そぞろ寒 1   100句

ああいへばかういう兜太そぞろ寒   鷹羽狩行

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寺の闇一塊にそぞろ寒 山田弘子 円虹 199812
美しき木洩日にゐてそぞろ寒 横田元子 199901
ゼロ件の留守番電話そぞろ寒 鹿野佳子 199901
たびたびの誤配郵便そぞろ寒 鈴木ミヨコ 199902
倒れ木の跨げば触れてそぞろ寒 岡本眸 199902
尖りくる己の声のそぞろ寒 斉藤由美子 ぐろっけ 199902
快晴となりしより旅そぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 199910
又仕事中途半端やそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 199910
緊張のほどけ行くときそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 199910
銀行マン自転車置いてそぞろ寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
そぞろ寒ダークスーツの増えて街 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
出入口二つ迷ひぬそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 199911
入院を拒む一徹そぞろ寒 本城布沙女 雨月 199911
摩天楼の入口探すそぞろ寒 武井清子 199912
そぞろ寒そぞろ歩きの杖片手 村越化石 199912
買ひもせぬ夜景の値踏そぞろ寒 中原道夫 銀化 199912
牛小舎の裸電球そぞろ寒 鈴木大林子 春耕 199912
六甲の峰より今朝のそぞろ寒 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
蕉翁の隠密説やそぞろ寒 善積ひろし 遠嶺 200001
刀疵しるき適塾そぞろ寒 中川濱子 ぐろっけ 200001
仏飯に眼鏡のくもるそぞろ寒 服部幸 200002
そぞろ寒一瞬湾の白襖 小島とよ子 新樹光 200007
もう一度考へてみるそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200010
横川路はそぞろ寒しと身ごしらへ 稲畑汀子 ホトトギス 200010
握る手のぬくもり添へるそぞろ寒 大平保子 いろり 200011
夫の書く年金請求そぞろ寒 桑原敏枝 いろり 200012
松籟の絶えぬ鵺塚そぞろ寒 中川濱子 ぐろっけ 200012
血管を叩き探られそぞろ寒 高木悠悠 200101
そぞろ寒受話器へ一礼して切りぬ 小島美智子 風土 200101
赤きもの着て見たくなるそぞろ寒 谷口蔦子 ぐろっけ 200101
幅広き上り框やそぞろ寒 神崎律子 200107
聞き流す一言胸にそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200110
A3の出口に迷ふそぞろ寒 竹内芳子 あを 200111
星散に金気の混じるそぞろ寒 新井竜才 銀化 200111
釣舟に並ぶ背固しそぞろ寒 浅野恵美子 酸漿 200112
闘争心見す羽抜鶏そぞろ寒 久保晴子 雨月 200201
障害者の証明書これそぞろ寒 古田考鵬 雨月 200201
そぞろ寒百の戦車と遇ふ沙漠 竹内喜代子 雨月 200201
色違ふ錠剤四つそぞろ寒 鈴木とおる 風土 200201
ストロボの残像白しそぞろ寒 広渡紀子 200202
鈴付けし猫と和鋏そぞろ寒 中原道夫 銀化 200211
飲み薬又一つ増えそぞろ寒 山崎ミチ子 帆船 200212
みぞおちに持病の兆しそぞろ寒 伊藤月江 雲の峰 200212
叶杉とても手触るるそぞろ寒 大橋敦子 雨月 200212
別れ来て一人歩きのそぞろ寒 加賀富美江 遠嶺 200302
そぞろ寒橋渡る間に星殖えて 隈部郁子 200302
源の怨修善寺そぞろ寒 田中敏文 ぐろっけ 200302
そぞろ寒水掛不動水の音 塙告冬 ホトトギス 200303
そぞろ寒夕日も沼に落ちにけり 塙告冬 ホトトギス 200303
そぞろ寒鎮守の杜の高嶺星 藤枝五三子 帆船 200311
電気メス身を焦がす臭そぞろ寒 品川鈴子 ぐろっけ 200311
そぞろ寒茶道指南の札古りて 佐藤瑛 帆船 200312
そぞろ寒しろじろ朝の日の昇る 辻本興雲 雲の峰 200312
抜き身太刀護身のききめそぞろ寒 林日圓 京鹿子 200401
運転に死角のありてそぞろ寒 竹内喜代子 雨月 200401
竜神を祀りてそぞろ寒きかな 望月三千代 草の花 200401
博多帯息すれば鳴るそぞろ寒む 芝生南天 河鹿 200402
蔵へ山車収めのならひそぞろ寒 今井松子 遠嶺 200402
玻璃越しの魚に睨まるそぞろ寒 大谷茂 遠嶺 200402
そぞろ寒汀に鷺の一思案 山崎靖子 200402
卓の面に白紙吸ひつくそぞろ寒 坪井洋子 200402
そぞろ寒堂に極楽地獄絵図 三浦澄江 ぐろっけ 200403
そぞろ寒手から離せば物忘れ 水野範子 ぐろっけ 200403
そぞろ寒愛用の杖持ち去られ 先山実子 ぐろっけ 200403
点眼の耳迄濡らしそぞろ寒 井手由紀江 築港 200404
そぞろ寒肩を寄せ合ひ道祖神 橘沙希 月の雫 200404
朝の間のそぞろ寒はや消えて着く 稲畑汀子 ホトトギス 200410
たわいなく撃たるる子熊そぞろ寒 竹内弘子 あを 200410
目の前の仕事の枷やそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200411
身の置き処居間へ厨へそぞろ寒 岡田和子 馬醉木 200412
片しぼ竹の節の屈折そぞろ寒 小泉三枝 春燈 200412
山容の暮色に沈むそぞろ寒 相沢有理子 風土 200412
医師の書く医師への添書そぞろ寒 坂上多恵子 雨月 200412
闘牛のどよめきにゐるそぞろ寒 中野智子 春耕 200412
地震はしる人も地面もそぞろ寒 安部里子 あを 200412
詰め寄りて木偶の問答そぞろ寒 片田千鶴 馬醉木 200501
そぞろ寒不明者四名の官軍墓地 松崎鉄之介 200501
モニターにて映る胃の中そぞろ寒 木村三郎 200501
ビー玉を陽に透かしゐるそぞろ寒 大山文子 火星 200502
赤子抱く避難所の夜のそぞろ寒 岡山満沙子 遠嶺 200502
倒れ伏す葦に日当るそぞろ寒 前田陶代子 200503
そぞろ寒俳句の道が折れ曲がる 八木蝉息 200508
そぞろ寒仕事の山を置きて旅 稲畑汀子 ホトトギス 200510
通じたる電話の声のそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200510
快晴の空被災地のそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200510
ニュース又見てしまひたるそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200510
不用意に出掛け来しことそぞろ寒 稲畑汀子 ホトトギス 200510
青びかる蛇の鱗やそぞろ寒 那須淳男 馬醉木 200512
そぞろ寒犬に舐められ手を洗ふ 山田六甲 六花 200512
浮世絵の黒き雨脚そぞろ寒 藤井寿江子 馬醉木 200601
魚見る橋の定位置そぞろ寒 荏原徹 対岸 200601
多羅葉の木と解るまでそぞろ寒 黒田咲子 200601
鳳凰と目の搗ち合うてそぞろ寒 増田大 春燈 200601
可坊べらぼうな値の付く古銭そぞろ寒 宮川典夫 200601
銭湯の跡にコンビニそぞろ寒 高杉風至 百鳥 200601
待つほどの郵便は来ずそぞろ寒 近藤倫子 ぐろっけ 200601
はづしてはさがす眼鏡やそぞろ寒 小山陽子 200601
そぞろ寒首を伸ばして鶏かける 芝生南天 河鹿 200602
そぞろ寒暗へと落つる狸穴 大森尚子 風土 200602
歯科椅子に麻酔注射やそぞろ寒 物江晴子 八千草 200604
そぞろ寒→2      

2021年10月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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