卒 業 7      100句

卒業の兄と来てゐる堤かな    芝不器男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
卒業書受けて何かを断ち切る子 中島玉五郎 201504
家業継ぐ運命 さだめ 認めて卒業す 中島玉五郎 201504
卒業の準備手間どる試験前 塩路遼(中三) 201504
粉雪や卒業証書の手にも舞ひ 森山あつ子 六花 201504
門限をまもらぬままに卒業す 竹内弘子 あを 201504
卒業期「学生時代」口の端に 塩田博久 風土 201505
胸に挿す生徒手帳や卒業す 中嶋陽子 風土 201505
こころざし大輪となれ卒業子 鈴木セツ 201505
容赦なく子は育ちをり卒業す 川崎真樹子 春燈 201505
蒼天の富士の見送る卒業歌 中田みなみ 201505
野良猫の餌ポケットに卒業す 野上杳 201505
美しき数字並べて卒業す 岩下芳子 201505
卒業の文字が躍る娘のメール 伊吹之博 京鹿子 201506
ひとりづつ自画像抱き卒業す 山本絢子 万象 201506
内孫の男四人の卒業期 田村すゝむ 風土 201506
卒業の母の涙の濃かりけり 井口ふみ緒 風土 201506
清流に机を洗ひ卒業す 間島あきら 風土 201506
鉄棒に天守を回し卒業す 川村清子 馬醉木 201506
旧姓の妻が集る卒業期 工藤節朗 201506
論文に虚子を選びて卒業す 三村純也 ホトトギス 201507
若さの字苦さに似たり卒業歌 中林晴雄 201507
送辞なき廃校の島卒業す 和田照海 京鹿子 201507
卒業歌体育館を溢れ出づ 斉藤マキ子 末黒野 201507
父よりも大き靴履き卒業子 福永幸子 末黒野 201507
黒板の日直消して卒業す 山田正子 201508
孫卒業紺めガウンと角帽と 松本三千夫 末黒野 201508
飴玉のレイも掛けられ孫卒業 松本三千夫 末黒野 201508
かたく巻く卒業証書遠ひばり 木下夕爾 春燈 201508
踏青やきこえて遠き卒業歌 木下夕爾 春燈 201508
卒業歌をはりしなみだすぐかわく 木下夕爾 春燈 201508
卒業す弦の疲れし楽器提げ 佐津のぼる 六花 201508
オペラ座の怪人響く卒業曲 辻村拓夫 船団 201508
卒業と言うて職退く雲の峰 大矢恒彦 201510
式次第終りいよいよ卒業歌 久保東海司 風鈴 201512
卒業や角の食堂オムライス 鶴濱節子 船団 201512
先生の似顔絵描きて卒業す 樋口みのぶ 201603
卒業の机が行儀よく残る 辻美奈子 201604
椅子音のあと卒業生ゐなくなる 田所節子 201605
間柄急に狭まる卒業期 小松誠一 201605
最後まで不良と呼ばれ卒業す 高倉和子 201605
その中に手こずりし子も卒業す 長憲一 201605
式場を泣かせ閉校卒業歌 山崎刀水 春燈 201605
寄宿舎の春夏秋冬卒業す 碇天牛 雨月 201605
生涯や入学卒業くり返す 岩下芳子 201606
卒業子背に別れの言葉あり 宮坂恒子 201606
校名のにはかに高し卒業歌 塩野谷慎吾 201606
もう一度教室のぞき卒業す 樋口みのぶ 201606
玻璃ごしの山は美し卒業す 高倉和子 201606
上履を最後に包み卒業す 山内洋光 201606
卒業子万年筆のラブレター 村高卯 201606
卒業や平常心の子を横に 伊吹之博 京鹿子 201606
卒業歌歌ふ女生徒涙して 濱野新 やぶれ傘 201606
そらいろのコサージュ胸に卒業す 福島せいぎ 万象 201606
女子は泣き男子は叫び卒業す 大橋晄 雨月 201606
卒業のうまごや晴著見せにくる 谷村祐治 雨月 201606
家を継ぐ意をはっきりと卒業す 谷村祐治 雨月 201606
学徒動員歌ひ得ざりし卒業歌 辻田玲子 雨月 201606
卒業の修士胸張り黒ガウン 田中たつを 雨月 201606
吾子もまたガウンに帽子卒業す 岡村彩里 雨月 201606
心はやとび出してをり卒業子 清水美恵 馬醉木 201606
母在らば告ぐべき一語卒業す 鈴木漱玉 馬醉木 201607
卒業歌山青く川清らかに 隅田恵子 雨月 201607
卒業歌洩れ来る母校なつかしみ 野木富貴 雨月 201607
灯台の見ゆる校庭卒業す 岡尚 風土 201607
袴着て卒業の子のねびまさる 小田嶋野笛 末黒野 201607
リーダーもグラマーも皆卒業す 柳川晋 201607
寄せ書きに夢をいつぱい卒業す 遠山のり子 201608
卒業や蛍の光遠き日よ 水谷直子 京鹿子 201612
田や畦やけふ卒業の木綿服 石川桂郎 『含差』 201701
一斉に立つ音残し卒業す 山本則男 201705
卒業や人体模型涙する 江見巌 六花 201705
少女起立卒業証書総代に 吉武千束 201705
この駅のこの木のベンチ卒業す 栗山みどり 201705
大人びし面立ち凛と卒業す 谷村祐治 雨月 201706
半世紀ぶりの斉唱卒業歌 岡村彩里 雨月 201706
卒業や記念写真の輪にあの子 大日向幸江 あを 201705
卒業の子らコンビニに屯せる 森なほ子 あを 201705
卒業入学を知らせる亡き主に 東秋茄子 京鹿子 201706
卒業生橋の袂でまた別れ 本間せつ子 末黒野 201706
満堂へ高き返事や卒業子 尾崎千代一 末黒野 201706
青春へ立ち帰る父母卒業歌 平居澪子 六花 201706
噴水の一柱光り卒業す 岡本秀子 201706
学帽を空高く上げ卒業す 岩下芳子 201706
絵の中の道をとびだし卒業す 有松洋子 201706
卒業や友は下宿を掃き清む 伊吹之博 京鹿子 201707
修道女になると決めし子卒業す 三輪温子 雨月 201707
卒業子祝ぐ太白の煌々と 下田奉枝 雨月 201707
卒業の寄せ書き君と並べ書く 樋口みのぶ 201706
校門に残る瓦礫や卒業す 岩町中正 ホトトギス 201708
先づ父の墓に卒業証書見せ 河野美奇 ホトトギス 201708
卒業の友の共なる涙かな 安原葉 ホトトギス 201708
卒業証書翼開くごとく受く 矢野百合子 201707
一山に響く早瀬や卒業期 井上和子 201707
卒業の子よりも母の誇らしく 木村享史 ホトトギス 201709
遥かなる卒業の日を引寄せて 稲畑汀子 ホトトギス 201803
脱稿の日々卒業の思ひあり 稲畑汀子 ホトトギス 201803
鉄棒のしづかに濡れて卒業歌 野中亮介 馬醉木 201804
蒙古斑あとかたもなし卒業す 竹内弘子 あを 201804
通学路の川辺のふたり卒業期 河原敬子 201804
卒業の朝の黒板詩の一篇 河原敬子 201804
卒業→8      

 

2021年3月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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