白 魚 2    100句

白魚のやさしさを食す氣の疲れ   和田魚里   機

作品
作者
掲載誌
掲載年月
明眸のほか白魚に無かりけり 下田青女 ホトトギス 200406
血の色をもたぬ白魚かなしめり 下田青女 ホトトギス 200406
白魚を水の如くにこぼしたる 木村淳一郎 ホトトギス 200406
水に溶けまいと白魚泳ぎをり 木村淳一郎 ホトトギス 200406
水よりも白魚がよく濡れてをり 木村淳一郎 ホトトギス 200406
大橋の真下辺りの白魚舟 浅井青陽子 ホトトギス 200406
みちのくの風まださむき白魚川 中村鎮雄 ホトトギス 200406
白魚に白魚の影横切りけり 中村鎮雄 ホトトギス 200406
未だ魚影うすしと思ふ白魚川 中村鎮雄 ホトトギス 200406
泡乗せて白魚の潮差し来たる 安倍いさむ ホトトギス 200406
かばかりの風に白魚見失ふ 安倍いさむ ホトトギス 200406
砂に失せ藻に姻りゆく白魚かな 安倍いさむ ホトトギス 200406
紙鍋に白魚煮えて湖畔亭 千原叡子 ホトトギス 200406
白魚に透けて太古の水の色 浜永宗一 ホトトギス 200406
白魚の白さへ持たぬ潔さ 浜永宗一 ホトトギス 200406
引き上げて躍る光の白魚網 浜永宗一 ホトトギス 200406
はやばやと白魚漁の入札に 堤剣城 ホトトギス 200406
白魚守藻屑の動き見逃さず 堤剣城 ホトトギス 200406
白魚を食うべ眼の透きとほる 鈴掛穂 200406
白魚網沈めて小さき渦流れ 中山世一 百鳥 200406
白魚の虹もろともに掬はるる 工藤義夫 馬醉木 200406
白魚の枡をこぼれて泳ぎけり 阿波岐滋 草の花 200406
白湯割の球磨焼酎や白魚鍋 中村房子 馬醉木 200407
椀に泳ぐ白魚すぐに呑めといふ 小林愛子 万象 200407
白魚の少し太つて茹で上がる 秋千晴 200408
白魚のくの字に真白椀の底 秋千晴 200408
白魚汁一と日を和紙のごと終る 山元志津香 八千草 200410
黒鍵に白魚躍り初めにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
白魚に歯の驚いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
白魚に大河は力抜いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
白魚に目の存在の透けざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200502
白魚網水を掬つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200502
透明の失せ白魚のすましの具 稲畑汀子 ホトトギス 200502
玻璃よりも透けて白魚泳ぎをり 朝妻力 雲の峰 200504
湖の灯を数へてよりの白魚汁 泉田秋硯 200505
水としか見えぬ白魚手に掬ふ 岡米二 200505
白魚の朱のはらわたの透けて見ゆ 石川敬子 対岸 200505
指先に挟む白魚芯のあり 石川敬子 対岸 200505
花眼凝らして白魚の骨も目も 風間史子 200505
白魚網影もたぬ物掬ひをり 滝村みさ子 200505
白魚漁ひねもす水を見詰めては 室伏みどり 雨月 200505
何を食むいのちぞ透くる白魚は 室伏みどり 雨月 200505
このわたの白魚といひてうみを見き 雨村敏子 200506
白魚のひそと上げらる四ツ手網 飛鳥由紀 200506
白魚のいのちを双手掬ひかな 飛鳥由紀 200506
白魚の枡傾けば枡に添ふ 飛鳥由紀 200506
からつぽの濡れてゐるなる白魚桶 山尾玉藻 火星 200506
白魚売るぎの小舟に笹敷いて 北川英子 200506
白魚飯を車座で食ぶ借楽園 紺野とも子 200506
しらうをの水より淡く網のなか 飛鳥由紀 200506
しらうをの河を鎮める雨となる 飛鳥由紀 200506
白魚漁水汲むごとく掬ひけり 清原彰子 河鹿 200507
白魚をあはれあはれと食うべけり 遠藤若狭男 200507
白魚にとこしへの青ありにけり 雨村敏子 200507
喜寿の宴白魚汁を妹と愛で 大橋淳一 雨月 200507
白魚の汲まれてよりの光かな 鳴海清美 六花 200507
白魚網混沌の水掬ひては 楠原幹子 白卓布 200602
白魚の室見にわが師老いたまふ 島谷征良 風土 200602
白魚火の消えたるあとの月に暈 鷹羽狩行 200603
宴席のはじめ白魚啜らされ 中村房枝 六花 200603
塗椀に三尾の贅や白魚汁 泉田秋硯 200605
白魚や江戸指物のくるひなき 三宅文子 春燈 200605
目瞑りて白魚一気をどり食ひ 合川月林子 ぐろっけ 200605
啜り食ふ白魚は眼で数へつつ 合川月林子 ぐろっけ 200605
白魚の命のみ込む朝の膳 合川月林子 ぐろっけ 200605
僧吾の白魚のいのち喉にす 古田考鵬 雨月 200605
しらうをのはかなきいのちすすりけり 三由規童 雨月 200605
箸づかひまでうつくしき白魚汁 成安登水子 200606
白魚船一番網の帆を開く 遠藤真砂明 200606
白魚に念仏酒を呻りけり 禰寝瓶史 京鹿子 200606
白魚といふに寂しき濁りかな 藤田さち子 対岸 200606
漁夫の手のこまめにさらふ白魚網 落合由季女 雨月 200606
ぴりぴりと白魚枡をこぼれけり 吉村摂護 200606
白魚の悟りきつたる眼かな 上田繁 遠嶺 200608
白魚の黒き眼を呑みにけり 里見紀子 四葩 200608
白魚の汁椀ほのと湯気立つる 稲畑汀子 ホトトギス 200702
誕生日自祝の白魚お頭付き 品川鈴子 ぐろっけ 200702
豪華とも見ゆる一品白魚汁 稲畑汀子 ホトトギス 200703
白魚や夜も散らかる山の雲 鷹羽狩行 200703
潮入りの堰鳴る白魚上るころ 森郁代 万象句集 200703
お清汁へ白魚抓み入れにけり 宝王トシ子 200704
真向ひの湖茫々と白魚舟 本藤みつ 200704
大島に向き合ふ座敷白魚椀 竹内慶子 春燈 200705
白魚の哀しきまでに透き通る 池田光子 200706
死生には触れず白魚啜りをり 川口襄 遠嶺 200706
船帰る白魚載せて自慢顔 松井治美 遠嶺 200708
観音堂前に仕掛けて白魚網 川口崇子 万象 200710
白魚の百の目透ける身に倦める 西川織子 馬醉木 200804
白魚の透きゐる命目の真黒 大橋敦子 雨月 200804
白魚の炊けば透身の真白なり 大橋敦子 雨月 200804
白魚に眼ぬらしてゐる無常 小澤克己 遠嶺 200805
熱々の白魚鍋や雨となる 馬場宏一 春燈 200805
五穀米にそろそろ飽きて白魚飯 宮城菊子 200805
白魚の鮨に四方山話湧く 宮城島たか子 200805
銀ぶらをして白魚の卵とぢ 上林富子 やぶれ傘 200805
折からの雨を出でけり白魚舟 蘭定かず子 火星 200805
白魚も盛付けてある旬の膳 長崎桂子 あを 200805
白魚を食むひとときを黙しけり 長崎桂子 あを 200805
白魚舟重たき水をつかみゆく 藤野力 馬醉木 200806
白魚網あぐるや水面虹立ちて 藤野力 馬醉木 200806
白魚→3      

2021年2月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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