卒 業 2     100句

一を知つて二を知らぬなり卒業す    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
金色のフルート抱きて卒業子 西郷利子 200206
卒業歌父兄の席に兄が居る 山中宏子 200207
消しゴムをハートに減らし卒業す 和田照海 京鹿子 200207
卒業歌もの思ふ子とはしやぐ子と 長谷川祥子 馬醉木 200207
卒業の呼名する台濡れてをり 荒幡美津恵 遠嶺 200207
黒髪を豊かに吾子の卒業す 祐森彌香 遠嶺 200207
卒業やバレーボールに寄せ書きす 青池亘 百鳥 200207
花に酌む国民学校卒業生 柴田久子 風土 200211
波音を聞きに来てゐる卒業子 山田弘子 夜光杯 200211
卒業を控へし吾子の大人びて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
防波堤に魚を描きて卒業す 戸原春彦 帆船 200304
寒紅や卒業論文仕上げしと 中原春代 百鳥 200304
たたなづく青垣四方に卒業歌 長谷川閑乙 馬醉木 200305
卒業式正しくやさしく生きよの辞 土田祈久男 200305
校長と初めて握手卒業す 庄司由里 築港 200305
校門にリボンをかけて卒業す 半澤佐緒里 百鳥 200305
憧れの袴姿で卒業す 吉良君子 帆船 200305
卒業の空晴れわたる握手かな 今村恵子 200305
まつすぐに廊下静まり卒業歌 近藤栄治 200305
化學(ばけがく)に下駄を穿かせて卒業す 中原道夫 銀化 200305
性生活白書遂に戻らず卒業す 中原道夫 銀化 200305
暗室の酢酸の臭卒業期 中原道夫 銀化 200305
若き日のエルヴィスに似て卒業す 篁李月 銀化 200305
今もみる空を飛ぶ夢卒業期 田中のりえ 200305
卒業や世に志容れられず 村上沙央 200306
制服のみじかきを吊り卒業す 中谷葉留 風土 200306
旧約新約聖書は祈り卒業す 田村すゝむ 風土 200306
北の丸より卒業の溢れだす 根岸善行 風土 200306
屯して別れづらさの卒業生 八代清子 200306
卒業生袴で靴のハイカラさん 八代清子 200306
鍵盤を飴色にして卒業す 柴田節子 帆船 200306
通抜のみの鎮守社卒業す 清水喜造 帆船 200306
大声で君が代歌ふ卒業日 田中呑舟 火星 200306
歳忘れ卒業旅行はしやぎけり 河井史 築港 200306
温泉へ卒業旅行古稀の吾 河井史 築港 200306
卒業式終へてその場で化粧する 辻川錫子 築港 200306
卒業生紫袴奈良の街 阪口久子 築港 200306
卒業や同窓生となる母娘 出口賀律子 雨月 200306
いつまでも校門にゐる卒業子 水谷文謝子 雨月 200306
祝辞聞く顔大人びて卒業子 水谷文謝子 雨月 200306
卒業子一人送りて廃校に 荻島雪子 百鳥 200306
卒業子ぶつきらぼうに握手せり 松永晃芳 百鳥 200306
十二歳の手形を残し卒業す 山遊亭金太郎 百鳥 200306
身丈ほど志も高くなり卒業す 年森恭子 ぐろっけ 200306
躾糸抜かれしごとく卒業す 辻雅子 ぐろっけ 200306
寄書に「主役」と書きて卒業す 辻雅子 ぐろっけ 200306
末っ子の背丈抜きでて卒業歌 古林田鶴子 ぐろっけ 200306
時計台刻々きざむ卒業期 岡有志 ぐろっけ 200306
卒業の男の子ら五人旅に出づ 古田考鵬 雨月 200307
卒業の朝自転車に空気詰む 徳永真弓 百鳥 200307
胴上げの空に抛られ卒業す 遠野萌 200308
うっすらと髭とも見えで卒業す 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200308
ポケットに手を入れる癖卒業子 渡辺真奈美 200311
噴煙の遙かに応へ卒業歌 藤井彰二 馬醉木 200401
さざなみの肩を並べて卒業期 山仲英子 200403
もどかしき卒業までの日数かな 小林呼溪 200403
卒業の名は呼び捨てに袴の師 品川鈴子 ぐろっけ 200403
詰襟の長身が指揮卒業歌 品川鈴子 ぐろっけ 200403
この気持ち何だろうかと卒業歌 品川鈴子 ぐろっけ 200403
卒業の列担任へ振り向かず 品川鈴子 ぐろっけ 200403
五線紙に音符密なる卒業期 丹羽啓子 馬醉木 200404
学生は素顔ぞ佳けれ卒業歌 岡本眸 200404
ロツカーに夢と落書卒業す 塩田東水 帆船 200405
賛美歌に送られし子ら卒業す 安田美恵子 帆船 200405
おほかたは声変りして卒業す 大島寛治 雨月 200405
につこりと新聞少年卒業告ぐ 田中藤穂 あを 200405
まなざしの乙女となりて卒業す 芝尚子 あを 200405
卒業歌船に乗る日を思ひつつ 大串章 百鳥 200405
答案に最後の名前卒業す 田中清之 百鳥 200405
囀や卒業証書筒に古り 生田恵美子 風土 200405
卒業の子にクリームの試供品 中山勢都子 200406
卒業子証書の筒のポンと鳴り 土生逸磨 河鹿 200406
瑕ひとつなきゆで卵卒業す 土生逸磨 河鹿 200406
独りだけのシュートを決めて卒業す 近藤栄治 200406
いもうとの卒業式を撮る役目 玉川梨恵 200406
廃校の噂を耳に卒業す 二村蘭秋 雨月 200406
晩学の修士学位や卒業す 渡辺保子 雨月 200406
ひとりづつ包丁もらひ卒業す 鎌倉ひろし 百鳥 200406
卒業の百人の礼揃ひけり 平岡千代子 百鳥 200406
ブロンズの拳に触れて卒業す 保科次ね子 百鳥 200406
夢・未来と碑にして卒業す 藤森万里子 百鳥 200406
卒業をするつもり無く婚姻す 鈴木えり子 百鳥 200406
卒業式へ孫父親のブレザー着る 佐藤和子 200406
緘黙に卒業証書書き直す 西塚成代 六花 200406
靴箱に片方の靴卒業子 西塚成代 六花 200406
卒業す隔世遺伝のふたゑくぼ 遊橋恵美子 風土 200406
携帯のピンクの紐も卒業子 若山実 雲の峰 200406
卒業に予行ありけり海匂ふ 小松道子 対岸 200406
靴下もシャツも白なる卒業子 井上綾 ぐろっけ 200406
卒業の午後には島と別れけり 近藤幸三郎 風土 200407
卒業の耳を離れぬ歌ひとつ 木暮陶句郎 ホトトギス 200408
卒業すギターの弦の切れしまま 木暮陶句郎 ホトトギス 200408
卒業の娘の装ひのととのひし 山田桂梧 ホトトギス 200412
卒業の話に及ぶ半世紀 稲畑汀子 ホトトギス 200503
進路あり別れのありて卒業す 稲畑汀子 ホトトギス 200503
逆上りたうとう出来ず卒業す 鈴木榮子 春燈 200503
とりあげしピアス返さむ卒業子 武田美由 六花 200504
挨拶も声変りして卒業す 岩谷丁字 春燈 200505
生徒と共に母親起立卒業式 太田絵津子 200505
鬱の子の鬱もろともに卒業す 豊岡美千江 築港 200505
卒業 3      

 

2021年3月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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