白 玉 1    100句

よく冷えし白玉に母の写真笑む    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白玉に銀座の日暮久しぶり 山田弘子 春節 199503
白玉の人の舌より滑らかな 大橋敦子 雨月 199808
白玉や母から父へ通信簿 丸山海道 京鹿子 199810
白玉の球に練り込め喜寿の母 丸山海道 京鹿子 199810
白玉や越に訪はざる墓ひとつ 中塚龍之介 銀化 199907
白玉や聞いて貰へば気がすんで 原田町子 199908
白玉やつるりとつきし嘘ひとつ 館林志津子 俳句通信 199909
白玉や娘は秘め言の多くなり 辻享子 ヒッポ千番地 200003
白玉に膝をくづさぬ人と在り 松本恭昂 火星 200004
白玉を通しかなしみとほらせず 山野みどり 銀化 200007
白玉を十作らせて推しはかる 森谷彰 銀化 200008
白玉やいつも傍への硯箱 細田いずほ 遠嶺 200010
白玉のぷにゅぷにゅにまだ拗ねており 河原珠美 海程 200107
白玉や佐原囃子の笛の音 大串章 百鳥 200107
白玉やわれを手招きしたる母 大串章 百鳥 200107
白玉や谿に迫り出す茶屋の席 深川知子 春耕 200107
白玉や死をよそゆきと思ふなり 中原道夫 銀化 200107
白玉や母に敬語を忘れゐて 栗山よし子 馬酔木 200108
白玉に帯に浅草寺の夜風 飯塚ゑ子 火星 200110
白玉や贔屓役者の話など 清水ゆみ子 200112
白玉や嫌ひは嫌ひ好きは好き 金刺宏子 200208
白玉の歯牙にもかけぬかけやうも 中原道夫 銀化 200208
白玉や赤子は泣いて褒めらるる 河口仁志 200209
白玉やもう会はぬかもしれぬ人 山田三江子 200209
白玉のぽつかりと浮く祇園なり 吉田島江 火星 200209
白玉や兄の忌修す煙草跡 佐々木悦子 帆船 200209
白玉浮かべ桃源と申さるる 滝沢環 京鹿子 200210
白玉や頼り頼らる姉二人 関薫子 百鳥 200210
白玉にさう云へば恋かもしれず 岩岡中正 円虹 200211
白玉の寂しくなる歯牧水忌 禰寝瓶史 京鹿子 200212
白玉やついで参りの鶴岡 須佐薫子 帆船 200310
白玉や墨東あたり彷徨へり 高田令子 200311
白玉や仏の前の膝の皿 栗栖恵通子 200408
白玉や越後の町の暮れなづむ 芝尚子 あを 200408
白玉の目に沁む白さ掬ひけり 城間芙美子 対岸 200409
白玉や居心地のよき店の隅 木下もと子 200409
白玉の程よく冷えて一人かな 芝尚子 あを 200409
白玉や嵯峨野の笊を買うて来し 堀義志郎 火星 200410
白玉や用も無いのに二人きり 篠田純子 あを 200410
白玉を游がせて聴く健康法 伊藤早苗 200411
白玉や紙面満載金メダル 秋田谷明美 帆船 200411
白玉を食べて遠流のやうな午後 坂本敏子 京鹿子 200412
白玉の玉の不揃ひ母は亡し 平野静 京鹿子 200412
白玉や二世契りしといふは嘘 成瀬櫻桃子 春燈 200504
白玉の一つで万事をさまりし 高橋将夫 200508
白玉の掌にわきつぎし竹の風 中野京子 200508
白玉やときに友情濁りけり 伊藤希眸 京鹿子 200508
白玉や谷中の坂は名前もつ 柿沼盟子 風土 200508
白玉に線香の香の移りをり 鈴木とおる 風土 200509
白玉や銀座にユトリロ喫茶店 中沢三省 風土 200509
白玉に踏切の音ひびきけり 大串章 百鳥 200509
白玉や母を笑はす話して 下平直子 200509
白玉やにはか句座なす雨やどり 糸井芳子 200509
白玉や吾が育ちたる神楽坂 飯高あい 対岸 200602
白玉や母ある頃の反抗期 太田佳代子 春燈 200604
白玉や水やはらかき峠茶屋 長沼恒子 馬醉木 200609
白玉と傘寿の父に迎へられ 三戸和子 四葩 200609
白玉に四方山話弾みけり 今井梔子 200610
白玉や思ひ語れば相似たり 緑川啓子 馬醉木 200611
白玉の餡のとろりと供へけり 寺島順子 雨月 200611
白玉と別の甘さをすゝりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200705
白玉を母のごとくに思ひける 雨村敏子 200709
白玉や味も昔の宿場町 市川十二代 ぐろっけ 200710
白玉を待ちて茶房の賑はへり 石井邦子 酸漿 200710
白玉や日曜版を風めくり 鶴見遊太 200711
白玉食む母のやうには生きられず 内山花葉 200711
白玉を冷やして母の忌なりけり 今井忍 ぐろっけ 200712
白玉や三和土を抜くる畦の風 遠藤和彦 遠嶺 200809
白玉やなにもなき日の有り難し 横松しげる 遠嶺 200809
白玉や兄の繰り言やはらかし 深澤鱶 火星 200809
核心は白玉の中にもありし 高橋将夫 200809
白玉やめぐり合はせの積みかさね 中野京子 200809
白玉は白砂糖でとははごのみ 鎌倉喜久恵 あを 200810
白玉やときに正論疎ましく 窪田粧子 馬醉木 200908
忘れ得ぬ白玉汁粉母若き 笠井清佑 200908
白玉の凹みに母のこころかな 冨松寛子 200908
白玉を好む女系や午後三時 和田郁子 200909
白玉を作るや母の文化鍋 大山文子 火星 200909
二次会の白玉掬ふ祇園かな 大山文子 火星 200909
白玉のをどり浮びし宵祭 山田美恵子 火星 200910
白玉を冷やして誰を待つとなく 竹内弘子 あを 200910
白玉の不揃ひはさて冷え加減 木村茂登子 あを 200910
白玉や気丈と言はれては泣けず 清海信子 末黒野 200911
白玉や少年の日の野球帽 横松しげる 遠嶺 200911
白玉や静かに動く喉仏 貝森光洋 六花 200911
白玉の出てより和む会議かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
白玉や手順たどりて食ぶも良し 加藤利勝 酸奬 201008
白玉や昭和良き世か悪しき世か 田中藤穂 あを 201008
白玉や寄り添ひ生きてルビー婚 石田玲子 201010
白玉や未来は今に今は過去 中野京子 201010
白玉や姉妹揃へば母のこと 中村良子 201011
白玉や雀のお宿てふ小店 岡野イネ子 春燈 201110
白玉や夢追ひし日も遥かにて 杉井真由美 京鹿子 201201
白玉や女親子の話にて 松下八重美 夢見の鐘 201203
白玉の井戸水に浮く叔母ひとり 森理和 あを 201209
白玉をつるりと喉へ二枚舌 藤岡紫水 京鹿子 201210
白玉の窪みホツホホ泣き笑ひ 高野春子 京鹿子 201210
白玉や影でつらなる身と心 中野京子 201211
白玉や女は老後いきいきと 柴田佐知子 201211
白玉や讃岐土産の奉公さん 谷村幸子 201211
白玉や昭和の残る裏通り 小林共代 風土 201310
白玉や親切にして貰ふばかり 高倉恵美子 201310
白玉→ 2      

 

2023年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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