新米・今年米 2     178句

今年米親といふ字を拝みけり   一茶   一茶俳句全集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
届きけり新米の名のふさおとめ 伊藤白潮 200410
新米にふるさとの味ありにけり 小山漂葉 酸漿 200411
入れ足して子に新米を送りけり 小山漂葉 酸漿 200411
水災の越の国より今年米 横森みゆき 雲の峰 200411
小炊きして佛と分つ今年米 閑田梅月 馬醉木 200412
ひざまづく墨痕しるき今年米 中村恭子 200412
新米の蔵の戸重く閉しける 下平しづ子 雨月 200412
声高に新米の嵩比べあふ 浅川悦子 春耕 200412
死の知らせまず新米を粉に挽く 山崎祐子 万象 200501
新米を研ぐや災ひなき暮し 大曽根育代 遠嶺 200501
新米を食み難民の国思ふ 前田陽子 200501
新米や我に弥生の血の流る 石川英利 百鳥 200501
新米の感触愛づるたなごころ 西村しげ子 雨月 200501
今年米供へて水の神祀る 河本勇 築港 200501
幾度も嵐くぐりし今年米 松本恒子 ぐろっけ 200502
新米に搗きたての熱ありにけり 及川茂登子 対岸 200503
長兄の故郷新米噛みしめて 佐原正子 六花 200503
新米の香りのしたる五平餅 左高冨美 六花 200504
手首まで入れ新米のほの温し 伊藤白潮 200511
櫃満たす人のぬくみの今年米 柴田雪路 200511
真つ先に長子の担ぐ今年米 鈴掛穂 200511
新米の白さ一粒ごとの貌 鈴鹿仁 京鹿子 200511
新米は固めに炊けといふ佛 伊藤白潮 200512
女等の話題となれる今年米 永田あき 酸漿 200512
新米や一合のみの水加減 北島上已 酸漿 200512
生涯を鍬一筋に今年米 田中峰雪 雨月 200512
新米やおごれる口を拭ひえず 舩越美喜 京鹿子 200512
新米やよそへる妻に湯気高く 舩越美喜 京鹿子 200512
届きしをすぐに炊き上げ今年米 三橋早苗 ぐろっけ 200512
新米と金のシールが貼つてあり 竹山みや子 築港 200512
田の神に山盛りにして今年米 酒井美津 遠嶺 200601
イベントは新米の餅列長し 瀬尾幸代 200601
新米の新こそよけれホ句も亦 大橋麻沙子 雨月 200601
雨ついて大和新米御墓前に 綿谷美那 雨月 200601
新米のおにぎり匂ふ喪の厨 海野みち子 万象 200601
新米で満たす米櫃あす入院 大森慶子 母衣 200602
新米を入れ逗留の旅かばん 長束房子 遠嶺 200602
主婦の手に喜びを研ぐ今年米 板坂良子 馬醉木 200602
新米に青き匂ひの湯気たちし 苑実耶 200602
縁結ぶ神に供へて今年米 木場田秀俊 200603
新米に休む間のなき精米機 中島知恵子 雨月 200603
起き抜けに押す新米の受領印 伊藤白潮 200610
握りしめ噛みしめ新米の塩むすび 木村茂登子 あを 200610
新米の荷の添書に作柄も 伊藤白潮 200611
母の手のぬくみよ新米にぎりめし 林翔 200611
新米や塩にこだはる握り飯 向井芳子 春燈 200611
道産の新米人気高値なる 長尾和子 200611
新米のごはんに京の塩こんぶ 芝尚子 あを 200611
村いち番の新米送る鼓笛隊 佐藤哲 万象 200612
手送りに積む出港の今年米 遠藤真砂明 200612
弟の生きてゐし地の新米研ぐ 前川明子 200612
新米をとぐ白濁も尊しと 大橋晄 雨月 200612
新米を食べ哀楽忘じけり 大橋晄 雨月 200612
新しき身内新米届くなり 遠藤とも子 ぐろっけ 200612
有難しほんのり甘き今年米 赤座典子 あを 200612
新米を炊く日減食忘るる日 宮入河童 200701
おにぎりの歪よろしき今年米 瀬古紀子 200701
黒鯛ちぬの鰭添へて届きぬ今年米 見田英子 春燈 200701
齢ゆえの新米二斗によろめけり 佐藤山人 200701
新米に話すこと生れ夫婦たり 戸田和子 200701
神饌は根の付くままの今年米 松原智津子 万象 200701
一年食ぶ新米を積みこころ足る 岸本林立 雨月 200701
新米をゴルフの賞と夫戻る 指尾直子 雨月 200701
他に何もいらぬ新米塩むすび 宮入河童 200702
磨ぎ水のすぐ透きとほり今年米 あきの澪 200702
ネーミング競ひ並べり今年米 長屋璃子 火星 200703
法要の席に新米供へけり 高倉恵美子 200704
火の国の新米を掌に均らしけり 伊藤白潮 200709
今年米袋にぬくみ届きけり 鈴木阿久 200711
手際よく卵を割りて今年米 鈴木阿久 200711
水ゆたに炊く新米の正二合 伊藤白潮 200711
これやこの越の新米先づ眺む 林翔 200711
冥土では食へぬぞ新米握り飯 林翔 200711
新米の一番刈りや予後よかれ 内山花葉 200711
国東の新米と言ひはや届く 阿部ひろし 酸漿 200711
新米も一椀で足る齢かな 布川直幸 200712
新米といふも変はらぬ椀の盛り 布川直幸 200712
須彌壇にこぼれきらめく今年米 須藤トモ子 200712
新米やあのあれで分かる夕の卓 和田政子 200712
ふる里の天日干しなり今年米 塩千恵子 200712
ふつくらと名水で炊く今年米 塩千恵子 200712
古漬けを添へて味はふ今年米 中村悦子 200712
新米に夕餉の支度弾みけり 野瀬マツエ 200712
お見舞と新米担ぎ弟来る 高橋洋子 200712
帰農せし友の消息今年米 水原春郎 馬醉木 200712
新米の眩しき白をたなごころ 窪田粧子 馬醉木 200712
新米着くいぶりがつこの添へられて 塩出博久 風土 200712
新米の研ぎ汁母の木へ与ふ 風間史子 200712
新米の二合のほかは残りもの 辻直美 200712
銘無くも故地の新米尚びぬ 久保田雪枝 雨月 200712
艶と味心に沁みたる今年米 並木重助 酸漿 200712
新米を炊きひとり居の奢とす 久保田嘉郎 酸漿 200712
新米をお代り娘堂堂と 大空純子 ぐろっけ 200712
神前に新米俵積まれけり 谷合青洋 酸漿 200712
到来の新米を子に持たせけり 三入久子 酸漿 200712
新米のみな上向きに炊きあがる 矢嶋みつ江 遠嶺 200801
新米や親の懐抜け切れず 佐山苑子 遠嶺 200801
教へ子の新米を持ち立ち寄りぬ 大坂蛍火 200801
故郷の新米どかと式台に 廣瀬義一 雨月 200801
新米と十五穀米あそびけり 小堀寛 京鹿子 200801
新米と言うては粥の蓋を開け 加藤和子 万象 200801
新米やしやもじに粘り満ちゐたる 水谷ひさ江 六花 200801
新米炊く熟知の水の加減かな 和田絢子 春燈 200802
初沐浴新米パパの掌の中の 金井香ル 200804
新米が届く落ち葉も二、三枚 坪内稔典 稔典句集 200804
新米の窮まりし白にぎりめし 長崎桂子 あを 200112
新米の献納受ける大黒天 早崎泰江 あを 200112
新米の炊き上りけり穴あまた 宮崎左智子 200811
新米の日の丸弁当幕間に 品川鈴子 ぐろっけ 200811
師に供ふに新米蒼味帯ぶるかに 椿和枝 200811
粗食とは一汁一菜今年米 今瀬一博 200811
新米の来て息災を知る縁 齊藤實 200811
新米を炊く釜噴けりしばし待て 泉田秋硯 200812
一俵の新米届く少家族 竹内悦子 200812
新米の一俵が先づ米蔵に 駒井のぶ 200812
天恵に謝す新米の重さかな 山本孝夫 200812
一年分運び込まれし今年米 能勢栄子 200812
賞得しと文添へ届く今年米 大橋晄 雨月 200812
陰膳の三月を越えし今年米 堀志皋 火星 200812
新米と拘りの塩にぎり飯 田中浅子 200901
食欲の子へ新米のにぎり飯 杉本綾 200901
賑はひの音をこぼして今年米 前野狼騎 200901
今年米担ぎ妹夫婦来し 花島陽子 遠嶺 200901
新米の光と香り供へけり 塩野きみ 遠嶺 200901
神棚に新米の湯気匂ひ立つ 中塚照枝 200901
新米を洗ふ指先攫はれつ 鶴見遊太 200901
故郷の新米を手で掬ひけり 藤岡健夫 万象 200901
新米を得て赤飯を妻は炊く 高木智 京鹿子 200901
今年米どさりと庫裡に置かれけり 稲次登美子 雨月 200901
新米の香の豊かさの夕餉かな 前川千恵子 雨月 200901
ながらへよと新米どさと誕生日 高木典子 雨月 200901
今年米芋がゆにして南州忌 鈴木昌子 やぶれ傘 200901
遠くゐる母炊きくれし今年米 川口襄 遠嶺 200902
新米を担ぐ気骨や村育ち 宮崎見昭 遠嶺 200902
巻き寿しの冷めても光る今年米 藤本友治 遠嶺 200902
句読点なき母の文新米来 西村昌三 遠嶺 200902
顔写真入りの新米道の駅 中山皓雪 200902
新米の炊き上る香に腹鳴らす 清水幸治 200902
米櫃を干す新米の届く頃 後藤とみ子 ぐろっけ 200902
まだ青きものまじりゐし今年米 知伊吹文江 200903
新米の親子の授乳薄暑光 高尾豊子 火星 200908
新米と云はるるまでもなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200910
贈られし新米光る釜の中 西田史郎 200911
新米を呑み込むごとしコンバイン 藤本秀機 200911
郷寺に年貢新米届きたり 水谷洋子 十進法 200911
故郷の客に新米封を切る 羽生きよみ はらから 200911
一握の千五百粒今年米 高橋将夫 200911
新米の土間に積まれし祖父の家 池田光子 200911
男手で磨ぐ新米のひかりかな 遠藤真砂明 200911
望郷や掬つてこぼす今年米 藤原はる美 200911
新米や朱鷺舞ふ里のコシヒカリ 木村茂登子 あを 200911
町おこし新米を売る近江びと 竹内悦子 200912
紙袋にのし紙付けて今年米 中川すみ子 200912
新米と赤きラベルの宅急便 山本千里 200912
新米や何はさて措き塩むすび 中島昌子 200912
新米の噴くよ野沢菜ざくと切る 成宮紀代子 200912
名水で炊く新米の立ち上り 樋口英子 200912
鹿児島弁被り新米運ばるる 椿和枝 200912
新米で炊く退院の日の粥を 椿和枝 200912
燈明に映え新米の御仏飯 廣瀬義一 雨月 200912
新米を炊いて健やかなる朝 宮田香 201001
男の子生れ新米で搗く杵の音 吉田裕志 201001
切れ味のよろしき話今年米 中野京子 201001
ふるさとの新米噴かす誕生日 森ひろ 馬醉木 201001
新米は一粒づつに味覚かな 渡辺安酔 201001
新米の愛ひとすじに焚きあがる 池田光子 201001
越後より届く新米掌にぬくし 斉藤小夜 風土 201001
十年の技積む友の今年米 大橋晄 雨月 201001
故里の新米どかと敷台に 廣瀬義一 雨月 201001
新米や仏の飯の盛高に 中島伊智子 酸漿 201001
新米や何はともあれにぎり飯 長崎桂子 あを 201001
新米のご飯とハムの目玉焼 佐方敏明 ぐろっけ 201001
刈入れの写真添へられ今年米 八城洋子 末黒野 201002
今年米元気便りを乗せて着く 長谷川たかお ろんど 201002
新米の透きとほりたる重さかな 舩坂輝美子 万象 201002
稲の穂の添へて新米届きけり 工藤美和子 酸奬 201002
天井へ湯気を吹き上げ今年米 馬場由亀雄 201003
新米といふが馳走でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201010

新米・今年米→ 3

     

2021年10月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。