新 茶 1   100句

玉卷きし芭蕉ほどけし新茶かな   川端茅舍   定本川端茅舍句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
それとなく淹れし新茶でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199805
暮れかかる富士に笠雲新茶の香 皆川盤水 春耕 199806
懐旧の故人の増ゆる新茶古茶 大橋敦子 雨月 199807
和菓子屋の三和土で新茶淹れくれし 小島ヱイ子 春耕 199808
新茶の香一目惚れした志野茶碗 三池泉 船団 199811
笹の葉のしづくのごとき新茶かな 鷹羽狩行 199906
しぼるてふ言こそ佳しや新茶くむ 林翔 199907
到来の新茶マニュアルどうり淹れ 阿部晶子 199907
起伏の聲のつと出る新茶かな 中原道夫 銀化 199907
晩年のいのち癒さる新茶かな 村越化石 199907
月山水汲みきて新茶うまきかな 和田和子 馬醉木 199908
書きものを片寄せて汲む新茶かな 林敏明 199908
山深き新茶の里に惹かれ来し 松尾緑富 ホトトギス 199908
やはらかき陽に新茶摘む乙女かな 豊田作二 遠嶺 199908
呂丸碑に供へる新茶朝雀 升本栄子 春耕 199908
駅頭に新茶売女のひとならび 太田誠 春耕 199908
手土産の和菓子持参に新茶汲む 岡村美恵子 春耕 199908
雫まで新茶をしぼり峠茶屋 小田元 六花 199908
満中陰供養と八女の新茶かな 落合由季女 雨月 199909
新茶どき公照逝きしと師の墓前 金子里美 船団 199909
新茶飲む南京の朝デモの声 嘉悦洋子 ぐろっけ 199909
よき話せんとて新茶淹れにけり 竹下陶子 ホトトギス 200001
玉の音たててつがるる新茶かな 鷹羽狩行 200005
小袋に針音頒つ新茶かな 渡辺昭 200005
平穏といふ陥穽よ新茶汲む 水原春郎 馬醉木 200006
新茶淹れ沖をまぶしむ艀妻 皆川盤水 春耕 200006
上野ではもう新茶売る不思議かな 保坂加津夫 いろり 200006
新茶淹れ癌のことには誰も触れず 立石萌木 雨月 200007
新茶揉む老の手太し皺多し 山本潤子 いろり 200007
新茶汲む母の作法をふと想ふ 山本潤子 いろり 200007
づかづかと釣堀に来し新茶売り 皆川盤水 春耕 200007
新茶飲む禪僧一滴も余さず 阿部寒林 200010
新茶淹る爪の化粧は瑠璃色に 浮田胤子 ぐろっけ 200010
新茶摘む一枝二葉と教えられ 山崎辰見 ぐろっけ 200010
訪う人のありて新茶の香のうごく 伊東友子 海程 200011
新茶売る新しき村無農薬 堀田政弘 200102
くつろぎてしみじみ新茶なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200105
消息は新茶とともに送られし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200105
先づ新茶味はつてより摂る朝餉 松尾緑富 ホトトギス 200105
指貫を外して含む新茶かな 鳴海清美 遊び蔓 200105
新茶汲む星野嬉野また八女と 松尾緑富 ホトトギス 200106
鄙びたる駅の賑はひ新茶市 神崎律子 200107
揉み師来て八十八夜の新茶揉む 服部菰舟 雨月 200107
むかしとは老の口ぐせ新茶汲む 山本潤子 いろり 200107
立ち並ぶ店に新茶の香しく 桑垣信子 いろり 200107
まろやかな甘みのありし新茶かな 桑垣信子 いろり 200107
三十年湯のみは古し新茶汲む 桑原敏枝 いろり 200107
地下街の入り口すでに新茶の香 藤原紅 いろり 200107
新茶いれ遺影に話す今日の事 岩崎婦美江 200107
日々母に譲ることのみ新茶汲む 栗山よし子 馬酔木 200108
新茶買ふ築地場外売場かな 高橋ふじ 酸漿 200108
リビングに畳が二枚新茶汲む 浜麻衣子 六花 200108
ファックスで届く新茶の注文書 今村能子 遠嶺 200108
収穫の新茶に弾む会話かな 木根渕成子 遠嶺 200108
新茶淹れ替へて聞き出す話かな 江川和彦 200109
ほどかれぬ荷のある居間や新茶注ぐ 川端和子 遠嶺 200109
身の振り方決まりて新茶啜りをり 今井忍 ぐろっけ 200109
山水を引きしわが家の新茶召せ 安原葉 ホトトギス 200110
古茶新茶飲みくらべして老舗かな 鵜飼紫生 雨月 200110
一口で立ちし新茶を忘れ得ず 能村登四郎 羽化 200110
駿河より新茶の着けり永久の香す 能村登四郎 羽化 200110
目を細め知覧の新茶飲むふたり 岡野峯代 ぐろっけ 200110
新茶の香宇治十帖を巡りたり 金田美恵子 ぐろっけ 200111
敦盛の五倍も生きて新茶飲む 木田千女 200201
新茶汲み日出づる国でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200205
後味のよろしき鉄観音新茶 山田六甲 六花 200206
夕べの木みな親しくて新茶汲む 藤岡紫水 京鹿子 200207
法の水掬み来て新茶振るまはる 川勝春 馬醉木 200207
届きたる新茶ぞ今宵鯛茶漬 辻本みえ子 馬醉木 200207
茶摘唄奏づ茶壺に新茶あり 村越化石 200207
巡礼に新茶もてなすお茶どころ 青野良子 帆船 200207
生きてゐる事が倖せ新茶汲む 増田智子 帆船 200207
喉にはちんこと佛新茶のむ 亀丸公俊 銀化 200207
荒壁や手揉みの新茶買ひにける 延広禎一 200207
我がために賛沢少し新茶買ふ 岡久枝 酸漿 200207
一日の終りひとりの新茶くむ 渡辺真奈美 200208
新茶の香添へて友への便りかな 中村ミヨ子 帆船 200208
新茶汲み気むづかしかる父なりき 大橋敦子 雨月 200208
退院の娘に封を切る新茶かな 片山喜久子 雨月 200208
新茶もて切り出す話やんわりと 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 200208
村報に新茶を添へて絆とす 佐藤香女 京鹿子 200209
夕映えの海が見たくて新茶汲む 関口幹雄 遠嶺 200209
乳はるや新茶嫩葉を噛みにける 中島陽華 200210
新茶くむ湯呑の由来語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 200304
新茶の旗脇本陣にひるがへり 品川鈴子 ぐろっけ 200305
小袋に香る見本の新茶かな 谷合青洋 酸漿 200306
新茶から大黒柱立ちにけり 山田六甲 六花 200307
しぼりきり仏と分つ新茶かな 神蔵器 風土 200307
憂きことのある日無き日の新茶かな 須賀敏子 あを 200307
茶殻をも食べよと新茶淹れ呉れし 高千夏子 200307
新茶汲み母の米寿を祝ひけり 大串章 百鳥 200307
愛用の急須温めて新茶かな 大串章 百鳥 200307
汲み分けて絞り切つたる新茶の香 森脇恵香 雲の峯 200307
新茶の色深し月日の速かりし 宇利和代 雲の峯 200307
眼の手術首尾よき母の新茶かな 吉田邦幸 遠嶺 200308
新茶賜ぶ包の中の一筆箋 高橋邦夫 風土 200308
黒楽の壺に新茶を溢れしむ 斉藤小夜 風土 200308
白無垢のハンカチの花新茶汲む 草野英子 対岸 200308
新茶汲むひとり住みには慣れぬまま 西村咲子 六花 200308
テレビ音消して静寂新茶汲む 馬場美智子 六花 200308
新茶 →2      

 

2021年5月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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