新 樹 8   140句

朝の虹ひとり仰げる新樹かな   石田波郷   鶴の眼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
旅予定つづいてほしき新樹晴 稲畑汀子 ホトトギス 201705
朱の御輿新樹煽りの風に発つ 松本鷹根 京鹿子 201707
緋襷や夜の新樹のくぐもれり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201707
キャンパスに残る武藏野新樹光 落合絹子 雨月 201707
生駒山のぐんぐん迫る新樹晴 奈辺慶子 雨月 201707
ひらがなの文のかがやき新樹光 柴崎英子 201707
神殿の千木の切つ先新樹光 大沢美智子 201707
新樹光身のすみずみに血のめぐり 吉田順子 201707
マーラーの「巨人」が揺らす新樹かな 成瀬櫻桃子 春燈 201707
明眸のひとり仰げる新樹かな 安立公彦 春燈 201707
瓦斯の焔の青くしづかに新樹の夜 林昭太郎 201708
新樹光窓辺に並ぶミシンかな 伊藤照枝 201708
婚の荷の積み上りたり新樹光 岡田史女 末黒野 201708
ラッパーが怒りぶつける新樹の夜 荒井千佐代 201707
老大樹の洞(うろ)の深さや新樹光 おーたえつこ 201709
夜の新樹ポップコーンの匂い邪魔 火箱ひろ 201709
新樹遠チ近チ砂丘とは思はれず 大橋晄 雨月 201708
庭先の縁に腰かけて新樹陰 佐藤淑子 雨月 201708
新樹光天の磐戸の開かれて 井尻妙子 京鹿子 201709
洗濯物一と日揺れゐる新樹かな 荒井千佐代 201709
尾長来て渡る新樹の枝と枝 本池美佐子 201709
大鳥居新樹の杜を抽んでる 茂呂昇平 201709
眼指に見ゆる決意や新樹光 清水節子 馬醉木 201709
今朝付きしけものの歯形椎新樹 佐藤喬風 末黒野 201709
歓声に脹らむ校舎新樹晴 隅田恵子 雨月 201709
美術館出でて眩き新樹かな 宮原悦子 雨月 201709
洗濯物一と日揺れゐる新樹かな 荒井千佐代 201709
記念樹と書かれ伸びゆく楡新樹 赤川誓城 ホトトギス 201711
酒樽積み新樹の山がご神体 河原敬子 201804
下り立ちて庭の新樹に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201805
何の木となく覆はれし庭新樹 稲畑汀子 ホトトギス 201805
今日は晴明日は又雨庭新樹 稲畑汀子 ホトトギス 201805
東京と小樽を結ぶ新樹晴 稲畑汀子 ホトトギス 201805
下り立ちて庭の新樹に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201805
何の木となく覆はれし庭新樹 稲畑汀子 ホトトギス 201805
今日は晴明日は又雨庭新樹 稲畑汀子 ホトトギス 201805
東京と小樽を結ぶ新樹晴 稲畑汀子 ホトトギス 201805
大手門より新樹の香攻め上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
錠剤を半分に割り新樹の夜 藤原照子 201807
狛犬に白狐の面輪新樹光 三代川玲子 春燈 201807
森しんと古代に続く新樹かな 近藤喜子 201808
新樹光モーツアルトのα波 藤田美耶子 201808
白砂の砂紋の流れ新樹光 鳥居三枝 馬醉木 201808
師に学ぶ生くる信(まこと)や新樹光 大文字孝一 春燈 201808
大磯や新樹燃え立つ比翼塚 渡辺若菜 春燈 201808
新樹光姿やさしき童子仏 山下健治 春燈 201808
口笛はピーターパンかも夜の新樹 山中志津子 京鹿子 201808
壇上で未来語る子新樹光 伊吹之博 京鹿子 201808
禅僧に賜ばる一服新樹光 大石よし子 雨月 201808
療養の窓に新樹の吹かれをり 岡井マスミ 末黒野 201808
絵タイルの舗道に射しぬ新樹光 大川暉美 末黒野 201808
新樹光いつよりか子等寡黙となり 安部和子 雨月 201809
思はざる訪問者待つ夜の新樹 竹内喜代子 雨月 201809
新樹光樟の精気に肖らな 森脇貞子 雨月 201809
老頭児の身を解しゆく新樹光 赤岡茂子 春燈 201809
百選の水の心音新樹光 鷺山珀眉 京鹿子 201810
さはさはと渡る新樹の風の中 黒川悦子 ホトトギス 201810
瀬の音へ続く小径の新樹かな 三羽永泊 201902
楡新樹蝦夷に蒼天引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
訪へば我も白樺新樹かな 稲畑汀子 ホトトギス 201905
若者の闊歩する街楡新樹 稲畑汀子 ホトトギス 201905
算盤の珠を弾きし新樹光 コ田千鶴子 馬醉木 201906
SLを火夫の降りくる新樹光 兼久ちわき 馬醉木 201907
山城も新樹も烟る鑑真忌 大上充子 馬醉木 201907
新樹照る令和の御代となりにけり 白井友梨 馬醉木 201907
平成の終の川辺や夜の新樹 石原節子 春燈 201907
橅新樹あをあを日ざし透いてをり 田所節子 201907
新樹光ご朱印を待つ長き列 玉仲里貞義 201907
新元号のあしたうるはし新樹光 川村欽子 雨月 201907
新元号のあしたうるはし新樹光 川村欽子 雨月 201907
孫曾孫つどひ新樹の園巡る 松本鷹根 京鹿子 201907
鼓笛の音新樹に響く野外能 藤岡紫水 京鹿子 201907
満席のオープンカフェ新樹光 林紀夫 春燈 201908
樽酒の樽に沁み込む新樹光 高橋将夫 201908
新樹光大河に乗つて流れをり 高橋将夫 201908
野も山もサラダにしたし新樹光 熊川暁子 201908
新樹光浴ぶるふた身の真珠婚 阿部さちよ 201908
弥陀三尊やすらぎ灯す新樹光 門伝史会 風土 201908
身の鬱のやうやう解けり夜の新樹 門間としゑ 末黒野 201908
新任の駐在来たり新樹光 門間としゑ 末黒野 201908
借景の新樹をかくす新家かな 岡井マスミ 末黒野 201908
はき慣れぬ靴の痛みよ新樹光 出口誠 六花 201908
新樹の夜グラスに注ぐブランデー 江見巌 六花 201908
ゆるやかなる蛇行の流れ新樹光 森清信子 末黒野 201909
古葉落つ音のしきりに新樹光 善野行 六花 201909
新樹光明日はあると教へらる 長崎桂子 あを 201909
靴職人の朝の体操新樹光 小坂恵美子 船団 201910
歩み出す北の大地の新樹道 安原葉 ホトトギス 201910
食卓は主婦の文机新樹光 森清信子 末黒野 201910
教会へ緩きスロープ新樹光 上月智子 末黒野 201910
語らひの木椅子明るし新樹光 田中嘉信 春燈 201912
獣めく新樹の森のうねりかな 河原敬子 201912
新樹ゆくきれいな水を浴びながら 佐藤喜孝 あを 202002
しんしんと効く湿布薬新樹の夜 林昭太郎 202006
造山の激しさ語る新樹光 田尻勝子 六花 202006
弟子は腰われは眼を病む新樹の夜 山田六甲 六花 202006
遠くより来られし人に新樹晴 稲畑汀子 ホトトギス 202006
地球てふ命の星や新樹光 高橋将夫 202007
夜の新樹雨の新樹の色となる 橋本順子 202007
コーヒーフロート一気に飲んで新樹光 谷口摩耶 202007
暮れぎはの一瞬眩し新樹光 浜崎喜美子 202007
新樹光バッハの好きな子に慣らふ 卯木堯子 春燈 202008
草木の逞しきかな新樹光 阿部さちよ 202008
母抛るボール追ふ子や新樹光 田中嘉信 春燈 202008
水浴の像の二の腕新樹光 森清信子 露の堂 202008
鼻歌のやうに羽音や新樹光 大内由紀 末黒野 202008
ヨーガの気天地分けて新樹光 渡部恭子 202009
終章の余韻さながら夜の新樹 本郷公子 京鹿子 202009
新樹光納まりきらぬ空のあり 岡本尚子 風土 202009
吾の心音かくや新樹に耳当てて 千田百里 202009
女学生の誇る脚線新樹光 森清信子 末黒野 202009
タクシー待つ街角や夜の新樹 菅野日出子 末黒野 202009
雨催ひあけぼの杉の新樹蔭 加藤静江 末黒野 202009
自分史のおもき手のひら夜の新樹 安田優歌 京鹿子 202010
藁人形打ちつけてある新樹かな 秋千晴 202010
授業待つ間を中庭の新樹光 善野行 六花 202010
夜の新樹祝ひ袋をポケットに 戸栗末廣 202112
通ひ禰宜みなで迎ふる新樹かな 吉田葎 202112
学生街抜ければ職場新樹晴 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
月日とはかういふものか新樹光 山田六甲 六花 202205
日比谷サローにあをきトゥクトゥク新樹光 篠田純子 あを 202207
またたかぬ星の大きく夜の新樹 枇杷木愛 202207
かろやかに続く師系や新樹光 岩永はるみ 春燈 202207
新樹光声よき主宰誕生す 金山雅江 春燈 202207
百齢の木霊を秘むる新樹かな 小山閑人 春燈 202207
神の住む山満々の新樹光 大文字孝一 春燈 202208
鳥の影新樹の中へ吸はれゆく 中村洋子 風土 202208
笙の音の洩れくる楽部新樹光 林いづみ 風土 202208
シャンパンの泡の金銀新樹の夜 辻美奈子 202208
水音の昇りくる谷新樹光 須賀ゆかり 202208
富士望む寺尾台地や新樹光 菅野日出子 末黒野 202208
鳥声に新樹膨らむ古刹かな 岡井マスミ 末黒野 202208
夜の新樹ゆらすワインの影零る 本郷公子 京鹿子 202208
大楠の一樹に万の新樹光 石原孝人 京鹿子 202209
目を据ゑて地酒味はふ新樹の夜 山田六甲 六花 202206
新樹の夜外湯めぐりの下駄の音 山田六甲 六花 202206
浜田さんは同級生を待つ新樹の夜 山田六甲 六花 202206
新樹の夜のぼさんの下駄道後坂 山田六甲 六花 202206
目の前を坊ちやん電車夜の新樹 山田六甲 六花 202206
湖めぐる貸自転車や新樹光 森清信子 末黒野 202209
新樹よりささやき程の葉擦かな 西住三惠子 202211
新樹→ 1

 

2023年5月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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