新 茶 3   100句

しぼり出すみどりつめたき新茶かな   鈴鹿野風呂   野風呂句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
み仏を拝し来てより古茶新茶
大井彌雨
雨月
200609
新茶銘後昔となむ点て参る
本城布沙女
雨月
200610
いみじくも易き息災新茶点つ
本城布沙女
雨月
200610
なにはさて新茶を飲んでからのこと
河内桜人
京鹿子
200610
新茶吸む夫と吸みしは遠きこと
伊藤セキ
酸漿
200610
姑に似し嫁といはれて新茶汲む
大橋麻沙子
雨月
200612
新茶ありたのしき稿に朱を入るゝ
水原秋櫻子
馬醉木
200705
丁寧に白磁にそそぐ新茶かな
松下幸恵
六花
200705
丘陵の揺れゐし旗に新茶の香
岡野ひろ子
200707
翠巒の風を賜り新茶汲む
内山花葉
200707
予約せる新茶に急須のおまけ付く
下条みね子
200707
気がねなき独りも佗し新茶汲む
杉山たかを
200707
新茶摘む課外授業の小学生
青山悠
200707
一つまみ新茶噛みつつ厨ごと
石垣幸子
雨月
200707
もてなさる新茶手もみと聞くからに
青垣和子
雨月
200707
丁寧に生きむ晩年新茶汲む
園多佳女
雨月
200707
年毎に姉より届く新茶あり
八木岡博江
酸漿
200707
青き目の尼僧もてなす新茶かな
八木岡博江
酸漿
200707
新茶汲む茶の蘊蓄を話しつつ
布川直幸
200708
いもうとのありて兄あり新茶来る
相良牧人
200708
葉のあらき新茶の滋味を賞味せり
鈴木榮子
春燈
200708
新茶淹れ湯呑を捧ぐやうに持つ
村越化石
200708
久々の泊り客なり新茶汲む
中谷葉留
風土
200708
黙々と唯しみじみと新茶汲む
仙石君子
雨月
200708
二人目を恵まれし娘に新茶汲む
市川十二代
ぐろっけ
200708
筋書のなき世楽しき新茶かな
西川五郎
馬醉木
200708
何ごともなけれど今日の新茶かな
橋本榮治
馬醉木
200708
詩ごころ昂らせつつ新茶汲む
伊藤稔代
200709
ひとり身の気まま贅沢新茶汲む
坂上香菜
200709
新茶汲むこれより先の沙汰なりし
鈴鹿仁
京鹿子
200709
旅鞄ひらかぬうちにまづ新茶
あきの澪
200709
たつぷりと朝光入るる新茶かな
大谷茂
遠嶺
200709
大井川貫く村の新茶摘む
中田みなみ
200709
崖下はけしたの新茶は甘し祖母の里
佐々木新
春燈
200710
新茶淹れ新婚の味問うてみる
藤井久仁子
ぐろっけ
200710
母許の小流れ豊か新茶汲む
中川すみ子
200802
甘いものそへて新茶を入れなほす
稲畑汀子
ホトトギス
200805
仕事の手とめてばかりや新茶入れ
稲畑汀子
ホトトギス
200805
こみ上げて来るかに新茶香りけり
ことり
六花
200805
ひとり居てふたりゐるかに新茶汲む
芝尚子
あを
200805
大走りてふ新茶あり雨を聴く
水原春郎
馬醉木
200806
鄙ぶりの餅の甘さよ新茶くむ
徳田千鶴子
馬醉木
200806
頂戴す知覧新茶の袋詰め
伊藤白潮
200806
新茶汲むつつがなき日の風のいろ
鈴鹿仁
京鹿子
200806
時代劇悪事を暴き古茶新茶
遠藤実
あを
200806
兵の日の話は長し新茶汲む
遠藤実
あを
200806
古井戸も名水となり新茶かな
遠藤実
あを
200806
耳痒し税務署員とのむ新茶
遠藤実
あを
200806
老人となつて久しき新茶かな
青山丈
200806
轆轤台止めて新茶の香を賜ふ
竹内悦子
200807
砂時計返して淹るる新茶かな
窪田粧子
馬醉木
200807
新茶入れ次の頁を組立てる
豊田都峰
京鹿子
200807
激流を見下す宿の新茶かな
上谷昌憲
200807
一滴を大事に夫に新茶汲む
吉田陽代
200807
新茶汲む亡夫と香りを頒ちつつ
杉本綾
200808
今更のマンション暮し新茶汲み
藤見佳楠子
200808
きつちりと滴を尽くす新茶かな
布川直幸
200808
しんがりの玉の雫や新茶くむ
米山喜久子
200808
試飲して閉店セールの新茶買ふ
米山喜久子
200808
賑はへる門前町や新茶の香
米山喜久子
200808
さびしさの夜を重ねて古茶新茶
岡野ひろ子
200808
九谷焼きれいに見せて新茶かな
黒澤登美枝
200808
読みかけを伏せて新茶の香に浸る
黒澤登美枝
200808
新茶着く先ず一服のありがたき
塩千恵子
200808
新茶汲む一人の朝に声かけて
大曽根育代
遠嶺
200808
新茶飲むぶこつな碗にぶこつな手
坂本丹荘
遠嶺
200808
湯ざましの手もともどかし新茶かな
田原陽子
200808
新茶くむ駿河の消印なら良ろし
大東由美子
火星
200808
新茶汲むいつもの茶碗二つなり
山崎澄子
酸漿
200808
ぶぶ漬の新茶が誘ふ京の宵
和田一
雨月
200808
老いぬれば新茶早々贅すこし
岸本林立
雨月
200808
宇治茶祖を誇りて新茶商へる
村上悦子
雨月
200808
言の葉に秘む思ひやり古茶新茶
堀田こう
雨月
200808
一保堂の土間でいただく新茶かな
竹内慶子
春燈
200808
到来の新茶を淹れる小昼かな
廣瀬雅男
やぶれ傘
200808
手作りの茶碗に注ぐ新茶かな
有田蟻太
200809
寒翁が馬は至言と新茶くむ
森竹昭夫
遠嶺
200809
淹れてすぐ光はねゐる新茶かな
島谷征良
風土
200809
助け合ふ心ひとつに新茶汲む
橋本光乃
京鹿子
200809
憂きことのありし日新茶届きたり
片野光子
ぐろっけ
200809
病室に新茶の香り紙コップ
羽生きよみ
ぐろっけ
200809
木綿横丁古りし家並や買ふ新茶
田宮勝代
酸漿
200809
新茶の香机上に満ちて宇治十帖
吉田島江
火星
200811
新茶淹れ二十五年といふ節目
稲畑廣太郎
ホトトギス
200905
一服は新茶とセブンスターかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200905
その話先づは新茶を淹れてから
稲畑廣太郎
ホトトギス
200905
三人姉妹三様に生き新茶汲む
青垣和子
雨月
200905
客の来て古茶と新茶の二ごころ
鷹羽狩行
200906
口寂しまたしても汲む新茶かな
増田大
春燈
200906
手締めにて始まる新茶品評会
西垣順子
200907
日曜のまどゐに先づは新茶汲む
三川美代子
200907
絞りきる新茶の美しき色しづく
布川直幸
200907
糸底の薄き手触り新茶かな
江草礼
春燈
200907
み仏に声かけ新茶供へけり
青垣和子
雨月
200907
新茶味はひ母のもう在さじと
青垣和子
雨月
200907
一笑の加賀のはうじ茶にも新茶
伊藤敬子
200907
新茶の香居並びて今日会長選
藤野寿子
あを
200907
袋まだ開けぬ新茶の音さらさら
芝尚子
あを
200907
雨の日に新茶の緑あざやかに
高野綸
200908
月瀬より届く新茶の芳しき
小林成子
200908
新茶 →4      

 

2021年5月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。