卒業 1     100句

卒業の兄と来てゐる堤かな    芝不器男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
卒業の子は前ばかり見てをりぬ 山田禮子 きらら 199000
卒業の歌に躓きなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 199903
卒業式のコサージュ作る農学校 鈴木幸枝 199905
卒業や母と離れて畦伝ひ 鷹羽狩行 199906
卒業のひとりとなりし渚かな 遠藤若狭男 199906
城跡に風のうた聞き卒業期 遠藤若狭男 199906
B面にあまたの創や卒業期 中條紬 銀化 199906
卒業期猫科の人となつてゐる 境良一 京鹿子 199906
花束の混んでロビーは卒業期 鴛尾敏子 京鹿子 199907
卒業の身を摺り合わすようにして 星野早苗 船団 199909
巷ゆく酔歌は卒業生とみし 能村登四郎 芒種 199911
卒業の娘や着くづれの時に見る 能村登四郎 芒種 199911
復興の志もて卒業す 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
その中のひとりギプスの卒業子 笹倉さえみ 雨月 200001
木の実拾ひてゐし子なりしが卒業す 田中藤穂 水瓶座 200002
遣影抱き卒業生の声揃ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200003
空室の看板かがく卒業期 澤田緑生 馬醉木 200004

「朱雀」百号を祝して

雀百までのたとへや卒業歌

鷹羽狩行 200004
潮騒に褪せしカーテン卒業す 利根川博 銀化 200005
閉校の二人が歌ふ卒業歌 村瀬初実 春耕 200005
男児らがまず立ち去る卒業式 塩見恵介 虹の種 200005
初恋もかろき分身卒業す 安田晃子 馬醉木 200006
指揮棒の一揺れに止み卒業歌 足立賢治 200006
挫折といふ勲章胸に卒業す 島田和子 風土 200006
悪友と言ひ合ふ二人卒業す 浜口恵以子 風土 200006
口数の増ゆる子減る子卒業期 柿沼盟子 風土 200006
卒業の和服姿の子を胴上げ 高橋洋子 200006
しょつつる鍋卒業の子に案内され 高橋洋子 200006
卒業す運命線は真直に 辻雅子 ぐろっけ 200006
校門を出てまだ散らず卒業子 大森井栖女 馬醉木 200007
賑やかに別れ惜しみて卒業日 有吉桜雲 200007
開校碑入れて卒業写真撮る 村上和子 ぐろっけ 200007
コンサート満席にして卒業す 村上和子 ぐろっけ 200007
もう一度兎を抱きて卒業す 島崎晃 遠嶺 200008
喉仏むき出しにして卒業歌 塩見恵介 船団 200008
男児らがまずは立ち去り卒業式 塩見恵介 船団 200008
卒業の日のグランドの広さかな 小西昭夫 船団 200010
卒業歌母校へ街は伸び来つゝ 阿部寒林 200010
卒業子円錐形の荷を担ぐ 中林明美 ヒッポ千番地 200010
時なしのアイビーの青卒業期 真保喜代子 200101
生涯の卒業といふ数かぞふ 内藤三男 ぐろっけ 200102
みづからの漉きし卒業証書受く 丁野弘 200103
裏門は川に出でけり卒業歌 岡本眸 200103
門前の小僧や詩吟卒業す 柳未央 いろり 200104
卒業の白き指もて写真裂く 品川鈴子 船出 200104
校長のショパンのアカペラ卒業式 村井久美子 200105
卒業子に体育教師胴上げされ 村井久美子 200105
起きぬけの寒さ明るさ卒業期 岡本眸 200105
大いなる嶺を仰ぎぬ卒業子 小澤克己 遠嶺 200105
百の貌鏡にしまひ卒業す 水口佳子 銀化 200105
卒業す菫の色のアイシャドー 須賀敏子 あを 200105
ぎごちなく袴の歩む卒業子 松本米子 あを 200105
森も野も雲の流域卒業す 渡辺友七 あを 200105
卒業歌久遠の理想疑はず 西村和子 知音 200105
卒業の実験白衣着つつ馴れ 西村和子 知音 200105
大道にくり出しにけり卒業子 西村和子 知音 200105
二十一世紀の闇へ卒業す 西村和子 知音 200105
卒業子華やぐ母に素つ気なく 菅原光恵 百鳥 200106
その中に民族衣装卒業す 渡邊春生 百鳥 200106
鳥の名をあまた覚えて卒業す 堀川千代子 百鳥 200106
黒板を綺麗に拭いて卒業す 伊藤和枝 百鳥 200106
ハーモニカ兎に聴かせ卒業す 小儀洋子 百鳥 200106
似顔絵に残す恩讐卒業す 藤岡紫水 京鹿子 200106
日常を答辞に込めて卒業す 年森恭子 ぐろっけ 200106
いまの子はアッケラカンと卒業す 保坂加津夫 いろり 200107
一枚の卒業写真に夫とわれ 長山あや 円虹 200107
早速に運転習ふ卒業子 岡野峯代 ぐろっけ 200107
磐梯の見ゆる窓から卒業す 田中武彦 六花 200112
消し残る落書いくつ卒業す 田中武彦 六花 200112
泣き虫の正面向いて卒業す 代田青鳥 風土 200201
島挙げて卒業校歌天高し 松原フクヱ ぐろっけ 200201
歓声高く腕のトンネル卒業す 芝宮須磨子 あを 200202
卒業の若き涙にある未来 稲畑汀子 ホトトギス 200203
卒業歌一天なにも無き青さ 川島真砂夫 200203
卒業式終へ寄書の刻ゆたか 島谷征良 風土 200203
寄せ書の要は教師卒業期 中田貞子 200203
金釦さびいろとなり卒業す 鈴鹿仁 京鹿子 200204
波音の芝に拡ごる卒業期 松岡隆子 200204
航跡の真直ぐに白し卒業期 松岡隆子 200204
少女が漕げり卒業の日のボート 松岡隆子 200204
船脚も軽し渡舟に卒業子 新田巣鳩 馬醉木 200205
卒業す借りし袴を胸高に 西村葉子 京鹿子 200205
卒業の猛者花束を師に捧ぐ 中西久美子 200205
小鳥逃げたと泣いた日もあり卒業す 元田千重 火星 200205
卒業子きらりと鳴らす銀食器 金子孝子 200205
「海征かば」吾が卒業歌今も口に 柴野静 200206
小粒の児大志ありあり卒業す 小澤菜美 200206
ソクラテスに問ふことなくて卒業す 沼田巴字 京鹿子 200206
その中に声優志願卒業歌 池田好 200206
裏門を出て目礼の卒業子 及川永心 200206
浮き雲の空へ広ごる卒業歌 川端和子 遠嶺 200206
方言をノートに集め卒業す 望月周 百鳥 200206
禿びしエンピツこんなにもあり卒業す 吉田明 200206
かくれ煙草きつぱりと絶ち卒業す 鈴木恭子 200206
賛美歌に送られ吾子の卒業す 小池洋子 雲の峰 200206
卒業の野戦しひられゐたりけり 瀬川公馨 200206
リュックからお茶取り出せる卒業子 堀義志郎 火星 200206
卒業の花束卓に放りあり 村上留美子 火星 200206
卒業や朝つかの間の寒氣澄み 岡本眸 200206
噴水の高き日柱卒業期 西山紀代子 200206
卒業 2      

 

2023年3月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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