卒業 8   94句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒髭をゆたかにほどき卒業す 山根淑子 京鹿子 201805
水清き叡山称ふ卒業歌 小嶋恵美 春燈 201805
卒業子珈琲はモカ淹れにけり 栗原完爾 春燈 201805
誉められし一言胸に卒業す 中西恒弘 201805
車椅子より起立して卒業歌 佐津のぼる 六花 201806
卒業に出刃包丁と鯛一尾 松井季湖 201806
卒業の四肢伸びてゐる畳かな 山田健太 風土 201806
校門へ人のトンネル卒業す 中村洋子 風土 201806
雲の子のつぎつぎ湧いて卒業す 南うみを 風土 201806
何一つ卒業できず卒業す 高橋将夫 201807
弟が兄を見送る卒業式 志方章子 六花 201807
祖父米寿息子定年孫卒業 大久保白村 ホトトギス 201807
定期券数日残し卒業す 大久保白村 ホトトギス 201807
軽くても重き卒業証書かな 大久保白村 ホトトギス 201807
風起しつつ壇上へ卒業子 立村霜衣 ホトトギス 201808
故郷の山河を讃へ卒業す 佐々木あつ子 やぶれ傘 201808
一斉に帽子飛ばして卒業す 高橋均 やぶれ傘 201808
握手して東西に去る卒業子 柴田志津子 201809
卒業の膝の手何か怺へをり 田所節子 田所節子集 201810
ダンス部の足の筋肉卒業す 火箱ひろ 船団 201811
工事場のフェンスの童画卒業期 小沢えみ子 201902
北の丸公園卒業生屯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
女学生卒業袴翻し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
卒業や子のはじめての薄化粧 太田昌子 馬醉木 201904
卒業の空へひとりのトランペット 間谷雅代 馬醉木 201905
笑顔にも膨れつ面にも卒業歌 横山さくら 春燈 201905
卒業の目立つ所に忘れ全 高木晶子 京鹿子 201905
卒業や曾孫の送辞の朗朗と 安斎久莫 末黒野 201905
水切りによき石探し卒業期 荒井一代 201905
卒業子ぶつきらぼうに帰り来る 中島昌子 201905
青年が花束抱ける卒業期 大石よし子 雨月 201905
母校こそ故里なりと卒業子 大橋淳一 雨月 201905
あをぞらを双手に掬ひ卒業す 斉藤玲子 馬醉木 201906
弟へ自転車譲り卒業す 渡部恭子 馬醉木 201906
一番でもびりでもなくて卒業す 三上程子 春燈 201906
交々の道へ影引き卒業子 近藤真啓 春燈 201906
卒業生袴姿のハイヒール 佐藤まさ子 春燈 201906
記念写真卒業証書確と持ち 佐藤まさ子 春燈 201906
卒業子明日の約束してゐたる 大川ゆかり 201906
脚太き木椅子並べて卒業す 柿沼盟子 風土 201906
卒業の午前八時の花時計 つじあきこ 201906
卒業歌ハモれば尖る猫の耳 波戸辺のばら 201906
制服を正しく着込み卒業す 松井季湖 201906
卒業や空にはじける笑い声 たかはしすなお 201906

 悼真田修矛君身寄りもなければ

卒業の自転車遠出せしことも

山田六甲 六花 201906
学舎の城見ゆる町卒業す 笹村政子 六花 201906
約束の卒業旅行のお供かな 笹村政子 六花 201906
卒業や手を振つてやる塀の猫 志方章子 六花 201906
進むべき道見つからず卒業す 志方章子 六花 201906
卒業の君送り出す朝かな 志方章子 六花 201906
後ろから父のしはぶき卒業式 升田ヤス子 六花 201906
卒業や校歌の山に登りもし 升田ヤス子 六花 201906
隣人にケーキをもらふ卒業児 出口誠 六花 201906
もらひ泣き伝播してくる卒業式 永田万年青 六花 201906
日暮れまで校庭にゐし卒業子 永田万年青 六花 201906
あの母もこの子もここに卒業す 善野行 六花 201906
一切は手探りの明日卒業す 善野行 六花 201906
卒業式一番泣いてゐる先生 谷口一献 六花 201906
コサージュや老人大学卒業式 廣畑育子 六花 201906
矢絣や袴姿の卒業生 赤塚篤子 末黒野 201906
兎小屋藁とり替へて卒業す 一民江 馬醉木 201907
スカートの襞くつきりと卒業す 木村澤子 201907
六年間皆勤の君卒業す 吉宇田麻衣 201907
卒業や若き眼の生き生きと 中里昌江 末黒野 201907
渾身の直球投げて卒業す 涌羅由美 ホトトギス 201908
卒業日机の節をそっと撫で 渡辺節子 201909
花時計の針磨きをり卒業子 柴崎富子 白地 201909
卒業の子に湖のまぶしき日 林未生 201910
俳諧に卒業はなし衣更ふ 菊池和子 京鹿子 201910
百余年歴史背負ひて卒業す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
卒業やつひに告白出来ぬ君 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
卒業子夕日飽くなく見つつをり 安立公彦 春燈 202004
卒業す実験室の鍵かへし 土手晶子 馬醉木 202005
紅顔の白皙と成り卒業す 篠田純子 あを 202005
木製のベンチにふたり卒業期 荒井一代 202005
卒業や飛び級の子の藍袴 橋添やよひ 風土 202006
墳丘の名残の校庭卒業す 平居澪子 六花 202006
青春の悲哀は言はず卒業歌 善野行 六花 202006
卒業の子より泣きたる母のをり 松本胡桃 風土 202006
校訓は質実剛健卒業す 小沢えみ子 202006
卒業の子らに囲まれバスを待つ 斉藤マキ子 末黒野 202006
ステーションピアノずんずん卒業子 辻響子 202006
入り交じり話は尽きぬ卒業子 柿沼盟子 風土 202006
卒業式鬼先生の目に涙 中村洋子 風土 202006
ふるさとや卒業を待つ父母がゐて 浜福惠 風土 202007
少年の無口となりぬ卒業期 長尾タイ 末黒野 202007
卒業式入学式の無かりかな 永田万年青 六花 202007
ぬばたまの髪を寄付して卒業す 升田ヤス子 六花 202007
仰ぐ顔凛々しく揃ふ卒業子 安立公彦 春燈 202007
辿り着く卒業といふ一里塚 三村純也 ホトトギス 202007
葱坊主卒業写真セピヤ色 石川東児 202009
卒業す擦り傷多きランドセル 大西乃子 202010
卒業の後の予定を問はれけり 稲畑汀子 ホトトギス 202103
校門の柱を撫でて卒業す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
卒業→ 1

 

2021年3月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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