新豆腐 1     240句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
新豆腐詩集に添へて供へらる 川端和子 遠嶺 199811
山の木のやさしくなりぬ新豆腐 岡本眸 199902
掌に乗せて切りたる新豆腐 高橋将夫 199908
新豆腐グルメ雑誌に載りし店 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908
香りから買はれて行けり新豆腐 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908
手作りに列を成したる新豆腐 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908
新豆腐クリーム色の濃きを買ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908
水音のひびく一庵新豆腐 大和田鏡子 俳句通信 199910
一塊の水をはなさぬ新豆腐 藤村真理 199912
水音の包める宿や新豆腐 山田弘子 円虹 200001
ひとりづつ小鍋に嵯峨の新豆腐 渡邊松美 雨月 200001
山の味ふふむ茶店の新豆腐 稲畑汀子 ホトトギス 200008
つややかや水をくぐりて新豆腐 柳沢杏 酸漿 200011
新豆腐灯のともりそむ麓村 佐野美智 200011
鬼房と食ふ山国の新豆腐 菅原鬨也 200011
新豆腐雨の明るき讃岐にて 晏梛みや子 200012
山頭火の話などして新豆腐 清水明子 遠嶺 200012
新豆腐買ひに立寄る朽木村 高村梢子 火星 200101
阿夫利嶺に夕影さして新豆腐 杉本光祥 200101
日を追うて回復の子に新豆腐 大柳篤子 俳句通信 200111
新豆腐湖の山並藍深め 内田雅子 馬醉木 200112
紫蘇のせて新豆腐ふとむらさきに 稲岡長 ホトトギス 200112
師と友と銀座真中の新豆腐 宮澤さくら 遠嶺 200201
手酌して単身赴任新豆腐 安食守 200202
英彦に湧く水を誇りて新豆腐 桑田青虎 ホトトギス 200203
食べ終へて知る新豆腐なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200208
杉山にふはと昼月新豆腐 岩月優美子 200211
死に支度ひとつ済ませて新豆腐 平野隆志 銀化 200211
なめらかに言葉の続く新豆腐 浅井勝子 200211
満ち足れり堅豆腐てふ新豆腐 大塚邑紅 200211
豆の佳し水の佳しとて新豆腐 西村しげ子 雨月 200211
店を継ぐ子の同級生新豆腐 鈴木恭子 200211
卓袱台に大きな傷や新豆腐 塩谷康子 百鳥 200212
まじはりは淡きを好む新豆腐 川崎洋吉 遠嶺 200212
新豆腐軒深く陽の移り来る 島玲子 風土 200301
新豆腐山を歩いてみたくなり 大串章 百鳥 200310
豆腐好き土産は土地の新豆腐 赤座典子 あを 200310
新豆腐朝から雨の城下町 小澤克己 遠嶺 200310
湧水のゆたけき里の新豆腐 渡辺周子 雲の峰 200310
新豆腐ひとり使ひの醤油差 後藤志づ あをかき 200311
新豆腐時効となりし話かな 江坂衣代 百鳥 200311
新豆腐老いて子に従(つ)くいはれなし 神蔵器 風土 200311
新豆腐あくまで木綿通しきし 伊藤白潮 200311
夫も娘も買つて帰りし新豆腐 花島陽子 遠嶺 200312
一語づつ母の耳もと新豆腐 金子慶子 遠嶺 200401
新豆腐おつぎは芥子蓮根よ 高橋将夫 200401
生姜派も削り節派も新豆腐 鈴掛穂 200402
水底に日暮来てをり新豆腐 高橋さえ子 200403
新豆腐箸で崩してテロやまず 竹貫示虹 京鹿子 200409
庖丁の割つて入りぬ新豆腐 鷹羽狩行 200410
さいのめの花びらめきて新豆腐 鷹羽狩行 200410
七難をかくす白さの新豆腐 鷹羽狩行 200410
白山麓白峰村の新豆腐 鷹羽狩行 200410
新豆腐烏集まる店の裏 加藤みき 200411
北国の人の温もり新豆腐 伊藤以玖子 対岸 200411
落人村のややに堅くて新豆腐 林典子 雨月 200412
みすずかる信濃の白き新豆腐 後藤雅夫 百鳥 200412
みちのくの布目のしるき新豆腐 武井美代子 万象 200412
太平洋深層水の新豆腐 竹内弘子 あを 200501
生真面目は親ゆづりなり新豆腐 大槻球子 遠嶺 200501
ほどほどの距離に子の住む新豆腐 橋口礼子 河鹿 200501
臼残る店継ぎし子の新豆腐 川合まさお ぐろっけ 200501
地震長きかな半丁の新豆腐 原田達夫 虫合せ 200506
定型はかくありたけれ新豆腐 鷹羽狩行 200509
山国の水の甘さの新豆腐 岡本眸 200510
箸使ひ美しき人なり新豆腐 奥田茶々 風土 200511
新豆腐肝心なこと忘れがち 倉持梨恵 200511
豊かなる水の国かな新豆腐 柿沼盟子 風土 200511
土産にす忍野の水と新豆腐 林いづみ 風土 200511
新豆腐名水溢るるまま無人 清水公治 200512
藍遊ぶ唐子の小鉢新豆腐 和田森早苗 200512
山国の闇垂れてきし新豆腐 吉田島江 火星 200512
嵯峨野にて買ふ半丁の新豆腐 塩川滋也 築港 200512
新豆腐些細なことに角立てず 舩越美喜 京鹿子 200602
木綿よく絹はなほ好し新豆腐 丹生をだまき 京鹿子 200603
煎り卵新豆腐まぜてわが家の戦後 鈴木榮子 春燈 200611
納棺に一切づつの新豆腐 鈴木とおる 風土 200611
丸田町上る老舗の新豆腐 岩下芳子 200612
夕空に水の匂へる新豆腐 林いづみ 風土 200612
流水を四角に切って新豆腐 尾崎久子 ぐろっけ 200701
色も香もさみどり帯びて新豆腐 杉山瑞恵 雨月 200702
一水の軒先はしる新豆腐 伊藤奈津 200702
新豆腐おひとりさまに運ばれ来 伊藤白潮 200709
木綿よし絹もまたよし新豆腐 中村悦子 200710
禅刹の椀は大ぶり新豆腐 藤岡紫水 京鹿子 200711
復縁のはなし聞かさる新豆腐 中山皓雪 200711
一節や竹の器の新豆腐 神蔵器 風土 200711
語らひの輪へ新豆腐づくしかな 亀ケ谷照子 遠嶺 200712
名水の伏見にありて新豆腐 山本康 200712
微熱なる手の平に切る新豆腐 前川明子 200712
屋久杉の箸かろやかや新豆腐 田中藤穂 あを 200712
新豆腐暁より仕込む城下町 山田春生 万象 200801
寄り添うて二人で生きて新豆腐 生方ふよう 200801
深吉野の水より掬ふ新豆腐 井田幸子 雨月 200801
水嵩を少し押し上げ新豆腐 池上幸子 200801
四方の山より水来たり新豆腐 今瀬一博 200811
新しく水を満たして新豆腐 柳生千枝子 火星 200811
掌で賽の目に切る新豆腐 山岸邦 200811
包丁の切目清しや新豆腐 和田森早苗 200811
新豆腐短めに箸使ひけり 風間史子 200812
いと易き死あり布目の新豆腐 伊藤希眸 京鹿子 200812
のど落つる熱きあんかけ新豆腐 西山美枝子 酸漿 200901
ベネチアングラス新豆腐の玉座 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
新豆腐先づ白あへを供へけり 藤野寿子 あを柳 200910
舅好み苦汁(にがり)もめんの新豆腐 品川鈴子 ぐろっけ 200910
新豆腐ちちの拳のおほきかり 武藤嘉子 200911
門前に朝日染みゐる新豆腐 杉本綾 200911
新豆腐吉野杉箸香りけり 末吉治子 春燈 200911
保命酒の猪口は大ぶり新豆腐 末吉治子 春燈 200911
今日からは膳に供さる新豆腐 鎌倉喜久恵 あを 200911
御用達誇りの桶や新豆腐 上坂渥子 雨月 200912
遅しき店主の腕新豆腐 曷川克 遠嶺 200912
京の水しかと切りをり新豆腐 中島昌子 200912
水桶に天保の焼印新豆腐 上坂渥子 雨月 200912
新豆腐切る深爪うづきけり 加藤峰子 200912
山水の音もとぢ込め新豆腐 上坂渥子 雨月 200912
二拾丁限定守り新豆腐 上坂渥子 雨月 200912
一揆なる喬の里なる新豆腐 上坂渥子 雨月 200912
切るたびに角の生まれて新豆腐 阪野徹 201001
新豆腐食べて奥社をめざしけり 大西八洲雄 万象 201001
新豆腐にがりの量を母に聞く 大西八洲雄 万象 201001
もてなされたる星空と新豆腐 山田弘子 ホトトギス 201001
一病を経し晩年や新豆腐 外川玲子 風土 201001
郷愁の布目くっきり新豆腐 隅田享子 201002
つり銭の旅より雫新豆腐 峰幸子 201002
新豆腐一匙一匙の齢かな 亀井紀子 201002
新豆腐朝餉にいそと賽の目に 名取袿子 201002
湧水をふふみし後の新豆腐 森清尭 末黒野 201004
新豆腐鼻に抜けゆく香の至福 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
新豆腐とて改めて味はへば 稲畑汀子 ホトトギス 201008
新豆腐角が大事と沈むなり 千田敬 201010
新豆腐割算九九の言へる兄 高橋道子 201011
座りよき笠間の小鉢新豆腐 石原光徳 酸漿 201011
ミニツアー針江土産の新豆腐 小澤菜美 201011
角立たぬやうにもの言ふ新豆腐 秋葉雅治 201012
湧泉に掬ふ忍野の新豆腐 水原春郎 馬醉木 201012
貼り紙の字の筆太や新豆腐 倉科紫光 馬醉木 201012
ことさらに異変なき日々新豆腐 太田良一 末黒野 201101
新豆腐絹と木綿をこもごもに 根橋宏次 やぶれ傘 201101
名水の香り引き上ぐ新豆腐 相澤和子 ろんど 201101
半丁でこと足りにけり新豆腐 浅川幸代 末黒野 201101
ひと口は何もつけずに新豆腐 大石誠 201102
水鏡こはして掬ふ新豆腐 内藤三男 ぐろっけ 201102
新豆腐色濃き方を買ひにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
たかが豆腐されど神戸の新豆腐 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
新豆腐入りのドーナツ・ハンバーグ 蓮尾みどり ぐろっけ 201111
新豆腐自称美人も老いにけり 宮崎高根 201111
新豆腐の小さき商ひされど美味 増田一代 201111
離乳食進む児に良き新豆腐 片岡良子 雨月 201111
散策の嵯峨野に求む新豆腐 片岡良子 雨月 201111
齎され京の森嘉の新豆腐 本多正子 雨月 201111
京に来て路地のしづけさ新豆腐 杉本綾 201112
新豆腐は男前なり水ごころ 延広禎一 201112
新豆腐暮れて近づく男山 大山文子 火星 201201
木の匙にとろりと甘し新豆腐 岡淑子 雨月 201201
エコ暮し針江川端の新豆腐 山口キミコ 九十九島 201209
アルプスの水の甘さの新豆腐 堀田恵美子 雨月 201211
行商のラツパの過る新豆腐 松山潤子 京鹿子 201301
新豆腐旦過市場に生々と 深澤鱶 火星 201301
新豆腐ゆたりと富士の湧水に 安藤久美子 やぶれ傘 201302
掌に震へ止まざる新豆腐 祐宗千代子 雨月 201311
羊蹄山の湧水旨し新豆腐 粟倉昌子 201311
涌き水の忍野夕づく新豆腐 水原春郎 馬醉木 201311
エプロンの木綿きりりと新豆腐 和田森早苗 201311
新豆腐舌の喜ぶ滑らかさ 塩千恵子 201312
新豆腐水の光をこぼしたり 後藤桂子 万象 201312
水の秋掌の上で切る新豆腐 中山純子 万象 201312
水音の奥に水音新豆腐 武田巨子 春燈 201312
島裾に灯りつらなる新豆腐 戸栗末廣 201312
弘法の水に浸けおく新豆腐 山田春生 万象 201312
引売りのさやかに来る新豆腐 諸岡孝子 春燈 201312
朝風や手の平で切る新豆腐 近藤紀子 201312
新豆腐丹波の豆と聞けばなほ 笹倉さえみ 雨月 201402
冷たくも熱くてもよし新豆腐 山本無蓋 201402
プープーとラッパを吹いて新豆腐 大日向幸江 あを 201410
新豆腐より顔白し舞妓はん 山田六甲 六花 201411
新豆腐なれや雪花菜(おから)も自ずから 山田六甲 六花 201411
目で削りをればひよこへ新豆腐 山田六甲 六花 201411
今は澄む普賢岳の水や新豆腐 城台洋子 馬醉木 201412
大山の神水匂ふ新豆腐 都留百太郎 末黒野 201412
新豆腐梅ちゃんといふ友の在り 赤座典子 あを 201412
一言居士ばかりなりけり新豆腐 和田紀夫 201501
雲掴むやうに掬はれ新豆腐 秋葉雅治 201501
亡き人のぐんと遠のく新豆腐 佐藤山人 201501
新豆腐ちりとてちんと三味が鳴る 中島陽華 201502
亡霊にくわしき男新豆腐 中原幸子 船団 201505
嶺つゝむ霧の迅さや新豆腐 水原秋櫻子 馬醉木 201509
新豆腐苦さ一途さ瑞々し 中村三郎 京鹿子 201511
御嶽に沈む夕日や新豆腐 山田春生 万象 201511
虚子たかし泊めし御寺や新豆腐 上坂渥子 雨月 201511
切れさうな角の脆さや新豆腐 湯川雅 ホトトギス 201512
御神水を引きし竹樋新豆腐 錫木妙子 馬醉木 201512
滾滾と京の湧き水新豆腐 伊吹之博 京鹿子 201512
卯建上ぐる今宵の宿や新豆腐 長尾タイ 末黒野 201512
異国では心に沁みる新豆腐 伊吹之博 京鹿子 201601
新豆腐求めるための列曲る 遠山みち子 201601
峠茶屋割箸太し新豆腐 山田佳子 201601
履歴など無用の齢新豆腐 久保東海司 201603
箸入ててより新豆腐香り立つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
手作りの店に行列新豆腐 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
新豆腐 →2      

 

2021年8月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。