新 藁 1     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
新藁積む牛舎に出産ノートかな 田中佐知子 風土 199811
新藁の上にでんでん太鼓かな 延広禎一 199901
新藁の薫り打ち出す古木槌 町野昭人 遠嶺 199902
新藁の蓑贈りたし去来庵 高木伸宜 船団 199912
新藁の匂ふ佐保路となりにけり 鶴田武子 春耕 200010
新藁の綯はれて神に近くあり 横尾桂子 銀化 200012
新藁を青く仕上げて神処 稲辺美津 遠嶺 200101
新藁に括られてくる上海蟹 武田禅次 春耕 200101
飴売の棒の新藁よく匂ふ 武田禅次 春耕 200101
新藁を敷かれて牛の産気づき 品川鈴子 船出 200104
新藁の匂ふ手綱で牛を引く 永沼弥生 春耕 200110
新藁のまばゆき匂ひ束ねけり 山仲英子 200110
新藁の束を貰ひて富むごとし 能村登四郎 羽化 200110
新藁の香り惜しみて土返す 原絹江 いろり 200112
新藁の草履編み込む赤き布 芦澤一醒 200112
長梯子新藁を積み込んでゆく 亀田宏子 百鳥 200201
新藁を高く積み上ぐ牛舎かな 伊佐春子 春耕 200201
近寄りて新藁の香をかぎゐたり 中村興人 酸漿 200201
新藁を積上げ仰ぐ一番星 栢森定男 あを 200201
三輪山にかざす新藁匂ひ立つ 福山悦子 200201
新藁の積み上げられし匂ひかな 松木桂子 200212
新藁に物の怪語り聞きし夜 高橋喜和 百鳥 200212
村中に新藁の香の漂へり 川瀬信子 築港 200212
新藁の干され神父の帰る道 影山わこ 百鳥 200301
新藁に置くハロウィンの大かぼちや 田中子 円虹 200301
新藁の干支の羊を丸く結ふ 堤京子 馬醉木 200302
新藁や代理のあげる枕経 水谷ひさ江 六花 200311
新藁の香に触れてゐる電話かな 丸山敏幸 200311
新藁に転び合ふ子等声弾む 日浦静代 百鳥 200312
新藁の香の裏二階喪服着る 小沢きく子 200312
新藁の中より猫が覗きをり 竹内喜代子 雨月 200402
しめ縄の新藁届く社殿前 武智恭子 ぐろっけ 200402
新藁の匂ひに狂ふ雀どち 塚田治男 春耕 200412
走り寄る子に新藁の匂ひせり 藤井智恵子 百鳥 200412
新藁を積む天辺に人が立ち 小橋末吉 対岸 200501
新藁に寝かせ幼児の槌裸替ふ 山本よしを 築港 200501
新藁を人形のごと干し並べ 鈴木多枝子 あを 200501
新藁の草鞋下げある神の前 遠野萌 200504
新藁が窪みに敷いてありにけり 高橋将夫 星の渦 200507
新藁の山にもたれて後悔少し 小林朱夏 200511
新藁の大蛇を編みて農一生 吉永寿美子 四葩 200512
新藁に沈み浄土と思ひけり 吉田裕志 200601
新藁を産気の牛に敷きにけり 高原純徳 河鹿 200602
新藁の香や一本のきづな橋 丸井巴水 京鹿子 200602
自転車に新藁積めるだけ貰ふ 楠原幹子 白卓布 200602
注連を縒る庭に新藁匂ひけり 鎌倉喜久恵 あを 200603
火襷を期せと新藁抱へくる 小旙普士男 対岸 200603
新藁のゆたかにうさぎ子を育て 辻直美 200611
新藁のくすぶる煙夕映ゆる 早崎泰江 あを 200611
新藁の弾みなだめつ括るなり 南うみを 風土 200612
新藁に溺れてゐしが居眠れる 吉田裕志 200701
トラックに新藁買ひの来てをりぬ 石垣幸子 雨月 200701
新藁を積み海近し山近し 百瀬七生子 海光 200705
にはか百姓新藁干せりベランダに 山崎泰世 200801
新藁の敷物荒き奥の宮 小林朱夏 200801
新藁の芯の太きをたのみとす 服部早苗 200801
巻藁の新藁匂ふ弓道場 能村研三 200801
新藁の匂ふ青さを担ぎゆく 西口万佐子 200801
新藁に起き伏し牛の乳が増す 齋部千里 ぐろっけ 200802
夕映えの峰や新藁売られゆく 柴崎則子 遠嶺 200802
新藁の匂ひに噎せて猫車 内山花葉 200803
新藁を収めて納屋の賑はへり 小林朱夏 200811
新藁に体ちくちくしてきたり 高倉和子 200812
新藁を匂ひとともに畑に敷く 久世孝雄 やぶれ傘 200902
新藁を束ねる農機音高く 笠井清佑 200912
新藁や厩舎一気にかをり立つ 渡部志津子 200912
新藁の香りに満つる里の道 鈴木敬一 200912
新藁の匂ひ吹き入れ日暮どき 鈴木多枝子 あを 201001
新藁で両手こすりに馬の胴 浜口高子 火星 201001
新藁を入れてほどよき布草履 松岡和子 201002
新藁を持ち寄り習ふ注連飾 小林朱夏 201002
注連縄になる新藁を竿に干す 福田漣 201003
新藁もとどき旅所の支度かな 濱田カノエ 酸漿 201011
新藁の匂ひ残して稲を刈る 久永つう 六花 201011
新藁を巻き込んでをりロール巻 増田一代 201012
新藁の匂ひの中で後悔す 小林朱夏 201012
新藁の捨て置かれゐるにほひかな 大島英昭 やぶれ傘 201101
花のごとくに新藁の匂ひけり 辻直美 201101
新藁を敷く菜園の畑かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
新藁焼く縄文農法今を継ぐ 渡辺安酔 201201
新藁の匂ひ拡げて納屋に積む 水谷靖 雨月 201201
新藁の香をこぼし行くコンバイン 村上留美子 火星 201201
放射線新藁覆ふ青シート 長瀬節子 ぐろっけ 201201
新藁を山積みにして潮来舟 大西八洲雄 万象 201212
新藁で磨く木地師の欅盆 川村清子 馬醉木 201212
新藁や極楽色に雲暮るる 宮川みね子 風土 201301
新藁の匂ひ雀がこぼしたり 橋添やよひ 風土 201301
新藁のにほふ日暮となりにけり 大島英昭 やぶれ傘 201301
夜の納屋に入る新藁とトラクター 藤本千鶴子 火星 201301
新藁を叉銃の形に峡の小田 小川玉泉 末黒野 201301
新藁の大蛇奉納島の宮 田下宮子 201303
新藁をくるりと束ね象の鼻 秋千晴 201401
新藁の匂ひ満ちゐし道の駅 堀志皋 火星 201401
新藁に覆ひ被さり子も運ぶ 秋千晴 201401
納屋に積む新藁の香の仄かなる 蒲田豊彦 雨月 201402
新藁を軍鶏の毛焼きの火に加へ 丸井巴水 京鹿子 201403
新藁の熾に風立つ鬼やらひ 深澤鱶 火星 201405
新藁の香り並ぶや三角垂 飯田美千子 201412
押切りに刻む新藁香り立つ 曽根薫風 馬醉木 201412
猪垣を繕ふ新藁さばきつつ 浜口高子 火星 201501
新藁 →2      

 

2023年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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