爽 涼    124句

爽涼  秋爽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
爽涼や一気に登る男坂 迫谷富子 いろり 199911
爽涼や地蔵に紅絹のよだれ掛け 中野菊子 春耕 199911
爽涼と灯つてをりぬ寄港船 中村堯子 銀化 200009
爽涼の力を借りて捨て上手 能村研三 200010
爽涼や俳句の鬼と酒酌まむ 小野喬樹 馬醉木 200010
爽涼や杉の匂ひの峠茶屋 中川晴美 俳句通信 200011
爽涼の日々あらたなる花芙蓉 倭文ヒサ子 酸漿 200011
爽涼や魚影はしる舟下り 山本雅子 馬醉木 200101
爽涼やないやうである力瘤 能村登四郎 200108
爽涼や老身すてし胸張らむ 能村登四郎 羽化 200110
爽涼やよき雲置きて杉木立 山荘慶子 あを 200111
爽涼の禅寺の箒角立てず 山田耕子 京鹿子 200201
爽涼や河越太郎の弓張れる いしだゆか 遠嶺 200201
爽涼の水音に気を養へる 後藤秋邑 百鳥 200202
爽涼と丈を競ひて白樺 松井淑子 200202
爽涼や高原ホテルの格天井 小澤克己 遠嶺 200211
爽涼や夢二の少女お下げ髪 水原春郎 馬醉木 200211
爽涼や遠嶺に向かひ深呼吸 大槻球子 遠嶺 200212
爽涼や鉾をそろへて長寿杉 谷和子 200301
爽涼と水底に日の当りけり 真保喜代子 200302
爽涼の切手の中の星座かな 阿部正枝 絵具箱 200304
爽涼や夕星あげし楠大樹 木下節子 雲の峰 200311
爽涼や七十歳の共白髪 小柳順子 帆船 200312
爽涼や日照雨の中の大仏殿 黒崎よし江 雲の峰 200312
爽涼の流るる朝の先斗町 奥田節子 火星 200401
爽涼や川音聞こゆ城巡り 井出清峯 百鳥 200401
まっ先に爽涼を聴く足のうら 山元志津香 八千草 200402
爽涼の指に巻きとるしつけ糸 今井みつ子 帆船 200405
爽涼や富士の抱きし湖にをり 森理和 あを 200411
爽涼や迎賓館の門堅く 森山のりこ あを 200411
爽涼とタオルで背中打つてゐる 佐藤喜孝 あを 200411
しばらくは爽涼の中遺墨展 鎌倉喜久恵 あを 200411
爽涼やスカートの丈長くなり 須賀敏子 あを 200411
爽涼やわくごの肌の真珠いろ 竹内弘子 あを 200411
爽涼や家一軒に子がひとり 篠田純子 あを 200411
爽涼や床几に憩ふ旅心 関戸文子 酸漿 200412
爽涼や港の俥夫に気を貰ひ 竹内悦子 200412
爽涼と湯町や道の砂掃いて 仲村青彦 200511
爽涼の鐘を打つなり寒山寺 小松鈴子 酸漿 200512
爽涼や森に跳びかふ栗鼠の影 林八重子 馬醉木 200601
爽涼や大樹の放つ風まとひ 吉田三保 200601
独り居に死は爽涼ときたりけり 八木柊一郎 ぐろっけ 200601
目覚めたる掌に爽涼の畳かな 加瀬美代子 200611
爽涼の野に佇ちて聞く夫のこゑ 熊岡俊子 雨月 200611
爽涼や瑕疵も包みて生きつづく 村岡春夫 春燈 200611
爽涼や蔵に積まれし原酒樽 今中道子 200612
爽涼の青海原に一巨船 今井松子 遠嶺 200612
爽涼や武家屋敷町人を見ず 竹貫示虹 京鹿子 200709
爽涼と湿原渡る風白し 中村悦子 200711
爽涼や福耳だけを子に残す 安居正浩 200712
爽涼の母屋おおくど座敷くど 間島あきら 風土 200801
爽涼や太刀となるまで鉄を打ち 大曲澪 遠嶺 200801
爽涼や父は未踏のフィレンツェヘ 能村研三 200810
爽涼の東正門職を辞す 七種年男 200811
爽涼や庭師の声の木戸開く 松野睦子 遠嶺 200812
爽涼や天へと続く道のあり 岩月優美子 200812
竹林へ爽涼の風道連れに 伊東和子 200812
書に倦みて寄る爽涼の窓辺かな 小山徳夫 遠嶺 200901
爽涼やボス猿にしてそのふぐり 守屋井蛙 酸漿 200902
爽涼の脚絆や測量出立碑 能村研三 200909
爽涼や川に抜けゐる通し土間 能村研三 200909
爽涼やまなこするどき天狗面 小野喬樹 馬醉木 200910
爽涼の気を丹田に写経かな 服部菰舟 雨月 200911
爽涼の櫻大樹に蔭もらふ 福田周草 風土 200911
爽涼や草の下ゆく水の音 藤岡紫水 京鹿子 200912
爽涼や湖の紺青ゆるびなき 澤井玲子 200912
爽涼や腕で山押す太極拳 成瀬真紀子 万象 200912
爽涼の欅通りも武蔵ぶり 成宮紀代子 201010
爽涼に体内時計正しけり 粟倉昌子 201012
爽涼やバスを待つ間のストレッチ 大西よしき ろんど 201012
爽涼や杉生これより王子道 薮脇晴美 馬醉木 201012
爽涼の崖や眼下の心字池 森清堯 末黒野 201012
爽涼の拝礼石の風青き 大竹淑子 風土 201012
爽涼や気のむくままに一万歩 粟倉昌子 201012
爽涼や笙の袋の「青海波」 橋添やよひ 風土 201012
爽涼や野菜はなべて千切りに きくちきみえ やぶれ傘 201101
石川門抜け爽涼の菱櫓 小坂優美子 馬醉木 201101
爽涼のこころ寧日重ねけり 下平しづ子 雨月 201101
低音歌手蝶ネクタイも爽涼と 村上すみ子 201101
爽涼の音のふれ合ひ陶器市 清海信子 末黒野 201102
爽涼の風渡りくる水辺かな 熊岡俊子 雨月 201111
爽涼や夢殿めぐる乳母車 田中文治 火星 201112
爽涼の椅子に朝刊匂ひけり 松田泰子 末黒野 201201
目の癒えて爽涼の空星の数 千原叡子 ホトトギス 201202
爽涼や一刷けの雲天為なる 舩山東子 ろんど 201211
爽涼の西に繊月かかりたる 大竹淑子 風土 201211
爽涼の池に片寄る水の皺 黒滝志麻子 末黒野 201211
自在鉤吊る爽涼の太き竹 田所節子 201212
爽涼や青の澄みたる海の色 水野恒彦 201302
爽涼や牧の木椅子にミルク飲み 塩見英子 雨月 201312
爽涼や地蔵堂裏の作務道具 能村研三 201312
爽涼の頭を愛しめり空の青 中島陽華 201402
爽涼や棹一本の渡し舟 吉永すみれ 風土 201411
爽涼や朝夕七種薬飲む 神蔵器 風土 201411
古煙突背に爽涼の茂木屋敷 能村研三 201411
爽涼や川の底まで透きし朝 上家弘子 ろんど 201412
父ははの卒寿とならむ爽涼と 水谷文謝子 雨月 201412
爽涼や遠き日の恋たからもの 小菅礼子 春燈 201412
爽涼の風吹き抜くる藩主の間 塩路隆子 201412
爽涼や日の出の青き八ヶ岳 加藤静江 末黒野 201501
爽涼の馬車道や馬ゆつくりと 相沢有理子 風土 201501
爽涼や歩幅の広き添乗員 吉田葎 201502
爽涼のぱりつと決まるシャツの衿 多田ユリ子 201511
爽涼や浅葱の尾羽振る鸚哥 山田由利枝 雨月 201512
爽涼の支柱抜きたる畑ばかり 水谷文謝子 雨月 201512
爽涼や伽藍百畳開け放ち 吉永すみれ 風土 201512
母のこと知る人ぞ知る爽涼と 下平しづ子 雨月 201611
爽涼や岸辺にぽつと常夜燈 町山公孝 201611
爽涼の風は親しきものを呼ぶ 岩月優半 201612
爽涼や太極拳の空を蹴る 門伝史会 風土 201701
爽涼や榧の木天を展きたる 井上和子 201702
爽涼や一枚石の橋の反り 片桐紀美子 風土 201711
爽涼や金星匂ふ翌檜 中島陽華 201712
爽涼や木洩日躍る柿田川 森清信子 末黒野 201712
爽涼や洋皿に触るスプーン音 鈴鹿仁 京鹿子 201810
爽涼や脚のきれいなイタリア人 秋岡美津子 201901
爽涼や沈金の盆勧めらる 安藤久美子 やぶれ傘 201911
爽涼の風を集めて楡大樹 丹羽啓子 馬醉木 201911
空欄の明日に爽涼満ちてをり 有松洋子 201912
爽涼を求め難間一歩づつ 南光翠峰 馬醉木 201912
爽涼や八幡平の尾根の径 高木邦雄 末黒野 202001
爽涼や足裏を映す寺の廊 森清信子 露の堂 202008
爽涼の引き緊むる岳空真青 森清信子 末黒野 202102
爽涼の湿原に身を低く獣 平松うさぎ 202111

 

2022年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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