子 雨月 200701
潮めく通夜人引きてそぞろ寒 禰寝瓶史 京鹿子 200701
そぞろ寒剥がれ舗道につまづきて 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200701
小塚原仕置き二十万そぞろ寒 舘泰生 風土 200701
そぞろ寒鏡に映る我が屈背 杉山瑞恵 雨月 200702
そぞろ寒軒を並べて店じまい 真木早苗 八千草 200705
留守がちの仕事溜りぬそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200710
旧友の逝きて身ほとりそぞろ寒 中村悦子 200712
ブランデンブルク門弾丸あとやそぞろ寒 田中きよ子 酸漿 200712
そぞろ寒爪で傷つく念仏札(ねぶつふだ) 小形さとる 200801
側候所の無人化となりそぞろ寒 橋本梢明 200801
蕉門の墓は円坐にそぞろ寒 長谷川史郊 馬醉木 200803
忌心は横川のそぞろ寒にこそ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
夜の帷犇き合うてそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
底知れぬ忍野八海そぞろ寒 中村翠湖 馬醉木 200811
句会果て椅子ひく音やそぞろ寒 鎌倉喜久恵 あを 200811
若州の竹の紙漉くそぞろ寒 田中佐知子 風土 200812
虐待のニュース多しやそぞろ寒 田下宮子 200901
頭を垂れて馬群客待つそぞろ寒 手島靖一 馬醉木 200901
見舞ひきし心の揺れやそぞろ寒 緑川啓子 馬醉木 200901
鍬すじの曲らぬ人のそぞろ寒 山本久江 200901
蒸籠より掛蕎麦にせむそぞろ寒 田中きよ子 酸漿 200901
街なかにまだ不発弾そぞろ寒 辰巳比呂史 200902
樹の瘤に齢息づくそぞろ寒 坂口夫佐子 火星 200902
失せし物杏と帰らずそぞろ寒 大泉美千代 雨月 200902
峰寺へ近づくほどにそぞろ寒 安原葉 ホトトギス 200903
直感の狂ひまざまざそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 200903
被災の日近づいて来るそぞろ寒 安原葉 ホトトギス 200904
丑三つの訃報に惑ふそぞろ寒 須藤トモ子 200904
そぞろ寒阪神ほんま大丈夫 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
夜は止むといふ雨止みぬそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200910
そぞろ寒懺悔の椅子の油いろ 木村公子 花貝母 200911
そぞろ寒小さくなりたる顔洗ふ 三浦澄江 はらから 200911
能面のふくみ笑ひやそぞろ寒 三浦澄江 はらから 200911
円空仏鉈目の威こそそぞろ寒 岡田貞峰 馬醉木 200912
姨捨の細き面やそぞろ寒 船越和香 馬醉木 200912
そぞろ寒ニッキの甘さ香ばしく 鷲見多依子 201001
服薬の一剤増えぬそぞろ寒 乙坂きみ子 末黒野 201001
語尾濁すことも世過ぎやそぞろ寒 大室恵美子 春燈 201001
友の墓供華に添ふる手そぞろ寒 中原敏雄 雨月 201001
防空壕召されしまま兄そぞろ寒 藤野寿子 あを 201001
手を合はす百観音堂そぞろ寒 藤野寿子 あを 201001
そぞろ寒チラシに指を切られけり 近藤倫子 ぐろっけ 201001
百面に見据ゑられゐてそぞろ寒 有田蟻太 201002
己が齢数へおどろくそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201002
さじ加減時に辛口そぞろ寒 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201002
あらためて己が齢数ふそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201003
そぞろ寒長崎の道問はれても 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
石踏めばからから谿へそぞろ寒 福田雅子 万象 201010
常用字に「鬱」の復活そぞろ寒 北尾章郎 201012
そぞろ寒メッシュの靴を磨き終へ 大松一枝 201012
聞くともなく聞こゆる話そぞろ寒 西岡啓子 春燈 201012
老いたれば肺炎ワクチンそぞろ寒 宇治重郎 201101
つけまつ毛長きレジの子そぞろ寒 竹内悦子 201101
遣唐使の戸惑ふ時勢そぞろ寒 増田一代 201101
そぞろ寒過疎地赴任の子を思ふ 棗怜子 春燈 201101
そぞろ寒父の無口をなつかしむ 斎藤道子 馬醉木 201101
致死量の句を生み出してそぞろ寒 泉田秋硯 201101
栗鼠の尾の太くなりたるそぞろ寒 松原仲子 201101
虹の間の日の嫋やかにそぞろ寒 松本三千夫 末黒野 201101
点滴の管揺れ止まずそぞろ寒 林哲夫 ぐろっけ 201101
陣痛の眉阿修羅なりそぞろ寒 篠田純子 あを 201101
荒荒し津軽三味線そぞろ寒 森山のりこ あを 201101
虫の這ふ布袋の腹やそぞろ寒 有賀昌子 やぶれ傘 201101
そぞろ寒羽衣伝説ある余呉湖 山口キミコ 201102
子規集の金文字硬きそぞろ寒 鈴木一広 201102
そぞろ寒舟に結べる古タイヤ 垣岡暎子 火星 201102
鳥の餌に鳥がなりたるそぞろ寒 矢野百合子 201104
そぞろ寒故人の名前聞くにつけ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
担当の交代告ぐるそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201110
又星を見にきざはしのそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201110
武蔵野の路地を迷ひぬそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201110
旅心華やぎつつもそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201110
心くもるときの饒舌そぞろ寒 コ田千鶴子 花の翼 201111
そぞろ寒旅から帰り又旅へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
どうしても読めない熟語そぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201111
一向に慣れぬ補聴器そぞろ寒 小林一榮 末黒野 201112
甲冑はいつも定位置そぞろ寒 相沢有理子 風土 201112
同病へ貸す医学書やそぞろ寒 阪本哲弘 201201
検診の結果待つ身やそぞろ寒 小林久子 201201
そぞろ寒崩し字で書く追而書 宮田豊子 春燈 201201
思ひ出し古着を探すそぞろ寒 林美智 ぐろっけ 201201
空耳か赤児泣く声そぞろ寒 史あかり ぐろっけ 201201
信号でASIMOの走りそぞろ寒 篠田純子 あを 201201
そぞろ寒湯上り湿布あちこちに 先山実子 ぐろっけ 201202
抜け道といふは暗しよそぞろ寒 高倉和子 夜のプール 201203
そぞろ寒供華の白さにありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
急逝の友又一人そぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201210
熊注意に怖気付く朝そぞろ寒 福本すみ子 201211
そぞろ寒鋏すべらせ開封す 細野恵久 ぐろっけ 201211
そぞろ寒ひと世長しと思ひをり 酒井秀郎 返り花 201211
能面のふくみ笑ひやそぞろ寒 三浦澄江 ぐろっけ 201212
遊廓の残る一角そぞろ寒 竹内悦子 201301
一村の流失跡やそぞろ寒 坂根宏子 201301
貝洗ふ音きしませてそぞろ寒 米尾芳子 馬醉木 201301
彫刻の竜のみじろぎそぞろ寒 篠原幸子 春燈 201301
塀を超えまだ咲く朝顔そぞろ寒 丸山酔宵子 かさね 201301
そぞろ寒塩蔵にあるにがり溜 松本三千夫 末黒野 201301
断層の竹の根あらはそぞろ寒 熊切光子 末黒野 201302
そぞろ寒絵解比丘尼の指す地獄 藤田かもめ ぐろっけ 201302
目合はせぬ街の往来そぞろ寒 松井洋子 ぐろっけ 201302
十年のカルテの重みそぞろ寒む 足利ロ子 ぐろっけ 201303
死の旅の晴着をきめしそぞろ寒む 足利ロ子 ぐろっけ 201304
そぞろ寒裏返しては刃物研ぐ 三浦澄江 ぐろっけ 201305
そぞろ寒払ふ佳人の講話かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
そぞろ寒日にち薬といふ言葉 稲畑汀子 ホトトギス 201310
そぞろ寒昨日の酒の抜けぬまま 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
そぞろ寒その後の君は如何ならん 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
真夜覚めて星を見に出しそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 201310
一つづつ乗り越えそぞろ寒くとも 稲畑汀子 ホトトギス 201310
けふも点滴明日も点滴そぞろ寒 白数康弘 火星 201311
そぞろ寒太公望の孤独かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
新幹線切符売切れそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
寝巻とふ言葉よろしきそぞろ寒 辻美奈子 201311
極楽へ軋む電車やそぞろ寒 有本南陵 ろんど 201312
そぞろ寒こむら返りの不意にくる 長久保郁子 かさね 201312
よく切れる鋏の欲しきそぞろ寒 竹内弘子 あを 201312
鳥籠に主なき月日そぞろ寒 笠井敦子 201401
御厩の神馬不在やそぞろ寒 松本三千夫 末黒野 201401
そぞろ寒変換ミスの多き夜 宮田香 201401
そぞろ寒仔猫に逢ひし宮の森 羽賀恭子 201401
そぞろ寒カタカナ書きの来鳥誌 菅谷たけし 201401
そぞろ寒ウインドに映る我が猫背 松嶋一洋 201401
寺屋根の寒山拾得そぞろ寒 飯田美千子 201401
つながらぬネオンサインやそぞろ寒 田丸千種 ホトトギス 201402
そぞろ寒余白なる老いとほしき 石田朝子 末黒野 201402
そぞろ寒小籠包の汁とばす 箕輪カオル 201402
そぞろ寒女医はパソコンばかり見て 池田華甲 201402
そぞろ寒手窪に碧き化粧水 三浦澄江 ぐろっけ 201402
反古となる指切りひとつそぞろ寒 北川孝子 京鹿子 201402
エレベーター待つ高層のそぞろ寒 布川孝子 京鹿子 201403
水飴を箸にからませそぞろ寒 中山静枝 201403
そぞろ寒舫ひの船の軋む音 庵原敏典 末黒野 201404
そぞろ寒→ 3      

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。