漱石忌 1  ( 大正5年12月9日 )    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
文芸の孤独もよけれ漱石忌 山田弘子 「春節」 199503
人間に塩振つてをり漱石忌 庄野千寿 銀化 199902
漱石忌夜汽車のごとし万歩計 吉岡世志子 船団 199903
イギリスも近くなりたり漱石忌 川端和子 遠嶺 199903
パソコンの値下がりを待つ漱石忌 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905
万両の実のつやつやと漱石忌 皆川盤水 高幡 199905
坊つちやんを読まぬ世代や漱石忌 稲畑廣太郎 「廣太郎句集」 199912
ロンドンに時差のネジ巻く漱石忌 阿波谷和子 俳句通信 200002
松の木に爪研ぐ猫や漱石忌 岡本明美 俳句通信 200002
直筆の展示待たるる漱石忌 山田弘子 円虹 200002
狂気という強さももたず漱石忌 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
漱石忌自筆原稿残さるる 稲畑汀子 ホトトギス 200012
野良猫の又増えてをり漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 200012
極楽の文学論じ漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 200012
赤飯に石噛みあてて漱石忌 木下仁司 200103
漱石忌笊にひらきし鯵かわく 竹内弘子 あを 200201
広縁に松の影伸ぶ漱石忌 辻のぶ子 雲の峰 200202
金持の喧嘩する世や漱石忌 遠藤若狭男 200202
洋行と言ひし昔や漱石忌 石鍋みさ代 春耕 200202
転勤で傷みし机漱石忌 藤井昌治 200202
だしぬけに鴉啼きけり漱石忌 志水千代子 雲の峰 200202
鍵かけて町の湯へゆく漱石忌 木曽岳風子 六花 200203
湯けむりや踵擦りをる漱石忌 浜崎良彦 円虹 200203
ロンドンに筆跡ありし漱石忌 島すが子 200203
本音さとられてしまひし漱石忌 遠藤若狭男 200203
ブラジルに明るく句作漱石忌 中川千江子 ホトトギス 200204
熊本の海晴れ渡り漱石忌 坂井建 ホトトギス 200204
漱石忌ロンドン今は遠からず 木村淳一郎 ホトトギス 200204
本好きは親ゆづりなり漱石忌 山口弘子 ホトトギス 200204
読み耽る夜の静けさ漱石忌 利根里志 ホトトギス 200204
人の世を恋うて怖るる漱石忌 岩岡中正 ホトトギス 200204
執着す論文ひとつ漱石忌 岩岡中正 ホトトギス 200204
先生の手紙温か漱石忌 二瓶洋子 六花 200204
ペン先に生れゆくことば漱石忌 林加寸美 ホトトギス 200204
なつかしきものに倫敦漱石忌 岩岡中正 ホトトギス 200204
吾輩は猫の明治や漱石忌 竹下陶子 ホトトギス 200204
美容師の猫の毛並や漱石忌 堀恭子 ホトトギス 200204
ロンドンに記念館なほ漱石忌 竹下陶子 ホトトギス 200204
漱石忌自転車乗るも久振り 柴原保佳 ホトトギス 200204
個人主義てふ衿持あり漱石忌 坂井建 ホトトギス 200204
倫敦の昼なほ暗し漱石忌 坂井建 ホトトギス 200204
髭生やしたくなつて来し漱石忌 木村淳一郎 ホトトギス 200204
汝も我も若き日のあり漱石忌 大和勲 ホトトギス 200204
生涯の日記ひもとく漱石忌 井土祥風 ホトトギス 200204
漱石忌二十世紀は熟れすぎて 後藤洋子 ホトトギス 200204
朱筆置き主婦の灯ともす漱石忌 林加寸美 ホトトギス 200204
漱石忌文学少女今は主婦 山口弘子 ホトトギス 200204
船旅のまた増えて来し漱石忌 木村淳一郎 ホトトギス 200204
漱石忌則天去私にわれなれず 竹下陶子 ホトトギス 200204
本郷の知るべ訪ねて漱石忌 石川星水女 ホトトギス 200204
松山の市電軋みて漱石忌 大野彰子 ホトトギス 200204
読むことを教へ給ひし漱石忌 井土祥風 ホトトギス 200204
漱石の一書持たねど漱石忌 粟津松彩子 ホトトギス 200204
わが写生文に猫あり漱石忌 粟津松彩子 ホトトギス 200204
ブラジルに花鳥調詠漱石忌 中川千江子 ホトトギス 200204
わが句集ともかく書架に漱石忌 しもだたかし ホトトギス 200204
虚子を知り漱石知らず漱石忌 粟津松彩子 ホトトギス 200204
山会の一員たりし漱石忌 柴原保佳 ホトトギス 200204
刻太鼓鳴りて道後や漱石忌 大野彰子 ホトトギス 200204
千住にも鴎外旧居漱石忌 柴原保佳 ホトトギス 200204
漱石忌松山空港間近かな 木村一成 ホトトギス 200204
漱石忌未完は永き永き謎 後藤洋子 ホトトギス 200204
漱石忌建て替へへ向く虚子山盧 加藤晴子 ホトトギス 200205
事あれば猫にも闘志漱石忌 小島左京 ホトトギス 200205
甘くない大福と言ふ漱石忌 宮原みさを 花月亭 200208
姉犬派弟猫派漱石忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200211
明けやらぬ窓に初雪漱石忌 小林巳禮 酸漿 200303
英文の手紙が届く漱石忌 保田英太郎 風土 200303
湯の宿の一口羊羹漱石忌 高橋悦子 200303
新聞に雨のにほひや漱石忌 片山由美子 200304
漱石忌読書の夫は猫背なる 石積知恵子 ぐろっけ 200307
倫敦の字はもう読めず漱石忌 秋葉雅治 200401
本箱の隅の一冊漱石忌 塩川雄三 築港 200402
漱石忌読みふけりたる文庫本 横山迪子 六花 200403
猫膝に言ひ聞かせゐる漱石忌 下平しづ子 雨月 200403
伸び一つ猫歩き出す漱石忌 高橋瑛子 河鹿 200404
古札にアイロン当てる漱石忌 本多通博 八千草 200406
野良猫のら殿に物申しおり漱石忌 松井和恵 八千草 200406
一冊を欠ける全集漱石忌 岩永草渓 築港 200502
漱石忌読み切れぬ本蔵書とし 塩川雄三 築港 200502
雨傘はステツキ代り漱石忌 小川夏葉 帆船 200502
漱石忌赤シヤツなんぞどこにでも 岩永草渓 築港 200502
鳶色のカステラつまむ漱石忌 築城百々平 馬醉木 200503
野良猫に餌を与へて漱石忌 徳田正樹 河鹿 200503
野良猫も名前ほしかろ漱石忌 窪田米子 遠嶺 200503
苛めとは猫にもありて漱石忌 安藤ヒサ子 河鹿 200503
蛇口から猫水を飲む漱石忌 中谷厚子 築港 200503
本棚に百年の猫漱石忌 鳴海清美 六花 200504
積ん読書さらに増えゆき漱石忌 山下佳子 200504
人生に道草いくつ漱石忌 山田弘子 ホトトギス 200505
カタカタ語すんなりと拒否漱石忌 森一枝 八千草 200506
物陰に猫の潜みて漱石忌 遠塚青嵐 200507
ホトトギスCDロム化漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 200512
校正に誤りのあり漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 200512
猫好きも犬好きもゐて漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 200512
漱石忌までに新札使はねば 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
漱石忌漱石知らぬ干しくらげ 松村多美 四葩 200602
牛込にむかし席亭漱石忌 荻野嘉代子 春潮 200602
わが猫の退院を待つ漱石忌 上藤八重子 酸漿 200603
日溜りにふくるる鳩や漱石忌 大川ゆかり 200603
漱石忌銀座に食べるオムライス 坂部尚子 栴檀 200605
広辞苑に出てゐぬ言葉漱石忌 田中藤穂 あを 200701
漱石忌父の匂ひの古書ひらく 渡邊千枝子 馬醉木 200702
理通すは不得手ぞなもし漱石忌 陳錫恭 春燈 200702
漱石忌教へ児も古稀過ぎにけり 伊藤白潮 200702
百年の廃校に句座漱石忌 玉置かよ子 雨月 200703
午後急に寒くなりたる漱石忌 土井三乙 風土 200703
虚子百句訳し果せし漱石忌 長山あや ホトトギス 200706
漱石忌横浜の猫踏んぢやつた 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712
漱石忌居ながらにして道後の湯 木村茂登子 あを 200802
新顔の野良猫のらの堂々漱石忌 赤座典子 あを 200802
漱石忌の翌日己が誕生日 松崎鉄之介 200802
装丁の朱も色あせ漱石忌 鈴木多枝子 あを 200802
タカジアスターゼかりかり漱石忌 佐々木新 春燈 200803
企てし旅の十ほど漱石忌 井上信子 200902
蛇の目傘ばりと開きて漱石忌 石田阿畏子 馬醉木 200902
金鍔に茶を濃く点てよ漱石忌 中上馥子 春燈 200902
全集は大正版や漱石忌 西本輝子 雨月 200902
ことはりの電話むつかし漱石忌 内田玉G 炎環 200902
普段着の神主走る漱石忌 安永圭子 風土 200903
漱石忌三四郎池の師弟句碑 遠藤逍遙子 風土 200903
情に棹さすもよけれと漱石忌 大橋淳一 雨月 200903
笹鮨の笹すぐ乾く漱石忌 山路紀子 風土 200903
先生の隣に座り漱石忌 山口紹子 炎環 200903
自転車の前籠に猫漱石忌 小菅美代子 ぐろっけ 200905
牛込に彼の足跡漱石忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
干柿の朱のうすれゆく漱石忌 竹内弘子 あを 201002
漱石忌いつもまる見え猫の尻 森下賢一 春燈 201002
漱石忌全集いまに古ぶなし 安立公彦 春燈 201002
古本に煙草の焦げ跡漱石忌 松嶋一洋 201002
わが肺にメス入れらるる漱石忌 遠藤若狭男 201003
世に疎く書に耽る夫漱石忌 石橋公代 春燈 201003
倫敦を時計回りに漱石忌 竪山道助 風土 201004
初版本ナイフで開く漱石忌 片山博介 春燈 201102
不意打ちの葱鉄砲や漱石忌 神蔵器 風土 201102
寝台の固きを愛す漱石忌 井上信子 201102
雀去りその後猫来る漱石忌 本多游子 春燈 201102
折鶴が上手にできて漱石忌 森下康子 201102
何となく猫利口げや漱石忌 土屋実郎 末黒野 201103
物書きの妻は寂しき漱石忌 鈴木とおる 風土 201103
粥薄く仕立てることも漱石忌 内藤静 風土 201103
てのひらに金平糖や漱石忌 谷村幸子 201103
その頃の話題集めし漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 201112
話題又戻りし時代漱石忌 稲畑汀子 ホトトギス 201112
食堂をありありとほる漱石忌 竹内弘子 あを 201112
「こんちきしょう」と二度繰返す漱石忌 小林清之介 風土 201202
月食やきのふは夏目漱石忌 神蔵器 風土 201202
ビスケット浸す紅茶や漱石忌 紅谷芙美江 万象 201203
人恋うて庭に来る猫漱石忌 海野ふさ子 馬醉木 201203
銀のカフスボタンや漱石忌 海村禮@子 春燈 201203
新しき下着の具合漱石忌 濱上こういち 201204
漱石忌真筆の声館に聞く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
漱石忌明けて博多の人となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
警策の音一つして漱石忌 神蔵器 風土 201301
倫敦のしぐれ短し漱石忌 秋葉雅治 201302
漱石忌ボンボン時計の電池替へ 上村葉子 風土 201303
漱石忌背にも腹にもカイロ貼る 青木朋子 201303
招き猫飾る古書店漱石忌 小原登志春 雨月 201303
ウィンドーに映る猫背や漱石忌 上村葉子 風土 201303
言ふならく非情非々情漱石忌 今井千鶴子 ホトトギス 201305
遊学の娘の戻りをり漱石忌 今井千鶴子 ホトトギス 201305
山会は今も続きて漱石忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
漱石忌人生五十年の頃 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
漱石忌愚陀仏庵も流されて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
漱石忌鼠を捕らぬ猫ばかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
漱石忌いよいよ象牙光りせる 井上信子 201401
日溜りを猫に占められ漱石忌 渡辺若菜 春燈 201402
『明暗』や未完の書にて漱石忌 榎本ふじえ 風土 201402
賣文てふ言葉ちらつく漱石忌 松田都青 京鹿子 201403
漱石忌猫の欠伸に暮れ初むる 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
漱石忌虚子への手紙てふ展示 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
漱石忌今日も一日選句かな 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
鈴本にひと日費やし漱石忌 福島茂 201501
漱石忌壱円也の句集読む 小林久子 201501
漱石忌読み返したる「三四郎」 桂敦子 201503
半世紀経つも学生漱石忌 岡山敦子 京鹿子 201504
声大き妻をよしとす漱石忌 佐渡谷秀一 対座 201505
紫の座布団贈る漱石忌 大日向幸江 あを 201602
寒々と己が影見ゆ漱石忌 上原重一 201602
ロンドンも松山も雨漱石忌 竪山道助 風土 201602
英語本めくり餡パン漱石忌 土屋光男 春燈 201602
口髭に明治の匂ふ漱石忌 竪山道助 風土 201603
刻止むるぼんぼん時計漱石忌 上村葉子 風土 201603
母の卒塔婆立てて奇しくも漱石忌 土井ゆう子 風土 201603
池の端の東京句会漱石忌 荒木甫 201603
今日も繰る父よりの辞書漱石忌 島田尚子 馬醉木 201603
漱石忌かはたれどきの寒きこと 竹内弘子 あを 201604
颯爽と渡航青年漱石忌 前原マチ 末黒野 201604
漱石忌過ぎし上野に人多く 田中藤穂 201611
漱石忌草を枕に猫眠る 荻布貢 201702
漱石忌齢おろかに重ねきて 安立公彦 春燈 201702
漱石忌百年動く鳩時計 福島茂 201702
猫も居る山房古図や漱石忌 河崎國代 春燈 201702
漱石忌波の秀白く尖りけり 山田天 雨月 201702
漱石忌アンドロイドは似て非なる 堀井英子 雨月 201703
猫の餌を日向へ移す漱石忌 是松三雄 末黒野 201703
青春のザラ紙黄ばむ漱石忌 田中春江 末黒野 201703
闊達なわが家の三毛や漱石忌 占部美弥子 末黒野 201703
全集の一巻欠けて漱石忌 松本三千夫 末黒野 201703
旧札のまじるへそくり漱石忌 金子正道 京鹿子 201703
漱石忌 →2

 

2022年12月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。