卒業 5      100句

銀河鐵道の夜の劇に出て卒業す  高島茂  麞域

作品
作者
掲載誌
掲載年月
卒業の日の突堤を折返す 鷹羽狩行 201004
卒業証書漉きて黒谷小学校 田中佐知子 風土 201004
こののちの山坂いくつ卒業す 秋葉雅治 201004
名を呼ばれ返事大きく卒業す 中山静枝 201005
制服の紺のかたまり卒業子 黒澤登美枝 201005
卒業を祝ひて白き道を説く 黒澤登美枝 201005
母親の呪縛を解かれ卒業す 鈴木阿久 201005
卒業や並んで小さき母の肩 佐藤信子 春燈 201005
第二釦渡せぬままに卒業す 鈴木撫足 春燈 201005
玻璃戸よりハンカチ剥がし卒業す 中田みなみ 201005
天窓を揺らし群読卒業す 横山義恭 201005
卒業や徴兵検査のなき国で 遠藤実 あを 201005
花束を受くる船頭卒業期 阪本哲弘 201006
町川にボールの浮かび卒業歌 小山ミツ子 末黒野 201006
花束に飛びつく光卒業期 西山春文 201006
「はい」と受け「です」と決めたる卒業子 石田きよし 201006
卒業旅行は波洗ふ岬まで 高田令子 201006
卒業式皆勤賞に造花つき 天野美登里 やぶれ傘 201006
実習の白衣のほつれ卒業す 中条さゆり 201006
百点もO点もなく卒業す 高橋将夫 201006
式次第終り涙の卒業歌 久保東海司 201006
しろがねの雨は窓辺に卒業歌 山下佳子 201006
箍すこし緩め卒業謝恩会 次井義泰 201006
卒業や子の足音は近づけり 伊吹之博 京鹿子 201006
卒業や恋を抱ける少女の香 中野英伴 春燈 201006
卒業生全員スピーチ三十秒 舘泰生 風土 201006
分校の土大股に卒業す 佐田昭子 ぐろっけ 201006
あどけなき恋の終りや卒業日 鈴木てるみ ぐろっけ 201006
連山の峰くつきりと卒業日 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201006
十二才自分史記し卒業す 岩木眞澄 ぐろっけ 201006
卒業歌やみてまことの別れかな 内藤秀子 201006
卒業の日の鴨沖に出てゐたり 山城孝子 火星 201006
矢絣に袴凛々しく卒業す 阿部悦子 酸漿 201006
励ましのことば互に卒業す 小野良高 酸漿 201006
遠景に燈台を置き卒業歌 定梶じょう あを 201006
胸を打つポップス流れ卒業歌 北尾章郎 201007
恋いくつ整理マドンナ卒業す 海輪久子 ホトトギス 201007
父の夢あらかた毀し卒業す 海輪久子 ホトトギス 201007
以下同文以下同文と卒業す 海輪久子 ホトトギス 201007
金星の大なるを言ひ卒業子 伊藤ふみ 馬醉木 201007
子と共に晩学の父卒業す 青和子 201007
電車待つ少女の輪より卒業歌 岩藤礼子 やぶれ傘 201007
生駒嶺を校歌に称へ卒業す 山下佳子 201007
卒業子武道館より溢れ出す 岡谷栄子 201007
泣いたよと通りすがりの卒業児 田村園子 201007
卒業子証書手に辞儀深々と 安江笥子 雨月 201007
卒業子旅立ちの肩叩き合ふ 加藤克 201008
胸高に袴を着けて卒業す 國保八江 やぶれ傘 201008
後輩に破帽を被せ卒業す 坂本哲弘 山ざくら 201009
卒業歌山河讃へて了りけり 坂本哲弘 山ざくら 201009
水澄みて婉曲の術卒業す 年森恭子 ぐろっけ 201102
卒業はしたけどあとはどないしやう 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
卒業歌一人音程外しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
これよりの君の為なる卒業歌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
頭刈り眼差し強き卒業子 空音 六花 201104
十八の心の宇宙卒業児 空音 六花 201104
掌の林檎の上気卒業す 竹内弘子 あを 201104
ナイチンゲール誓詞を唱和卒業す 宮田香 201105
落書きの残る机や卒業期 宮田香 201105
その母の胸に真珠や卒業歌 コ田千鶴子 馬醉木 201105

 東日本大震災

瓦礫より小学児童の卒業歌

神蔵器 風土 201105
恋の道学ぶことなく卒業す 高橋将夫 201105
はらからとワルツを踊り卒業す 石脇みはる 201105
低唱のやがて絶唱卒業歌 秋葉雅治 201105
うすらひの沼へ石投げ卒業す 大西八洲雄 万象 201105
模糊として韻く母校の卒業歌 田中貞雄 ろんど 201105
いさぎよく親離れして卒業す。 竹出ひろ子 ろんど 201105
震度五の余震に立ちて卒業す 脇坂淳 投稿 201105
泥じみの証書も形見卒業す 木村茂登子 あを 201105
卒業や力を籠めて少女泣く 堀内一郎 あを 201105
被災地の卒業の歌よよと聴く 大橋晄 雨月 201105
避難所の隅ささやかに卒業式 西垣順子 201106
岬端の風聴きすます卒業期 丹羽啓子 馬醉木 201106
窮屈な制服となり卒業す 小林朱夏 201106
母校の名大きく歌ひ卒業す 亀井紀子 201106
記念樹は大樹ばかりや卒業歌 安井和恵 201106
島を去る決意の集ふ卒業式 川崎真樹子 春燈 201106
卒業写真リボンの母のセピア色 石田康明 春燈 201106
桑畑に父の影ある卒業期 城孝子 火星 201106
卒業写真前列右から三人目 安居正浩 201106
卒業生拳合はせて別れけり 安居正浩 201106
卒業子トランペットを高く吹く 鈴木良戈 201106
避難所の校舎にひびく卒業歌 河口仁志 201106
地震の子の卒業式の写真かな 大坪景章 万象 201106
卒業式空席の子はもう来ない 林哲夫 ぐろっけ 201106
着のみ着のままに避難の卒業式 市橋香 ぐろっけ 201106
大楠に両手まはして卒業す 永田圭子 ろんど 201106
檸檬色晴着の吾子の卒業す 田野倉和世 酸漿 201106
卒業の子の足袋白し紺袴 田野倉和世 酸漿 201106
担任に卒業の日の暮れにけり 鈴木とおる 風土 201106
少女たちジャージー服で卒業す 山田暢子 風土 201106
コサージュの手作り二百卒業す 上村葉子 風土 201106
卒業といふ一輪を胸に挿す 根岸善行 風土 201106
会ふたびにきれいになりて卒業す 今井千鶴子 ホトトギス 201107
ビバルデイーの「春」で入場卒業児 廣見知子 201107
文集に綴る大志や卒業期 藤本章子 201107
仮校舎なれど大志の卒業子 常慶和久 201107
卒業の日の近づきて無口なる 田原陽子 201107
千曲川そびらの卒業写眞なり 田原陽子 201107
安売りはせぬと浪人卒業す 鈴木とおる 風土 201107
卒業 →6      

 

2021年3月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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