新 緑 6       218句

新緑やたへにも白き琴弾く像  山口青邨  歳時記(産調出版)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
Eメールとばさむ雨の新緑に 佐渡谷秀一 対座 201505
新緑の竜王城を並び見し 山田六甲 六花 201505
新緑の中新緑の深大寺 塩田杉郎 風土 201507
道迷ひても新緑の中にをり 塩田杉郎 風土 201507
新緑の山幾重なる毛利領 豊田都峰 京鹿子 201507
新緑を解かす水路に城あほぐ 豊田都峰 京鹿子 201507
新緑の朱の神殿を取り囲む 大橋晄 雨月 201507
邂逅や新緑の香の街をきて 熊岡俊子 雨月 201507
新緑のとりわけ眠く五時限目 定梶じょう あを 201507
新緑や舗道に跳ねる日照り雨 秋山信行 やぶれ傘 201508
新緑や林泉を縁どる石の数 岡田史女 末黒野 201508
新緑の匂ふ葉ずれや子牛立つ 門間としゑ 末黒野 201508
新緑のあはひに齢おそろしき 直江裕子 京鹿子 201508
新緑や国旗小ぶりの消防署 数長藤代 201508
新緑の香の噴きあがる大舞台 橋添やよひ 風土 201508
新緑の中来て帰るふたりかな 水井千鶴子 風土 201508
新緑に英気養ふ山泊り 辻田玲子 雨月 201508
新緑や天智の都かがやかせ 山田由利枝 雨月 201508
新緑や砕かれつづく武甲山 広瀬俊雄 万象 201508
新緑の押し寄せてくる朝の窓 榎本文代 万象 201508
スイッチバック新緑の大うねり 藤原照子 201509
新緑や会向柱を諸手押し 時田義勝 やぶれ傘 201509
新緑のさやぎや松の廊下跡 石黒興平 末黒野 201509
新緑の夢の膨らむ雑木山 赤岡茂子 春燈 201509
新緑や声よくとほる拡声器 林昭太郎 201510
新緑に牧野博士の精籠る 大久保白村 ホトトギス 201512
新緑に吸ひ込まれゆく主翼かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
一望の土佐新緑に膨らめる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
天守閣持ち上げてゐる新緑裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
新緑を統べて都庁は天を突く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
果てのなき蝦夷果てのなき新緑裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
新緑の起伏を縫うて着陸す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
新緑の七色といふ大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
新緑や雨の由布岳まのあたり 笹村政子 六花 201605
新緑や野辺に積まれし吉野杉 笹村政子 六花 201605
新緑の母の生まれし家染まる 笹村政子 六花 201605
新緑の梢濡らせる滝しぶき 佐津のぼる 六花 201605
新緑や撤軌進まぬひとところ 佐津のぼる 六花 201605
新緑の山裾父母の墓どころ 佐津のぼる 六花 201605
新緑の楠公さんを拝みけり 志方章子 六花 201605
新緑や瞑つむりて深呼吸 志方章子 六花 201605
新緑の中より鳥の涌きたちぬ 志方章子 六花 201605
新緑を被りて在す父母の墓 志方章子 六花 201605
新緑や等間隔に砂利の音 永田万年青 六花 201605
新緑の影を踏みつつ二人かな 永田万年青 六花 201605
新緑や葉先に玉の留まりぬ 永田万年青 六花 201605
新緑の杜を越えたる鳥一羽 永田万年青 六花 201605
新緑の縁側に子のじゃれあひぬ 出口誠 六花 201605
新緑の山から出づる金の汽車 出口誠 六花 201605
新緑の森の向うへ線路跡 出口誠 六花 201605
新緑に果ての隠るる大吊橋 升田ヤス子 六花 201605
新緑や裸石神社の陰光る 藤生不二男 六花 201605
新緑の風の中なる研師かな 藤生不二男 六花 201605
新緑や襤褸靴で登る鉄拐山 赤松赤彦 六花 201605
新緑の余呉を電車の過ぎゆけり 赤松赤彦 六花 201605
新緑を押し出してゐる五山かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 201606
「富士山」ナンバー新緑の唐松帯 藤原照子 201607
渓流は新緑の音奏でをり 楠原幹子 201607
新緑の札所巡りに心満つ 磯野しをり 雨月 201607
新緑の庭にて昼餉皿の音 久世孝雄 やぶれ傘 201608
新緑のなかに佇む無言館 広瀬済 やぶれ傘 201608
白き雨満つ一面の新緑に 高田令子 201608
新緑の影が光に囁けり 濱上こういち 201608
新緑へ一筋走る沈下橋 問島あきら 風土 201608
新緑に全身染まる車椅子 本間羊山 風土 201608
新緑に箭も若き声返す 上辻蒼人 風土 201608
新緑の空広闊に最な青 長崎桂子 あを 201608
新緑の北京PM2・5 秋川泉 あを 201608
新緑の垣にほひ立つ日の館 岡野里子 末黒野 201608
ノルデック新緑の香に足軽く 山本かつみ 末黒野 201608
新緑や鳥語溢るる雨後の森 橋場美篶 末黒野 201608
新緑や巣林一枝に身を委ね 小林清彦 末黒野 201608
新緑や名水を汲む人の列 飯田久美子 末黒野 201608
新緑の重なる昏さ水の音 松原三枝子 万象 201608
新緑の池をめぐりて深呼吸 永田万年青 六花 201608
新緑の濃淡湖に映えゆらぐ 東秋茄子 京鹿子 201608
新緑の山里に足湯老人会 東秋茄子 京鹿子 201608
新緑の山に迫りて相楽園 大橋晄 雨月 201608
一坪の庭の新緑競ひあひ 溝内健乃 雨月 201608
新緑より大仏姿見せ給ふ 手島伸子 雨月 201608
新緑に餌吸はれてしまひさう 櫛橋直子 雨月 201608
黒き富士新緑のうへ雲の上 中山皓雪 201609
新緑の社出でくるベビーカー 土井ゆう子 風土 201609
新緑を抜け来て風の香しき 恒川清爾 万象 201609
新緑やなじみの茶房満席に 菅野日出子 末黒野 201609
メタセコイアの新緑を風吹き抜くる 大橋晄 雨月 201609
新緑や少年の四肢発光す 直江裕子 京鹿子 201609
青空と新緑と新緑と風 伴明子 ホトトギス 201610
地震続く地にも新緑なる未来 石川多歌司 ホトトギス 201610
新緑の風より老いのやはらかき 直江裕子 京鹿子 201610
新緑のひかりの束や山毛欅の森 原田しずえ 万象 201611
新緑の色を深めて旅つづく 稲畑汀子 ホトトギス 201705
新緑の明るき朝の目覚めかな 稲畑汀子 ホトトギス 201705
俯瞰する新緑小さく並びけり 稲畑汀子 ホトトギス 201705
新緑に洗練さるる魚ともに 山田六甲 六花 201705
一掬に揺るる新緑五十鈴川 コ田千鶴子 馬醉木 201707
大さじ一杯新緑のカフェテラス 鈴鹿呂仁 京鹿子 201707
透きとほるまで新緑の深呼吸 鷺山珀眉 京鹿子 201707
新緑の彩に大仏殿の鴟尾 密門令子 雨月 201707
新緑や切株二人掛けにして 宮内とし子 201707
通勤の朝新緑を抜ける道 高田令子 201707
新緑の最も目立つ裏通り 森なほ子 あを 201707
新緑や厳めしい昭和のポスト 長崎桂子 あを 201707
新緑や写経奉納高野山 秋川泉 あを 201707
新緑の急坂五分水平線 石森理和 あを 201707
新緑の闇より生れし生命かな 江島照美 201708
新緑と括り称する色の幅 田村園子 201708
新緑の森は眼の前歩きたし 大坪景章 万象 201708
新緑や秩父の神へ婚の列 山口素基 万象 201708
新緑の路地にひと竿日章旗 田中道江 万象 201708
新緑の揉み合うてゐる風の午後 善野烺 六花 201708
新緑のあふるる東京愛しきや 諸戸せつ子 春燈 201708
新緑や開店前の立ち話 本西一代 201709
新緑の垣根猫語で呼びかける 山田くみこ 201709
新緑やモノレールより延々と 大橋晄 雨月 201708
半島の新緑十里抜けて海 浅井青二 雨月 201708
新緑を浴ぶる贅沢尊びぬ 大石喜美子 雨月 201708
新緑に攻められてゐる恍惚 直江裕子 京鹿子 201709
新緑の古墳園児の笑ひ声 中田禎子 201709
新緑に万葉の歌碑隠れをり 田中信行 201709
新緑の下のベンチに背広置き 白石正躬 やぶれ傘 201708
新緑に新緑を塗り重ねたる 三村純也 ホトトギス 201709
新緑の乙女稲荷や根津神社 小野弘正 末黒野 201709
新緑や稚児の尻の柔きこと 木澤惠司 201709
新緑の早くも色を深めゆく 大橋晄 雨月 201709
新緑に唐臼の音ゆるぎなし 永淵惠子 201709
太陽と新緑と友待つ大地 安原葉 ホトトギス 201710
新緑を行く純白の新夫婦 伊吹之博 京鹿子 201710
海望む新緑の道走り出す 太田利明 末黒野 201711
新緑や赤子ごくりと乳をほす 西村白杼 京鹿子 201801
新緑に存在深む父子句碑 落合由季女 雨月 201802
こんなにも心地よき旅新緑に 稲畑汀子 ホトトギス 201805
包まれてゆく新緑の大地の香 稲畑汀子 ホトトギス 201805
新緑の彩なせる光ゲ水琴窟 鈴鹿呂仁 京鹿子 201806
新緑や千本鳥居潜るたび 細川洋子 201806
新緑の中へ一日だけ家出 町山公孝 201806
新緑の山に溶けあふ風の音 溝渕弘志 六花 201807
新緑や城めくホテル塔を持つ 赤座典子 あを 201807
新緑や畝傍の山に裏の顔 上辻蒼人 風土 201808
新緑も孫の寝顔もまぶしけり 高橋将夫 201808
新緑や紫雲たなびく生駒山 庄司久美子 201808
畳なはる新緑の島かもめ舞ふ 石本秋翠 馬醉木 201808
新緑や青年父となりし朝 中村紀美子 春燈 201808
新緑へのみ込まれたる瓢鮎図 村田あを衣 京鹿子 201808
新緑を袋詰めして道の駅 井尻妙子 京鹿子 201808
透きとほるまで新緑のまんなかに 鷺山珀眉 京鹿子 201808
新緑や天空の城野面積 西村白杼 京鹿子 201808
新緑をゆくダイバーのごとくゆく 浅井青二 雨月 201808
新緑の伊豆の踊子往きし道 塩見英子 雨月 201808
新緑の燃ゆる藤村美術館 荻野周子 雨月 201808
新緑や天誅組の供養塔 野田光江 雨月 201808
新緑の山を深めて風わたる 黒滝志麻子 末黒野 201808
新緑や峠の茶屋の木のベンチ 太田良一 末黒野 201808
新緑や辿ぬる影の五智如来 尾崎千代一 末黒野 201808
新緑の光こぼるる道を行き 齋藤朋子 やぶれ傘 201808
新緑を競ふ沼杉曙杉 大橋晄 雨月 201809
新緑やまさかの時のノート書く 直江裕子 京鹿子 201809
新緑の奥へわたしに逢ひに行く 井上菜摘子 京鹿子 201809
新緑に新築二軒嬉嬉として 長崎桂子 あを 201808
新緑の木漏れ日揺るる陶の椅子 山田健太 風土 201811
新緑や鏡の中を抜ける風 石原孝人 京鹿子 201901
長谷寺や新緑こえて帆が走る 治部少輔 201902
新緑の風に包まれ吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 201904
闇下りて新緑の山一枚に 稲畑汀子 ホトトギス 201904
新緑の吉野の雨に宿りして 稲畑汀子 ホトトギス 201904
新緑の真つ只中や深大寺 大川暉美 末黒野 201904
新緑に姿勢正して年尾句碑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
水音に新緑揺れてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
新緑を輝かせたる蝦夷の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
一つ歳加へ新緑加へ蝦夷 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
この風が蝦夷の新緑仕上げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
新緑を抜け蒼天を目差す塔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
新緑の蝦夷の旅路を語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 201905
新緑の旅一と日雨一と日晴 稲畑汀子 ホトトギス 201905
新緑の風の誘ふ旅程かな 鈴木静恵 春燈 201907
新緑や命もらひし悦びを 石原節子 春燈 201907
新緑や無量の笑みの磨崖佛 藤岡紫水 京鹿子 201907
新緑の下で異なる刻過す 高木晶子 京鹿子 201907
新緑のふところにゐる権兵衛さん 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
新緑の御岳渓谷空深し 林紀夫 春燈 201908
新緑を弾きとばして登校す 平野加代子 春燈 201908
新緑に地下道口が塞がれり 出利葉孝 201908
新緑や修道院の窓高き 岩田洋子 201908
珈琲店出づ新緑の峡の音 田中臥石 末黒野 201908
新緑や水仕の妻の声徹る 田中臥石 末黒野 201908
新緑や操る櫂の湖光り 大内由紀 末黒野 201908
新緑や眉宇締め弓を引き絞る 青木朋子 201909
新緑の上を撫で行く鳶の影 谷口一献 六花 201908
新緑の淡路の近くなりにけり 谷口一献 六花 201908
新緑や昨日今日明日明後日も 谷口一献 六花 201908
新緑の木もれ日の下夫とゆく 水野恒彦 201909
新緑や人呑まれをり染まりをり 森清信子 末黒野 201909
新緑に包みこまれて露天風呂 山口登 末黒野 201909
新緑の古都へ三日の行脚かな 中内敏夫 201909
新緑の堰を越えたる山の音 良知悦郎 201909
新緑の古都へ三日の行脚かな 中内敏夫 201909
新緑の広場に空腹のキリン 小西雅子 船団 201910
新緑の候より令和はじまれる 山田閏子 ホトトギス 201910
新緑や煉瓦造りのワイナリー 森清信子 末黒野 201910
新緑や山並背の千枚田 森清信子 末黒野 201910
新緑や寝返り出来て子の一歩 三輪温子 雨月 201910
息とめて新緑に来る鳥ながむ 湯本正友 やぶれ傘 201911
新緑のこぞりて光奪ひ合ふ 湖東紀子 ホトトギス 201911
新緑の移ろひ刻む腕時計 佐藤千恵 京鹿子 202001
新緑を映すため池魚跳ぬる 谷口律子 末黒野 202004
新緑に目を休めたる家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 202005
新緑の北の旅路に癒やされて 稲畑汀子 ホトトギス 202005
新緑を眼下に統べて天守閣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
新緑 →7      

 

2021年5月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。